スズキ ワゴンR アルト セルボ あたりのエンジンマウント交換

セルボ HG21S 平成19年 走行約4万㎞
自動車のエンジンはゴムのクッションを介して車体と接合されています。
これはエンジンは始動中、結構な振動が発生しているので直接車体に付けたら音やら振動やらが運転してる人に伝わってそれはそれは不快なものなんです。
このクッションのことは普通は「エンジンマウント」とか「エンジンマウンティング」とか表現します。
省略して我々は単に「マウント」と表現したりします。
エンジンマウントもあればミッションマウントもありますし車によればポンプマウントもあります。
どれをとっても重要なのは「ゴムで支える」と言うことです。
・振動をゴムを挟むことでまわりに伝えないようにする。
・対象物がブラブラ動いてはいけない
伝えないようにするにはゴムは柔らかい方がいい、けれどブラブラしないようにするにはゴムは堅い方がいい。
この相反する働きをゴムの性質、形状、支える位置、など知恵のだしまくりで車は成り立っています。
そして妥協点を見つけ出して世の中に出荷されているのです。
ゴムは経年劣化します。
つまりは時間で堅さなどが変化していくので新車の時は設計通りだった「振動を打ち消しエンジンはしっかり支える」働きにずれが生じてきます。
そうなると
・信号待ちでDレンジで止まってると振動が伝わってくる
・加速時にエンジン音が大きく聞こえる
・アクセル離して減速したら振動する
・シフトをRに入れたら振動する
などなどエンジンの角度が変化したときに不快な症状が出てきます。
なので10年もたてば一度くらいは「マウント」を交換してあげるのが快適なカーライフをすごす一つの方法なんです。
ただ振動してても気付いてないお客様が多数なのも事実です・・・・
残念(笑)
というわけで不快感を感じるとのご相談があったので「確実になくなります」とのお話しでゴーサインを頂いたのでマウントを交換しました。
車体にエンジンがのっかって支えてる部品を外すわけですからそのままではエンジン落ちます、ので外す前には何らかの方法で支えます。
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そしてまずはエンジンの後側のマウント
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新旧そろい踏み。
あまり見た目は変化無し。
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エンジンの助手席側のマウント。
作業の都合上バッテリーを一旦外します。
復旧後のいろんな電装関係の初期化がめんどくさいのでバックアップは忘れずにします。
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新旧そろい踏み
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比べてみますがこのお車の場合見た目はあんまりわからない。
けれどゴムは風化してかなり堅くなっていました。
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そして新しいマウントは所定の位置へ
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セルボは3箇所のマウントで車体に取り付けられているので最後に運転席側のマウント
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同じく新旧
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見た目はゴムが長年の荷重により偏ってるのはわかりました。
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そして全てを元通り。
エンジンかけた瞬間に
振動がなく「お~静かになった」とすぐにわかります。
走ってみて「エンジンの音が減った」
信号待ちであの嫌な「ブルブル振動」が消滅
加速してみたら「アクセルの対する車の反応が良い」
とお客様も大満足。
現在のお車の故障の原因や不快な症状の原因、液体関係のお漏らし症状、などはだいたい「ゴムの劣化」によることが多いです。
もっと身近のものではタイヤとかワイパーのゴムとか。
逆にそのあたりを予防整備していけば新車のフィーリングが甦り、維持できて、お車に対する愛情も復活しますよ。
もちろんそれに対する費用は発生しますが何度も乗り換えることができる人は別にして、自分も含めてできるだけ快適に末永く愛車を維持したいものです。


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カテゴリー: スズキ修理   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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