臨時休業のお知らせ

次の土曜日、3月25日(土)は臨時休業させて頂きます。
ご不便をおかけしますがご容赦願いします。
月曜日から平常営業させて頂きます。
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ニッサン ノート スイッチを押してもバックドアが開かない

日産ノート E11 平成18年式 走行7万㎞

車検で入庫ですが、車検に伴う整備はいたってオーソドックス。
問題はバックドア(リヤゲートとも言いますが)の開けるためのスイッチを押してもドアが開かなくて不便、と言う症状。このお車に限らず最近のお車はバックドアはスイッチで開ける,と言うのが多いですね。
でも壊れると不便なことになります。
こんな部分は物理的な開閉機構がいいのでは?と思うのは昔の人間でしょうか?

軽く診断を始めます。
全く動いてないのかと思うとそうではなく、バックドアにある集中ドアロックのボタンは効いてるので、その回路はOKです。

さてどこから責めるか・・・
何よりもまずドアを開けないといろんな箇所の点検もしにくい。
車内から内装を剥がしてエマージェンシーレバーで開けるという方法も考えましたが、普段愛用してる「G-scan」と言う診断機は、5枚ある各ドアのロック機構をチェックできるメニューがあるのでそれ使って開けられないかチャレンジすると「あっさり」開きました。
まずは一安心。

ということは信号がロック機構に伝わればその部分は大丈夫という診断も同時にクリアー出来ました。
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最初に目星を付けてたのはドアロック本体の故障だったのですが、そこは無事と言うことがわかったので、次に考えるのはスイッチそのもの。
配線図とにらめっこ
配線の色が略号なのです。覚えればかっこいいですがそこまでの容量はないので日本語に変換。
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現代の自動車の電気関係の診断はこの信号の入出力と、電圧がとても重要です
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思いっきり昔は色を漢字で書いてくれてたのにいつのころからかアルファベット、しかも略号。
略号で表すのは勘弁して欲しいです(笑)
この表を配線図の横に置いて配線をおいます。
これは日産車の略号です
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スイッチの動作を単体で確認してみるとなんとOK!
その上車から来てるはずの電圧も来てない。

断線や・・・・  (^_^;)ハハえらいこっちゃ・・・

目星を付けてたのはそこで不良が見つかれば作業量は簡単でいいのでお客さんへの請求もリーズナブルになるので一途の期待を掛けてましたが残念・・・そうなると事態は深刻。

スイッチは正常なのに動作しないということはどこかで信号が途絶えてると言うことを表します。

そうなるとその場所を探すためには最悪車の内装を全部取っ払っうぐらいの作業量に・・・・

日産車の場合は電装関係をつかさどるコンピューターはBCMといいます。
そこからスイッチに向かって電圧が出てるかを診断。
そして下流へコネクターごとに確認。

ありました~
ここでした。

バックドアと車体をつなぐ部分の防水カバーの中で切れてました。
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しかもどういうわけか4本断線
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確かに一番曲がったり延びたりする部分なので断線するのはわからんでもないですが4本断線とは。
そのあたりはメーカーも想定して作ってるとは思うのであまり耐久性がないと考えにくいです。

何か大きな力が加わったのかも?とは思いますが、いかんせんこのお車はワンオーナーではなく、いまのオーナーさん以前の事故歴や故障歴はわかりません。
一本一本引っ張りながら圧着スリーブでつないではテーピング。
これを繰り返して結局皮膜にヒビが入っていたもう一本、合計5本を接続。
他よりも太いアース線まで切れてるのは何とも解せないです
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というわけでノートのバックドアは無事スイッチひとつで開閉できるようになりました。

5ドアのお車に乗っててバックドアが開かないのはなにげに不便ですよね。
人の乗り降りはさておきやっぱり荷物は後ろにポイ、ですからね。

明快に断線が見えたので確証を得るには楽ちんでしたが中には「コネクターの中で接触不良」と言う見つけにくい強敵もおりますからいつまでたっても何台こなしても故障診断の最初は緊張しっぱなし。

パソコンで言うとCPUがフルにはたらいてマウスのマークが砂時計(今どきはくるくるマークか・・・)になってる状態になってしまいます。
とりあえず解決できてホッとした。

ネットで検索 ・見積 ・ 作業箇所相談後新規ご入庫のバモスです。

ホンダ バモス 平成12年式 走行130,000㎞
お車を一度見せて頂いてお見積を提示、それを基に検討して頂いて作業箇所を決定。
作業開始です。
作業内容の報告を兼ねての記事です。
バモスは後にエンジンが載ってますのでいつもとは逆向きにリフト進入
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床のカーペットを剥がしてやっとエンジンとご対面。
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お見積の時にエンジンのカムカバーからのオイル漏れを発見してました。
このままでは検査で指摘されるのとやはりオイル漏れは止めておいた方がいいので手当をご提案。
修理の許可を頂いたので作業します。
この部分のオイル漏れはバモスでは定番の修理箇所、と修理後ホンダが得意なご同業に聞きました(笑)
エンジン下部、前方から後方に向かって見ていくと
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垂れたオイルが冷却水ホースやらマフラー部分に掛かっています。
ホースはオイルでダメージを受けて溶けてしまいます。
マフラーの上に垂れるとまず発煙、最悪発火します。
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カムカバー(タペットカバーとも言う)を外してパッキン交換。
オイル焼けはしてますがオイル管理はそれなりにされていた模様でスラッジは堅く堆積してるわけでなく、ウエスでこするとすっきり取れる程度でしたね
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パッキンを交換完了しましたが、年式もそれなりでなおかつこのお車はしばらく沖縄にいたようです。
そのためこのあたりのお車よりは潮風による腐食が見受けられます。
冷却水の配管とかホース類も要注意でしょう。
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打ち合わせしたエンジンまわりの作業を終え、今度はブレーキまわりの整備。
後ブレーキのドラムがバモス特有の構造で組み立てられてますので外すのに一苦労。
ただでさえ工程が多いのにすんなり外れるはずの部分も錆に泣かされます。
錆を前提に設計してるのかと愚痴も出てしまいます。
設計した人にこのブレーキドラムを外して欲しい。
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次も自分が分解するために固着しないように錆止めなどしっかりと
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前ブレーキはローターの外周部分からサビが進行してきて、パッドの接触面積が減少。
これでは設計通りの制動力は得られませんので本来はローターの交換が望ましいでしょうけど、このあたりは車の年式とかのバランスとお客様の要望を踏まえて作業の妥協点に知恵を出します。
この妥協点を見つけ出すのも我々の大事なお仕事といえますね。
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できるだけ錆で発生した段差を修整。
なんとかします(笑)
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錆によって段差が出来たブレーキパッド側もなんとかします。
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これで少しは改善できました。
あとはブレーキフルードを入れ替えます
上から新油を補給しながらペダルで圧送、下から古いフルードを受けます。
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その他のおおよその作業を終えましたが、車検の基準に、フロントガラスと助手席ガラスには決められたもの以外貼り付けてはいけない、との基準がありますのでフロントガラスに吸盤で取り付けられていたナビゲーションの土台、それと両サイドに貼られていた小さなシールは外させてもらいました。
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これで晴れて車検に合格したバモス君はまたお客さんの足として活躍するためにオーナーさんの元へ帰っていきました。
K様この度は数ある自動車整備工場の中から当店を選んで頂きありがとうございました。
今後とも末長お付き合いの程よろしくお願いします。
我々のお仕事で、理想とする修理方法ではコストが掛かってしまい過ぎてお客さんの要望とずれが生じることがあります。
というよりもそういうお仕事の方がほとんどと言って過言でないでしょう。
車検にしても事故修理にしても、ほどほどに、と思われるお客さんがほとんどです。
その理想の修理とお客さんのご予算との折り合いを付けるのが自分の置かれた立場だと思って毎日いろんなご提案をしてます。
ご予算と要望がかけ離れすぎると不可能なことはありますし、余りに高額な部位が故障してしまってお客さんの悲しい顔を見ると、とても辛いものがあります。
可能な限り自分の知恵がみんなの笑顔に繋がればと日々精進してます。
相談は無料です。
ただ分解して故障診断しないといけない場合とかはありますからそのあたりは有料になるかもしれませんが、まあ取りあえず一度声を掛けてみてください。