エアコンガスの充填量はグラムで測定

一昔前までエアコンのガス量というのは
サイトグラスでの泡の量
でだいたいの充填量を量る、と言われてきました。
実際にメーカー発行の自動車整備マニュアルにもそう書いてありました。
いろんな種類はありますが代表的なサイトグラスはこんな感じ。
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マニュアルにはこういう風に書かれました。
ss-12389.jpg
最終的にガスを充填してて、ここまで!、って充填を終了するタイミングもサイトグラスを見ながらコックを閉める、という手順で長いこと行われてきました。
けれども最近のガスの充填量は「グラム」、つまりは重量でしっかり管理されてまして、エンジンルームなどにも
フロンガスh134a
充填量 350±30g

などと書かれたシールが貼ってあります。
そして現在はなんと
サイトグラスは省略
されつつあります。
新車にはめったにサイトグラスは付いてません。
ガスは重量管理をするから要らない、と言う理由とコストダウン、のためでしょう。
あとガスの量を「推測」する方法はガスの圧力を見る方法。
いまでも大半の工場はこのやり方でしょう。
正直うちもこの方法を取らざるを得なかったのでやってました。
けれども作業が終わっても何か釈然としない自分がいました。
「だいたいの充填量」で済ませていいのか?と自問して、やっぱりこれではいけないと言うことで「はかり」を購入して自分自身の葛藤を無くしました。
事故修理完了のワゴンR。
前回りを追突で損傷したためエアコンの部品を交換しましたのでガスの再充填が必要です。
ss-P1090483.jpg
これがガスを充填してる様子。
缶が冷えたらガスが入らないのでぬるま湯で暖めながら充填します。
その下が「電子はかり」。
ぬるま湯を入れた桶とガス缶をセットした状態でゼロ点調整してから使います。
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そして充填開始すると缶の中のガスが車両に移動していくので重量が減っていきます。
なのでマイナス表示になります。
ss-P1090485.jpg
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このお車の基準値が320g±30gだったので340g目処で充填終了。
完全に重量管理して充填したのですっきりさっぱり。
「これでないとあかんよな」、と自己満足。
その状態でガス圧測定。
教科書のような指示値です。
ss-P1090488.jpg
吹き出し温度もOK
ss-P1090487.jpg
自動車整備はやっぱり「数字」に置き換えることが出来ると「これくらい」という曖昧さを排除できて自信を持ってお客さんにお車を返せます。
自分自身も「完璧です」と言えるのでほんとにうれしい。
全てが全て数字に置き換えることが出来ないの仕方ないですが、方法があるのならこうして確実な整備を目指さないとプロとして進んでいけません。
もっとも、数値化には「投資」が必要なのは痛し痒しなんですが・・・・

ガスを適正量に合わせた上でもう一段冷えをよくする添加剤もオプションで用意してます。
ご希望であれば同時作業します。

 

※ 2022/05/22 追記

この記事の段階では重さを量るのは手作業でしたが現在は専用の機械を使ってます。

ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製

カーエアコンサービスステーションDUALPRO

という整備機器を導入しました。


どんな機械かを説明してますのでこちらの記事も参考にしてください

 


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カテゴリー: 修理   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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