お正月休みのお知らせ

2023年度もごひいきにしていただきありがとうございました。
2024年度も引き続きお付き合いいただけると幸いです。
どなた様も良いお年を・・・
そして明るい新年を迎えていただけることを祈念いたします。

セドリック プロペラシャフトセンターベアリング&デフセンターシール交換

セドリック Y32 平成3年式
時々ブログの登場する大事に維持されてる幸せなセドリックです。

今回はプロペラシャフトのセンターベアリングあたりからの異音を手当てしました。

お客さんに教えてもらうまで知りませんでしたがプロペラシャフトをリビルトしてくれる業者さんがあるとのことでそちらで手入れされたプロペラシャフトを使います。
愛車に対する知識は整備する側でプロでもかないません。
一緒の共同作業ですね。

んで話はプロペラシャフトを交換するということで進んでいたのですが、実車を見るとデファレンシャルギヤケースのセンターシールからデフオイルが漏れ始めてたのを発見。
こう言うところも運が良い車は早めの手当てができて結果的に長く乗れるんですね。
一連の作業の延長で工賃的にもかぶる作業なくシールも同時交換できてよかった。
まずはデフオイルを抜いて

もろもろ取外し

デフの下のドレンボルトは磁石になってるので鉄粉が吸着されてるのでフキフキ

新旧のオイルシール

組み立てて終了

愛情を受けてるお車はなにかと調子よく末永く動きますね。
日頃の心がけと言えばそれまでですが「壊れたら乗り換えるねん」という方以外は日々の愛情次第でしょうね~

というわけでセドリックは愛してくれてるオーナーさんのもとへ帰っていきました。

バッテリーを替えた~ って安心してませんか?

どちらかというと整備士さん向けの話です。

エンジンが掛からないという一報が来たとします。
大抵のお客さんはこう言ってきます。
でも我々整備士は一番初めにセルモーター(スターターモーター)が動いているのかどうかを知りたいんです。
なので問診の最初に「セルモーターは回っていますか?」と聞きます。
この時点で「?」マークの方も居られますが・・・
なので

キーをひねったりボタンを押したら車から何か反応ありますか?

という風に聞き直したりします。

何も反応しない
カチャ、と音が鳴る。
カチャカチャ言うてる
メーターのランプはいっぱい点いてる
・・・などなど

なかにはセルモーターは回ってるけどエンジンが掛からない、と伝えてくれる方も居られます。

まあそんなこんなでエンジンが掛からないという一報でおおよそ半分以上はバッテリーが放電してしまっていてエンジンに「助走」を与えられずにかからないという感じです。

その修理というと

バッテリー交換

で全て解決というのが大半。

ただなぜバッテリーの電気が足らなくなったかは誤解を恐れず大きく分けると
・ バッテリーの寿命=電気を蓄える能力が劣化した。
・ 充電系統(エンジンかかると自家発電します)が壊れた。
のだいたい二つです。

どちらにしてもバッテリーを交換するという作業は充電系統がしっかり働いてるという前提での解決方法です。
充電系統が壊れてるとバッテリーをいくら交換してもそのバッテリーの電気がなくなれば終了です。
我々整備士は上記のおおまかな二つの原因の最終的な確認事項として、バッテリーが健全でその上充電系統に問題が無いと判断したときに整備が終わりお客さんに車をお返しするという段取りになります。

自分がする最終点検は
エンジンが回ってない状態でバッテリーは12.6V以上。
エンジンが回ってる状態でバッテリーが13.8V以上になってるか

充電電流が最大負荷をかけてもマイナスになってないか?

発電機の発生電圧の波形に異常が無いか?

そして発電機とバッテリーの間にロスが無いか?
発電機の出力端子とバッテリーのプラス電極の間を測って電圧降下が多くないか?
を診てOKとします。

発電機で恐いのは発電してるけど足りない、というときもあるので念には念を入れてと言う感じですかね?
でないと数日後にまたバッテリー上がり、という整備後にまた整備という恥ずかしい事態に陥るので避けて通りたいストーリーなんです。
もちろん遮断されないといけないのにずっと電気が流れてしまう故障も有ります。
これはまた別の診断で有るのですが写真撮るのを忘れたので今回は割愛。

まあしかし最近はバッテリーが劣化するという事象を知らないお客さんが増えてきてその説明に四苦八苦することがあります。
スマホも古くなると1回充電しても持ちが悪くなっているのを経験してる思うのですが自動車のバッテリーとは繋がらないようですね~

自分は泥が溜まって上げ底になったバケツ、と説明してます。
見かけは水が満タンやけど実際は大半がごみで溜まってる水は少ないねん、と。

女の人には新品のスポンジと干からびたスポンジではどちらが水をためられますか?

と。

さて・・・理解してもらえてるのか?(笑)

あと最近思うのは「エンジンが掛からない」という言葉が「エンジンが点(つ)かない」という言葉に変わってきてて困惑します。
たしかにボタンひとつで動き出すので「点く」というのはわからんでもないですが、言葉は生き物でその時代で変化するというのを実感します。

アルト ブレーキの効きが悪い

スズキ アルト HA24S 平成18年式 走行約17000キロ

整備内容の説明のためにブログにしました。

年式の割に距離が浅いお車です。
「ブレーキの効きが悪い」という一報でご入庫です。

どんな風に効かないんでしょうか?

ブレーキを踏んでも車が走ろうとする感じ

こんなやり取りでその時はブレーキパッドが消耗してしまってブレーキローターを削りまくってるのか?とかブレーキのどこかが固着してるのかと入庫まで悶々と想像します。
うちの管理車両ならブレーキが固着するなんて言うことは無いように普段から手入れしてますがお得意さんの併有車なのでこのお車の入庫は初めてになります。

ということで入庫してから確認すると年式にしては距離が浅い。
と言うことは裏返すと止まってる時間が長いと言うことですね。
お預かりしてすぐにブレーキローターを見ました。
かなり錆びてえくぼだらけ。
この時点でまずこれかなと思いましたがまずは試運転。

ブレーキを踏んでみるとたしかに他の同型式のアルトと比べても効きが悪いのはわかりましたのでとりあえずリフトアップ。
裏側からブレーキローターを見たら
「ああこれか」という状態。

光ってる部分が実際ブレーキ力を発揮する部分です。
ほんとはローターの全幅が光ってないといけないんですが距離の浅いお車はどうしても錆が回ってしまいます。
ちょこちょこ動いてると錆びても何回かのブレーキで錆は落ちるんですが錆の方が強くなってしまうとこうなります。

雰囲気はわかったのでとりあえず4輪ともブレーキを分解して点検開始。

後はオーソドックスな感じですが、ブレーキシューの表面をサンドペーパーできれいにして最後はブレーキの隙間を目一杯詰めて調整します。
これだけでも効きが変わります。

ブレーキ調整が終わったらセンターナットを規定トルクで締め付け。

ナットを締めたらカバーを付けますが前回の整備の時にちゃんとした工具を使わずに取り外したため凸凹にしてしまっててこのままでは水が入ってベアリングが錆びてしまうので新しくします。

取り付けるときも真ん中をハンマーで叩くとこれまた凸凹になるので「縁」を叩けるよう工夫が必要。

これでよし!

外側の錆もできるだけ落してあとはお化粧しておきます。
性能には関係ないですがちょっとしたこだわり。

次は本命の前のブレーキを分解点検
表からの錆よりも裏側の錆がひどくてブレーキパッドとローターが半分くらいしか接触してないんですね。
これでは「効かない」と感じるはずです。

錆のおかげでいびつになってしまったローターを研磨(研削)して修正します。
まずはブレーキローターを取り外します。

取り外したら研磨機に接する部分の錆取り。

そして旋盤で材料を削るのと同じで均一に面を出していきます。

出来上がり

あとはローターを組み付けるだけ・・・ではなく自分なりの基準で組み立てていきます。
ローターの取付部分の錆取り

ピストンを押し出して錆びてないか、汚れてないか、固着してないかを確認。
この場合も汚れをできるだけきれいにしてからゴムとピストンの間に注油しておきます。

ブレーキパッドを支えるホルダー。
この部分にグリスを塗る整備士さんが多いですが自分は塗らない派。
ご覧の通り摩耗粉とグリスが混ざり合って泥団子になり悪影響しかないと思うからです。

グリスをきれいに落してその上で磨き上げておきます。

スライドピンへの注油も必ず。

今回ブレーキパッドは残量もたくさん残ってましたが、錆のおかげで変な減り方になっていたのと、距離を考えたらきっと新車から一度も交換されていなくて硬化してると思ったので新品をチョイス。
スズキの純正を使うと音止めのシムも新品で付いてくるので何かとお得。
リフレッシュには最適です。
シムとパッドにもグリス塗る人居ますが自分はここでも塗りません。
理由はグリスが異音止め効果がほぼ無いのとやはりここでも泥団子。

前のブレーキ組み立て完了。
黒くなってるのは錆が再度回らないように耐熱塗料を。

試運転後のローターです。
耐熱塗料も走ればきれいに取れます。
ローターの幅全面が接触したらブレーキの効きが復活です。 

たぶんですがこのお車の場合前回の整備(1年前の車検時)にはすでに錆は発生してたと思うんです。
そんな短期間で発生した錆の量や厚みではなかったので前回整備時に錆落としやちょっと一手間かけて軽く磨いておいてあげればこんなことにはならないですけどね。

雪国では凍結防止剤のおかげで普通に一冬でえらいことになるそうですが、ここは大阪です。
いくら乗らないお車でも2年に一度くらい軽く錆落としをしてあげたら普通は錆びません(キッパリ)

そんなわけでアルトはお仕事の足車として帰って行きました。
オーナーさんは「まだ動いてもらわないと困る」とのことでしたので活躍してくれるでしょう。

あとは余談です。
誰かがエンジンルームでパンを食べようとしたようです(笑)
食べてる最中に車が動いたのかここに隠しておいてあとで食べようとしたのかは不明・・・

ヘッドライトのくもりが気になってどうしても捨て置けなかったので磨いておきました。
本格的にきれいにするには時間と費用がかかるのでこのあたりで許してください。

精魂込めて整備させていただきました。
当店にご用命いただいてありがとうございました。

パソコンの電源ユニットが寿命

前回の記事で書いたとおりインターネット回線が新しくなってトラブって解決したと思ったらまたトラブル・・・

次の車の修理診断のために夜な夜な下調べとしてるといきなりパソコンがブルーバック。
直感的にこれはデーター系統が壊れた!、っと悪寒が。
そのまま恐る恐る再起動してみたら電源入れた瞬間はモニターの電源が入るけどすぐに電源が落ちた状態になる。
うちはモニターの電源はシンクタップと言って大元の電源が入ると周辺機器も一緒に電源コントロールできる便利なものを使ってます。

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これがオンオフする条件はパソコンに電気が流れるというトリガーで周辺機器も動く。
それが途中で切れると言うことはパソコンの電源ユニットが壊れてるという診断になるので、サブマシンの電源ユニットを外してきて壊れてるであろう電源ユニットと差替。
するとするすると起動画面が進んで行くので「ああやっぱり電源ユニットやった。明日新しいのを買ってこよう」と安堵した瞬間に

天国から地獄です。
電源ユニットが壊れた瞬間にどうやらデーターの読み書きしてる最中だったようで、その結果起動に必要なファイルの一部が壊れた模様。
これが出ると復旧は大変です。
再起動で何とかならんのかとかいろいろやってみてもハード的に壊れてるよ、というメッセージが出たり・・・

電源系統が仮復旧してもファイルの読み込みに成功しないとどうしようもないのでしばしの間放心状態で次の策を考えますがあまりに壁が高くて貧血になりそうでした。

タブレットでいろいろ情報を探ってもかなりの深いところまでやり直して復旧しても初期化したような状態で環境整備は一からやり直さないといけないような雰囲気でできればそれは避けたい。

そして見つけたのがセーフモードで立ち上げたら「イメージファイル」から復旧できそうなこと。

イメージファイルというのはバックアップファイルのひとつでWindows自体が持ってるバックアップ機能でディスク内の全データーの丸ごとコピーというもの。
幸いなことにこれは自動的に1週間に1回作成してました。
ではこれを使って神にも祈る思いでリカバリースタート。

このバックアップはコントロールパネルの中にあります。

ここを押すとこういう画面で、単発でバックアップするなら左メニューのシステムイメージの作成を押して外部機器に(これ大事)イメージファイルを作成。
外部機器は「領域を管理します」からドライブ名などを指定。
いざというときに外部機器から読み込ませないとトラブったパソコンのディスクの中に保管してるとうまく行きません。

「設定を変更します」を押して日々のスケジュールを組んでその中でイメージファイルも作成という項目にチェックを入れて自動的に作成させると良いですね。

そしてイメージファイルから・・・・・・完全復活できました。

もうほんとに安堵という言葉がぴったりでした。
だいたいパソコンがトラブルのが時間的に日付が変わる頃、というジンクスのまま。
そしてなにかしら目処が立って復旧するのがひどいと世の中が明るくなる頃、というスケジューリング。
いままででも幾度となく乗り越えてきましたが今回もまた・・・・早い目の解決で午前3時10分に目処立ちました(笑)

というわけで新しい電源ユニットを購入してきてパーツ交換。
こういう手当てができるのが自作(組立)パソコンの最大のメリットですね。
メーカー製だとこうはいきません。

新しい電源取り付け

サブマシンから電源流用中

このブログか作成できてると言うことはパソコンが完全復旧した証拠ですね。
今夜は目が真っ赤なのでこの辺で・・・・寝ます。