トヨタ RAV4 平成12年式 距離7万㎞
車検でご入庫です。
入庫時の問診で、お気づきの所は無いですか?とおたずねすると
「走ってるときは気にならないが信号待ちしてるとどこかで何かがコトコト鳴ってる」という話。
それ以外は別に異常を感じてないと言うことでいざ着工。
気になるのでまずは音を確認するために試走。
最初は内装部品の劣化(もう21歳)やエンジンを支えるマウントとかの劣化かな?と思ってましたが信号待ちで聞こえてきました。
シャカシャカ、コトコト、カタカタ、あたりの音。
またなにかしらエアコンの吹き出し口の温度が高いか低いかのどちらかに偏ってることを発見。
そうなると「はは~ん、あれか」。
というわけで帰って早速その部品を見てみると
本来指示された位置で止まらないといけないのにずっと動いてる。
この部品は各社呼び方は違いますが、エアミックスサーボとかエアミックスアクチュエーターとか。
トヨタの場合正式名称は「エアミックスダンパー」
内部の接点の摩耗により変な動きをするようになります。
この接点の摩耗ですが室内温度が高かったり低かったりすると設定温度に近づけるために目一杯回転します。
そして室内温度が設定温度に近づいてくると微調整に入ります。
この微調整してるときの幅が小さい上に細かく移動するため接点の同じ場所が摩耗してしまうんです。
この構造を持ってるモーターはメーカー問わず起こる故障です。
交換後中身を見て見ます
故障してるエアミックスダンパー
外して単体にしました。
爪を数カ所外して分解
この回転するギヤの黒い部分が金属で出来た接点です。
この黒い部分を接写していくと一部黒い金属が摩耗して土台のプラスチックの色になってるのがわかります。
色が変わってない部分でも接点が触っていたところが摩耗して溝になってるのがわかります。
接点の金属部分が無くなるため結果的に接触不良が思ってる状態になるため、自分の回転位置を見失ってしまうわけです。
ネットなどのDIY記事を見ると、接点についてるグリスが原因で接触不良になるのでグリスを清掃して組み直したら治ったというのが結構ありますが、接点の消耗についての記述がないのでたぶん再発します。
根治させるには交換するのが最良の方法です。
もっといいのはこのギヤ部分だけ単体で部品が出たらリーズナブルな修理方法を選べるのですが、残念ながら部品設定はありません。
新しい部品の動作状態の動画です。
ピタッと所定位置にに止まります。
音も無くなりエアコンの効きも快適温度になるのが早くなりました。
車検にまつわる作業も標準的な消耗品
ブレーキフルード
エンジンオイル
オイルフィルター
点火プラグ
エアコンフィルター
ワイパーゴム
冷却水強化剤
などなどで終了。
RAV4はオーナーさんの元へ元気になって帰って行きました。