臨時休業

今度の土曜日 5月29日 は臨時休業です。
勝手を申しますがよろしくお願いします。
6月1日月曜日より平常通り営業します。

ワゴンRがちゃんと走らない

ワゴンR CT51S 平成9年式 K6Aエンジン。
エンジンが力不足で40キロ出るのがやっと、という電話あり。
早速引取。
このユーザーは生野区で困っておられました。
現場に到着、さてエンジンを掛けるとすんなりかかる。
空ふかしもOK、ユーザーも「いけるときはすんなり走る」という。
でもDレンジに入れるととたんにエンジンがガクガク・・・・
ちょっとアクセルあおってもちゃんと吹き上がらない。
で、Nレンジにもどすと正常。
さて、診断開始。
セオリー通り、まずはプラグコードを交換。
スズキ車の場合まずはここから(笑)
ちょっとガクガク度がましになったけど、本調子ではない。
プラグもきれいに焼けてるしなあ。
仕方ないから引き取って帰ることにし、代車をおいて走行開始。
けどまともに走りません。
アクセルを踏めば踏むほど失速するし、ゆっくりしか走れない。
しばらく道の端に止まって、作戦を練り返す、とりあえずもうちょっと広いところへと思って走ってみると、あれ?回復してる。
これは困った!
そうなんです、故障が直ってしまうと診断が大変なんです。
症状が出てくれないと悪いところが見つかりにくいし、修理が終わってもそれが正しかったのかどうか判断もできません。
とりあえず帰ってこれたので、本格的に診断開始。
・・・・・とはいうもののエンジン回ってるしちゃんと加速するし、コンピューターの自己診断も正常、入出力電圧もそれなりの数字。
仕方ないのでもう一度試運転をして、信号待ちの時にA/Cスイッチを入れたとたん、エンジン失速で、まともに走らなくなった。
A/Cスイッチ切っても症状は続いてる。
やった~早く帰ろう!!
急いで工場へ帰って、いろいろコンピューターの入出力を計ってみるものの、異常はない。
その時なにげにエンジン周りの配線を触ってみると、回ってエンジンがすとん、と止まった。
え?
もう一度エンジン掛けて、そのあたりを触ってみるとまたガクガクとエンジンが止まりそうになる。
このあたりのコネクターか配線が断線しかかってる~
ここから1時間半、あ~でもないこ~でもないと配線一本ずつ調べて、調べて、調べて、
やっと見つけたー!!!!
点火信号をコンピューターからデストリビューターへ導く配線でした。
たった一本切れかけて、エンジンの振動でつながったり切れたりしてたんでしょうね。
引取の時、無事工場まで生野区から止まらずに帰ってこれたのは奇跡に近いですねえ。
そのままだったら結局原因がつかめずユーザーにお車をいったんお返ししていたかもしれません。
これで自信を持って納車できます。

軽自動車には軽油

慌てず落ち着いて読んでください。
下の記事は以前本当にニュースサイトに掲載されたまじめな記事です。
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ホンダは、「乗用車に負けない機能」を売り物にした、新型の軽自動車
「ゼスト」を発表しました。(中略)
ホンダでは、こうした「乗用車に負けない機能」を全面に打ち出し、
月間5000台の販売を目標としています。
軽自動車は、ガソリンに比べ税金の安い軽油を利用することや、乗用車に引けをとらない性能の向上で人気が高まっています。
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すごいでしょ。
この記事書いた記者はきっと車を持ってないのでしょうね。
記者も若くなって車離れ世代が新聞記事を書くのでしょう。
セルフスタンドで間違って給油する人が本当におるというのですから、笑い話では済まないんです。
「おまえこんな事も知らないのか?」
は、いまや会社では禁止言葉になってるんですよ。
言うだけ無駄で、言った方も言われた方も虚しさだけが残るんですって。
原付には原油を、ハイブリッド車にはハイオクを、ってまじめに信じてる人がいるかもしれないんですから。

エスティマ エンジンチェックランプ点灯

エスティマ ACR30W 平成12年式 エンジンチェックランプ点灯で入庫。
さてさて診断開始。
自動車屋さんをやってると、故障の原因を探ってる間だが一番楽しく、また自分でもそれに入り込んで夢中になってます。
風呂入ってても、場合によっては車を運転中も可能性を考え、一つ一つ原因を絞り込んでいくのです。
以前にも書きましたが、故障探求は「消去法」。
全ての要素から、これではない、と消していき、可能性を絞りきったところで修理なり交換なりの判断をします。
今回は久々に最後の最後まで迷い、最後の2点の絞り込みに2日かかってしまいました。
ほとんどの故障は最後の2カ所の可能性で悩むことが多いんですよ。
よくある爆弾処理の赤の線か?青の線か?ですよね。
エンジンチェックランプが点くと言うことは、コンピューターが故障箇所を覚えてます。
専用テスターで取り出すとコードは「P0171」
何のことかと言いますと、エンジンが要求するガソリン量に対して噴射される量が少なすぎの時間が長い、とのこと。
なぜ少ないと判断するのかを調べていくわけで、大まかに考えると監視側が悪いのか、作業側が悪いのか、です。
エンジンは運転状況を判断し、ガソリンの量を決め、決められたガソリン量が適切で、排気ガスが汚くならないように回ってるあいだずっと監視しながら微調整をしています。
その監視する側が壊れてて間違った報告をしてるか、本来ガソリンの量を量ってる部分が壊れてて決められた量より少ない状態になってるかをみつけなければなりません。
まあこの手順は省略(笑)
結果的にはエンジンが吸ってる空気の量を計るセンサー(エアフローセンサーといいます)が、間違った報告をしてたため、コンピューターはその報告に基づいてガソリン量を計算し、ガソリンを噴射する部門に指示を出したのですが、その量が間違っていたわけです。
その結果ガソリンが足りなくなって、排気ガス監視側のセンサーは「足りないからもっと増やしていいよ」と言い続けていたのが原因でした。
ある一定時間「増やせ」を連呼されるとコンピューターは.「これはおかしいな、どこか故障してる」と運転者に知らせるために警告灯を点灯させたのが今回の故障の顛末でした。
原因がわかれば全て一つの線でつながり、あらゆる現象が全てつじつまが合います。
きれいに解決できた故障診断はとても気持ちがいいですし、自動車屋さんやってて良かったな、と思う一瞬です。
心が痛いのが、そうやって判断した結果、修理代が高額になり実際の作業ができない場合です。
お客さんも悲しそうですし、車の復活という期待にこたえられない自分たちも悲しい一瞬でもあります・・・・・

お休み終わりました

というわけで、暦通りのお休みはおわりました。
このお休み期間中もお客さんには大きな事故もなくよかったよかった・・・・・・