どちらかというと整備士さん向けの話です。
エンジンが掛からないという一報が来たとします。
大抵のお客さんはこう言ってきます。
でも我々整備士は一番初めにセルモーター(スターターモーター)が動いているのかどうかを知りたいんです。
なので問診の最初に「セルモーターは回っていますか?」と聞きます。
この時点で「?」マークの方も居られますが・・・
なので
キーをひねったりボタンを押したら車から何か反応ありますか?
という風に聞き直したりします。
何も反応しない
カチャ、と音が鳴る。
カチャカチャ言うてる
メーターのランプはいっぱい点いてる
・・・などなど
なかにはセルモーターは回ってるけどエンジンが掛からない、と伝えてくれる方も居られます。
まあそんなこんなでエンジンが掛からないという一報でおおよそ半分以上はバッテリーが放電してしまっていてエンジンに「助走」を与えられずにかからないという感じです。
その修理というと
バッテリー交換
で全て解決というのが大半。
ただなぜバッテリーの電気が足らなくなったかは誤解を恐れず大きく分けると
・ バッテリーの寿命=電気を蓄える能力が劣化した。
・ 充電系統(エンジンかかると自家発電します)が壊れた。
のだいたい二つです。
どちらにしてもバッテリーを交換するという作業は充電系統がしっかり働いてるという前提での解決方法です。
充電系統が壊れてるとバッテリーをいくら交換してもそのバッテリーの電気がなくなれば終了です。
我々整備士は上記のおおまかな二つの原因の最終的な確認事項として、バッテリーが健全でその上充電系統に問題が無いと判断したときに整備が終わりお客さんに車をお返しするという段取りになります。
自分がする最終点検は
エンジンが回ってない状態でバッテリーは12.6V以上。
エンジンが回ってる状態でバッテリーが13.8V以上になってるか
充電電流が最大負荷をかけてもマイナスになってないか?
発電機の発生電圧の波形に異常が無いか?
そして発電機とバッテリーの間にロスが無いか?
発電機の出力端子とバッテリーのプラス電極の間を測って電圧降下が多くないか?
を診てOKとします。
発電機で恐いのは発電してるけど足りない、というときもあるので念には念を入れてと言う感じですかね?
でないと数日後にまたバッテリー上がり、という整備後にまた整備という恥ずかしい事態に陥るので避けて通りたいストーリーなんです。
もちろん遮断されないといけないのにずっと電気が流れてしまう故障も有ります。
これはまた別の診断で有るのですが写真撮るのを忘れたので今回は割愛。
まあしかし最近はバッテリーが劣化するという事象を知らないお客さんが増えてきてその説明に四苦八苦することがあります。
スマホも古くなると1回充電しても持ちが悪くなっているのを経験してる思うのですが自動車のバッテリーとは繋がらないようですね~
自分は泥が溜まって上げ底になったバケツ、と説明してます。
見かけは水が満タンやけど実際は大半がごみで溜まってる水は少ないねん、と。
女の人には新品のスポンジと干からびたスポンジではどちらが水をためられますか?
と。
さて・・・理解してもらえてるのか?(笑)
あと最近思うのは「エンジンが掛からない」という言葉が「エンジンが点(つ)かない」という言葉に変わってきてて困惑します。
たしかにボタンひとつで動き出すので「点く」というのはわからんでもないですが、言葉は生き物でその時代で変化するというのを実感します。