車検で入庫のキャラバン VRE25 平成20年 走行距離約21万㎞
エンジン掛けたときには冷たい風が出るけど10分ほど走るとコンプレッサーが切れて冷気が出なくなるとのこと。
普通ならもうちょっといろいろ問診しますが、このお車のオーナーさんは電気工事屋さん。
家庭用エアコンのことに精通されてますから症状問診は的を射た話で欲しい情報は全ていただけるので楽ちんです。
いろんなことは省略して核心の部分の問診
Q,
コンプレッサー切れたら次はいつ復帰しますか?
しばらくしたら復帰しますか?
A,
次にエンジン切るまで復帰せず、一旦エンジン切って次乗るときには10分冷えてそのあとは温風に戻る(笑)
と言うお返事。
エアコンが冷えないという症状の原因は多義に渡るのでなかなか故障箇所の絞り込みは難しいですが、少なくともオーナーさんがつかんでる症状は
「10分ぐらいでコンプレッサーが切れて復帰しづらい」
ということですので、家庭用も自動車も冷やす原理は一緒。
違うのは制御関係です。
そのあたりはプロ同士の情報交換できましたので診断開始。
まずはガス残量。
このお車は1年前にエアコンガスリフレッシュを行っていますので、ガス圧をさっと見るだけで極端にガスが減っていないことは確認できました。
ということでガス関係では無く電気的な制御関係、と判断。
となると配線図
整備マニュアルから制御を読み取っていきます。
診断中にコンプレッサーが切れて症状発生。
あわててその時の状況いろいろ見渡すと
・ コンデンサー冷却ファンは回転
・ ガスは減っていない
・ 診断機からの情報ではエアコン関係回路はオン
・ コンプレッサーへは電源電圧が掛かってる
とまでは確認できました。
コンデンサー冷却ファンが回ってるけどコンプレッサーが切れている。
制御は別々??、と回路図を詳細に追いかけます
なんと冷却ファンとコンプレッサーの電磁クラッチは同じ回路で制御されてることが判明
となると怪しいのは
「コンプレッサーの電磁クラッチ」
と瞬間に頭をよぎる。
けれども確信を持てない。
エンジンを切ると確かにコンプレッサーはちゃんと作動する。
しばらく様子を見てると症状再現。
こんなとき内心「助かった」と思います。
診断で確実に症状をつかむには「再現」してくれるのがとても都合がいいので・・・
いままでの条件と自分のカンを頼りにコンプレッサーが切れた状態でリフトアップ。
テストハンマーで電磁クラッチをぐいと押してみたら「カチン」と音がしてクラッチ接続。
コンプレッサーが作動→冷気が甦る
ここで確信が得られましたので、お客さんに報告。
電磁クラッチだけでも交換できるのですが、距離が20万㎞越えと言うこともあって、本体そのものごと交換した方がいいという判断をしました。
修理の許可をもらいコンプレッサーを中古再生品に交換するために取り外しました。
この中心部分が電磁クラッチ。
電気が流れることでプーリの一部が電磁石となって鉄板を吸い寄せ接続する仕組みです。
たぶん今回の故障の原因は、吸着される鉄板が摩耗してすきまが広がり吸着出来なくなるタイプの故障では無く、電磁石のコイルが熱を持つことで内部ショートして磁力が減ってしまうタイプでしょう。
なので通電状態では復活せず、エンジンを止めて電気の流れが止まるとコイルの温度が下がるので再度働く、熱を持ったら切れる、という症状の繰り返しだったと思いますね。
部品が揃ったら、取付、配管内真空引き、ガスを充填して試運転。
交換したコンプレッサーはしっかり働き始めました。
今年の夏もしっかりオーナーさんを冷やして快適環境のために存分に働いてあげてね~
月別アーカイブ: 2016年6月
パソコンがご縁の車検入庫です
自分はパソコンの組立とかが趣味で、過去に壊れたハードディスクの復旧をお手伝いしたご縁で車検入庫して頂きました。
いろんな方面でお付き合いは大事ですね
トヨタ ランドクルーザープラド TRJ120W 平成21年5月登録 約7万㎞
小型車のお客さんが多いうちとしては久々のでかい車です。
ブレーキの前と後
残量はばっちり!あとで清掃しておきました。
ブレーキフルードの入替
本来の透明なフルードに入れ替わりましたよ
時々、雪山のレジャーに行かれるというユーザーさんですので足回りは凍結防止剤でサビ多め
ホイルとの接合面がサビでふくれて、アルミホイルが食いついていました。
こう言うところをちょっと一手間掛けてきれいにしておくと次回の車検の時も「ホイルが外れない」てなトラブルから逃避できます。
基本は「次も自分が分解する」という気持ちひとつで整備が確実なものになると信じてます。
エンジン用のエアフィルターを交換。
いつもながら落ち葉がどのようにここまではいるのかを想像してしまいます。
すごい偶然のなせる技だと思うのですが・・・
エアコン用のフィルターも定期交換
車検ごとの交換が快適な車内を確保してくれますよ
最近合格しにくくなったヘッドライトの光軸調整
ほんとに気を遣って合わしますが時々不合格を頂く。
そのたびに「うちのせいでは無く車検場のテスターの曖昧さが原因」と悲しくなります。
そしてこれからシーズンを迎えるエアコンのための、エアコンガスリフレッシュ!
一旦エアコンガスを全て回収して精密はかりで重量計算。
規定量と比較して足らない分を追加してぴったりの充填量に合わしして注入。
いままでみたいに圧力計では測れない「重量管理」がまず基本です
ちゃんとランドクルーザープラドは「600g」と規定量が明記されていますので「重さ」で管理。
これいまの標準ですよ。
スタンド、へたしたらディーラーでも導入してないんです。
デンゲン社製 エコマックスジュニアⅡ。
これが全ての重量管理をしてくれます。
車検時で無く普段でもエアコン使う季節になったらぜひどうぞ!
規定量にきっちり合わして注入したら教科書通りの圧力になりました。
高石市のW様 ご入庫ありがとうございました。
パソコンサポートも引き続きお世話していきますよ~
車もパソコンもいろんなこと、ご遠慮なくご相談下さいね!