エアコンが冷えない事に気づき始める季節になりました

だいたいこの気温の時期になると車のエアコンが冷えないと言うことに気付く人が増えてきます。
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今日の作業結果は規定量が400グラムに対して車の配管内のガス量は300グラム。
つまりはガスの量が規定値の75%でした。
やはりきっちり設計通りのガス量でないと機械に無理がかかって結果的に余計な修理代が発生したり、何よりも効きの悪い車内では人間様にも無理がかかりますよね。
そろそろ夏の準備をどうぞ!
ガスをきっちり補充したい方は ↓
泉大津市本町5-23
二葉モータース
0725-32-1741

MRワゴン エアコンが最初の数分しか効かない

MRワゴン MF21S 平成16年式 距離17万㎞
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エンジンかけて最初の数分は冷たい風が出るのにしばらくするとぬるい風になってしまって暑いとのことでご入庫。
今年の暑さは異常とは言え、このパターンのエアコン不良は例年でもちらほら入庫します。
おいでになったときはたしかに冷えてなくて、診断開始時にはコンプレッサーは動いてなくて冷却ファンちゃんと動いてる。
この時点でおおよそ定番のエアコンリレーかマグネットクラッチかなとは思いました。
リレーは大丈夫か?とコンプレッサーへの電源線をたどってみると電気が来てない。
はは~んこれはエアコンリレーの不良が原因だなとリレーを替えてみたらちゃんと冷えだしたので、よしこれで一件落着。
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エアコンガスも例のマシンで規定量いれときますね~、と意気揚々として試運転。
帰ってきてしばらくアイドリングでおいてると、コンプレッサーが切れてる。
今度は電源も来てるけどマグネットクラッチは接続されない。
この時点で「マグネットクラッチもあかん」とわかりました。
お客さんにクラッチの隙間を調整したら使えるようになるかもしれませんが、距離もかなり走ってるんでこの際コンプレッサー本体をリビルト品に交換した方がいいでしょう、とご提案。
許可を頂きましたので作業開始です。
MRワゴンはバンパーを外すためにはヘッドライトまで外さないと駄目なんですよね。
_| ̄|○
一旦追加充填したエアコンガスを再度回収して配管切り離してコンプレッサー交換です。
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あとは回収したガスを再充填したら完成です。
こんなときもフロンガス自動回収充填できるエコマックスジュニアはとても役に立ちます。
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

こちらへどうぞ
あと年式もそこそこ古く、走行距離も多いお車は、カーエアコンの室外機になるコンデンサーと呼ばれる部品を冷却するために、部品の隙間を埋めてるスポンジが劣化してどこか飛んでいってしまってるケースが多いです。
このスポンジがないとエアコンの冷却効率は思ってる以上に悪くなるのでエアコンの効きがいまいち、という原因にもなります。
このMRワゴンも隙間だらけだったのでいろいろ手当て
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特にスズキのお車は、このマフラー横のでかいスポンジがなくなってること多いです。
隙間がある上に、なんとマフラーからの熱気をモロ吸い込むので条件最悪ですからこの隙間を塞ぐのは必須です。
純正のスポンジを使うのもアリですがこういう風にアルミ箔に粘着剤を塗ってある「アルミテープ」を使うのも一考です。
ここを塞ぐだけでもガスの圧力が変わるぐらい効果があります。
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というわけでMRワゴンはオーナーさんの元へ帰って行きました。
冷え冷えになった室内をお楽しみくださいね!!

ワゴンR しばらくアイドリングしたらコンプレッサーが切れてエアコンが効かなくなる

ワゴンR MH23S 平成21年 距離9万㎞
車検で入庫ですが、気になるところはないですか?
との問診に
10分ほどエアコンかけたまま停車してたら冷気がなくなりぬるくなってくる
とのお申し出。
車検の作業内容の方針を立てると同時にエアコンの診断。
効いてるエアコンが効かなくなると言うことでコンプレッサーの働きを点検。
電気が来てるかどうか。
電源関係は?とマニュアルをひもとくと
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この白いリレーがコンプレッサーリレーですね。
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実際コンプレッサーには電気は来てるようだったのでそのまましばらくアイドリングで様子を見てると、電気が来てるのにコンプレッサーのマグネットクラッチが切れました。
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同時にエアコンガスの状態もモニターして、少なくともエアコンガスサイクルに原因があるのではなくコンプレッサーまわりの不良と判断。
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原因としては
・電磁石を利用したクラッチのコイルが熱を持って磁力が弱くなりクラッチが切れる。
・電磁石に引き寄せられるクラッチ板が消耗により隙間が広がりひっつける力が負けて切れてしまう。
が考えられます。
クラッチの隙間を調整してみるのもひとつの手段ですが、お客様の要望でコンプレッサー本体をリビルト品(中古手入れ済み商品)を利用して修理することに決定。
バンパー外して交換準備に入ります。
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コンプレッサーを外すには補機類駆動ベルトを外す必要がありますが、今回車検でもそろそろ交換、という状態だったので1回工賃助かりましたね!
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車検作業と並行してコンプレッサーを入替終了。
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ベルトの張りを調整するのに今はこの『音波式張力計』を使います。
これなら「これくらいかな?」というカンではなく数字として張力を見られるので確実な整備が出来ます。
最近の整備マニュアルには張力計を使う場合の車種固有数値も書いてあるので数値をビシッと合わします。
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あとはこれくらいの年式になってきますと冷却ファンの風を効果的に導くためのスポンジが劣化して役目を果たさなくなってきてる場合があります。
このスポンジがあるとないとではエアコンの冷えに関わってくるのでしっかり対策はしておく方がいいでしょう。
この隙間から温風を吸い込んでしまうので効率激落ちです。
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精機の部品としてのスポンジなりアルミテープを使ったりしてできるだけ隙間を埋めます。
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あとは回収したガスを元通りに。
その際エアコンガスリフレッシュも兼ねて回収したガスに新ガスを足して規定量充填。
エアコンは20分アイドリングしてもぬるくなることなくしっかり冷え続ける事を確認。
というわけでワゴンRはまだまだ続く大阪の夏をしっかり乗り越えてユーザーさんと共に快適に働いてくれることでしょう!
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

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ニッサンキャラバン CSGE25 エアコンが停車中は冷えない

自動車修理工場からすると、エアコンが冷えない、という修理依頼はこの季節の風物詩です。
大阪ではエアコン無しで運転するなんて考えられないです(笑)
お客さんから聞く、
エアコンが冷えない
という訴えはそこまででは我々からするとほとんど手がかりにならないので問診が必要です。
その症状を聞き、実車を見て、一つ一つ消去法によって原因まで進んでいくわけですが、お客さんのお話しの中に結構なヒントが隠れてるときもあります。
以前の同じくキャラバンのエアコンが冷えない、という症状は、お客さんの
最初は冷えてるけど途中で冷えなくなりその後はエンジン切るまで冷えない
というお話しがヒントで原因にたどり着きました。
https://blog.shaken28.com/?eid=1003381
今回のキャラバンは、問診の結果
走ってると何とかなるけど信号待ちなど停車すると全然効かなくなって、しばらく走ると冷えてくる
です。
この今起こってる症状を聞き出すまでがプロのお仕事の一部でもあります・・・・
聞いた話と現車を見た情報全てをまぜてたどり着いたのが
「コンデンサーファンモーターの寿命」
でした。
エアコンが稼働してるであろう状況でもファンだけが回らない。
叩いてみたらイヤイヤ回る、みたいな状況。
というわけで
原因をつかむまでが「苦行・修練」ですが原因さえつかめたらあとは作業のみ。
整備書によるとエアコンコンデンサーごと一旦外してファンモーターを交換、となってますがファンカバーを止めてるビス4本を外せたらモーターの交換はできます。
エアコンガスも助かります。
ただしフロントバンパーと前のアンダーカバーは一旦外して自分自身の体ごとねじ込む、という条件ですが・・
バンパー外すのにはコーナーランプユニット外すのが前提条件
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このファンカバーさえ外せたらあとは何とかなる、という関門です。
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最初は細長い人物を連れてきて外そうかと思いましたがそこそこでかい自分でも何とかなりました(笑)
ビス4本で止まってました。
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あとはファン中心のナットを外しファン本体、その下のファンモーターをビス3本外して、ハーネスの取り回しがひと癖有りましたがモーター交換完了。
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無事テストも完了。正規の勢いでファンは回りました。
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あとはまた体ごとねじ込んでファンカバーを取り付け
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全ての部品を復旧したら完成。
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部品調達後再入庫したときは雨の日で走行中にコンデンサーが水をかぶって冷却されてエアコンは働いてました。
今日はエアコン効いてるけど?
とお客さん。
エアコンの仕組みをあ~でもないこ~でもないとご説明して、冷却ファンの大事さもご理解いただけたようです。
エアコンが停車中でも冷えるようになったキャラバンはまたお仕事の第一線に戻っていきました。
しっかりオーナーさんを冷やして活躍してね!!

泉大津でカーエアコンガスリフレッシュ(規定量充填サービス)やってます

夏真っ盛り
この季節には必須アイテムのカーエアコン。
ここ最近はガスの重量管理も知れ渡ってきて「ガスの量を見てください」とか「自分でガス量を把握しておきたいんです」というお客様が増えてきました。
カーエアコンガスリフレッシュとかエアコンガスクリーニングとかいろいろサービスの名前はありますが、リフレッシュもクリーニングも的を外してます。
新しいガスもきれいなガスも二の次でほんとに必要なのは
ガスが規定量でしっかり働いてるか?
が大事なのです。
当店では最近 規定量充填サービス という名称で告知させてもらってます。
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

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カーエアコン整備機器の名門 デンゲン製
そこが開発した
エコマックスジュニアⅡ
写真の通りこの機械が何をするかというと
++全自動でエアコンガスを回収して再生して充填する装置++
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以前の記事でも少し書きましたが、エアコンガスは「重量管理」
つまりは重さでガス量を監視することになっています。
これが正しい整備です。
以前であれば
「ガス圧」
とか
「ガス管の中をのぞき窓から見て、泡の量で推測する」
(のぞき窓のことは一般的に「サイトグラス」と言いますね)
という方法でした。
しかしそれではあくまでも「だいたいこれぐらい」しか量れません。
「圧力と量」では単位が違います。
しかも最近の車はその決まった量で最大限エアコンが働くように設計されているので、ガスの量が多くても少なくてもエアコンの能力は下がってしまうのです。
整備する側もその許される誤差内にガス量を調整してこそプロの仕事。
なのでただでさえ夏の気温が高い大阪で整備業をやってるのですから、少しでも快適な夏を迎えてもらえるようにきっちりとしたエアコンガス量の管理をしていきたいと思って導入しました。
エコマックスジュニアⅡをお車につなぎます。
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夏場はエアコンの冷えにパンチがない、との自己申告がありました。
吹き出し口の温度測定。

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同時にエアコンガスサイクルの圧力でおおよそのエアコンの状態を推測します。
状況を把握するには相変わらず圧力は値としては必要ですよ。
では作業スタート
一旦エアコンシステムの配管内の既存のガスを全て回収します。

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最初は内部の圧力で自然に機械の中に入ってきますが、最後はそのまま配管内が真空状態になるまで徹底して引き抜きます。
このとき規定量を回収できるのが普通なのですが、そこまで回収できないということは、いままでの使用過程でガスが少しずつ洩れてたということになります。
真空引きにはもう一つ意味があって、配管内の水分も真空状態で「蒸発」して一緒に出てきますので配管内の水分を除去できます。
真空にするのはエアコン整備では基本中の基本です。
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真空引きが終わると回収したガスの不純物をクリーナーで除去しながら車両に戻していきます。
このとき規定量より回収できたガス量が少ない場合、自動的に新しいガス缶より補充して規定量を充填します。
ここが素晴らしい仕組みだと思います。
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エアコンが冷えない原因は多義に渡りますのでガスの量も診断の中の一部です。
しかしまずは土台になるのは「ガスがきっちり規定の重量で入ってるか」からスタートです。
それでなおかつ冷えないのなら診断ステップが次へと進んでいくものです。
今シーズンの作業例の一部です
ツイカジュウテンガス と言う項目に注目です。
エクシーガのエアコンガス
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ミゼットⅡのエアコンガス規定量充填サービス
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アクセラのエアコンガス
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イプサムのガス量
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EKワゴン平成14年式のガス充填
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グランビアはデュアルエアコンなので規定量多いですね
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ワゴンRはマイカーを作業して気に入っていただいて社用車でリピートされました。
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平成16年式デミオ ほぼエアコンは効いてませんでした。
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最後のデミオのお客さんは昼間はほとんど効いた感じがしないという事でご入庫。
登録13年間一度もエアコンメンテはしたことがないということで残りは規定量の30パーセントでした。
これでは効かないですね。
規定量もオプションのコンプレッサーオイルの缶に含まれるガス量を引いたり、規定量の許容があったりするのでいろいろ設定はケースバイケース。
このあたりの判断も必要です。
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

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作業員は自分一人ですので予約制になってしまいます。
突然のご来店では対応できないかもしれませんので事前にお問い合わせ・日程相談をお願いします。