ラパン K6A+CVTタイプのフルード交換

スズキ ラパン HE22S 平成22年式 走行115000㎞
ブログを見てご新規で来店されました。
エンジン始動時に助手席側でうねり音が聞こえるのでCVTフルードを交換したら少しは低減されるのでは、と言う期待と、中古車で購入されたのでご自分で維持管理を開始するに当たり消耗品をリセットしたいというご希望もあるとのことで着工です。
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このラパンはスズキがK6Aエンジン+CVTという組み合わせで短い期間で採用されていたレアなCVTミッションです。
スズキがオートマチックミッションから無段変速機に移行する過度期のお車です。
(いまはR06AエンジンとCVTの組み合わせが主流です)
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オイルパンの清掃もご希望だったので外して内部を清掃します。
このミッションはオイルパンが液体パッキン(液体ガスケット)で取り付けられているのでネジを外しただけでは分離せず、ガスケットを切り離したりショックを与えたりして外さないといけません。
なので専用のカッターを打ち込んで分離していきます。
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無事外れました。
液体式ガスケットはめんどくさ~い(笑)
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ストレーナーも外しました。
このタイプのCVTはこのストレーナーがどの車と共用されてるのか情報が入手できなかったので交換ではなく清掃して取り付けることにしました。
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液体パッキンを使った部品の修理の一大イベントは古いパッキンをどのようにして取り除くかにつきます。
時間も掛かりますし、中途半端な清掃では取り付けたあとに液体類が簡単に漏れてくるので【早く・きれいに】をモットーに作業しないといけないですね。
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清掃に仕方は整備士それぞれでみんなそれなりのやり方というを持っています。
自分はカッターやササッパーを使ってあらかた取り除いて真鍮製の回転ブラシを電動ドライバーに取り付けて取り除く方法をやってます。
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まあこれくらいにいといたろ(笑)
と言う段階。
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清掃ができたら新たに液体ガスケット(液体パッキン)を塗って元に戻していくのですが、塗るのも一定な幅できれいに塗らないと漏れの原因になります。
指でひたひたと塗る整備士さんも居られますが自分はメーカーが塗るように一本の線で塗りたいのでチューブ式ではなくエアゾール式のものを使ってます。
塗ってるところとミッションに取り付けるところを動画にしました。
塗るときの緊張しますが一番緊張するのは取付の時ですね。
他の部位に触れないように慎重に押しつけてボルトを付けていきます。

使ってるエアゾール式の液体パッキンはこれです

 

割と均一に濡れてはみ出し量が一定な仕上がりに自己満足(笑)
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オイルパンの取付が終わったらパッキンが乾くまでしばらく放置します。
一定の時間をおいてパッキンが乾燥したらトルコン太郎を接続します。
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最初に抜けたCVTフルードの分を補充してから交換スタート。
1回目を圧送交換したあとでもまだまだ鉄粉なり摩耗粉がフルード内を泳いでいるので2回目まで施工しました。
その様子は以下の動画でどうぞ。

2回目の圧送交換が終わった後、右側のクリーナーモニターが透き通ってるのが見えると思います。
左側が新油です。
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あとはトルコン太郎を切り離し、CVTフルードの量を規定値に合わして作業完了。
試運転しましたが変速がなめらかになったのは肌で感じました。
聞こえる音がミッション固有のもなのか経年劣化によるものかは判断つきませんでしたが、「故障」した時の音ではないように聞こえたのでしばらく乗ってもらうしました。
あとはユーザーさんが期待するうなり音の低減が達成できればOKですね。
この度は当店のご利用ありがとうございました。