スズキ ワゴンR ラパン きっちりとしたブレーキパッドの交換方法 ローター研磨

自動車整備工場あるあるの1つに「同じような症例とか整備事例が続く」というものがあります。
全く別の場所で、別のオーナさんが、別の使われ方をしてるにもかかわらず、同じようなタイミングで同じような不具合で入庫するわけです。
オカルトチックに「誰かがコントロールしてる」と感じざるを得ないときがあります(笑)
間髪入れずに入庫したワゴンRとラパン。
どちらも
「あとわずかでブレーキパッド使い切る」
いいタイミングでの入庫でした。
もう少し遅かったら余計な部品代が掛かって「ざんね~ん」と言う状態でした。
どっちもお客さんは不具合を感じることなく車検と12ヶ月点検で入庫。
作業してるこちらはメーカーも同じと言うこともあって部品の形も含め「風景一緒やなあ」と思いながらの整備でした。
ワゴンR MH23S 平成23年式 走行18万㎞
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新旧比較
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普通のブレーキ整備ならブレーキパッドを交換して終了、てなもんですが自分はブレーキディスクの傷みも気になります。
今までなら専門業者に外注してブレーキディスクを修正してもらって・・・という手順だったのでどうしても時間的に遠回りが必要でそうなると急ぎの仕事なら「残念ながら省略」ということがあって悔しく思っていました。
そんな折ディスクローターを自社で修正できる工具をゲットできたので思ったときに自社内で修正できるようになり、質の良いお仕事を提供できるようになりました。
ブレーキパッドのように目に見えて摩耗するわけでないですが、表面がでこぼこに、レコード盤(死語)のような線傷、そして厚いところと薄いところができて均一な状態ではなくなってます。
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それを専用の工具で均一に削ります。
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これでブレーキパッドとブレーキローターが100%なじみ始めるので設計通りの制動力が得られるようになります。
大阪は凍結防止剤などの塩害の影響はほぼありませんがやはり使われ方によってはブレーキローターに錆が発生するので耐熱塗料でお化粧しておきます。
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全てを組み立てて完成
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続いてラパン HE22S 平成26年式 走行6万㎞
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これも見事に使い切る寸前
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ブレーキディスク表側
見た目は正常
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でも裏側は外周から錆が侵食してきててブレーキパッドの接触面積(接触幅)が減ってます。
こうなると止まる力が減ってしまってます。
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同じようにディスクを研磨修正
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ディスクの摩耗限度は10.00㎜
研磨修正終わった段階でまだ残量は確保できています。
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うちではディスクブレーキの整備をするときはブレーキのピストンを脱落寸前まで押し出して錆の確認と滑りをよくするため清掃と注油を施します。
これをするだけで足で踏んだ力が100%ブレーキパッドに伝わってブレーキの効きとして反応します。
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写真はありませんがスライドピンへの注油、パッドサポートの磨きなども必ず行います。
そして各パーツの整備が終わったら組み付け
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スズキはブレーキ廻り消耗部品、このあたりのお車はほぼ全車種使い回しの共通部品です。
コストダウンするために部品をできる限り使い回すんですね。
その車種だけの部品とすると製造コストが上がりますからね。
軽自動車は庶民の車、というスズキの方針がよく見える部分です。
なお当店ではスズキ車のフロントブレーキパッドは純正品を使います。
パッドに付属する異音止めのプレートがセットされてるのでその部分も同時にリフレッシュできます。
メーカのわからないようなパッドも格安で販売されていますがせっかく整備するのですからきれいさっぱり消耗部品とすべての構成部品を交換したほうが結果的にリーズナブルな部品価格だからです。
それにしても写真を眺めてると誰のどの車の写真やったかなと思うぐらい同じ風景、同じ痛み方の整備でした。


595-0063
大阪府泉大津市本町5-23
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カテゴリー: スズキ修理   作成者: てんちょー パーマリンク

てんちょー について

専門家や職人は仕事の話をするときに専門用語やら隠語を使わないとお客さんと会話できないという習性に疑問を持ち、自動車に関して自分の知ってることや機械の原理をいかにわかるように説明できるかを考え続けてるちょっと変わった自動車修理の職人。 仕事の質ももちろん、その仕事の内容をお客さんに理解してもらうことを自分自身の生き甲斐にしてるおっさんである。

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