先日、ブログを見ていただいて尼崎から来店。
オイル漏れを修理させていただいたセレナがユーザー自らフロントハブベアリングのガタを発見。
今度はその部分の修理依頼を受けました。
再度のご利用ありがとうございます!
普通はベアリングの故障の場合、音が出てくる方が先なのですが、今回は音はせずにガタつきが先ということで、珍しいケースです。
まあ音がしようがしまいがベアリング、それも前タイヤの付け根のフロントハブベアリングですから、そこのガタがあると言うことは車の直進性も損なわれますのでまずいです。
ハンドル切ってないのに前タイヤが数ミリとはいえ違う方向を向いてしまいます。
というわけで修理開始。
ココでブレーキパッド外そうと思ったら、取付方が変。
この部分はこうじゃなくて
こう付きます
あとでオーナーさんから聞くとご自分で交換されたとのこと。
どこかの整備士がやってたらえらいことです。
ある意味セーフ(笑)
さてブレーキパッドが外れたら次はローター。
ここから錆との戦いが始まります。
完全の固着・・・・
とりあえずプロ用「超浸透潤滑剤」の登場!
しばらく放置後「秘密の一撃」
でもそう簡単にはいかず四苦八苦。
このローター、右側にある固着時用のサービスホールが左にはない。
普通は左右対称なのになあ・・・と謎がひとつ。
最終的には何かしらの方法で0.5ミリでも動かせば錆での固着は外れるので地道に処理。
やっとの事で外れたー!!
この時点で既に疲れた(笑)
外したローターを観察。
錆で実際ブレーキ路して払いてる面積が減ってしまってます。
パッド自体崩れてきてます・・・
ローターとブレーキパッド見て、ローター研磨、ブレーキパッドの交換が必要、と判断。
オーナーさんに状況を報告し整備許可を得ました。
さて次はホイルを取り付ける部分を分解。
これはもうはっきり言って「力と衝撃」でしか外せません。
スライディングハンマーと言われる工具必須。
そのための土台を取り付けるところから。
取り付けたら、引っ張る!とにかくガツンと引っ張る。
抜けました。
でも予想してたとおり中のベアリングの一部が一緒に外れてきました。
このあたりの想定内とはいえこれをどう外すかが問題。
整備マニュアルには「部品図を参考に一緒に抜けたベアリングインナーレースを分解」としか書いてない。
たった一行ですがこれから新たなる知恵と力の合わせ技が必要。
外すために汎用のベアリングプーラーを利用。
本来はこの部分に使うためのものではないのですがあるものは全部使います。
潤滑剤+工具+知恵+衝撃=錆への勝利
動きました。
動いたらあとは「力」だけで外れます。
これで一山過ぎましたが、次はベアリングの残りを抜き出さないと行けません。
まだ先は遠い。
ベアリング抜けた。
ホッとした
組立はいたってスムーズ。
途中省略で組み立て完了。
ここまできてやっと先行きが見えてきました。
あとは各部品を元通り組み立てるだけです。
きれいになったローターが帰ってきました。
耐熱塗料で錆びないようガード。
時々凍結防止剤を撒く地域に行かれる方はこれ必須。
ほんとは新車の時にやっておくのが最強。
ブレーキ組立。
というわけで完了。
「錆」が部品分解の天敵なんです。
雪に関係ない地方走ってる車ならここまで苦労しないのですが、かといって対策があるかというと、さっぱり。
部品と部品の間に塩水が入って錆を発生、は仕方ないですね。
今回も時間はかかり苦労しましたが「外れただけマシ」という感じです。
尼崎からお越しのM様
遠いところ再度お仕事させていただきましてありがとうございました。
ご縁を感じました。
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