ウィングロード サーモスタット開き不良の修理

ニッサン ウィングロード 平成13年 走行22万㎞ GA15エンジン
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12ヶ月点検と言うことでご来店。
お店の前から作業場に車を移動しましたが、この気温なのにずっと冷却ファンが回ってます。
エアコンのスイッチが入ってるのかな?と確認するもオフ。
「あれ~?ずっとラジエーター冷却ファン回ってるのはおかしい」
となにか異常が起こってる、と第一印象。
お客さんは「じゃあお願いします」と帰られそうだったので「ちょっと待って!」と呼び止めて、なにかしら重大な故障が潜んでるかもしれないので時間があるのならお待ちを、と引き留めてとりあえず診断開始。
その時頭に浮かんだ選択肢は
・ファンをコントロールするセンサーの故障
・サーモスタットが開ききっていない
・ラジエーターが詰まってしまって能力低下
などなど。
サーモスタットというのはエンジンが冷えてるときはエンジン内だけで冷却水を流して、熱くなるとラジエーターへ水の流れを切り替えてエンジンの温度を一定に保つ「弁」です。
エンジン回転上げてしばらく水が流れるホースの温度を手触りやら非接触温度計などで点検。
水温センサーあたりの配線やら接触不良確認。
診断機を繋いで水温センサーが出力している温度を実測。
診断機からファンそのものをオンオフして水温の状態を観察。
そして導き出した答は
・サーモスタット開き不良
・ラジエーターのつまり
の二つ。
ラジエーターのつまりを確認するにもサーモスタットの開き具合の確認も取りあえず冷却水を一旦抜くという作業は一緒なので、両方同時に点検。
冷却水を抜いてラジエーターの中を目視。
見たところOKっぽい。
なので今度はサーモスタットを。
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これがサーモスタット現物
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テストは熱湯風呂で(笑)
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温度計を見ながら開弁温度になったらちゃんと開くかどうかをチェック
熱湯風呂テストの様子

新しい(右側)サーモスタットとの比較。
明らかに弁の開き具合が違います。
これぐらい症状がきっちりわかると安心して症状断定できますね。
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新しいサーモスタットを取り付けてエンジン始動。
水温が上がってファンがonになったらすぐに温度が下がりファンが停止。
無事サーモスタットの交換のみで設計通りの作動に戻りました。
お客さんも出費が最低限で済み喜んでいただけました。
オーバーヒート⇒廃車、という最悪のケースに至らないで延命できました。
12ヶ月点検しないとね、というユーザーさんの心がけが大きな出費を防ぐことが出来ました。
こうしてウィングロードはユーザーさんの通勤の足として活躍すべく帰って行きました。


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カテゴリー: 修理日産   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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