スズキ パレットの車検報告

スズキパレット MK21S 平成24年 走行約1万㎞ の初入庫車です。
車検整備内容をお知らせする報告用ブログです。
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他所で整備されていたお車はまず整備歴の探索からスタートです。
このとき「整備記録簿」といわれる履歴書が車検証入れなどに入ってると目安を付けるのには大変助かります。
車検の時は当店を含めてほぼ整備記録簿を搭載してお客様にお車を返します。
ある意味記入してお客様へ返すのは義務です。
でも車検代行業やら未認証の整備工場などで車検をすると搭載されていなかったり、書かれてる内容が、
さっぱり参考にならん程度の体裁を整えてるだけ
てなこともあります。
まあこのお車の場合なんといっても走行距離が1万㎞、そのうえ日光の当たらないガレージ保管のお車で極上の状態なので、あまり気負うこともないのですが・・・
とはいえ7年間でワイパーゴムやらバッテリー、ほか大きな消耗品も交換されたような記録がないのでそのあたりを重点的に整備しました。
他工場で整備されたお車でやはり気になるのはブレーキまわり。
当店は「ブレーキ機構成部品の各パーツがしっかり動く」を目指してますのでそういう整備方針で行います。
前ブレーキは簡易的にはホイールを外すとおおよそ雰囲気はつかめます。
分解清掃はあとでしっかり
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後ブレーキはパレットなどスズキのお車は車軸のナット(リヤハブロックナット)を外さないと残量の点検すら出来ません。
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この状態で初めて後のブレーキを「診る」わけです。
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前のブレーキの点検
分解は割と簡単です
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気になるのはこのブレーキパッドのホルダー部分。
グリースを塗ってブレーキの摩耗粉を呼んでぐちゃぐちゃになってるケースが多いです。
賛否両論ありますが自分はこの部分は「乾燥潤滑が正義」だと思ってます。
塗られていた油脂分をきれいに洗い流して乾いた状態で元に戻します。
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片方の同じ部分はグリースがあふれてました。
これは塗るとか塗らないとか言う以前に論外ですね~
同じ整備士としてちょっと悲しくなります。
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写真は撮り忘れましたが前ブレーキには「スライドピン」と言われる大事な部品もあり、ここへの注油は必須ですのでしっかりやっておきました。
いままで分解清掃された痕跡はなかったので7年目で初めてですが・・・
あとはブレーキフルードを入替。
エンジンオイル&フィルター
エアコンフィルター
ワイパーのゴム(なんと7年間替わってない)
バッテリー(これも7年間がんばりました)
エンジン冷却水強化材
などなど消耗品を交換。
当店はスズキ車専用診断機を備えてますので、最終的に車載コンピューターとパソコンでやり取りをして過去からの故障歴を車検時に診断しています。
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リモコンキーの電池の電圧低下の履歴が残ってますね。
初期化して消しておきましょう
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CVTの制御プログラムのバージョンが古かったのでアップデート
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アップデート中
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完了
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7年間清掃されたことがないであろうエンジンルームが気になったので小ぎれいにしておきましょう。
これはあくまでも「自分の満足」のための作業です。
俗に言う「気持ちの問題」(笑)
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というわけでパレットはお客様の生活の足&お仕事のお供として帰って行きました。
しっかり働いてね!
泉大津市からお越しのYさま
当店を選んでいただきありがとうございました。
またのご利用をお待ちしております!!

臨時休業のお知らせ

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勝手ながら今度の土曜日 5月18日(土) は工具の展示会に行くのでお休みさせていただきます。
ご不便をおかけしますがなにとぞご容赦ください。

今どきの車はブレーキ痕は残りません 大津市の事故や池袋の暴走事故

どんなことでもそうなんでしょうけど、その分野に明るいと新聞やらニュースで伝わることに「えっ?それはないわ」と言うことが増えてきたような気がします。
自分たちで言うとやはり自動車関連の事故の検証とか、自分が好きな鉄道のことやらをまことしやかに報道されると「うそばっっかり言うてる」って気付きます。
建設業界の人から見ればその話題とか、経済に明るい人ならその方面とか、きっとそれぞれの人が得意なジャンルでの報道のおかしい部分に腹立たしい思いをしてるのでは?と思います。
最近自分なりに気になったのは、大津市の保育園児の痛ましい事故の報道でも、池袋の暴走事故の報道でも、
現場にはブレーキ痕がなく
っていう一文です。
神戸のバスの事故の時、後から捉えたドラレコの映像が流れ、あれを見たときは
ブレーキ踏んでないまま走った
と職業柄直感的に思いました。
あきらからにブレーキランプが光ってなかったことを凝視してたから。
そういう客観的な事象を確認できたのなら、ブレーキ踏んでない、と言えるのでしょうけど、現場のブレーキ痕がない、は大きく違います。
というのも最近の車は「ABS」(アンチロックブレーキシステム)が付いてるから。
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画像がよくできてたのでネットから借りました。
池袋はプリウス、大津市はそれなりに新しいダイハツ車。
これらの年式の車にはもれなくと言っていいほどABSは装着されてます。
昔レーサーの方が主催する講習会に行ったとき、
教習所では、ポンピングブレーキを利用してロックさせないように車を止める、という指導を行ってるので日本人は、「タイヤをロックさせる=悪」、と言うイメージで運転してるのでブレーキを踏みきれない人が多い。
ほんとの急ブレーキは、ブレーキペダルを足で踏み折る、ぐらいの気持ちで踏むのが正解。
と教えてもらいました。
なので
ほとんどのドライバーが
ブレーキを踏み切れていない=ロックしない

仮に完全にそんな感じでブレーキを踏み切れてもABSが付いてる車はロックしてる時間が短いので「ブレーキ痕」が残らない。
と思うのです。
過去からの書き方を踏襲してるのか、実際取材記者の文章の引き出しの中には、
ブレーキ痕がないからブレーキを踏んでいない、これはすごい過失だ。
と言う定型文しかないんでしょう。
被害者の年齢とか遺族の悲痛な思いを感じるとこれら連続して起こってる事故の痛ましさはとんでもなくひどいのに、報道はなにか見ないといけないところを見ず、むしろミスリードしてあらぬ方向へ導いてるのが何とも歯がゆく残念。
と思えるのも自分がその方面に明るいからでてくる不満です。
これが専門外ならニュースをあたまから信じてしまい変なところへ連れて行かれそうです。
新聞記者もなにかしら専門分野で振り分けた方がいいのでは?と思います。
それとも記者も人手不足で使い回し??(笑)