プリメーラ ダイアグコード P0355

ニッサンプリメーラ TP12 平成14年式 走行117,700㎞
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先日のプレサージュに続き同じ箇所の故障で入庫です。
エンジンチェックランプが点灯して、エンジンが掛かるまでセルモーターを長く回さないといけない、とのこと。
取りあえず走行はできるということでそのままご入庫頂きました。
これがオーバーヒートの予兆とかなら走行は絶対オススメしませんけど、直感で、走れる、と判断したので。
まずはエンジンチェックランプ点灯しっぱなしを確認。
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点灯してるのなら何かしらの故障コードは拾い出せるはず。
だいたいの予想通り故障コード
「P0335」・・・・クランク角センサーの信号が出ていない
ですね。
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念のためその故障が起こったときの状態。
水温と車速および吸気温から「どこかでエンジンを止めて、まだエンジンが冷めないうちにエンジンを掛けようとしたときに信号が出ない、と認識」したようです。
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原因がわかればあとは余裕・・・とはいきません。
センサーの取付場所がとんでもないところにあります。
エンジン単体なら何でも無い場所ですが、車載状態のエンジンになると話は違います。
手はどうにか入っても工具が入らない(よくある話です)
あれこれ30分ほど試行錯誤ののち思い切ってエンジンを支えてる部品を外してみることに。
赤枠に部分に付いてます。
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これがその部品
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外したら思いのほか自由空間が(笑)
これなら最初から外しとけば良かった、ということで次に来る同じ故障は知恵が一つ付きました。
まさに「経験値が上がった」ということです。
とはいうもののそれでもぎりぎりの場所。
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カメラだけ突っ込んで撮影。
実際には鏡を使わないと見えません。
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というわけでやっと外れました。
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念のため別の場所でカムシャフトの角度を監視してる兄弟センサーも同時交換。
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故障コードを消して、試運転♪
エンジン始動も来たときにはぐずってましたが修理後は一発始動。
いたって快調に走行してくれます。
これにて完治。
いつもながらの同じ症状の連続故障修理でした。
全くもって不思議ですね。
 

ジムニーのリコール作業

スズキジムニーのラテラルロッドまわりのリコール作業をしました。
比較的新しい型式のジムニーが対象です。
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ラテラルロッドは車の進行方向に対して直角方向の動きを制限するための「棒」です。
その取付部分のボルトが緩む、というリコールです。
新しく緩み止め対策をしたボルトに交換、ってスプリングワッシャーを付けて、その厚み分だけボルトを長くした対策です。
前側のラテラルロッド
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対策されたボルト(左側)
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前側交換完了
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後ろ側
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トルクレンチで規定値まで締め上げて完了。
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ラテラルロッドが外れると直進してた車があらぬ方向へ走り出す可能性がありますので、走行のためには重要な部品です。
対策されると言うことはどこかで緩んだ車があると言うことですのでちょっと怖いですね。
でも作業してて単純に「ここ緩むかな?」とは思いましたが・・・

プレサージュ クランクポジションセンサー不良

日産プレサージュ、TU31 平成15年10月登録 走行約55000㎞
走行中にエンジン不調になり、エンジンチェックランプが点灯。
信号で止まったらエンジンも止まって、しばらく再始動できず。
間を置いてエンジンかけたら掛かったので家まで帰ってきた、との第一報。
チェックランプ点灯、エンジンが止まる、QR25型エンジン、直感でエンジン回転を監視するセンサーかな?とは想像してみますが、あくまでも想像。
エンジンをかけてみると普通に掛かる。
チェックランプは消えない。
ということで国産車診断に長けてる「G-scan」という診断機を接続。
本当にこの診断機は使いやすいです。
一通りチェックしてみます。
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なにやらいろんな故障コードが合計6個。
一つ一つ見て見ます。
オートマチックトランスミッションをコントロールする部分
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記憶電源供給停止、つまりはバッテリーが上がったか、バックアップとらずにバッテリーを外したか、ということです。
これは問題ないので消去。
オートスライドドアコントローラーの故障コード。
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過去にモーターが引っかかったか、誤検出と思われるのでこれも消去。
そしてお目当てのエンジンコントロール
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やっぱりか・・・
という感じです。
直感は当たってましたね。
この状態を感知したときの車の状態。
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水温が89度、スピードが56㎞/h、エンジン回転1536回転、あたりの数字から完全に暖機が終わって普通に走行中センサーに異常が起こった、と判断できますのでお客さんの言う「走行中にエンジンに異変を感じた」というお話しとも合致します。
とはいうものの診断機では「働いてない」というのはわかりますが、さてそれがセンサーが問題なのか、配線が問題なのか、そのほかが原因なのかは調べていかなければなりませんので万能ではありません。
とりあえず「系統」のヒントをくれるのでそれにも続いて電気が来てるか?来てないか?などアナログな診断をします。
今回はそのあたりはオールグリーンだったのでセンサーそのものの劣化という判断をして交換することに決定。
センサーはエンジンの上側のカムシャフトセンサーも同時交換がセオリー。
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新旧のセンサー
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何度か改良されているらしく、形状、部品番号ともに変更されてました。
部品取り付け後、故障コードを消去(これ大事!)
そして試運転。
故障コードが増えてないかを確認後プレサージュはお客さんの元へ帰って行きました。
実はこの回転を監視するセンサーはあらゆるメーカーで不具合が出てます。
不具合に発展する、しない、にはいろんな車の使い方とかの要素があるようでみんな不具合が発生する、と言うわけではないようです。
たくさん距離走ってるけど不具合が出てない車もありますし、またその逆も・・・・
ただどうも部品自体に根本的な構造の問題があるようですね。
メーカーまたいでリコールの原因にもなっている部品です。
センサーをつくってるところが自動車メーカー全てに納入してるのではないのかなあ、とも思います。
とある部品メーカーが画期的なアイデアの部品を作る。

それが安くてなおかつ使いやすいので、自動車メーカーが採用する。

人気商品なのであらゆるメーカーが採用する。

その部品に不具合発生・・・・リコールが数十万台に膨らむ。
こういう裏面もあると言うことですね。
つい最近の「助手席エアバッグのリコール」も全メーカーまたいでのリコールです。
納入した会社のエアバック装置に採用が集中してたのですから致し方ないですね。
独り言・・・
日本ではリコールを「重要な更新」と言えないんでしょうか??