エスティマ ACR30W 平成12年式 エンジンチェックランプ点灯で入庫。
さてさて診断開始。
自動車屋さんをやってると、故障の原因を探ってる間だが一番楽しく、また自分でもそれに入り込んで夢中になってます。
風呂入ってても、場合によっては車を運転中も可能性を考え、一つ一つ原因を絞り込んでいくのです。
以前にも書きましたが、故障探求は「消去法」。
全ての要素から、これではない、と消していき、可能性を絞りきったところで修理なり交換なりの判断をします。
今回は久々に最後の最後まで迷い、最後の2点の絞り込みに2日かかってしまいました。
ほとんどの故障は最後の2カ所の可能性で悩むことが多いんですよ。
よくある爆弾処理の赤の線か?青の線か?ですよね。
エンジンチェックランプが点くと言うことは、コンピューターが故障箇所を覚えてます。
専用テスターで取り出すとコードは「P0171」
何のことかと言いますと、エンジンが要求するガソリン量に対して噴射される量が少なすぎの時間が長い、とのこと。
なぜ少ないと判断するのかを調べていくわけで、大まかに考えると監視側が悪いのか、作業側が悪いのか、です。
エンジンは運転状況を判断し、ガソリンの量を決め、決められたガソリン量が適切で、排気ガスが汚くならないように回ってるあいだずっと監視しながら微調整をしています。
その監視する側が壊れてて間違った報告をしてるか、本来ガソリンの量を量ってる部分が壊れてて決められた量より少ない状態になってるかをみつけなければなりません。
まあこの手順は省略(笑)
結果的にはエンジンが吸ってる空気の量を計るセンサー(エアフローセンサーといいます)が、間違った報告をしてたため、コンピューターはその報告に基づいてガソリン量を計算し、ガソリンを噴射する部門に指示を出したのですが、その量が間違っていたわけです。
その結果ガソリンが足りなくなって、排気ガス監視側のセンサーは「足りないからもっと増やしていいよ」と言い続けていたのが原因でした。
ある一定時間「増やせ」を連呼されるとコンピューターは.「これはおかしいな、どこか故障してる」と運転者に知らせるために警告灯を点灯させたのが今回の故障の顛末でした。
原因がわかれば全て一つの線でつながり、あらゆる現象が全てつじつまが合います。
きれいに解決できた故障診断はとても気持ちがいいですし、自動車屋さんやってて良かったな、と思う一瞬です。
心が痛いのが、そうやって判断した結果、修理代が高額になり実際の作業ができない場合です。
お客さんも悲しそうですし、車の復活という期待にこたえられない自分たちも悲しい一瞬でもあります・・・・・