ワゴンRがちゃんと走らない

ワゴンR CT51S 平成9年式 K6Aエンジン。
エンジンが力不足で40キロ出るのがやっと、という電話あり。
早速引取。
このユーザーは生野区で困っておられました。
現場に到着、さてエンジンを掛けるとすんなりかかる。
空ふかしもOK、ユーザーも「いけるときはすんなり走る」という。
でもDレンジに入れるととたんにエンジンがガクガク・・・・
ちょっとアクセルあおってもちゃんと吹き上がらない。
で、Nレンジにもどすと正常。
さて、診断開始。
セオリー通り、まずはプラグコードを交換。
スズキ車の場合まずはここから(笑)
ちょっとガクガク度がましになったけど、本調子ではない。
プラグもきれいに焼けてるしなあ。
仕方ないから引き取って帰ることにし、代車をおいて走行開始。
けどまともに走りません。
アクセルを踏めば踏むほど失速するし、ゆっくりしか走れない。
しばらく道の端に止まって、作戦を練り返す、とりあえずもうちょっと広いところへと思って走ってみると、あれ?回復してる。
これは困った!
そうなんです、故障が直ってしまうと診断が大変なんです。
症状が出てくれないと悪いところが見つかりにくいし、修理が終わってもそれが正しかったのかどうか判断もできません。
とりあえず帰ってこれたので、本格的に診断開始。
・・・・・とはいうもののエンジン回ってるしちゃんと加速するし、コンピューターの自己診断も正常、入出力電圧もそれなりの数字。
仕方ないのでもう一度試運転をして、信号待ちの時にA/Cスイッチを入れたとたん、エンジン失速で、まともに走らなくなった。
A/Cスイッチ切っても症状は続いてる。
やった~早く帰ろう!!
急いで工場へ帰って、いろいろコンピューターの入出力を計ってみるものの、異常はない。
その時なにげにエンジン周りの配線を触ってみると、回ってエンジンがすとん、と止まった。
え?
もう一度エンジン掛けて、そのあたりを触ってみるとまたガクガクとエンジンが止まりそうになる。
このあたりのコネクターか配線が断線しかかってる~
ここから1時間半、あ~でもないこ~でもないと配線一本ずつ調べて、調べて、調べて、
やっと見つけたー!!!!
点火信号をコンピューターからデストリビューターへ導く配線でした。
たった一本切れかけて、エンジンの振動でつながったり切れたりしてたんでしょうね。
引取の時、無事工場まで生野区から止まらずに帰ってこれたのは奇跡に近いですねえ。
そのままだったら結局原因がつかめずユーザーにお車をいったんお返ししていたかもしれません。
これで自信を持って納車できます。


595-0063
大阪府泉大津市本町5-23
二葉モータース
ホームページはこちら


カテゴリー: 修理   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です