エアコン配管内のフラッシングとエアコンガス規定量の重要性

スナップオン社製 カーエアコンサービスステーションを使った修理の依頼が続いています。
みなさん以前のブログ記事を読まれたり、スナップオン社のホームページ上での機器設置店検索をご覧になったりでの作業依頼でご来店いただいてます。
配管フラッシング(配管内の汚れ洗浄や劣化したコンプレッサーオイルの入替)のご依頼であったり、一般のお客さんからの「冷えてるけどパンチがない」というご依頼などなど・・

少し前のノアの配管フラッシング同様、ご同業からのご依頼で今回はアトラスです。
エアコンの3種の神器
「コンプレッサー・リキッドタンク・エキスパンションバルブ」
を交換したけど配管の洗浄もお願いしたいと言うことでインターネット検索からうちのお店を見つけていただいてのご入庫。
高圧側の値が期待したほど下がらないのでどこか詰まってるのか洗浄してみたいと言うことです。
エアコンガスは既に入れてあるのでよろしくと言うことでフラッシング工程の初期段階でまずはガス回収。

すると205グラム
規定量は550グラムなんですけど・・・(笑)
ご同業も「えっそこそこ入れたつもりなんですがそれだけしか入ってませんでしたか?」と驚いてました。

通常のマニホールドゲージだけでは入れたつもりでも測って入れてないのでこんな感じです。
開き直って「入ってるから大丈夫」と豪語されるご同業もちらほら見受けられます(笑)
いやいやそれでは素人さんが例のメーター付きのホースでガス入れるのとたいして変わりませんやん、と思うのですが・・

 

そして本題のエアコン配管のフラッシング

 

出てきたコンプレッサーオイルは250ccほど。
交換したコンプレッサーに入ってた量と元々配管内にあったオイルの量が合算されてるようですね。
オイルの規定量は200ccですからガスだけでなくコンプレッサーオイルの量も規定量ぴったりに合わせることが出来ます。

 

フラッシングが完了したのできっちり計量した新しいコンプレッサーオイルときっちり計量したガスを注入。

 

ご同業さんの期待はフラッシングをすることでエアコンサイクルの問題を消去法で消すことでした。
このアトラスの最終的な結論を双方で診断した結果、

エアコンガスを冷却するためのコンデンサーの内部につまりがあって設計通りの冷却ができていないことによるガスの圧力が高い、

ということで根治的作業をするかどうかは先方のお客さんとの相談になるとのことでした。

 

その数日後、ワゴンR MH23S型 平成23年
「エアコンの効きはこんなもんかな?冷えてるように思われへんけど外の空気よりは冷たい」ということでご来店。
吹き出し口に手を当ててみるとあきらかにぬるい・・

外気温34度で吹きだし温度が27度。
数字で見てもこりゃ冷えてない。

ということでまずはガス量を測定。

 

結果は

規定量の30%しか残ってなかったということでこれはヤバい。
とはいうもののご新規さんでいままでどのような管理をされていたのかは不明で新車から今までの間で減ったものなのかここ最近急に減ったものなのかはわからないので「漏れてる」の判断はこの先になりますね。
お客さんには「この夏だけ冷えて来年の夏に冷えないとかになると修理が必要ですね」とアドバイス。

お帰りの節は27℃の吹き出し温度がアイドリングで13℃になって「冷えてる」と言うことでハッピーにお帰りになられました。

 

 

そして週末
ご新規さんから電話。
「スナップオンの機械があると言うことで純度の高いガスを入れてもらったら冷えるようになるのではと期待してます」
とのご依頼。

それだけではよくわからなかったので現在どういう冷え方ですか?と問診してみると

オーナー
「冷えてるようやけど冷えが足りない」
「ガスは入ってる」

とのこと。

自分
「ガスは入ってると言うことですがそれはどうお調べになったんですか??」

オーナー
「オートバックスで見てもらったらガスは大丈夫。というてた」

自分
「オートバックスはガスの重量を測っての診断ですか?」

オーナー
「ガスは入ってるようですが足りないようだったので少し足しておきましたとオートバックスが言うてた」

まあとにかくご来店ください
ということで作業開始
写真は取り損ねましたが外気温31℃で吹き出し温度が29℃。
日産ルークス(スズキのパレットOEM)

う~ん確かに冷えてませんが直感的にガスが足りないような・・

 

途中省略の結論はやはりガスが残ってませんでした。
なぜか似通った数字ですね(笑)

あとでエアコン用の添加剤を入れる前提で規定量は調整してますがやはり30%ぐらいしか残ってませんでした。

オーナーさんには
「純度の高いガスを入れられるのはこの機械の特徴ですが、それ以前にまずは設計通りのガスの量があってそこを基準に次に純度が効いてきます」
とご説明。

そして

「オートバックスがガスを足したという作業はいったいどんなことをしたのか??」

という笑い話です。

 

このルークスも中古車で購入されてるので以前の修理歴は不明で1つ前のワゴンRと一緒で漏れてるのか自然に減ったのかがこれまた不明。
「すぐに効かなくなるようでしたら本格的な修理が必要です」とデジャブーな説明をさせてもらいました。

このあたり年式のお車はスズキ車を含め各メーカー、室内のエアコンユニット(エバポレーター)からの漏れが多いです。
もしそこが原因であれば7万円オーバーの修理になるので・・・。

 

なかなかエアコンの修理というか故障診断は原因の幅の広いので「どこが悪い?」に対しての答は現車を確認してもあれこれ可能性があって難しいですね。
一つ一つ勉強と経験を重ねていかないと、と常に思っています。

 



カテゴリー: 修理   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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