日産サニー 車を愛する気持ちは素晴らしい

日産サニー FB15 平成11年式 走行約9万㎞

オーナーさんに愛されてるお車は時としてすばらしいカンで故障を予防できるんですね。
という事案を体験しました。

旧車を維持して乗ってると自然に「部品がなくなる前に・・・」という予防整備に軸足が乗ってきます。
一昔前なら結構な年数が経ってても部品が在庫されてたりして、いつまでも大事に乗る、というのが日本車の文化みたいなものでしたが現在は耐久消費財として扱われるようになり、いつまでも古い車を維持するお手伝いはできません、というメーカーの声が聞こえてきて部品の製造廃止が多くなってきました。
そうなると修理できたものが部品が無くて泣く泣く乗換・・・
というケースもちらほら。

そんなこんなでこのサニーですがオーナーさんがサニーのウィークポイントをいろいろ調べて見つけてきてスロットルバルブボディーを替えて欲しいとのこと。

「何か調子悪いんですか?」

「いやいや調子は悪くないけど水漏れしたりすることがあるらしいので部品のあるうちに替えておきたい」

とのこと、

なるほど!では替えましょう

ということで作業開始。

このときは簡単に「予防整備することは素晴らしいなあ」、と気軽に取外しを始めました。

外してみたらビックリ
クーラントがジャジャ漏れ状態で危惧してた症状がそのまま目の前に。

もちろんインテークマニホールドにもクーラントを吸い込んだ跡が。

オーナーさんが一番気にしてた

コネクター部分にクーラントが漏れてショートしたら車のコンピューターまで焼けてしまう。

と言う症状の始まりまで発見。

この水漏れ症状、表から見ると何もわかりません。
恐ろしいことです。

いや~ほんとに今日作業してよかったですねぇ
と作業したこっちまで感動してしまうような絵に描いたようなドラマ。
オーナーさんの知識が素晴らしい働きをしました。

リビルト品(中古を修理した再生品)に交換してすっきり。

我々整備する側はいろんな車種に対応しなければならないのでオーナーさんからする「一対一」の知識ではあきらかにまけてしまってることも事実です。
そのお車に対する愛情は越えることはできません。
なので愛されているお車は結構オーナーさんのカンが当たったりして偶然の産物で生きながらえたりします。

時々こう言うことに出くわすとペットと同じやね、と思ったり・・・
これは説明できないし根拠も全くないですが車と人が以心伝心してるんやろうなと思います。

サニーはまだまだこのオーナーさんと一緒に居たいんやろうな~

末永く仲良くね(笑)

エアコン配管内洗浄 オイルフラッシング

ステップワゴン RK5型
ご同業さんからコンプレッサーが壊れて新しいコンプレッサーを付けるので稼働させる前に配管内部の洗浄をお願いします、ということで作業開始。

コンプレッサーが焼き付いて壊れると細かい金属粉が発生して、エアコンの配管内に流れ出てしまいます。
その金属粉が配管の狭い所に詰まったりすることがあるので、エアコンコンプレッサーが壊れたときはできるだけ配管内の洗浄をするのが整備のセオリーです。

いままでなら配管を一つ一つ分解してパーツクリーナーや専用の洗浄液を使って洗い流していたのですがたいへん手間がかかります。
手間がかかる=お客さんが支払う料金が上がる、ということです。

できるだけコストをかけずにきれいにできればと言う話なんですが、スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルはその洗浄を配管を分解せずに液体状態のエアコンガス(フロンガス)を配管内に流して使うことで洗浄できる機能を持ってるんですね。

この機能をフルに使って配管内洗浄します。
事前に打ち合わせしてあってガスは入ってないんで配管を外してカーエアコンサービスステーションデュアルに接続します。

真空引きから液体フロン流し込み洗浄までは自動です。

洗浄が終わったので配管を元に戻してエアコンガスをきっちりグラム計測で充填(チャージ)します。

作業時の外気温は28.6℃
ちょっと涼しくてうれしい(笑)

最終的なガス圧力は教科書通りの圧力ですね。
ガスが規定量入ってる前提で圧力を測らないと誤診断します。

吹き出し温度は温度センサーでコンプレッサーが切れる限界まで冷えました。

出てきた配管内の汚れがまじったコンプレッサーオイルです。
微妙にグレー色が混じってますね。
これが金属粉の汚れです。
きっちりコンプレッサーオイルも設計通りの量が出てきてますので完全に入れ替わります。

最初に回収したガス量が540グラム。
コンプレッサー交換後洗浄。
オイルを150cc入れながらのガスチャージで800グラム。
実際に使ったガスは800-540=260グラムでした。
洗浄中にガスを消耗するので実際は400グラム程度消費しました。

きっちり整備されたステップワゴンはご機嫌よく走ってくれることでしょう。