クリッパー コンプレッサー交換&リキッドタンク交換

中古再生品(リビルト品といいます)のコンプレッサーが到着したので、再度作業開始。
コンプレッサーを交換するときは、リキッドタンクとエキスパンションバルブの同時交換は必須、というか省略すると「安物買いの銭失いコース」に突入です。
どっちみちガスを回収するのですから配管上で外せるものは全て交換しておく方が結果的にお客さんのメリットになります。
今回の場合、バルブは交換したので、あとはリキッドタンクを同時に交換します。
リキッドタンク交換の準備のため前回りの分解。
いつもこの分解状態の車は自分的にはグロいと思う(笑)
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そして再度ガス回収
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コンプレッサーを外すためにはエンジンが駆動してるベルト類も外さないとだめです。
エンジンアンダーカバーを外してベルトさんこんにちは。
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ちょうど替え時でベルト交換を単体でやるより工賃1回助かりましたね(笑)
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さてベルトが外れたので、コンプレッサー本体取り外せました!!
このあたりは紆余曲折があってわずかなすきまと、手首の返しと、立体的な想像でとりあえず最低限の部品の移設でなんとか取り外せました。
苦難の記録撮影は一人では無理(爆)
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配管のOリング(オーリング)も新品に交換。
でないとあとでガスが洩れて自分が泣きます・・・
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リビルトコンプレッサーを取り付けます。
組立も「知恵の輪」状態で所定位置にコンプレッサーを持って行くことが出来てなんとかドッキング完了。
途中撮影省略。
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そしてリキッドタンク交換。
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もちろんOリング替えて
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交換完了。
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事故ると確実にタンクはへしゃげてしまいますね。
事故ってエアコン修理も加わってしまうパターンです。
そして再度配管内の空気を真空引き、ガス充填を終えエアコンスイッチ オン!!
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今度は冷えました!
エアコンガス圧もバッチリ
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吹き出し口の温度も正常
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エアコンユニット内で結露した水も勢いよくドレンから流れてきます。
きっちり冷えてる証拠です。
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外装復旧。
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これで夏の暑い期間も大丈夫でしょう。
大阪ではエアコンがきっちり冷えてくれてないと運転手さんがくたばってしまいますよね。
と言うわけでクリッパーはオーナーさんの元へ帰って行きました。
しっかり働いてね~

595-0063
大阪府泉大津市本町5-23
二葉モータース
TEL 0725-32-1741
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日産クリッパー エアコンが効きにくい

同じような修理が続くという流れは毎回不思議なものです。
ワゴンRに続き今度はクリッパーのエアコン修理。

クリッパー 型式 U71V 平成18年 走行163,000㎞
日産とはいいますが実態は三菱ミニキャブU61Vと言う型式車のOEMです。
なので中身は完全に三菱製です。去年ぐらいからエアコンの効きが悪いなあ、と言うことで乗っておられましたが今年はさすがにほとんど効いてない、と言う状態に。

さて診断開始。
エアコンのガス圧は高圧側が低くて低圧側が普通。
コンプレッサーの能力不足が疑わしいですが、なかなか交換まで決心が付かない数値。
何となくガス全体の流れが悪そうなのはつかみ取れますが決定打がない。
エアコンの風量はファンを最大にしてもあまりないので室内のエバポレーターがごみで詰まってるというのは間違いなさそう。

このお車はエアコンフィルターが装着できない構造です。
いくらエアコンが冷えてても風量が少ないとエアコンの効きが悪くなるのは周知の事実。

なので室内のエバポレーターを一旦外してフィンを掃除&その時一緒に外れるエキスパンションバルブを交換してみて再度診断するという方針に決定。
ここで治れば金額的に助かるかなぁと言う期待を背に受けて(笑)作業してみた。
配管を切り離すのでガスの回収は必須。

これがエアコン修理に常について回る大きな障壁。
作業に掛かるときにかなり迷ってしまい、これや!と原因でもわかれば思い切れるのですが、毎回思案する要因です。
意を決してガスを回収。

配管切り離しに掛かります。
クリッパーは助手席の足元にエバポレーターとヒーターコアがあります。
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真っ黒&目詰まりなので高圧洗浄で水洗い
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そしてガスが流れにくくなる原因として多いエキスパンションバルブを交換。
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そして元通り組み立てて
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真空引きから始まってガスを充填して、期待を込めてエアコンスイッチオン!!
結果はNG _| ̄|○

ガス圧にあまり変動がなく、冷えも解決せず、それよりも高圧側の針が大幅に振れ出しました。
・ バルブを替えた
・ 風量戻った
なのに冷えない。
原因となる部分の消し込みが出来た上に明らかにコンプレッサーの能力不足と言うことがわかったので交換決定!!
中古再生品のコンプレッサーを手配して一旦仕切り直し。
後編に続く・・・

エアコンのリキッドタンクの中身が壊れた

ワゴンR MC22S 平成15年 走行105000㎞
エアコンの冷えにパンチがないという症状。
夜は冷えてるけど昼間には冷えが悪いという典型的な能力不足気味の感じ。
ガス圧を見て見るとガスが少ないわけでもなさそうなんですが、ガスがちゃんと流れてないような雰囲気。
ガスが流れてないと言うことは水で言うとポンプが悪いか配管で詰まってるか?みたいな判断。
エアコンの場合ガスを圧縮するのでポンプのことを「コンプレッサー」と表現します。
なぜ冷えるかというと気体が液体になったり液体が気体になったりすること(難解)で室内を冷やし熱を外に運ぶんですが・・・
そのあたりは省略(笑)
ガスの流れの源であるコンプレッサーからカラカラ音もしてたのでまずは替えることに決めて、コンプレッサーを替えるときにはリキッドタンクという部品とエキスパンションバルブという部品をセットで替えるのがエアコン修理の初歩中の初歩。
というわけで分解交換。
コンプレッサーの修理にはリーズナブルなリビルト品(整備した中古品)を使います。
その他の部品は新品が基本。
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これがコンプレッサー
小さいコンプレッサーで室内容積のでかいワゴンRを冷やしてるのですから無理してるかも。
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そして次はリキッドタンク・・・・
ん?なんで穴の中に乾燥剤が??
リキッドタンクは液体になったフロンガスを蓄える働きの他にエアコンガスの汚れを吸着してきれいにするフィルターの役目と乾燥剤を使うことでガスの中の水分をとる働きも兼ねてます。
その乾燥剤が来てはいけない配管の中に見えてます。
(゜◇゜)ガーン
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ということは・・・
そこから出てくる配管を見ると
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反対側は?
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これはあかんわ・・・・
ガスの流れが悪くなって効率劇悪です。
エアコンの全体図(ネットから借りてきて加筆しました)
乾燥剤の仕切りが何らかの原因でずれてリキッドタンクの底に落ちてそこから配管内に流れ込んで詰まったのが顛末です。
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クリックでちょっとだけ拡大
詰まった配管は針金でつつこうが高圧エアで押し出そうとしてもびくともしませんでした。
と言うわけで詰まった配管も交換して全ては丸く収まりました。
全ての配管を組み立てて真空ポンプで配管内の空気をゼロにした上でガスチャージ。
無事エアコンの能力は回復しました。
ついでなのでいつものごとく捨てる前に壊れたリキッドタンクを分解。
まさに構造図と同じ!
図面と実物が合致すると血が騒ぎます(笑)
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出てはいけない乾燥剤
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思いも寄らない原因で全てが解決しました。
コンプレッサーの異音から最終的な原因まで点と点が線で繋がりました。
異音も実は詰まりが原因だったかも・・・
と言う教訓は残りましたが。
はっきりとした原因が見つかった修理はありがたいですね。
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。
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