スズキパレット プーリーが錆びないように手当てする

今回は車のウィークポイントがわかってるのであれば大事に至る前に手当てをしてみました、と言う話です。

スズキパレット MK21S 平成23年 6万㎞。
車検でご入庫です。
普段からお付き合いのあるお客さんで、当店がインターネットでホームページを開設した当初にお問い合わせいただきそこからお付き合いの始まり、かれこれ15年くらいお世話させていただいてます。
本当にありがとうございます。

いろいろ乗り継いでおられますがこのパレットも乗り換えられて初めての車検でした。

車検作業は消耗品中心にうちでの初めての整備になりますので「うちの基準」にて整備提案。
あとはお客さんの予算とすりあわせの後、作業しました。

パレットというと当時タントが爆発的に売れていて、スズキがあわてて作った作品。
残念ながら急ごしらえが影響してか詰めが甘くてリコールがたしか4~5回施された覚えがあります。
とはいうものの手当てをすれば決して乗れないお車でもなく、中古車の場合、前ユーザーがどこまで投資してくれてるかなど「運」もあります。

このパレット
雨水が流れる経路に具合の悪い設計があって、垂れた水が悪さをしてオルタネーター(発電機)のプーリーと言われるベルトが引っかかる部分が錆びるという弱点があります。
割と有名な話なのでインターネットでも事例が引っかかったりします。
うちがパレットを預かるときはこの部分は必ず点検します。

そして今回も錆びてないかな~と覗いてみると「う~ん、ちょっと来てるなあ~」という感じ。
ベルトもそこそこ劣化してるのですか今回は出費をずらせるよう次回の整備箇所として・・・。

今回は幸いなことに雨水が垂れた痕跡はありません。
水を上から流して漏れテストしましたがなんとか間に合ったようです。
この少し下がった部分に雨水が集中して最後に垂れます。

垂れた下に位置してるのがプーリー(偶然に近い)なので、頻繁に動く車ならなんとかなるんでしょうけど、休日にしか動かない車だと垂れ続けた雨水がかかり続けるため不利です。
ここにはスポンジでできたパッキンもあるので最初のうちは大丈夫ですが経年劣化が進むと垂れてくるんですよね。

手当てはこの黒い「カウルトップ」と言われる部品を一度外して、スポンジを張り替えれば良いのですが、手間はそれなりにかかるので今回は全くの対処療法で垂れる水を「ずらす」という手法で手当てしました。

これなら費用もかかりません。
いざ垂れてきてもプーリにさえかからず違うところへ垂られてくれたら良いのでアルミテープを使って「雨樋」を追加しておきました。

パレットも年式が進んだお車が増えてきて、修理にお金をかけてもらえない車もそれなりの数になってきました。
延命措置ではないですが費用をかけずなんとか乗ってもらえたらええな、とすこしごまかしみたいな作業になりましたがプーリーが傷んでいくスピードは抑えられたのではないかと思います。

ちなみにニッサンのルークスもこの年式あたりのお車はスズキからのOEM車なので同じ事になります。
ご用心・・・・

 

 


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てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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