エブリイ エンジンチェックランプ点灯

三菱 ミニキャブ つまりは スズキ エブリイ
業界内通称64エブリイですね。
平成26年式 走行16万㎞。
高速道路走行後、一般道で信号待ち中にエンジンチェックランプが点灯、何回かエンジンを止めたり始動したりしてたらそのうちランプが消えた、という一報にて入庫です。

エンジンチェックランプが点灯すると、なにをしても消えない場合とその内消えるというパターンがあります。
故障が回復していない場合などは常時点灯します。
一過性の不具合の場合、制御されてる電圧などがとりあえず範囲内に戻った場合で複数回エンジンを掛けたら消える、というプログラムが組み込まれてるということもあります。
ただし一度入力され記憶された不具合は診断機で見るとしっかり残ってることが多いので『消えたから治った」というのはちょっと違います。

入庫したところで早速スズキ純正の診断機を接続。
三菱だけどスズキの診断機で見れます。(キーの登録はだめでした)
しっかり記憶が残ってますね。

そしてフリーズフレームという部分を見ると車がどんな状態の時エラーコードが記憶されたかということも見れます。
この場合エンジンはしっかり暖まってて速度は0㎞、アクセルも踏んでいないアイドリング中に記憶されたということは推測できますので一報が入ったときの状況とほぼ同じということです。
ただ何時何分とかまではわかりません。

そしてエラーコードは
P0138
「リヤO2センサーの電圧が高くなり数分間そのまま張り付いた」
というエラーです。

この故障コードの場合、センサーそのものの特性がずれたということが多いですが、中には排気ガスをきれいにする触媒が劣化したときにも同じようなことにもなるので、この先の切り分けを慎重にしないといけません。
ここで診断する道を誤ると高価な部品を間違えて交換してしまい誰も幸せにならないのでいろいろ推測を確信に持っていきます。

走行しながら電圧変化を見たり下のグラフはエンジンを空ふかしをして電圧の動きを見てるところです。

排気ガステスターで排気ガスの成分を調べたり・・

そんなこんなでほぼ間違いなくセンサーそのものが劣化して間違った電圧を出すようになった、と結論づけて部品を交換することに決定。
センサーそのものも安くはないですし触媒が悪くなってたらもっと高額な部品代が必要なので「ここ」と決めるまでいろんな想定をしていつものことながら診断項目に抜けが無いかビビりながら作業を進めます。

交換すると決めたらエブリイの作業は簡単なものです。
コネクター抜いてセンサーを緩めて新しいものにつけ替えるだけ。

新旧の部品です。

作業後のチェックでも想定通りの電圧の動きで完治したということでお仕事に復帰するためミニキャブ(エブリイ)はユーザーさんのところへ帰って行きました。

おおよそ最初の見立て通りの故障で、その裏付けを取るための作業だったため大きな波乱はありませんでしたが、スタートでこけると思わぬ遠回りをしてしまうのが故障診断。
毎回作業がおわるとホッと安堵するのが日常です。

 

ジャンプスターターが膨らんだ

バッテリー上がりの車を救援に行くとき、ン10年前ごろは補助バッテリーとブースターケーブルもって出張、とか言ったり言われたりして現場に向かったもんですが、今どきは補助バッテリーの事をジャンプスターターと言う名前になってたり作業そのものをジャンピングとかなんか作業名も聞き慣れない事になっています。
そのあたりはなかなかバージョンが書き換わってないようで若い方と話すると??マークが飛び交うのかもしれません。

ジャンプスターターもリチウムイオン電池が普及してきたおかげで小さいのに始動能力があるようになり、重たいバッテリーを持って現場に、ということもなく、なんなら原付バイクで現場に向かい、その場でエンジンを掛けてお客さんに『エンジン掛けたので止めずにそのまま工場まで乗って来てください」というパターンも可能になりました。

うちのお店の方針としては管理させてもらってるお車がバッテリー上がりで現場に救援に行くと言うことは迷惑掛けた、と言う気持ちになるのと、緊急なことが起こると自分の作業のスケジュールが変わってしまうということもあるのでできるだけバッテリーの寿命管理はお客さんとの共同作業で予防整備に力を入れてます。
もちろんバッテリーにも品質のばらつきやらお客さん側のミスで上がってしまうと言うこともあるので皆無にはできないですけどね・・

アイドリングストップもできるだけオフにしましょう、とお客さんにアピールしまくってますし、できればアイドリングストップキャンセラーをオススメしてバッテリー劣化のスピードを今まで通りにできるようにしています。

ただここ最近バッテリー管理で恐いなあと思うのはドラレコの駐車監視モードです。
ドラレコが撮影するための電力は車に載ってるバッテリーなので監視モード中は放電します。
放電電圧が規定値以下になったら監視が止まる設定やら、駐車してエンジンを止めたら監視し始めるのですがその時間を決めたりはできますが、我々整備士側からすると監視モードはバッテリーへの負担大です。
その理由はバッテリーは電気を放電して充電してというサイクルが寿命を決める大きな要素です。
ドラレコで放電してエンジンが掛かったら使った分を充電する。
この繰り返しが普通に車を止めるだけの時より電気の出し入れが多いのでバッテリー寿命にかなり影響してくるのです。
できれば監視モード専用のバッテリーを増設した方がいいなと思ってます。

というわけで本題です(笑)

ジャンプスターターのリチウムイオンバッテリーがとうとう膨らんで危険な状態になりました。
膨らむのは危険な火災に繋がりかねない状態です。
ネットの動画などでバッテリーが激しく燃える場面を見たことあると思いますが火を噴く前兆がバッテリーの妊娠。
定期的に充電してたのですが充電が終わって手に取ってみたら何となく『膨らんでない??』ということで分解してみました。

そうしたらやっぱり膨らんでました。

これはヤバい、ということで使用は中止。
火を噴くまで至らずに良かった良かった

とはいえ救援時には大活躍のツールなので代替品を物色しなければ。

いろんな記事で今までのリチウムイオンバッテリーは「三元系」といい、同じリチウムイオン電池の中にも『リン酸鉄系」というのが有ると。
リン酸鉄系は発火しにくい、ということを学んでいたので次のジャンプスターターはリン酸鉄系にしようと思い検索。
中華製の安いものはきっと寿命が短いだろうと言う勝手な思い込みで日立製のPS-1600RPをチョイス。
日立と言っても中身はサーキットテスターやらバッテリーテスターなどで有名なkaise製のOEMらしいのでより一層安心かなと言うことで決めました。

電池だけでなくOBD端子を使ってのバックアップケーブルやらUSBコードやらいろいろおまけも付いてました。

できるだけ使わなくていいならその方が良い、という工具ですがそのうち活躍する場面が出てくるでしょう。
とりあえず昨日、整備でのバッテリー交換の時、車のコンピューターのバックアップに使ってみました。

燃えにくいバッテリーは安心できますね・・・・