三菱 D:5 D5 ベルト交換方法

三菱デリカD:5 CV5W 平成20年式 走行約15万㎞
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車検でご入庫ですがお客さんからは不具合に気づいてるところはないので・・・
というご依頼です。
受け入れ診断開始でまず気づいたのはエンジンが動いてる間のベルトの音。
割と大きな音なんですがお客さんは気づいてないんでしょうね。
まずは足元から作業に入るのが自分のルーティンなのでブレーキ関係。
新車から使われてきたブレーキローターのひずみが気になったので手入れしておきました。
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スター社製ローター研磨機にセット
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キリッと引き締まったローターになりました(笑)
これを4輪とも。
前側のブレーキパッドは要交換。
後ろ側は前回の車検で交換してたので問題なし。
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ブレーキフルード交換は自分基準で必須作業です。
リフトの上がってる間にエンジンオイルを抜いてオイルフィルターを替えて・・
そしてベルト交換に着手。
整備書ではテンショナーをひねって緩めて固定用の工具を突っ込んで交換、と書いてますが、実際の車載状態では理想通りにいきません。
指定の箇所に16㎜-18mmのストレートレンチ(今後増えてくるので必要)を掛けてテンショナーをぐいっと緩めて目の前にあるエアコンコンプレッサーの部分からベルトを外し、そこが外れたら力を入れていたレンチを緩めてテンショナーを戻す。
こうすればなんとかベルトは外れます。
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デリカは全てのエンジン補機類を一本のベルトで廻してるので取り回しは複雑。
外す前にしっかりメモをとらないとあとで必ず泣きを見ます。(整備士あるある)
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そしてずるずるとベルトを引き出します。
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外したベルトはこんなに長~い・・・・

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あとは新しいベルトを各プーリーに取り回して最後はコンプレッサーの所だけを残す。
左手でストレートレンチを使ってテンショナーを持ち上げ最後にコンプレッサープーリーにベルトを付ける。
これがD:5のベルト交換のコツでしょうね。
なかなか整備書の通りには事は進みません・・・

16-18mmのレンチは日産車でも使うので一本持っておけば便利かも

あとはエアコンフィルターやらワイパーゴムなど消耗品交換して作業完了。
そうしてD:5は「まだまだ活躍してもらうで~」、というオーナーさんの元へ元気に戻っていきました。
末永く働いてもらいたいもんです。

スズキエブリイ ベルト交換方法

スズキエブリイ DA17V 平成28年式 走行約6万㎞
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車検で入庫です。
いろいろ定番な部品交換ありですが、今回はお仕事の車と言うこともあってベルトを予防整備で交換です。
具合が悪くなってからではお客さんのお仕事の段取りを狂わせてしまうので経験と勘で痛みそうな所を先回りしました。

まずはボルト4本とクリップ4個でエンジンアンダーカバーを外します
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ベルト部分にカバーが付いてるので外します。
ボルト一箇所、ナット2箇所
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配線クリップを外します
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真ん中に見えてるコネクターを外します。
忘れると配線切れます。
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全部外れたらカバーを反時計回りに回しながら下に引き抜きます。
いろいろ引っかかりますがそのあたりは様子を見ながら・・・
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カバーが外れたらベルトが丸見えになります。
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この形式からエブリイはエアコンベルトがストレッチベルトになりましたので調整機構はなく、専用工具を使って外すか、時間を短縮するのであれば切断して外します。
取り外すときは汎用のストレッチベルト脱着の専用工具で外れます。
工具を取り付けてクランクプーリーをぐるっと廻します。
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使ってる汎用の工具はアマゾンでも売ってます。

 

オルタネーター兼ウォーターポンプベルトは調整機構を緩めて外します。
テンショナープーリーの真ん中のボルトを緩めます。
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調整ネジをスパナを使って緩めます。
廻す向きは普通に右ネジなのでねじ込む方向に回すとテンショナーが緩む方向に動きます。
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ベルトが外れました
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エアコンベルトの新旧比較です
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新しいオルタネーター兼ウォーターポンプベルトを取り付けます。
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テンショナーの中心ボルトは整備要領書に書いてあるとおり、ボルトを着座させてから80度~100度緩めて調整します。
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音波張力計に所定の数値を入力して測定しながら規定値に合わします。
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あとはエアコンベルトの取り付け
スズキから購入した専用の工具で取り付けます。
SSTの部品番号は09991-07460
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これにて完成。
外した順番にベルトカバーを取り付け、コネクターを取付、配線クリップを取り付けます。
最後にエンジンアンダーカバーを取り付けて完成。

もしエンジンオイルを替えるならアンダーカバーを取り付ける前にドレンボルトにアクセスした方がレンチが簡単に掛かりますね。
ストレッチベルトは脱着にそれぞれ車種ごとに工具が必要でじゃまくさそうですが替えたあとの調整の手間が減るので最初に感じたストレスはかなりましになってきました。

またストレッチベルトは材質やら長さは繊細なものですから純正部品の使用をお勧めします。プロでも社外品を使って難儀してる人もいますので・・・

専用工具無しに交換したりしてる方もいますが自分は安心してきれいに仕事が出来る専用工具を使う派です。

工具無しに交換する方の知恵とアイデアは感心するものばかりで自分にはそんなセンスはないなあと・・・
ないので工具を購入して使い回すんです。
知恵がない分工具への投資が必要なので日々精進です。