VOXY AZR60 のリフレッシュ

トヨタVOXY(ヴォクシー) AZR60 平成18年式 走行159000㎞

 

息子が子育て車を必要として3列シート車を用立てないといけなくなり、

「どうしたものか?現状は新車の遅延もあって中古車も高いしなあ~」

と思ってたらたまたまお客さんが乗り換えるというタイミングの良い話でVOXYを譲っていただけることに。 じゃあリフレッシュさせるために手入れして乗らせようと着手。

車の現状は管理させてもらってた車で整備歴は完全に把握できてたので、まあまあそこそこ整備したら乗れるだろうと。 なかなか現状は甘くなかったですね。さすが14歳15万㎞オーバー・・・ でも車は生身の動物ではなくとやかく制限が無ければ復活させることは可能、と見本車を作るべく足回りは除いて実用的に子育てが終わる頃まで乗れるよう方針を立ててみました。

まず気付いてたのはエンジンの振動が伝わること。

これはマウントと呼ばれるエンジンを車体から浮かす部品を交換すれば新車の時の静けさが戻るのでこれをするだけでまあ大丈夫かとたかをくくってたのが間違いの始まり。

自分基準で不具合箇所と目があいまくりでとんでもない作業量(部品代)になってしまいました。

通常のお仕事ならばお客さんの予算とかもあるのでどこまで手当てするかを調整しながら最後の最後は泣く泣く見送り,という結末もあったりします。

けれども身内の車となれば判断基準は「自分の満足のため」というヤバい流れで物語は進む・・・

最初はマウントだけのつもりだったのでその為にバッテリー外したりしてマウントへのアクセスを確保。

 

 

ところが運転席のマウント外そうとしたらウォーターポンプから水漏れの跡が。 通常であればここでお客さんに電話して追加作業の相談orしばらく乗れそうなので予算だてしといてくださいね、とお願いをするところなんですが自分で判断するため交換を決定。 交換のためオルタネーターを外すことに。

 

マウント交換のために外した部分は後回し

 

 

このポンプ交換というのが60系のノア・ヴォクシーはエンジンをずらさないと外れないですよね。 でもマウント交換するつもりだったので運転席側のマウントはあっさり撤去してエンジンをずらして交換。

 

 

ポンプを交換したのでこれはサーモスタットをついでに替えよう。

サーモスタット替えるにはラジエーターロアホースを外すので交換。

そうなるとアッパーホースも交換した方がええよね、と言うことでホースを外すとなんとラジエーターが劣化末期・・・・ 黒いはずの素材がこの色になってきたらもう寿命です。

ということでラジエーターおまえもか・・・ 外したら見えない部分も白く変色してきてて気付かず乗り出したらすぐにラジエーターからの水漏れで立ち往生してたでしょう。 気付くことができてセーフ。

 

 

新しいラジエーターが来たので交換。 懸案箇所が1箇所減って安心が増えましたが出費も増えます(笑)

 

 

そこら辺まで作業が進んでやっと最初の計画であったマウントの交換に着手。

 

 

ポンプを替えるために外したオルタネーター。

別に異常も異音もなかったんですが、距離を考えるのともし故障したときの取替作業を考えるとどうしてもこのまま古いオルタネーターを車に戻すのは我慢できずリビルトオルタネーターを発注。

また出費が・・・という横からの非難に耐えて、 「また安心が増えたし作業効率はすばらしく良かった」・・・と自己満足。

 

やっとこさマウント交換、ラジエーターを含む水回り全般、オルタネーター、補機類ベルト、など交換してエンジン冷却水を入れて一段落。

冷却水入れるときは診断機で水温見ながらオーバーヒートさせないよう要監視。 本来の仕事の合間にちょっとずつやってこの時点でもう7日目くらい。

 

 

エンジンオイルやフィルターも交換。

エンジンが掛かって走れるようになったので試運転。

最初に気付いたエンジンの振動は完全に止まってるのを確認して満足。

 

 

走る、曲がる、止まる、は一通り確認できたのでつぎはエアコンコンプレッサーオイルの交換。

スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルは配管内のフラッシングと同時に古いエアコンコンプレッサーオイルを外に出してくれるので実質的なオイル交換が可能。 透明なコンプレサーオイルが黄色く劣化してるのがわかります。 透明な新オイルを充填。

 

 

15万㎞オーバーCVTのフルードは一度も交換歴がなかったのでストレーナー交換も含めて全量圧送交換。 オイルパン開けて中の磁石に付着してる鉄粉など綺麗のお掃除。

 

 

 

 

交換が終わったらオイル量を調整するのですが、これまたややこしいやり方で交換時に80℃kらいに暖まったフルードの温度を冷まして30℃~40℃の間で測るというとてもめんどくさい方法。

もうちょっと他にやり方ないのかと思いながら自然冷却しか思いついてなかったところYouTubeでスポットクーラーを使うやり方を見させてもらってすばやく模倣(パクるとも言う) こりゃいいですね。 半日かかって冷ましてたのを1時間ぐらいで冷やせますね。

 

あとこのエンジンは燃料噴射の方法でどうしても煤がたまりやすい構造なので吸気管内部をこのケミカル剤を吸わせて清掃。

物理的に清掃する方法にはかないませんが何もしないよりは効果はあるケミカル剤なので施工。 ワコーズさんのRECSよりはエンジン回復が体感できますね。

 

 

そんなこんなでなんとか中古車リフレッシュが完了。

これ以外にも60系の弱点であるパワステギヤボックスのブッシュの劣化があったので対策ワッシャーを使って延命&コストダウン。

このあたりの交換か修理か対策かごまかしか(笑)はその時の状況で選択でしょう。

お客さんとのコミニケーションがしっかりできればリーズナブルな方法を選択することも可能ですね。

復活したVOXYは子ども(つまりは孫)の成長を見守りながらしっかり働いてくれることを願ってやみません。
しっかり働いてね~


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