潰れたネジを外す工具買いました

整備作業をしてると当然部品交換など自動車のその部分を分解することが多いわけです。
分解するには何か締め付けたり抑え込んだり固定したりするためにネジ(ビス)を使ってます。

エンジンなどの部品は基本的にボルト&ナットなどを使って組み立てられてるので工具もそれに対応したものを使います。
それに対して内装部品やエンジンでも軽い部品やプラスチック部品などはいわゆる「ネジ」を使ってます。

ボルト&ナットにしてもネジにしても工具がきちんと当たって力を加えることができると緩むんですが、6角形部分の角がなめてたりプラスねじのプラス部分が壊れていたりヘキサゴンと呼ばれる6角レンチなどの穴がまん丸になってたりして途方に暮れるということがたまに発生するんです。

そのネジを緩めることができないとその先に一歩も進めない、てな感じで立ち往生します。

それらのアクシデントに遭遇したときに緊急避難的に活躍する工具があります。

今回は緊急事態対応用の工具を買いました
いや買っておきました。
エンジニア製 DXZ-09

ヘキサゴン 6角レンチ用

プラスねじの穴用

つかむときに口先の広さを合わさずともしっかり加えるバイスや延長工具など

こういう系統の『緊急用工具』はまさに先行投資。
この先何年も使うかどうかもわからない防災グッズのようなものです。
でもあるとないとでは大違いという側面も持ってるのでついつい買ってしまいます。

ひとことで

使うことがあってはいけない工具

といえます。

あ~神様どうかこの工具を駆使してアクシデントをクリアできる事態がこの先起こりませんように・・・・

2024年8月まとめ

お盆休みがあるとは言えあっというまに8月ももう終わろうとしてて、暑さにやられてるうち一月過ぎ去ったという感じです。
今年の暑さは数字上で言うとかなりのものですが湿度が数年前の酷暑よりはましだったと思えるので身体的にはまだ生きてる・・・

というわけでキューブです。
消耗品の手当てということでフロントのロアアームを交換。
とても賢明な選択だと思います。

20年以上前の製造ですがロアアームの取付部のナットが今のプリウスか?という感じの構造で普通の工具が入りません。
プリウス用に買った工具が活躍するとは皮肉なもんです。

両手が塞がるので撮影できませんが嵌め合いを外すのにエアハンマーが活躍する事案。

ネジというネジが錆びて堅い。
20数年いじってないわけですから当たり前と言えば当たり前。
でも雪国を走ってる車の塩害での錆に比べたら比較にならないかも、という錆。
大阪で走ってるだけであればなんとかなりますね。

外れたら新しいものと交換してアライメントを見て完了。

MK53スペーシアはテンショナからの異音で初交換。
走行が10万㎞超えてるのでこれも消耗品の手当てですね。

コンプレッサーベルトの取外しは汎用工具で。

ISGベルトはKTC社製の専用工具で。


テンショナー自体を外すためのボルトは各テンショナーごとに2本。
ダブルテンショナーなので全部で4本のみ。
しかしこれがなかなかの難作業です。とにかくエンジンとメンバーの隙間が狭い。
活躍したのはストレートタイプのレンチですね。

下側のテンショナーは取り付ける前に固定ピンの向きを変えるようマニュアルにも記載。
そのまま付けると取り付けたあとにピンが抜けないんです。
部品製造してる会社とスズキが連携取れてないのかな?
上側は来たままの向きの方が抜けやすいとかほんとどうなってんの?という感じ。
下側のテンショナーは要注意。

外した上側テンショナー。
ひねると音がしてます。

ISGベルトを取り付けたあとのコンプレッサーベルトの取付はスズキのSSTが確実。

スズキのフロンクス。
ショールームに入ってますと連絡をもらったので実物を見に行った。
自分は基本的にメカニックなのでスタイルとかデザインとかあまり興味は無く整備性がいいのか悪いのかが新車の良し悪しの基準です。

年に一度受けなければならない整備士の実技講習。
1日かけての講習なので毎年お店は臨時休業して行きます。

今までなかったんですが今年からこんなシールがもらえるようになったとのこと。

スズキ車のリヤハブベアリング交換。
長いことしてなかったけど久しぶりに作業。

ダイハツタント エアコンの高圧ホースのカシメ部分からの漏れ。
バンパーさえ外せば割と楽ちんに交換できる。

取付ボルトの締め付けトルクを調べるとコンデンサーとコンプレッサーでは少し規定値が違うんですね。
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スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルにて規定量のガスをきっちりチャージして完成。

それ以外にも今年の8月は新車への入替とかが偶然にも連続して発生したりで事務作業や名義変更とかいろいろ。

早く汗のかかない季節にならんかな?と切望してます。

夏期休暇のお知らせ

誠に勝手ながら夏期休暇を取らせていただきます。
令和6年8月11日(日)~令和6年8月16日(金)

8月17日(土)は営業です
8月18日(日)はお休みです
8月19日(月)より平常通りです

臨時休業のお知らせ

勝手ながら
令和6年7月26日(金)は工具の展示会に行くため臨時休業します。
ご不便をおかけしますがご容赦ください。
7月27日(土)は平常通り営業します。

 

エンジンオイルから出てくる泡の謎

エンジンオイルを交換するのに大まかに二通り。
『下抜き』と『上抜き』という方法があります。

下抜きとは、エンジンの下部にあるオイルパンから抜き取り用のボルトを抜いて自然落下で抜き取る方法。

上抜きとはオイルレベルゲージの穴を利用して真空状態を作れる工具を使って吸引して抜く方式。

どちらの方式も一長一短ありますし、エンジンの構造上下抜きでしか対応できないお車もありますし、ベンツなどではメーカーが整備方法として上抜きが指定されてるとか。
(外車のことは知らないので伝え聞き)

うちのお店では上抜き可能なお車はできるだけ上から抜くようにしてます。
オイルを抜くボルトを付けたり外したりするときに何かのはずみでネジが壊れたりするリスクを避けるのと、ボルトに付けるパッキンの節約になるのでお客さん負担も減るからです。

さてここからが本題ですが、ある日上抜きでオイル交換をしてるときに出てきたオイルがやけに泡立つときと泡立たないオイルがあることにふと気づきました。

そして抜き終わった後にこのまま真空状態を続けたらどうなるんだろうと自分の中の「実験君」が出てきてそのまま観察してると泡はオイルの中から無数に沸いていてそれからだんだん泡が消えていく。

そしてまったく根拠もない自分の中の空想ですが、これは

オイルの中に取り込まれた水分が真空状態で沸騰して出てきてるのでは?

と推測。
そして水分が沸騰しきってオイルの中から出終わると泡が消えていくのではと。

そんなことに気づくとこの泡の元はなんなんやろう?と疑問に思い、そこから数十台観察してみました。

すると泡が出てくるオイルは短距離走行を繰り返す車に多いという傾向があること。
同じような走行距離で同じような汚れ方をしてるように見えるのに通勤に使ってる車で通勤距離がそこそこ走るよう車は泡が少なくて、子育て中のお母さんが乗るような自転車代わりのチョイノリな車&ハイブリッド車に泡が多い感じです。
つまりはエンジンが暖まりにくい乗り方をしてる車に泡が多いのでは?と思います。

ガソリンが燃えると水が発生します。
その発生した水のほとんどは排気管から出ていきますが一部はオイルの取り込まれます。
一度でも長距離走行があってオイルが充分暖まるとその水分はオイルの中から蒸発していきます。
オイルの沸点より水の沸点の方が低いからですね。

オイルが温まらない乗り方をしてる車は水分が蒸発せずにオイルの混じったままになります。
その水分はエンジンにはよろしくないので、オイルが暖まりきらない短距離走行を繰り返すシビアコンディションの車はオイル交換をまめにしましょうとなるわけです。

オイルの成分の中には『消泡剤』という泡を消す成分も含まれているのでその性能が劣化したら泡が発生しやすくなるということもありますので何とも言えないのですが・・・

泡が出てきてるのはオイルの中から、まさにビールやコーラの炭酸の泡が液体から出てくる様子とそっくりなのでひょっとしたら水が真空で100℃でもないのに沸騰してオイルの中から気体になって出てきてるの??と思った次第です。

もしこの仮説が正しいのならオイルが水分含んで傷んでますね~という新たな指標になると思うのですがさてどうでしょう??・・・・

動画も張っておきますのでご参考に

Play Video: オイルから出てくる泡の謎

ワゴンR エアコンが冷えない MH34S

エアコン冷え不良のシーズンまっただ中でお問い合わせ・相談が連日続いてます。
そんな中 ワゴンR MH34S なにかしら冷えてるような風は出てるけど明らかに冷えてる感じがしないと言うことでご相談を受けました。

明らかに冷えてないのでいろいろ測定器具を装着。
スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルは圧力計も装備されてますのでいろんな装置をつながずとも総合的に診断器具として使えますので便利。

この日の気温はおおよそ33℃

吹き出し口の温度は約28℃

あきらかに冷えてない

その時の圧力は

エアコン整備を常々されてる整備士ならこの数字で『ガスが足りない』は判断できますね。
では『どれほど足りない』はなかなか当てられないのがガスの量です。
某カー用品量販店やスタンドとか慣れてない整備士ならこの数字でも『ガスは入ってます』とかいいそうです。
自分でもこのメーターの指示値で「どれほど足りない」と聞かれても答えられないのがガス量なんですよね。

ガスの量を診断するには

いったんガスを回収して精密なはかりでその重さを量る

しかないです。

ということで、少なそう、を前提に回収してみました。

するとワゴンRからは35gしか出てきませんでした。

これが新車から自然に減ってこれほどしか残ってなかったのか、どこかが漏れて減ってるのか中古車購入のご新規さんなので整備歴がわかりません。

ユーザさんにも

タイヤの空気と一緒で気体は自然に抜けてしまいます。
それが自然に抜けただけなら足せばまた使えますがもしこれが釘を踏んでパンクしていたのならまずはパンク修理からですね。

と説明しました。

その上で今回はガスを規定量にチャージしますがパンクを見つけるのは同時に注入する蛍光剤を使います。
しばらく走ってください

との了承のもとガスチャージしました。

規定量チャージしたあとの指示値です

最初と見た目何にも変わりませんね。
規定量320±20gに対しての35gですから『ほとんど無い』という状態と、正常な量になったあとの圧力計の指示値は高圧側の数字が正常になっただけです。
ガスの量は圧力計だけでは見分けるのが難しいです。

吹き出し温度は

スズキ車ではこのあたりで低温側のスイッチが切れますから正常な温度まで冷えるようになりました。

ガスが足りなくて冷えなくなるのは当たり前なのですが、以外に軽自動車クラスは100gあたりまでは結構冷えるように感じます。(冷えてないことにユーザーさんは気づいてない)
でもその時のエアコンシステムは少ないガスで全力で働いてるので部品に無理が掛かり、結果的にエアコンの故障に繋がります。

冷えてると言ってもぎりぎりなのか正常なのかでその先のコストが変わってくるのでタイヤの空気圧(つまりは空気量)を見る人は多いですがエアコンシステム内のガスの量にも気をかけてくださいね。
せっかく縁があって一緒の居る愛車なのですからペットと同じだと思います。
いつも健康に気を掛けてあげてください。
ついでと言ってはついでですがエンジンオイルの管理は基本中の基本と呼べる健康管理です。

※ 一週間後ワゴンRのオーナーさんは今度はタイヤのパンクでご来店。
ご縁があって再度お世話させてもらえました。
エアコンは今のとこ絶好調に冷えてると言うことでした。
ガスが自然に減ってたことをお祈りしております・・・・・

 

公道ウルフ13巻本日発売です

公道ウルフ第13巻 本日発売です。
ぜひご購入をお願いします。

あと2024年7月2日まで10巻まで無料で購読できます。
この機会にぜひお読みください!

うちもお店が見れますよ(19話と21話)
無料のアカウントの登録が必要ですがgoogleアカウントとかで簡単に登録できます。
あと無料版にはないですが8巻の見開きページとかに登場します。
https://youngchampion.jp/episodes/07c38df1b1f8c/

行動ウルフ 第13巻 2024年6月19日発売

いろいろうちのお店にご縁があって幾度となくご紹介しております公道ウルフ。

公道ウルフ第13巻2024年6月19日(水)発売決定で現在予約受付中です。
ぜひぜひご予約の上ご購入よろしくお願いします!!
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二葉モータースは劇中の『双葉モータース』を応援しております。

1234yfガス用添加剤 NC-200 施工しました

先日、nutec製 1234yfガス用のNC-200添加剤が入荷しましたというブログをアップしましたそうすると早速そのブログを見てお問い合わせがあり施工第1号として入庫いただけました。
わざわざ奈良からおいでいただきましてありがたいお話しです。

90ノアですね。
ガスは1234yf。
純粋なガソリン車ですので機械式コンプレッサーでした。

作業そのものはオーソドックスにカーステーションサービスデュアルにお任せと言ったところですがホース類が1234yf用のセクションを使うので普段よりは新鮮です。

そして添加剤は1234yfガス用のnutec NC-200です

施工後のアイドリング状態のガス圧。
気温に対していたって教科書通りの値です。

施工前に同じ状態で8.9℃だったので冷えるようになってます。

回収量がほぼ規定通りだったので優秀なお車ですね。
もうそれなりの台数の1234yfガスを施工し始めてますが3年走って66%の回収率だったお車もあります。
メーカによる違いではなくそれぞれの個体差という感触です。
まあそれぞれですね~

遠いところわざわざうちを訪ねてきてくださりありがとうございました。