ワゴンR コンプレッサーが早く切れてエアコンが効きにくい

当ブログのアクセスログを見たりしますとこの季節は「エアコンが効かない」みたいなキーワードでご訪問頂くことが増えます。
涼しい間は気付かずに、気温が25度あたりになってくると
「A/C」ボタンを押してみる→効かない→インターネットで調べる、
と言うことになるんでしょうね。
ほとんどのエアコン修理の場合、「エアコンが効かない」の故障。
つまりは、全く働いていない、と言う場合がほとんど。
電気系、ガス配管系、機械系、と原因は多義に渡りますがまさにオンオフの故障が多いです。
それらは原因を突き止めて修理すればまた元通りになりますので方法は見つかりやすいです。
難しいのは動いてるけど調子悪い、と言うケース。
エアコンの場合これが結構あります。
効いてるけどパンチがない
朝晩は冷えるけど日中効かない
炎天下で効かない
など「能力不足」というのが診断にも時間が掛かるんです。

このワゴンR MC22S 平成15年 走行10万キロ。
まさにそんな症状。
効いてることは効いてるけどなんかぬるい・・・
というわけで診断。
エアコンガス圧、電気系、エアコンフィルターのつまり、などなど調べてとりあえずOK。
全体的な感覚を考えると
「冷えてないうちにサーモスタットが効いてコンプレッサーが止まる」
という感じ。
となると冷えた空気を計測してる温度センサーが怪しいと言うことで点検。
温度センサーは気温を電圧に変換してコントロールアンプに送る働きをしています。
その電圧を計測。
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ss-P1080398.jpg
ここにある温度センサーの接続コネクターにテスターを差し込んで電圧を測定。
だいたい2.4ボルトあたりでコンプレッサーが切れる。
吹き出し温度は14度くらい。
できれば10度くらいまで踏ん張って欲しいなあ、などと思ってしばらく電圧と吹き出し温度を見てると、明らかにさっきよりは冷えてる。
あれ?、よく冷えてるよな?なんで?
と思ったときに以前他の自動車修理屋さんのブログの記事を思い出しました。
スズキだけでなくそこそこの年式の車の温度センサーは経年劣化で特性がずれてくるので抵抗値を変えてやれば補正できるという記事です。
ひょっとしてテスターが補正する働きをしてるのか?
と気付いて、テスターの抵抗値を他のテスターで測ってみました。
すると10KΩ。
その記事も10~15KΩの抵抗を差し替えて調整してました。
これや!!、と思い抵抗を入手。
昔は日本橋のでんでんタウンに一本ずつ購入に行きましたが、抵抗一本で電車やガソリン代はもったいない。
今はやっぱり通販やで、と購入。
買いました600本セット!!(笑)
ss-P1080393.jpg
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20本ずつ30種類。
でもこれで2000円。
一本買いに行く経費と一緒でした・・・
その中から吹き出し口の温度を見ながら適当な抵抗を探します。
ss-P1080395.jpg
コネクターにさして試運転。
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ss-P1080399.jpg
吹き出し温度は12度まで下がってもコンプレッサーは切れません。
今のところ12KΩを使っています。
ss-P1080401.jpg
偶然テスターが疑似抵抗になったことと、思い出した記事とで冷えが戻ってきました。
もう少し気温が上がってきたら再度抵抗の差し替えにチャレンジして適正値を極めたいと思います。

 

<追記>

結局このワゴンRの本来の故障原因は配管のつまりでした。

こちらの記事へどうぞ ↓ ↓ ↓


リキッドタンクが壊れた

その乾燥剤が来てはいけない配管の中に見えてます。 (゜◇゜)ガーン・・・・ ということは・・・


また他のワゴンRでは電磁クラッチが原因でコンプレッサーが切れてエアコンが効かないケースもありましたその記事はこちら ↓ ↓


しばらくアイドリングしたらコンプレッサーが切れてエアコンが効かなくなる

ワゴンR MH23S 平成21年 距離9万 車検で入庫ですが、気になるところはないですか? との問診に 10分ほどエアコンかけたまま停車してたら冷気がなくなりぬるくなってくる とのお申し出。


※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。
こちらへどうぞ

595-0063
大阪府泉大津市本町5-23
二葉モータース
TEL 0725-32-1741
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カテゴリー: 修理   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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