ニッサンキューブ ガソリン漏れ

ニッサンキューブ AZ10 平成14年式

ガソリンスタンドで燃料を入れて満タンになったと思ったら車の下からガソリンが漏れてきた、との症状で乗るのはヤバそうということでレッカーに引っ張られて入庫です。

うちに着いたときには漏れておらず、最初はどこかのホースが裂けたのかなと思いましたがユーザーさんへの問診で「給油中は漏れてなかった」というところが少し気になったのでリフトに乗せてみましたら、タンク下部にはガソリンが垂れたあとはありましたが、最初に思った給油口ホースも空気抜きホースも全く無事。
スコープで覗いてみたらタンクの上の出っ張りのあたりから垂れた跡が見えたので、これはタンク本体・・・と。

そうなったら次に問題になるのは車が古いので部品があるか?ということ。
ほんとに最近は「製造打ち切りの恐怖」に振り回されますのでまずは部品在庫確認。

在庫確認できてからでないとユーザーさんと修理の費用や日程などの相談ができない
ことが増えてます。

【ハイわかりました修理します】

とはうかつに言えない。
そんなに古くない車でも昨今の品薄状態、部品不足状態では部品が手に入る日も流動的になるのでほんとに神経使います。

今回のキューブのガソリンタンクは部品は在庫ありとのことでホッと一安心。
髙価なタンク本体取替になってしまいます。
中古品を使うという選択肢もありますが、経年劣化が原因で不具合の出てるのですから、さすがに燃料系に中古品を使う勇気はありません。
このお車があと半年乗れたら良い、という場合などはそれでもいいでしょうけどオーナーさんは気に入って乗ってて乗り換える予定はないとのことですから、新品をチョイスしました。

この部分がガソリンの液体部分と気体部分を振り分けるセパレーターという部分なのですが境目が経年劣化で割れたようです。

作業は「タンク交換」ということで単純。
関連するホース類6本もこの際交換しておきました。

作業後にタンクの底を見てふとタンク製造時の金型の細かい刻印を発見。

自動車の部品でプラスチック製品は製造工場で製作年月日の刻印があったりしますが、このタンクも長年の金型更新が記録されてて歴史を感じました。
キューブが製造されるまえの1991年9月からスタートしたのが見て取れます。
そこから2001年12月まで印が進んでますね。

そしてそこから時々製造されてたのかな?
1枚目の写真の上の方に1303という刻印も見えますね。

 

2013年3月に製造されてそこから在庫されてたのかなとか想像は膨らんで楽しいですね(笑)
え~もしそうなら作られてから10年寝てたのか??
そんなこと無いよなぁ。
素材が光ってるし、あくまでも金型更新やよね、などなど思いをはせてましたが、最初に作り出したのが1991年ということで、この形状のタンクを他の車用として作り始めてキューブに流用したのは間違いなさそうです。
この工場が受注して作り始めたのがこの年なのかもしれません。
それにしても1991年9月あたりに作り出したとすれば1992年1月頃にマーチのフルモデルチェンジがあったので2代目マーチ(K11)あたりから採用されたのかな?

仕事のあともいろいろ昔の思い出と重なってひとりで納得してました・・・