キャリイのISCV・ECU交換など12月の総集編

12月って年末でなんか追われるとかいいますが、自分的には昔から普通の月末に連休があるって言う感じなんです。
4月から5月にかけてのゴールデンウィークと同じですね。

いつの頃からか「年末だから掃除」というのもなぜこんな寒いときに掃除をするのか?と思ってからやめて、3月とかちょっと温かくなってきた頃にするようにしてます。

「節目」というのは大事なのかもしれませんが毎日寝る瞬間が節目なんでそれもあんまりけzじめに感じません。
「月末」と言う節目が12回目=年末で、すぐに次の月が始まりますよね・・・

さて12月は前半はまったりでこのまま12月は終わるのかと売上的にも戦々恐々としてましたが、10日過ぎくらいからなにかしらせわしくなって今日に至るという感じで後半が気付くと28日でした。
そんなわけで個別ネタをブログに書くのもついついおざなりになったので総集編。

ニッサンエクストレイルのアウターハンドル交換のため内装を外して、
「今の車はビニールを貼ってなくてガラスを上げ下げする装置と蓋が一体化してるのか?」と驚いてみたり・・・
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同じようなパターンでヴィッツのパワーウィンドウモーターの交換。
ドアの内部は、こんな感じで大きな穴はビニールで塞いであって修理の時にビニールを外したりずらしたりして修理、と思ってたんでエクストレイルはびっくり。
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仕事が終わってくつろいでるときサンダーバードを見てて、ロケット太陽号の発射ランチとニューヨークのエンパイヤステートビルを動かすマシンが使い回しと言うことを見つけて大はしゃぎ。
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中古車屋でお客さんが買ってきたMRワゴン。
買った直後からオルタネーターをまわすベルトがスリップしてて朝一壮大な異音が鳴ると言うことで買った先の中古車屋さんに伝えるとちょこちょこっと診て「別に悪いとこ無いですよ」と帰ったとのこと。

それでうちに来てくれて診断したらベルトだるだる。
スズキのK6Aエンジンは「張りすぎか?」って思うくらいが適正な張り。
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ビシッと張ってるように見えてスリップしてるからこんなにベルトの削りカスが・・・
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同じようにベルトを交換するヴィッツ。
エンジンを車体にぶら下げてるエンジンマウントという部品を外さないと取り替えできない構造。
ぶら下げてる部品を外すんですからそのままだとエンジンが落ちます(笑)
外す前にエンジン支えてからマウント外す。
これが結構な手間=お客さんが払う工賃に跳ね返ります。
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ハスラー MR41Sの一部リコール出てます。
排気側バルブコントールソレノイドの交換。
整備要領書ではバンパー外すとなってますが知恵と工具があれば何とかバンパー脱着は回避。
無事交換完了。
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スチールホイールのホイルキャップから日光が当たる部分だけの錆。
他の自動車屋さんは
「気になるから簡単な補修をやってるで」
と教えてもらったのでチャレンジ。
確かに見栄えはいいなと二度感心。
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ポルテもCVTフルード交換、オイルパン洗浄&ストレーナー交換。
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ポルテあたりのトヨタ車でエアコンの内外気切替のダンパーが古くなるとねちゃねちゃして張り付いてしまい、内気になったまま動かなくなるので対処。
へばりつく部分のワセリンを塗って張り付かないようにしてみた。
部品替えてたらきりが無いので知恵で対抗。
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スズキのキャリイ DA63T。
アイドリングを調整するバルブ(ISCV)がショートしてコンピューターの基板まで巻き添えにしてコンピューター交換までになってしまうという割と有名な故障。
コンピューターそのものやバルブは中古品を必死の思いで捜索。

オーナーさんの日頃の行いが良かったので万に一つの巡り合わせで手に入って高額な新品部品を使うことなく修理完了。

捜索に時間掛かったけどリーズナブルに修理できて喜んでもらえました。
んで研究のため痛んだコンピューターを開腹。
診断通りの回路のトランジスターが焼けてました。
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ほんとはこのトランジスターを1個交換できればこのコンピューターは復活するんですけど、
・トランジスターに型番が書いてない
・どんなトランジスターを使ってるかを解析
・解析できたら入手方法を
・さて最低何個から買えるのか、
など調査が必要。

きっとその道の猛者とネットワークが繋がれば何とかなるのかもしれません。
コンピューターのケースそのものも開腹したら復元が結構辛い構造でもあるので今回はここまでにしときます。

あとこれ以外に27才のスカイラインのマスターシリンダー交換とか。
「部品があってよかった」
が最近のトレンドかも。

なんせ昨今は古い車の部品はすぐに製造廃止、手に入る予定でも納期未定とかざらにあります。

自動車部品も物不足が直撃してますから思いもかけず修理期間が延びる可能性があちらこちらに。
そんなときでもオーナーさんの日頃の行いが良ければ偶然が重なったりして、振り返ってみれば「よかったよかった」で全て丸く収まりますよ(笑)・・・

スカイライン トルコン太郎でATF交換

ニッサン スカイライン ECR33 平成6年式 走行約7万
たぶん一度もATFフルードを交換してないとのことでリフレッシュの一環で作業しました。
ATフルードの交換は昔からその是非が永遠のテーマで整備士によっていろいろ考えがあります。
否定派は交換することでミッション内の環境が変わり故障の原因になる。
肯定派は劣化しないフルードは無いのだから新鮮なフルードを維持するのはメンテの基本。
それぞれ昔から討論されています。
あと費用対効果の討論とか・・・
うちとしてはお客さんが望むのであればOK
交換した方がいいですよ|、と「勧める」スタンスでは無いという立場をキープ。
そしてするならできるだけ交換率を上げ確実に入れ換える。
お客さんが希望されるならオイルパン内部の清掃とストレーナー交換まで。
というスタンスです。
また密閉式でフルードチェンジャーを接続するためのアダプターが必要な車種はまだ対応してないという状態です。
スカイラインはラジエーターへの配管があってそこにチェンジャーを割り込ませることが出来るので早速スタート
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まずは8リットル交換でセット
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接続後エンジン始動。
スカイラインのミッションの中を循環してるフルードはこんな色合いです。
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圧送式により古いフルードを回収しつつ新しいフルードを押し込んでいきます。
右のガラス管の中が回収されつつある古いフルード
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左のガラス管は新油が流れています。
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表示パネルの左は回収されてる量。
右は送り込まれている新油の量ですね。
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8リットル入替が終わった直後の状態。
左が新油、右が現在ミッションの中を流れているフルードです。
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流れてるフルードのアップ。
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もう少しきれいにしたいなと言うことで4リットル追加で交換しました。
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合計12リットル入れ換えたあとの状態。
もとのフルードの比べたら新油と遜色ないぐらいきれいになったのでここで終了。
交換前
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交換後
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さてさてフルード交換終わったら油量をきっちりレベルに合わせて試運転。
変速がかなりスムーズになったと感じましたが普段乗ってるユーザーさんならもっと詳細に変化を感じとってもらえるでしょう。
何やら最近の日本は古い車に載ってると税金が高くなったり、部品の供給が過去に比べて早く打ち切りになったりと、「とっとと新車に乗り換えろ」という見えない、しかし強力なパワーに押されてしまってて寂しい限り。
愛着のあるオンリーワンの自動車を部品がないので修理できない、と泣く泣く手放すケースが多く見られます。
その都度ワンオフで部品を手作りしてもらって維持するのもひとつの方法ですがコストが掛かってしまい現実的な修理方法ではない、と言うケースが大半です。
まだ作ってもらえるならましですがそんな方法も取れないほうが圧倒的に多いです。
新車を作り、売る、ことで経済が回ると言われたらそれまでですが・・・
答はどこに・・・・

エアコンガス規定量充填サービス キューブとWRX インプレッサ

令和3年8月17日(火)より平常通り営業再開しました。
きっちりお休みをいただいてリフレッシュできました。
また年末までしっかりお仕事します!
お盆休み前にはエアコンのガス補充でご新規さんが2台おいでいただきました。
どちらの方も
「今は冷えてないとかでは無いけど効きが甘いかも」
「中古で買ったので自分の管理下に置くためにもエアコンのガスはきっちり充填した、整備した、という実績を作りたい」
ということでネット検索の結果うちにたどり着かれたという感じでした。
1台はニッサン キューブ
良い車だと思うのですが今は製造中止ですね。
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施行した日の外気温は33.4℃
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作業前に吹き出し温度を計測すると16℃
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デンゲン社製エコマックスジュニアⅡを接続。
お車に入っていたガス量を回収して計測。
430グラムの所回収出来たのは300グラムで130グラム不足していましたのでおおよそ75%のガス量でした。
規定量充填と同時により一層冷やす効果がある添加剤を注入。
エコマックスジュニアⅡは自動で注入できるのが利点。
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施工後の吹き出し温度は同条件で計測して14.9℃
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わずかな差に見えますが走行するともっと冷えますので数字以上の冷感を味わえると思います。
そして2台目はスバル WRX (インプレッサ)
スバルブルーのかっこいいお車です。
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同じように作業。
作業前には17.4℃
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ガス量は規定量500グラムの所300グラムで200グラム足りませんでした。
残量60%というところでしたね。
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これも同じくガスを充填すると同時に添加剤を注入。
結果は13.2℃まで冷えるようになりました。
WRXはまだもうちょっと冷える余裕があるように思えましたが作業時間の兼ね合いからこのあたりで計測終了・・
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エアコンが冷えないとかを訴えるとよくこの2メーターの機械を持って判断されることが多いですが、これで見える(判断できる)のは「ガスの流れ」です。
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ガスの流れも故障診断の手がかりにはなりますがそれは
ガス量が規定通りきっちり入ってるか
の前提条件が整ってからの話です。
ガスをきっちりの量に合わしてからこのメーターでガスの流れを見る、というのが正式な手順です。
その前提条件が整ってない段階でこのメーターを読んでも極端な故障以外は判断できないことが多いです。
まずはガスの量を合わしてそこから故障診断が鉄則です。
冷えないというと「ガス入れてみましょう」と安易に作業するお店が多いみたいですが「どれくらい入れる」を無視すると余計に悪くなります。
ガスは多くても足らなくてもいけないデリケートな材料ですからまずは規定量、ということが大事です。
全く冷えないというのと冷えが足りないでは診断ルートが大きな分岐点になります。
ちょっと冷えが足りないかなと言う方はぜひご相談ください。
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

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大阪府泉大津市本町5番23号
二葉モータース

スカイライン R33 リヤブレーキローター修整とパッド交換

スカイライン ECR33 平成6年式 距離7万㎞
リヤブレーキの音がひどいとのことで車検時にまとめて整備しました。
以前からローターの痛みがひどくて音が鳴っても不思議では無い状態。
ローター研磨機も設置し自社で作業できるのでどんとこいってな感じです。
距離を余り乗らないお車なのでブレーキの削りカスもどちらかというと鉄粉では無く錆の粉という色になってますね。
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分解はまずこの針金から。
これ一本でブレーキパッドが固定されてるのですから秀悦な設計ですね。
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痛んでるブレーキローターはこんな感じで対するブレーキパッドもひどい減り方ですね。
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車輛からブレーキローターを外して研磨機へ。
1回削ってもまだまだひずみが取り切れないぐらい歪んでたので少しずつ数回に分けて施工。
摩耗限度ぎりぎりクリアーでした。
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ローターの研磨(研削)も終わり、新品のブレーキパッドも届いたので復元です。
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パッドを支えるプレートなどもキレイキレイ。
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組み立てるときにここにグリースを塗る方法もありますが自分はあくまでも乾燥潤滑にこだわります。
グリースを塗ると摩耗粉とグリースが混じって泥団子になるのが嫌いだからです。
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プレートとパッドの当たる面も同じ施工をします。
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ブレーキパッドについてる「アンチスキッドシム」
日本語にすると「異音防止板」
ここはグリースを塗るのですがあくまでも塗るのはシムとパッドの間だけ。
外側には塗りません。
理由は泥団子です。
汚れてるシムをできるだけきれいに
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そして裏面だけにワコーズ製の高性能グリス
耐熱性が良く耐久性にすぐれてるのでお気に入りの一品です。
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このパッドにはシムが2枚あるので同様にグリースをサンドイッチ
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ブレーキパッドにシムを組み付け完了。
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できあがったパッドを支えるプレートを組み付け、その後にパッドをセット。
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最後に十字型のプレートをきれいに清掃して組み付け。
一番最初に外したあの針金と固定用の棒を取り付けて終了
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このあと鉄粉取り用の洗剤を駆使してブレーキ廻りを元のアルミ色に・・・
このスカイライン、ホイルも純正ノーマルです。
逆に珍しいかも・・・
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これで懸案だったブレーキ廻りの手入れを含めて車検作業を終えたスカイラインはお客様の元へ帰って行きました。
まだまだ走ってもらう予定だそうです。
我々から思うのは部品の製造廃止が恐い・・・・ドキドキ・・

キューブ HR15エンジン イグニッションコイル交換

同じ故障が続くのは業界あるあるです。
昨年の秋頃から立て続けにイグニッションコイルの交換事例が続いてますね。

ご同業に聞くと車輪の回転数を測定する車速センサーやらエンジンの回転数を測るセンサーなども故障が続いて増えてると。
う~んなにかしら大きな動きで起こってるのか??と陰謀論大好きは私はいろいろ想像します。

これは携帯電話の5Gの電波が飛びだしたからなのでは?が今一番楽しい想像です(笑)

というのもイグニッションコイルも各種センサーも細かい電線を幾十にも巻き付けたいわゆる「コイル」と言われる部品構成です。

このコイルはアンテナの役目もするので外部からのいろんな電波に影響されやすく、コイル自身もいろいろ電波を発射するので廻りに迷惑を掛けないよう対策されてたりするのです。
なので4Gまでは影響なかったけど5Gになったから環境が変わった、というのが想像の中身です。

さてキューブですが走ってると何か振動してて車のあちらこちらの内装がビビる、という第一報で入庫。

自分が試運転してみると一発で「ああ1気筒死んでる」という判断で、工場に帰ってテスターで測定してみると間違いなく1気筒死んでる。

コンピューターに問い合わせてみるとやはり「1気筒死んでる」とのエラーコード。
診断機を接続して読み取れたエラーコードでも第2気筒のイグニッションコイルが異常というのがわかったので、お客さんに

・ ひとつだけ死んでますが全部で4個同時に働いてます。
・ ひとつ替えれば当面はいけますが残り3個が心配。
・ 全数交換が理想ですけどいかがなさいますか?

と打診。

まだまだ働いてもらわないといけないので末永く乗れるよう全数にてお願いします、との依頼を受けたので作業開始です。

ちなみに相互に影響し合う点火プラグは半年ほど前に全数交換してるので今回は割愛です。

さてこのエンジン、普通にプラグを替えたりイグニッションコイルを変えたりするたびに、その上に配置されてる吸気管をいちいち外さないといけないので整備士の間では大不評で有名なエンジンです。
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この状態になってやっと「交換作業」が始まります。
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今回は全数交換ですが少しでもコストを下げるために純正ではなく信頼置けるNGK製のイグニッションコイルをチョイス。
これは訳わからん中華製のメーカーとは品質が違う上に純正よりはリーズナブルの修理できるのでオススメです。
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NGKといえば点火プラグも作ってる自動車業界ではとても重要なメーカーです。
吉本興業のなんばグランド花月のNGKとは違います(笑)

型番はこれで部品商ルートではなくともアマゾンでも売ってたりします
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イグニッションコイルを外すのですから念のため半年前に替えた点火プラグも点検。
異常なしだったので再度取り付けておきます。
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あとは来た道を帰って組立ればいいのです。
実はこの吸気管廻りのパッキンはプラグを替えたときに一度交換したのです。

整備の基本としてパッキン類の再使用は絶対不可ですから一度外したらもったいないようですが再度交換です。
すべてはお客さんの二度手間を防ぎ再整備しないための鉄則です。
つい「まだいけるだろう」と使ってしまいたい欲望に負けてしまいそうですが・・・
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整備が終わったのち、キューブはスムーズにエンジンが廻り変な振動もなく甦りました。

さて試運転前にタイヤの空気圧の点検でも・・・と思ったらビス踏んでました。
中まで到達してなければ良いのになあと点検すると泡吹いてパンク決定です。
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というわけでパンク修理も追加してキューブはお客さんの元へ帰って行きました。
少しでも長くお客さんの役に立ってね~

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スカイラインやらベリーサのイグニッションコイル交換

8月の盆明けから酷暑に見舞われてる泉大津市ですが そのせいもあってか傷みかけてた部品にとどめを刺すようなことになってるのではという事案が続きました。

ネットなどのお仲間情報では輸入車のタイヤの回転数を測るホイールセンサーとかエンジンの回転を測るセンサー、無段変速機の軸の回転数を測るセンサーなど壊れてます。
そしてうちはそういう回転センサーこそなかったですが、イグニッションコイルと呼ばれるプラグに火花を飛ばすための高電圧を作る装置の故障が相次ぎました。

みんな装置の中に細い導線を何回もまいた「コイル」と呼ばれる構造を持った部品ばかり。
ひょっとして暑さだけではない大きな陰の力が働いてるのかも(陰謀論大好き!)

1台目は スカイライン 平成6年式 走行約7万㎞
信号待ちしてたら車が揺すられたようになる、との第一報で直感で「コイル死にましたね」と思うほどRB系のエンジン定番中の定番。

交換中の写真をざっと並べておきます。
コイルが痛むと言うことはたいていプラグも痛んでることが多いので同時交換。
そして予算の許す限りコイルもプラグも全数交換した方が2度手間にならず、エンジンの調子も最大限復活しますのできっと幸せな気分にひたれるを思います。

スカイラインもお客さんに全数交換をご提案。
許可を頂いて全数交換バッチリです。
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RBエンジンは6個必要ですが純正より安いNGK製のイグニッションコイルをチョイスしました

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参考までに中華製のコピー品は6個セットでこんな価格であります。
けれどよい子のみんなは使ってはいけません。

スカイラインの次の日に、マツダ ベリーサ のユーザーさんから
「エンジンチェックランプが光って車が変な振動してる」
という第一報。

マツダ車は扱いが少ないので電話では直感がすぐに働かずに、あたまの中の「マイ診断コンピューター」は「???」
チェックランプが光ってるのだからなにかしら診断機で故障コードを呼び出せるかも、という淡い期待を抱いて入庫してもらいました。

診断機で故障コードを拾うと
「3気筒目の点火信号がキャッチできない」
とのコード。

ここでもネット情報を併用するとどうやらデミオ当たりと同じエンジンで症例を見つけることが出来ました。

そしてなぜかみんな3気筒目。
これは解明できてませんがエンジンの構造上何かウィークポイントがあるのかもしれません。

コイル本体が怪しいとは思えますがコイルの配線の断線も疑えたのでチェックしたものの配線はOK。
念のため他のコイルと入れ換えてみてもやはりそのコイルが火花を出してないのは確定できたので交換することに。
これまた全数交換を提案。
お客さんは車好きな方なので快諾を頂き交換。
もちろんプラグも・・
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マツダはNGK社製の互換品がなかったので純正品をチョイス。
スカイラインとベリーサ2台、2日間で合計10個のコイルと10本のプラグ交換。
なかなか見られない光景でした。
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イグニッションコイルはいまや中国製の出所不明の商品があふれています。
しかしコイルというのは製造工程をまねしただけでは性能も耐久性もコピーできない商品の代表格です。

純正部品が1個1万円とすると中華製は3000円くらいで手に入ったりします。
そりゃみんな飛びつきますよね。

見た目一緒、取り付けた直後はきっちり完治したように見える。
「よっしゃ~」と喜びますが少し間が経つと(半年もつかなあ)同じ事になってまた交換です。
簡単に交換できる車なら良いですがね~(遠い目)
純正部品選択は無難ですがやはり価格が・・・という方。
せめて国産のコピー品を使いましょう。

代表的なのはNGK社製のイグニッションコイルです。
純正部品ではないですがうちのお店でも多数交換実績があり初期不良も経験したことないです。

すこしでも修理代は安い方がいいですよね。
実は修理する側も常に思ってるんですよ・・・

エルグランド ベルト交換 音波式張力計

エルグランドのベルト交換
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エンジンにより発電機やエアコンコンプレッサーやパワステポンプなどの補機類に動力を伝えるのにベルトを使います。
ベルトは消耗品で、使っていくと摩耗して痩せ細っていき、いつが寿命が来ます。
いきなり破断するときもあれば最近の複数の山をもつベルトは「輪切り」になって寿命を迎えます。
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ベルトが摩耗すると交換が必要になります。
このエルグランドもベルトが寿命を迎えていたので交換します。
ベルトを交換するときの最大の山場は交換したあとの張力を調整すること。
貼りすぎでは補機類のベアリングが痛んだり、張りが足らなければスリップして加速度的にベルトが摩耗して寿命が短くなります。
このさじ加減がなかなか・・・
一昔前までは10キロの力で押して〇mmたわむのが設計時の値、という基準でした。
けれどそういう基準は
「人によって感覚違う」
「指で張りを感じて合わせろ」
「慣れたら出来る」
というまさに、職人のカン、整備士の技量、で合わしていました。
ま、それも整備士個人の技術力と言えばそれまでで、出来る出来ないは個人差の範疇です。
が、いまだに行われているのも事実です。
うちのお店ではデジタル式の張力計を使ってベルトの張りを合わしています。
原理は「ギターのチューナー」と同じでベルトを指で弾いてその音程により張りの強さを数値化するというもの。
つまりは周波数を測ってそれを張力に置き換えます。
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その変換する公式があって(めんどくさいので詳しいことは省略w)その公式に当てはめる数値が3個あります。
その3個の数値は整備マニュアルに載ってるのでそこから入力して測定。
張力を所定の数値に合うまで微調整して作業完了。
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数値として測れるので確実かつばらつきなく出来るので整備品質は抜群です。
これくらいでええかな?は一切なくなります。
エルグランドの場合、整備マニュアルには「周波数」が記載されています。
これがとても助かります。
音程=周波数が全ての源ですからそれがわかれば3個の数値は必要ないです。
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周波数で測定したエルグランドのベルト交換は完璧に終了!
これからこの方式でよりいっそう確実な整備をしていきたいと思っています。
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ウィングロード サーモスタット開き不良の修理

ニッサン ウィングロード 平成13年 走行22万㎞ GA15エンジン
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12ヶ月点検と言うことでご来店。
お店の前から作業場に車を移動しましたが、この気温なのにずっと冷却ファンが回ってます。
エアコンのスイッチが入ってるのかな?と確認するもオフ。
「あれ~?ずっとラジエーター冷却ファン回ってるのはおかしい」
となにか異常が起こってる、と第一印象。
お客さんは「じゃあお願いします」と帰られそうだったので「ちょっと待って!」と呼び止めて、なにかしら重大な故障が潜んでるかもしれないので時間があるのならお待ちを、と引き留めてとりあえず診断開始。
その時頭に浮かんだ選択肢は
・ファンをコントロールするセンサーの故障
・サーモスタットが開ききっていない
・ラジエーターが詰まってしまって能力低下
などなど。
サーモスタットというのはエンジンが冷えてるときはエンジン内だけで冷却水を流して、熱くなるとラジエーターへ水の流れを切り替えてエンジンの温度を一定に保つ「弁」です。
エンジン回転上げてしばらく水が流れるホースの温度を手触りやら非接触温度計などで点検。
水温センサーあたりの配線やら接触不良確認。
診断機を繋いで水温センサーが出力している温度を実測。
診断機からファンそのものをオンオフして水温の状態を観察。
そして導き出した答は
・サーモスタット開き不良
・ラジエーターのつまり
の二つ。
ラジエーターのつまりを確認するにもサーモスタットの開き具合の確認も取りあえず冷却水を一旦抜くという作業は一緒なので、両方同時に点検。
冷却水を抜いてラジエーターの中を目視。
見たところOKっぽい。
なので今度はサーモスタットを。
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これがサーモスタット現物
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テストは熱湯風呂で(笑)
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温度計を見ながら開弁温度になったらちゃんと開くかどうかをチェック
熱湯風呂テストの様子

新しい(右側)サーモスタットとの比較。
明らかに弁の開き具合が違います。
これぐらい症状がきっちりわかると安心して症状断定できますね。
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新しいサーモスタットを取り付けてエンジン始動。
水温が上がってファンがonになったらすぐに温度が下がりファンが停止。
無事サーモスタットの交換のみで設計通りの作動に戻りました。
お客さんも出費が最低限で済み喜んでいただけました。
オーバーヒート⇒廃車、という最悪のケースに至らないで延命できました。
12ヶ月点検しないとね、というユーザーさんの心がけが大きな出費を防ぐことが出来ました。
こうしてウィングロードはユーザーさんの通勤の足として活躍すべく帰って行きました。

C25 ニッサンセレナ ラジエーターのアッパータンク水漏れ 割れたので修理

C25 セレナ H19年 103,000㎞
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お客様自らクーラントのにおいを察知され、お勤め先の近くで修理工場を検索。
以前に当ブログでアップしていたC24セレナの記事から当店にご来店いただきました。
診断するまでもなくラジエーターより冷却水が垂れており、漏れ箇所も定番のアッパータンクの金型のパーテーションに沿った部分からの割れです。
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漏れ箇所と漏れ方から判断してC25セレナ定番のラジエーター交換が決定です。
というわけで作業スタート
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C24セレナと違うところがこのECU取付ブラケット。
これが邪魔して冷却ファン一式が外れてこないので一時外して退避。
こういうところがエンジンルーム内部品が目一杯の現在の車あるある。
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サーモスタットも念のため交換予定なので、ロアホースはサーモケースごと取り外し。
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といわけで狭いスペースを気遣いながら冷却ファン一式とラジエーター全体を車輛から抜き出し成功。
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このあとは到着した新しいラジエーターを組み付けていきますが、必ず手を抜いてはいけないのがスポンジで出来たこのエアパッキン。
どんな車でもこのささやかな部品はここをきっちりしておかないと冷却性能だけでなくエアコンの冷えにも大きく関わるので快適性も損なわれます。
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新しいパッキン取付
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余計な取り外しが必要だったECUあたりも復元
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部品を全て組み付け終わると冷却水の再充填&エア抜き
業界内では有名な「ラジタン」のお世話になります。
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充填終わったら圧力を掛けて各接合箇所から漏れがないか最終チェック!
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新しいラジエーターキャップ装着。
地味な部品ですがこれも消耗品ですよ。
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交換した部品達
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最近の自動車の修理の原因は「プラスチック部分」に関わる箇所が大半です。
昔なら金属を使っていた部分を軽量化&低コスト化の旗印の下、プラスチック部品に代替しているのです。
金属並みの耐久性をメーカー自身も期待してるのでしょうけど現実にはその思いは届いてませんね。
特に熱を受けなおかつ幾度となく暖まったり冷めたりを繰り返す部分のプラスチックの劣化がひどいです。
このセレナに関わらず国産車のラジエーターのアッパータンクと呼ばれるエンジンからの熱くなった冷却水が一番最初に通過する部分が割れるんです。
その他の通路のプラスチック部分もよく割れます。
とある車種では配管の一部にプラスチックを使用していたのですが、破損して交換部品を注文したら金属部品に対策され変更されていた、ということもあります。
メーカーの「やっぱりだめでしたか?」という声が聞こえてきそうです(笑)
というわけでセレナはユーザーの通勤の足と家族のレジャーのために元気よく帰って行きました。
しっかり働いてね~

ニッサンキャラバン CSGE25 エアコンが停車中は冷えない

自動車修理工場からすると、エアコンが冷えない、という修理依頼はこの季節の風物詩です。
大阪ではエアコン無しで運転するなんて考えられないです(笑)
お客さんから聞く、
エアコンが冷えない
という訴えはそこまででは我々からするとほとんど手がかりにならないので問診が必要です。
その症状を聞き、実車を見て、一つ一つ消去法によって原因まで進んでいくわけですが、お客さんのお話しの中に結構なヒントが隠れてるときもあります。
以前の同じくキャラバンのエアコンが冷えない、という症状は、お客さんの
最初は冷えてるけど途中で冷えなくなりその後はエンジン切るまで冷えない
というお話しがヒントで原因にたどり着きました。
https://blog.shaken28.com/?eid=1003381
今回のキャラバンは、問診の結果
走ってると何とかなるけど信号待ちなど停車すると全然効かなくなって、しばらく走ると冷えてくる
です。
この今起こってる症状を聞き出すまでがプロのお仕事の一部でもあります・・・・
聞いた話と現車を見た情報全てをまぜてたどり着いたのが
「コンデンサーファンモーターの寿命」
でした。
エアコンが稼働してるであろう状況でもファンだけが回らない。
叩いてみたらイヤイヤ回る、みたいな状況。
というわけで
原因をつかむまでが「苦行・修練」ですが原因さえつかめたらあとは作業のみ。
整備書によるとエアコンコンデンサーごと一旦外してファンモーターを交換、となってますがファンカバーを止めてるビス4本を外せたらモーターの交換はできます。
エアコンガスも助かります。
ただしフロントバンパーと前のアンダーカバーは一旦外して自分自身の体ごとねじ込む、という条件ですが・・
バンパー外すのにはコーナーランプユニット外すのが前提条件
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このファンカバーさえ外せたらあとは何とかなる、という関門です。
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最初は細長い人物を連れてきて外そうかと思いましたがそこそこでかい自分でも何とかなりました(笑)
ビス4本で止まってました。
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あとはファン中心のナットを外しファン本体、その下のファンモーターをビス3本外して、ハーネスの取り回しがひと癖有りましたがモーター交換完了。
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無事テストも完了。正規の勢いでファンは回りました。
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あとはまた体ごとねじ込んでファンカバーを取り付け
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全ての部品を復旧したら完成。
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部品調達後再入庫したときは雨の日で走行中にコンデンサーが水をかぶって冷却されてエアコンは働いてました。
今日はエアコン効いてるけど?
とお客さん。
エアコンの仕組みをあ~でもないこ~でもないとご説明して、冷却ファンの大事さもご理解いただけたようです。
エアコンが停車中でも冷えるようになったキャラバンはまたお仕事の第一線に戻っていきました。
しっかりオーナーさんを冷やして活躍してね!!