トルコン太郎 ミライース圧送交換フルコース&車検作業

ダイハツ ミライース LA350S 平成30年式 距離62000㎞
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初めての車検整備で入庫。初めてとはいえ既に6万㎞オーバー。
なかなかよく働いてるお車ですね。
リース車上がりの中古車を購入されたみたいでオーナーさん自身はこのうち22000㎞ほど乗っておられます。
おおよその消耗品は普段から懇意にしてるガソリンスタンドにていろいろ手入れされてるようなので大きく痛んでるような部位はありません。
タイヤも少し前に交換してるし、ワイパーゴムなども1年ごとに交換。
車体も常に洗車されているようできれいなもんです。
肝心なところは診といてね、というご用命。
なにかしら役割分担をわかっていらっしゃるので張り切って作業開始。
ブレーキ廻り
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前のブレーキパッドは残り6㎜
今後の走り方で次の鮭までもつかどうか微妙なところ。
オーナーさんにはちゃんと説明しておきました。
できれば1年後ぐらいに再点検させてくださいね~、と。
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ブレーキフルード。これは定番。
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既にベルトが鳴いてたので交換。
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このミライースはエアコンベルトが調整機構がないストレッチベルトを使っていますので取り外し・取付には専用の工具が必要。
単純の外すだけなら切断もOK。
でも取り付けるときはやっぱり工具があった方が確実きれいに作業できますね。
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普段の車検整備的な消耗品はだいたいこれでOK。
あとはCVTフルードの交換。
ダイハツをはじめスズキなどのCVT車は5万㎞での交換がメーカーからも指定されています。
こないだ作業したトヨタのルーミーもトヨタは無交換指示ですが実際車作ってるダイハツのトールは5万㎞指定されてます。
なにかしら矛盾を感じます・・・
メーカーからは「CVTフルードを交換」という指示だけなのでエンジンオイルのようにフルードを抜いて、新しいフルードを入れるというやり方でも良いのでしょうが、まだまだ走るであろうこのお車の場合長持ち優先なのでフルコースで全量交換することにしました。
そのための準備品は事前に用意してました。
オイルパンガスケット・オイルストレーナー&Oリング・ドレンボルトガスケット。
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まずは普通にオイルパンからフルードを抜きます。
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どれだけ抜けたかが後々の作業に必要なので量のわかる「はかりマス」で受けます。
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フルードが抜けたらオイルパンを取り外します。
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オイルパンのそこには削れた鉄粉などを吸着するための磁石が設置されています。
ご覧の通り「良い仕事」してますね~
ちゃんと吸着してます。
これがあまりにも多くなると吸着できなくなるのでこの状態を見ると全てのお車のオイルパンを外したくなります(笑)
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そしてオイルパン&磁石をパーツクリーナーで洗浄して元に戻します。
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戻す前にはストレーナー(フルードフィルター)もせっかくここまで作業してるので新品に。
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オイルパンを組み付けたらフルードを圧送交換するためのトルコン太郎を接続します。
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ミライースはエンジンの後ろにフルードクーラー(ウォーマー)があってそこの配管にトルコン太郎を割り込ませることが出来ます。
こういう冷却ラインが露出してないお車は別途接続方法を考えないといけないのですが・・
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古いフルードを抜きながら新しいフルードを入れて完全に入れ換えることが出来るマシンです。
その様子を動画にしてYoutubeにアップしてありますのでどうぞ。
4分ほどありますから飛ばし見でもしてください。
右側のガラスモニターに古いフルードが回収され頃合いを見計らって左の新しいフルードが送り込まれていき、全てのフルードを完全に入れ換えることができます。

そして入れ換えたあと不純物をしっかりトルコン太郎のフィルターで濾しとるために30分ほど車とトルコン太郎の間で循環させます。
横から見てる人は「人工透析か?」と。
そう言われてみればそう見えるな、今度から使わせてもらうわ
φ(..)メモメモ
と一人納得(笑)

ミライースはすっかりリフレッシュされてオーナーさんの元へ。
通勤がとても車ではないと行けないところに通っておられるのでがんばって走ってもらわないといけないお車なのでスタンドさんもしっかり消耗品手当てしてあげてくださいね。
手からあふれたお仕事はうちが引き受けます!

レガシイ BH5 メーター照明が光らない

スバルレガシィ BH5 平成13年式 走行約165000キロ
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12ヶ月点検でご入庫ですが、メーターが光らない、という症状も診といてということです。
点検そのものは普段から当店でお手入れされてるお車なので消耗品交換サイクルなど把握できていますから交換時期が来てる消耗品を手当てしてサクッと完了。
さてそれからメーターの診断。
光らないとの事でしたが、改めてよ~く見てみるとメインの部分はさっぱり光ってませんがところどころの照明がぼんやりと光ってたりします。
だいたいこういう普段光らないところが光るとか、ぼんやり光るという症状は「アース不良」が多いのでは?と経験則が働きます。
全てのケースが当てはまるわけでもないですが仮説に基づいて診断を進めます。
年式から推測するとまだまだ完全な電子制御をされてるメーターでもないのでプリント基板の半田付部分の割れなどが考えられるのでメーターを分解。
経験の無い車両なのでどういう風にメーターを外して、外したメーターを分解するかというストーリーに正直ビビります。
ネットからの情報やら整備要領書など調べてあとは勇気あるのみ。
最初の作業、は毎回ながらほんと消耗戦です。
まずは車輛からメーター摘出に成功
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単体となったメーターの分解に着手。

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事務所の机の上がえらいことに・・・
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ドキドキしながら分解を続けますが、「メーターの針」の部分の取り外し方がわからずに冷や汗かきながらなんとか基板単体に。
どっと疲れた。
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おおよそ怪しいのは車輛側からメーターに入出力するコネクターの部分の半田づけ部分。
このお車は少し前にメーター基板のリコールで防水樹脂をこの部分に塗ってます。
少し他の部分より茶色いです。
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もう1箇所の入出力コネクター部分
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よくよく目をこらして見えず、虫眼鏡を使って確認、スマホの拡大鏡アプリも使って確認。
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何カ所か怪しい部分はありますが確証を得られるまでには至らずで結局全部の端子の半田付けをやり直し。

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組立の時に中央の液晶がなかなか元の位置にはまらずに大汗をかいてる図(笑)

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やっとこさ組立が終わって車輛側に戻してスイッチオン!
全ての照明が無事点灯。
あ~よかった・・・
ほんとによかった
こうしてレガシイはオーナーさんの元へ帰って行きました。
リコールの時にディーラーがへまをしたのでは??とオーナーさんは疑心暗鬼でしたが、我々業界を含めメンテナンスをする人の側に立つと「最後に触った者負け」という定型パターンがあります。
関連が無くても最後に手当てした人に疑いが掛かるという最悪のパターンです。
今回もそのパターンにはまってディーラーさんに疑い掛かるのは仕方ないですね。
その部位を触ってるわけですから。
とはいえきっとそれが原因ではないと思うので「自分は”経年劣化”が原因だと思います」とお伝えしました。