ニッサンルネッサ エンジン不始動 原因はフューエルポンプでした

ニッサンルネッサ 平成10年式 約12万㎞
走行中にエンジンの力がなくなり、なんとか路肩には寄せたもののそのままエンジン掛からず・・
ということでJAFにレッカーされて入庫です。
現場が店の近くだったので取りあえず現場に行き、その場で出来る簡単な診断をしなければ、とお出かけ。
エンジンが走行中に失速するという手がかり判断するともうそれこそいろんな原因が頭の中に浮かんで収拾がつかなくなるぐらいです。
現場に行くまででも頭の中は、
あ~でもないこ~でもない。
あれがいけたらこっちから調べねば。
原因にたどり着けるか俺?、などなど。
運転してたら携帯電話をかけながらの運転より気がそっちに取られて高確率で事故りそうなので嫁に運転してもらう(笑)
現場で交通渋滞が起こってるので気を遣いながらなんとかもっと広いところへ車を動かす努力。
運転席に座ってキーをひねる、火花・燃料・圧縮 の3原則+充電を見極める。
スターターモーターは元気よく回るしなにかしら燃料が爆発してそうな音。
充電系統は合格、圧縮も合格、となると火花か燃料か・・・
なんとなく燃料に火がついてエンジンが掛かろうとしてるよな感じがするので火花も半パス(笑)
キーをオフにしてオンにした瞬間の燃料ポンプの音を聞く。
ポンプ回ってません!!
この時点でおおよその判断はついたので車の下に潜ってタンクを殴る、殴る、殴る。
するとエンジンかかったので取りあえず車移動。
あ~よかった。
でもその後すぐにエンジン停止。
取りあえずJAFを手配して工場へ搬入。
工場でルネッサのポンプの位置など調べる。
すると、ルネッサは、燃料ポンプ・スターターモーター・発電機 の故障事例が多いとの情報入手。
このお車は王道の痛み方を歩んでます(爆)
ポンプは昔の車らしくタンクをずらすのではなく室内からアクセスできます。
なんか懐かしい・・
但しルネッサの場合リヤシートを撤去してのアクセス。
一人では重かった~
外してるところは撮影不可でしたわ。
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というわけでタンク上部にアクセス成功
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このポンプがタンク内のガソリンに没して燃料送ってると思うとなんかすごい。
ガソリンが通過することで軸のベアリングを潤滑してると教えてもらった覚えが。
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ポンプを替えてキーをオン。
ジ~っと2秒間プレ回転OK!
予防整備という言葉があります。
故障の起こりそうなところを故障が起こってない時点であらかじめ先もって手当てする方法です。
数千円の部品やら出費で道端でのエンコがすくわれるならそりゃもう絶対手当てします。
しかし発電機やらその他もろもろの「基幹部品」は値が張りますからなかなか予算上先回りしにくいです。
なかにはそれを好むお客さんも居られるので相談の上喜んで作業させていただきますよ。
リスクをひとつなくせるとお客さんもうちのお店も「安心」できますからね。
「もうちょっと動いてね」、というオーナーの声に応えてルネッサはおうちへ帰って行きました。
しばらく活躍することでしょう。

ホンダステップワゴン RK5 車検整備

ホンダ ステップワゴンスパーダ 型式RK5 平成27年式 走行21200㎞
登録から3年目、つまりは初車検ですね。
車検整備内容の報告を兼ねてブログを更新させていただきました。
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受け入れ点検&お見積金額をご提示、内容を相談させていただき了承を得ましたので着工します。
まず気になったのはタイヤの空気の減り。
タイヤの空気は自然に減ります。
何もしなくても減ります。
知ってる方は知ってますが知らない人も増えてきました。
知ってる人でも半年で20%も減るということはなかなか驚かれます。
このステップワゴンもご多分に漏れずかなり空気圧の補充無く暮らしてきた模様。
空気圧が少ないまま走行を続けると危険というのもありますが何よりもタイヤが早く減りもったいないです。
前のタイヤが左、後ろのタイヤが右です。
ステップワゴンはFF車なので前のタイヤがよく減るのは構造上仕方ないですがこれはもったいない減り方。
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数値もこんな感じです
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タイヤの指定空気圧は国産車の場合たいてい運転席のドアを開けたところにシールが貼ってあります。
これを参考にマメに空気の補充をしましょう。
結果的にタイヤの寿命が延びて維持費が減り金儲けになります。
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入庫時のタイヤ&空気圧
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規定圧の調整したあとのタイヤ&空気圧
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普通車の場合最低でも半年に1回ぐらいは空気を足しましょう。
それとは別件で小さなビスを踏んでいましてパンクしてましたので修理
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車検とは関わりがあるようなないようなステップカバーと言われるスポイラーが外れていたので簡易的に取付修整しておきました。
一旦全部外して、取付用のクリップを付け直して元通りに車体へ。
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ブレーキフルードも3年使うとまっ茶色
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新油を補充しながら古いフルードを回収
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本来のブレーキフルードは透明ですよ~
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車検ごとに必ず交換しましょう。
でないとブレーキの油圧配管内に汚れが堆積したり水分が浸入してくるので錆びたりします。
そうなると将来ここでも余計な維持費が発生することになります。
エンジンオイル&オイルフィルター(オイルエレメント)の交換。
交換しないでかなりの距離を走っておられたようです。
エンジンオイルはエンジンの機械的な部分の潤滑が使命、みたいに言われていますがそれよりも「汚れを洗い流す」働きのほうが重要です。
交換しないでトラブルが発生するとお小遣い程度の出費では到底足りないトラブルになりますの定期的に交換しましょう。
このお車の使われ方、(チョイノリ多し)及び走行距離ならなら最低でも1年に1回ぐらいが適当かなと思います。(理想は半年に1回です)
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エアコンフィルターの交換
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エアコンガスの規定量補充。
エアコンガスは「重さ」で管理するのが正しい整備です。
重さを管理するためには「計り」が必要で「圧力メーター」では重さはわかりませんよね。
国産車はたいていボンネットの裏に規定量のシールが貼ってありますのでこれで管理します。
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エアコンガスもタイヤの空気圧と一緒で「何もしなくても自然に減ります」
ややこしいのは残ってる量を量るには圧力ではなく重さを量る必要があります。
重さを量るには全量を一旦回収して精密な計りで計測、そして足りない分だけ新しいガスを足して補充すると完全な管理が出来ます。
デンゲン社製 エコマックスJr
このマシンがそれを完全に、なおかつ自動的にやってくれますのでエアコンガスの管理は完璧ですよ。
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結果は規定量800グラムのところ、650グラム回収できましたので150グラムを補充して規定量に合わしました。
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あとはワイパーゴム、ウオッシャー液の補充、などなどでした。
あとリモコンキーの電池が消耗してたので交換。
新品は3.1ボルトぐらいで2.9ボルトを切ると効きが悪くなったり、昨今の自動車であれば親切に「リモコンキーの電池が足りない」と教えてくれたりします。
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車載バッテリーの体力テストもしましたが、寿命は半分以下です。
ですので4年目を目処に交換された方がいいでしょうね。
高石市からお越しのU様
ぜひオイル交換やバッテリーの交換、お車を使われてる上でのささやかな疑問などあれば電話でもメールでも結構ですので当店を知恵袋としてご利用ください。
この度は当店のご利用ありがとうございました!!

サンバーのタイロッドのロックナットの締め忘れ、お見積時に発見

サンバー KV3 平成9年式 距離101000㎞
車検の整備が必要な箇所を相談するべく事前に入庫していただき各部点検というかお見積作業
年式がそれなりのお車なので経年劣化による想定外の不良箇所も出てきそうなので念入りにあちらこちらに目を配ります。
想像してたのがタイロッドといわれるハンドルの操作を前輪に伝えるいわゆる「棒」なのですが、その端に関節部分を覆ってるゴムカバー(以下ブーツ)の破れ。
これは車検の基準に抵触するのでもし破れなどで破損してると車検が通らないので必ず修理が必要です。
破れたり劣化したりしてるのを修理するのはこんな手順です。
これはワゴンRですがまあ似たようなものです。
破れるところまでは痛んでませんがひび割れ多数のブーツ
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古いブーツを取り外して
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内部の汚れたグリスを拭き取り新しいグリスを充填
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そして新しいブーツを取付けて
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もとの状態に復元
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サンバーの場合はこんな形(画像はネットで借りました)
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ほとんど駄目だろうなと想像して点検してみたらなんとみんなきれいに交換されてます。
「劣化をしてるかなと思ってた部分はちゃんと他所で交換してもらったんですね?」
とユーザーに聞くと
「このあいだスタンドで”車検通らないから交換しないとえらいことになりますよ”とあれよあれよという間に交換されて数万円払った」
とのこと。
そのスタンドは私も利用してましてやたらとブーツの交換に凝ってる(?)スタンドで自分も点検を進められたことが有り、他のお客さんも数件「こんなこと言われて見積もりされた」とうちによってもらったこともあります。
油外収益を上げるためにがんばってるな~、こんな営業はうちも見習わないとな、と思ってました。
そんな流れで交換作業が終わってたのでひとつ整備箇所がクリアして良かったなあ、と一安心。
えっ?売上を奪われた?
なんて全然思いませんよ(笑)
お客さんに安全に自動車を走らせてもらうために業界全体でがんばらねば、と思ってますから。
それはさておきブーツが大丈夫なのは目で見てわかったのであとは「ガタ」がないかな?と点検。
すると関節にガタはないのに「棒」の部分が変な動き。
一瞬どこが動いてるか判断できずにしばらく動かし続けて、ハッっと・・・
ここやん・・・

交換作業のあとこのロックナットといわれるナットを締めてなくてそのまま走行したので少しネジ部分が減ってガサガサになってたんですね~
ここが外れたりするとハンドルが効かなくなり操縦不能になってしまいますのでとても重要な部分です。
大きな事故になる前に発見できて良かったですね。
自分としてもこういう部分の作業はとても慎重に、なおかつ丁寧・確実にすることを心がけてます。
そして新たな教訓を頂いた事案でした。
自分も気をつけよう・・・