暴走事件のニュースで思うこと

職業柄、暴走事件のニュースを見るたびに思うけど
高齢だから運転でミスを犯す
というのは事故処理という面倒なことには蓋をする警察の免許返納作戦の一環だと思うのです。
被害者を減らすためでもあるんですが自分たちに立場を守るためと仕事を減らすため(笑)
若い頃から運転上手なお年寄りはいつまでも運転はうまい。
マナーもルールもわきまえてむしろ下手の人に文句を言いながらしっかり運転なさってる。
また極端にびびりながら運転してる人もこれまたなんとか事故を起こさず走ってる。
動作が慎重すぎて若干世間の迷惑になってるかもしれませんが・・・
けれど「返した方がいい人」は間違いなく一定数存在して、踏み間違いなどを起こす人はそのグループの人達なのでは?と日々思う。
そういうグループの人達は若い頃から、なにかしらアクシデントを起こしたり巻き込まれたりしてる。
根拠はないけど経験則でなにかしらトラブルメーカーは決まってるように思います。
でもそんな人に限って自分の運転技量に関心が無いという事実。
そんな中、ネットで話題に上がってるツイート


もう老いたから免許を返そう、と自ら行動に移す人ほど、実はまだまだ運転してていいと思ったりもします。

ゴールデンウィーク期間中の営業日程について

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上記のような予定で営業しようかと思ってます。
なお4月30日(火)~5月2日(木)の△マークですが店には居りますが自動車メーカーからの部品の供給は止まりますので、当店に在庫のあるエンジンオイルの交換、タイヤの空気圧調整、などの簡易な整備のみとなります。
ですので△マークにしました。
車検場は官公庁ということで10連休です。
期間中、車検にまつわる作業は出来ません。
名義変更、廃車手続きなどもすべてお休みです。
こんな感じで令和を迎えることになりそうです・・・

プリウスの車検時におけるプラグの寿命判断

点火プラグという部品はエンジンがガソリンを燃焼させて出力を発生させるためにはとても重要な部品です。
同じ働きをしてるもので日常でよく見るのは、ガスコンロを点火しようとしたときにパチパチと火花を飛ばしてそのきっかけでガスを炎にする、もしくは100円ライターのスタートも火花ですね。
若干原理は違うとは言え火花をきっかけに燃料を燃やす部分では同じ事です。
この点火プラグは電極と電極の間に火花を飛ばしてガソリンに点火するわけですが、火花を1回飛ばすごとに電極が消耗してしまいます。
左が新品で右がお疲れプラグ。
電極の隙間が広がってます。
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メンテナンスフリー、のかけ声と共に昨今の自動車はこの電極の摩耗を極力抑えた点火プラグを使ってます。
電極に白金チップを使ったりイリジウムという金属を使ったりして、コストは上がるもののできるだけ交換しなくていいようにいろいろがんばってるわけです。
この高級なプラグというのは見た目にはほとんど電極が減らないためちゃんと働いてるのかくたばってるのかを見極めることが難しい。
一昔前なら明らかに電極が減って、一目見ただけで【これは交換】と判断できたんですけどいまはなかなかわかりにくいので走行距離によって判断したりしてます。
昨年、自動車整備のセミナーでNGKという点火プラグのメーカーさんが出張講座を開いてくれまして、その時に今どきのプラグの寿命判断方法を教えてくれました。
それは「奧飛火」という判断方法。
本来プラグの火花は電極の間を飛ぶものです。
それなのにプラグがくたばってくると横に火花が逃げてしまう。
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これを奧飛火と呼ぶそうで、その現象が起きたら「痕跡」が残ってるんだとか。
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その痕跡を見極めるとプラグの劣化度合いの判断材料になると教えてくれました。
機械のメンテナンスには昔から言われるのが
経済寿命

物理的寿命
があります。
文字列の通り、機械の性能が落ちたまま使い続けると日々のコスト(自動車で言うなら燃費ですね)がかかってきて、最後には物理的寿命を迎える。
物理的寿命を迎えるまでの損失はその機械によって違うんですけど自動車はわりと日々のコストと本来の性能の維持が大事な機械のうちに入るでしょう。
プラグも経済寿命で交換していった方が余計なガソリン代を払わなくていいのでは、と思ってます。
エンジンオイルはそのもっともたる部品ですね。
さて車検で入庫してきたプリウスですが距離は登録から5年で約85,000㎞。
メーカーが指定してる点火プラグの交換距離はなんと200,000㎞。
200,000㎞まで何もしなくていいよ、と決められています。
とはいうものの、車検時における点検項目の中には
プラグの点検(白金プラグは省略可)
という項目があり、省略可、なのかもしれませんがプラグを点検してみました。
プリウスはプラグを4本使ってます。
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写真を撮影するのは難しいですが4本とも「奧飛火」が発生してます。
NGKはプラグメーカーなので1本でもプラグを交換して欲しい立ち位置(笑)であるので話を7割で聞いたとしても、やはり火花が横に逃げるのは気持ち悪い。
プリウスなのにこの距離で奧飛火が発生し始めるのか、と驚きました。
しかもプリウスは走行中時々エンジン止まってます。
全走行距離にわたってエンジンが回り続けてるわけでもないのですが既にこの状態。
なので交換させていただきました。
自動車は一律この時間とこの距離で交換、という基準はあくまでも目安であって全部の車は状態が違っています。
その状態の違いを把握してできるだけお客さんが無駄なお金を払わずに済むように適切な整備を提案するのが我々の経験と勘。
整備についてのマニュアルは現在においてはそれなりに揃ってますが、さじ加減、というものはまだまだ必要なのでは?と常々思っています。

C25 ニッサンセレナ ラジエーターのアッパータンク水漏れ 割れたので修理

C25 セレナ H19年 103,000㎞
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お客様自らクーラントのにおいを察知され、お勤め先の近くで修理工場を検索。
以前に当ブログでアップしていたC24セレナの記事から当店にご来店いただきました。
診断するまでもなくラジエーターより冷却水が垂れており、漏れ箇所も定番のアッパータンクの金型のパーテーションに沿った部分からの割れです。
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漏れ箇所と漏れ方から判断してC25セレナ定番のラジエーター交換が決定です。
というわけで作業スタート
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C24セレナと違うところがこのECU取付ブラケット。
これが邪魔して冷却ファン一式が外れてこないので一時外して退避。
こういうところがエンジンルーム内部品が目一杯の現在の車あるある。
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サーモスタットも念のため交換予定なので、ロアホースはサーモケースごと取り外し。
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といわけで狭いスペースを気遣いながら冷却ファン一式とラジエーター全体を車輛から抜き出し成功。
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このあとは到着した新しいラジエーターを組み付けていきますが、必ず手を抜いてはいけないのがスポンジで出来たこのエアパッキン。
どんな車でもこのささやかな部品はここをきっちりしておかないと冷却性能だけでなくエアコンの冷えにも大きく関わるので快適性も損なわれます。
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新しいパッキン取付
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余計な取り外しが必要だったECUあたりも復元
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部品を全て組み付け終わると冷却水の再充填&エア抜き
業界内では有名な「ラジタン」のお世話になります。
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充填終わったら圧力を掛けて各接合箇所から漏れがないか最終チェック!
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新しいラジエーターキャップ装着。
地味な部品ですがこれも消耗品ですよ。
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交換した部品達
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最近の自動車の修理の原因は「プラスチック部分」に関わる箇所が大半です。
昔なら金属を使っていた部分を軽量化&低コスト化の旗印の下、プラスチック部品に代替しているのです。
金属並みの耐久性をメーカー自身も期待してるのでしょうけど現実にはその思いは届いてませんね。
特に熱を受けなおかつ幾度となく暖まったり冷めたりを繰り返す部分のプラスチックの劣化がひどいです。
このセレナに関わらず国産車のラジエーターのアッパータンクと呼ばれるエンジンからの熱くなった冷却水が一番最初に通過する部分が割れるんです。
その他の通路のプラスチック部分もよく割れます。
とある車種では配管の一部にプラスチックを使用していたのですが、破損して交換部品を注文したら金属部品に対策され変更されていた、ということもあります。
メーカーの「やっぱりだめでしたか?」という声が聞こえてきそうです(笑)
というわけでセレナはユーザーの通勤の足と家族のレジャーのために元気よく帰って行きました。
しっかり働いてね~