エアコン配管内洗浄 オイルフラッシング

ステップワゴン RK5型
ご同業さんからコンプレッサーが壊れて新しいコンプレッサーを付けるので稼働させる前に配管内部の洗浄をお願いします、ということで作業開始。

コンプレッサーが焼き付いて壊れると細かい金属粉が発生して、エアコンの配管内に流れ出てしまいます。
その金属粉が配管の狭い所に詰まったりすることがあるので、エアコンコンプレッサーが壊れたときはできるだけ配管内の洗浄をするのが整備のセオリーです。

いままでなら配管を一つ一つ分解してパーツクリーナーや専用の洗浄液を使って洗い流していたのですがたいへん手間がかかります。
手間がかかる=お客さんが支払う料金が上がる、ということです。

できるだけコストをかけずにきれいにできればと言う話なんですが、スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルはその洗浄を配管を分解せずに液体状態のエアコンガス(フロンガス)を配管内に流して使うことで洗浄できる機能を持ってるんですね。

この機能をフルに使って配管内洗浄します。
事前に打ち合わせしてあってガスは入ってないんで配管を外してカーエアコンサービスステーションデュアルに接続します。

真空引きから液体フロン流し込み洗浄までは自動です。

洗浄が終わったので配管を元に戻してエアコンガスをきっちりグラム計測で充填(チャージ)します。

作業時の外気温は28.6℃
ちょっと涼しくてうれしい(笑)

最終的なガス圧力は教科書通りの圧力ですね。
ガスが規定量入ってる前提で圧力を測らないと誤診断します。

吹き出し温度は温度センサーでコンプレッサーが切れる限界まで冷えました。

出てきた配管内の汚れがまじったコンプレッサーオイルです。
微妙にグレー色が混じってますね。
これが金属粉の汚れです。
きっちりコンプレッサーオイルも設計通りの量が出てきてますので完全に入れ替わります。

最初に回収したガス量が540グラム。
コンプレッサー交換後洗浄。
オイルを150cc入れながらのガスチャージで800グラム。
実際に使ったガスは800-540=260グラムでした。
洗浄中にガスを消耗するので実際は400グラム程度消費しました。

きっちり整備されたステップワゴンはご機嫌よく走ってくれることでしょう。

 

 

ホンダN-BOX エアコンガスクリーニング フラッシング

ホンダN-BOX JF1

ご同業様から

「エアコンの冷えが悪いので配管内フラッシングしたら冷えるようになりますか?」

とのご依頼でご入庫です。
第一報では自分の所で吹き出し温度測ってるけど20度までしか下がらないとの事で、たしかにこの気温で20度までならわずかに冷えてるというものの物足りないというかほぼ冷えてるという感じにはならんわな、という感じです。

フラッシングしたら冷えるようになりますか?という質問はたくさんいただきますが、フラッシングしたら冷えるようになるのではなくまずはエアコンガスが規定量入ってるかと言うところから話がスタートします。
ガスがきっちり入ってる前提での次の段階がフラッシング。
フラッシングと言うよりは汚れたコンプレッサーオイルを排出してきれいなコンプレッサーオイルをこれまた設計通りの分をきっちり入れることでそのお車の設計図通りのエアコン循環の状態を作り出すと考えていただければと思います。

エアコン冷えないという場合の診断は

・エアコンガスをきっちり決まった量をチャージする
・コンプレッサーオイルをきっちり決まった量を入れ換える

そこから冷えるか冷えないかを判断して冷えるならメンテ完了
冷えないならエアコンシステムの構成部品の診断に入る

というステップかな、と思います。

ご入庫いただいたので作業開始。
この日の作業スタート時の気温は33.3℃

エアコンを全開にして吹き出し温度を測ってみましたが、ご同業のおっしゃるとおり外気温よりは冷えてる、という状態でした。

まずはおおざっぱにエアコンガス圧力を測定。
高圧側が低いのでこの時点で「ガス量は多くない」という感じ。
で大事なのはこの段階ではまだ推測であって実際の診断は数値化して「どれくらい少ないか」を測らないと整備とは言えません。

結論から言うとこのお車のガス量は120g
規定量は320gですからほぼ1/3の量しか無かったことになります。
この量では冷やしきれません。
ガスを規定量にするだけでも冷えるようにはなりそうですがご希望によりフラッシングすることにしました。
まずは真空引き

そしていよいよ配管内フラッシング、というかコンプレッサーオイル入替という作業に進んで行きます。

配管を外さず液体状態のフロンガスを配管内に流して、オイルを溶けませた状態で機械に回収。
スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルのオイル分離機能を最大限使ってガスとオイルを分離してオイルのみ排出。
再度分離浄化されたフロンガスを配管内に注入⇒以下繰り返しで配管内をきれいにしていきます。

洗浄回数が進んで行きます

洗浄が全て終わったら回収されたコンプレッサーオイルがボトルに溜まります。
N-BOXのオイル量は60ccなのでほぼ全量回収されたことになります。
しっかり働いたオイルはこのように黄色くなってます。

洗浄が終わったら再度真空引きをしてガスを充填していきますが、その時に新しいコンプレッサーオイルを同時に入れます。
新しいオイルは透明ですよ。

作業が全て終わった後の吹き出し口温度

試運転中、信号待ちでの吹き出し温度。
このお車は9℃くらいで機械的にエアコンが切れますのでほぼ冷え切ってるという状態です。

というわけでN-BOXはご機嫌にエアコンが冷えるようになり帰って行きました。
中古車として販売される前のお手入れとのこと。
どこかでこのN-BOXを乗るお客さんが快適なカーライフを得られることを願っております。

ノートe-POWER ハイブリッド車 エアコンガス規定量にします

ノートe-POWER 車検で入庫でしたがエアコンサービスステーションデュアルによる規定量充填サービスの様子です。

ハイブリッド車は電動コンプレッサーなのでPOEという種類のコンプレッサーオイルを使っています。
これまでのコンプレッサーオイルはPAGという種類のコンプレッサーオイルでした。
何が違うのかというとPOEはオイルが絶縁性能が高いのです。
電動コンプレッサーはオイルの絶縁性が重要でPAGオイルを使ってはいけないのです。
混ざると故障の原因になるのできっちりとオイルを分けて使う必要があります。

規定量は500gですが冷えをより一層よくする添加剤の缶の中に25gガスがあるのであらかじめその分を引いて475gに設定してあります。
そしてノートから回収されたガスの量は335gで500gから計算すると165g減。
登録5年目のノートで30%ほど減ってることになりますね。

全ての作業が終わった後に圧力チェック。
この圧力でガスの流れ方を推測できますが圧力チェックする大前提が
「ガスが規定量入ってる」
ことなのでガス量を合わさずに圧力チェックしても全体像はつかみにくいんですね。

お客さんにお渡しする控えです。

作業前は9.9℃でしたが作業後は7.5℃まで冷えました。

ハイブリッド車のエアコンガスはコンプレッサーオイルが混ざらないようにしなければならなかったのでカーエアコンサービスステーションデュアルを導入するまではうちのお店では対応できなかったんですが設置されてからは活躍してくれてます。

コンプレッサーの種類が2種類、なおかつ最近はエアコンガスも新しくなり2種類のガスが混在するので4種類の作業方法が必要なんですよね。
(厳密に言うとガスはもう1種類あるのですが数も減ったので今回の話題からは割愛)

大阪の夏はエアコン無しでは車に乗れませんよね。
冷えが??というときはまずはエアコンガスを「規定量」にしてそこから次のステップを考えましょうね。

規定量に合わせたあとより一層冷えをよくする添加剤も用意してます。
もちろん添加剤もPOE対応の添加剤でないといけませんのでnitec製のNC-200を使います。

ご同業さんから1234yfガス充填依頼

ワゴンRスマイル平成4年式
事故で前回りを修理し、ガスが抜けたあとの1234yfエアコンガスの充填依頼がありました。

1234yfを充填するには新しい規格の整備機器が必要と以前からお知らせしております。
普段お付き合いのある工場さんから当店にエアコンサービスステーションデュアルがある、とご紹介いただいた鈑金工場から新規のおしごとでした。

ネットワークが広がってとてもうれしい事案でした。

事故修理後の1234yfガスの再充填はご相談に乗ります。
事故修理前のガス回収からのご利用であればガスは必要な分だけでの対応となりますのでコストダウンになります。
当店をせいぜいご利用ください。

C-HR・プリウスなどハイブリッド車のエアコンガス規定量充填

いよいよ大阪あたりでは車のエアコンが働き出す季節がやってきました。
ということは仕事中に汗をかく季節がやってきたと同じ意味で少し憂鬱な自分です。

トヨタ C-HR 平成30年式 走行距離約35000㎞
車検でご入庫ですが夏に向けてエアコンのお手入れもしっかりと作業しておきます。

ガスは134aか1234yfで「ハイブリッドだから特殊なガス」というわけではありません。
ガスを圧縮するためのコンプレッサーの動力が違います。

いままでの車はコンプレッサーの動力源はエンジンの回転で、ベルトを使ってコンプレッサーを駆動してました。
このC-HRだけで無くハイブリッド車はメーカー問わずほとんどが「電動コンプレッサー」を使用しています。(マイルドハイブリッド車は除く)

大きく違うのは電動と機械式とではコンプレッサーを潤滑するオイルの種類が違います。
電動ということでオイルに「絶縁性(電気を通さない)」が必要なんだとかで今まで使っていたオイルとは種類が変わっています。

機械式のオイルは電気を通すため、このオイルを電動式に使うと(混じる)と電動コンプレッサーがショートして壊れるということで

「混ぜるな危険」

らしいです。

そういうわけで今までのエアコンガスを手入れする機器は電動コンプレッサーなんて言うものを想定していなかったので2種類のオイルを混ざらないように整備機器を両方共用でそのまま使うことはできなくなりました。
そのまま非対応では悲しいので当店はあたらしい機器に設備投資しました。

これでハイブリッド車が入庫してもエアコンガス規定量充填サービスを安心して対応できるようになりました。

というわけで作業開始
このPAGというのとPOEというのがコンプレッサーオイルの種類で機械式がPAGでした。
このお車はPOEを使ってるのでオイルの種類を切り替えます。

するとホースの中をクリーニングせよ、と指示が出ます。
これによりPAGとPOEが混じらないようになるわけです。

洗浄用の接続口にホースをつないでクリーニングします。
これによりハイブリッド車への接続が準備できます。

それからは普通の作業を同じ手順で、まずは車のエアコン配管内のフロンガスを一旦カーエアコンサービスステーションデュアルに回収します。
今回回収出来たのが390グラム。
規定量は470グラムですから80グラム足りないということになります。

そこから今度は配管内を真空にしていきます。
配管内を100%フロンガスで埋めるのと、配管内の水分などを除去するために真空にします。

おおよそ15分真空状態を保ち、それが終わったら新しいガスをきっちり重さをはかって充填(じゅうてん)。
普通はあんまり充填なんていう漢字見ませんよね(笑)
まあつまりは詰め込むというような意味です。
470グラムに向かって現在420グラム入ったとこの写真です。

ガスが入ったら圧力計でちゃんとガスが流れてるかを確認します。

オプションでより一層冷えるための添加剤を追加充填。

作業前の写真を撮り忘れましたが作業前の吹き出し温度が5.6℃だったのが作業後は3.8℃まで冷えるようになりました。
このあたりの温度域になると吹き出し口の冷気が肌に突き刺さるような感覚になりますね。

作業後は機械から印字された紙が出てくるのでお客さんに持って帰ってもらいます。

このC-HRをはじめ、既存のお車はエアコンガスの種類が134aと呼ばれるガスで、同じガスを使いながら機械式と電動式で作業が変わります。
その上、令和の初めごろから製造された車はガスそのものが1234yfという種類のガスに変わってきています。
この新しいガスを使った車にも機械式と電動式があるわけですから、4種類の作業が必要なわけです。
厳密に言うと12というガスも過去に有りますので5種類です。
12の頃はハイブリッド車はありませんでした。

ついでにお伝えしておくと、1234yfガスは現在とても髙価なガスなので「ちょっと足しておきますか?」なんて簡単にオススメするような雰囲気ではありません。
お客さんも作業者側も覚悟を持って作業しないといけないんですよね~

まあそのうちもっと大量生産できる体制が整えば価格も下落していくと淡い期待を持っています。

エアコンのガスはタイヤの空気と一緒で配管の隙間から自然に漏れていくのでどこかで補充してあげないといけません。
ガスが足りなくなって冷えなくなるのは全量の30%切ったあたりからです。
そこまでは冷えてないのに「冷えが悪いかな?」ぐらいですごしてしまうもんです。
結果本当に冷えなくなるまでにエアコンに無理が掛かり高額な修理代が必要となってくるんですよね。
そうならないためにも定期的にガスを補充してあげるのが結果的にお金儲けになります。

さてこれでC-HRは暑い夏に立ち向かう準備ができました。
しっかりお客さんを冷やしてあげてほしいものです。

ホンダストリームの車検

ホンダ ストリーム RN6 平成22年式 走行45000㎞

インターネットで当店を見つけていただいてご来店。
見積などさせていただいて金額的にもご了承いただいたのでご入庫です。
このあたりではめったに見ない「富士山」ナンバー。
何となくテンション上がります。

 

リフトアップしてタイヤを外しブレーキ廻りの詳細な点検からまずは後側。
ローターの状態、パッドの残りの厚み、ピストンの動き・錆、スライドピン給油、パッドホルダーの清掃など。
最後はピストンに給油して初期位置の押し込み。
  

前側のブレーキ。
最初にお見積もりした段階でパッドの残量があとわずかだったので交換前提の作業。ブレーキパッドを替えるときにはうちではローター研磨もほぼセットでオススメしてます。
せっかくブレーキパッドを交換するのですからローターもきっちりとした状態から使い始めたいので・・

ローターを研磨したら耐熱防錆塗装を裏側までします。
錆をできるだけ防ぎたいので他工場から依頼を受けたローター研磨でも全てやります。

錆がローターの外周から回り込んでこないためにも内側、外側、にも耐熱塗装しておきます。
組み上げて少し走るとパッドの当たるところはきれいに素材の色に戻ります。

ブレーキパッドの外側にはグリスを塗らない派なのでこのまま組み付けます。

ブレーキフルードも交換。

添加剤は自分で吟味したオススメ商品をチョイス。

エンジンのエアフィルター

エアコン吸入口のフィルター

車検の合格基準に「ヘッドライトの明るさ」というのがあるのと、やはりヘッドライトが曇ってると日常の運転でもライトが暗く感じるので磨きます。

エアコンガス規定量充填サービス。
新車から今まで一度も手当てされてなさそうなのでお見積時にオススメしました。

規定量500グラムのところ、回収出来た量は215グラム。
半分以下でした。
カーエアコンサービスステーションデュアルの大きな特徴で機械内で
新品のフロンガスより純度を高めたフロンガスを精製
できるので、そのガスを475グラムと、添加剤注入時に入る25グラムできっちり規定量の500グラムに合わせました。
もうすぐ温かくなるので炎天下での冷却能力に本領発揮することでしょう。

ユーザーさんからのご指示は無かったのですが、ちょっと気になったので塗装表面についた塗料をきれいにしておきました。
凹んだり塗装が割れたりしてると簡単には無理ですが、ちょっとしたサービスです。

これ以外にもバッテリー交換やワイパーゴム交換など消耗品重視でお手入れさせてもらいました。

というわけでストリームはお客さんのもとへ帰っていきました。
ご機嫌よくいつまでも走ってもらいたいもんです。

M様  不具合の相談とかまたおいでくださいね~

1234yfガスをグラムで計ってきっちりチャージ

エアコン用のガスは過去から3回変わってます。
カーエアコンが誕生した頃のガスはR-12と呼ばれるガス。
そのガスが大気中に放出されると上空でオゾンが破壊されオゾンホールができる。
ソウすると紫外線が増えて皮膚ガンになるというストーリーで生産停止。

オゾンホール問題を解決するために134aというガスが開発されて30年間ぐらい(ちょうど平成の30年間)使われてました。
その134aが今度は二酸化炭素 CO2 より温暖化を促進してしまうと言う理由から3年ほど前から生産停止

変わって出てきたのがHFC-R1234yfというガス。
通称「1234ガス」です。

正直、ガスの変移を見てると理由が後付けでほんとは誰かが儲かるためと違う??という疑念が無いわけでは無いですが庶民はそれに従うしか無いなあとあきらめてます。

そんな理由から令和のころから自動車のガスは1234ガスに変わってきてまして我々整備業もそれに対応せざるを得ない状況です。
この1234ガス、今はまだ髙価です。
134aガスに比べると7~10倍ぐらい。
製造元が限られてるというのが原因でしょうけどビックリするレベル。
いずれいろんなところで製造されるようになれば価格もこなれてくるんでしょうけど・・・

今回車検でご入庫のMAZDA3 令和元年式 走行3万キロ
初回車検ですがお客さんのご要望でガスをきっちり入れました。

この日のためにスナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルを導入したのです。
とはいえ1234ガスの手当をするのは今回が初仕事です。
わくわくする半面、何事も初めてというのは何かしら緊張しますし「ガスが高い」と思うだけでも失敗してはいけないと余計に緊張。

ガスの充てん量もデーターベースを見たり現車を確認・・びびってびびって何度も何度も確認・・・

作業自体は全てエアコンサービスステーションデュアルがやってくれるのでスタートボタンを押すだけなんですがそれにしてもドキドキ

写真撮ったあと5g増えて最終340g回収でしたので結果は規定量に対して150g少ない状態でした

この結果なので「新車買ってから夏の昼間、炎天下ではエアコンの効きがいまいちやったからなあ~」というお客さんの感じ方はきっとまんざらでも無かったと思います。

134aガスにもR1234ガスにも対応のエアコンサービスステーションデュアル完備です。
冷えがいまいち、と思われる方は一度ガスをきっちり規定量に合わせてみましょうね。

カーエアコンサービスステーションデュアルについての詳しい説明はこちら

カーエアコンステーション エアコン配管 フラッシング

70系ノア 平成23年 走行10万㎞

ご同業のご依頼で

「冷えが悪いのでコンプレッサーやらエキスパンションバルブ(エキパン)などは交換するのでフラッシングをお願い」

ということで入庫です。

バンパーなどは既に外した状態で入庫いただいたので当方にとってはその分作業を省略できるので助かります。
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エアコンコンプレッサーから配管を外してアタッチメントを介してスナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルに接続します。
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液体のままのフロンガスを配管内に圧力を掛けたり逆流させたり脈動させたりして汚れを洗浄して配管途中にフィルターを設置して鉄粉や異物を取り除きます。
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作動中の液体フロンガスの流れです。

 

 

 

そして作業後のフィルターはこんな状態
一目瞭然ですが上が新品ですね。
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そして回収された配管内のコンプレッサーオイルはこの状態。
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痛んだコンプレッサーなどの部品を交換してそのまま普通にガスを充填しただけならこの汚れがずっと回り続けるわけですからぞっとしますね。
70系ノアのガスの規定量とコンプレッサーオイルの規定量はこうなってます。
225ccが基準で実際の回収されたオイル量は200cc近いですからほぼ全量回収出来たと思います。
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作業後出てくる記録紙
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ツインエアコン車なのでリヤエアコン配管もあります。
その関係もあって実際フラッシング中には2000グラムを越える液体フロンが出たり入ったりして洗い流してます。

そしてこのカーエアコンサービスステーションデュアルのオリジナル機能であるフロンガスの精製装置で洗浄に使ったフロンガスを不純物と分離しまた配管内を流れることで洗浄するを繰り返します。
この機械でないとできない機能です。

配管内を洗浄と聞くと、壊れたときだけ,という風に思いますが,このコンプレッサーオイルの入替、が予防整備に繋がります。
エンジンオイル交換やATフルードの交換と同じようにコンプレッサーオイルの交換がこの作業、として考えるとわかりやすいと思います。

 

エアコンガスを規定量に保つのはもちろん基本です。
プラスアルファーで愛車を末永く乗るためにもこういうエアコン廻りの予防整備もどうでしょうか?

というわけでノアはご同業の所へ帰って行きました。

新しいコンプレッサーを取り付けたあと、そのお店のエアコンマシンをつかってきっちり規定量のガスを充填されて、しっかり働いてくれることでしょう。

ガスの不足は圧力メーターではわかりません ダイハツミラ エアコンが冷えない

前回の記事「ガスの量は圧力計ではわかりません」を書いたあとにエアコンが冷えないミラが入庫してきました。
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何となく冷えてるけどとてもじゃないけど乗ってられない、というお話しです。
問診を終えてセオリーに則って診断してみましたが大きな問題や漏れは見えなかったのでスナップオン社製DUALPROを接続してみます。
接続後
おおよそのガスの流れ
を見るための圧力計として使うためです。
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エンジンを掛けてエアコンをオンにして読み取れるのは確かにガスが少ないと言うこと。
ただしこの段階ではどれくらい少ないかはさっぱりわかりません。
その判断は高圧側(右側)の値で読み取っています。
でも低圧側(左側)はいたって「普通」です。
簡易エアコンガスチャージホースのメーターはここを読み取ります。
風の吹き出し部分の温度は16.4℃。
外気温30℃でしたから冷えてないことはないというお客さんの訴えは正しいですけど、これではいつものように冷えてるとは思わないでしょう。
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ガスが少ないのは間違いなかったので規定量をチャージしました。
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規定量320gに対して入っていたガスの量は95g
本来の量に対して30%しか残ってなかったということになります。
これでは冷えないはずですね。
作業後の吹き出し口温度は8.8℃
アイドリングでこの温度でちょっとエンジン回転を上げれば温度センサー限度の7℃くらいまで余裕で冷えるようになりました。
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大事なのはきっちりとガスが規定量入ったときの圧力メーターの値。
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冷えるために大事な低圧側(左側)の値はどうでしょうか?
ガスの量が30%の時は0.23
規定量での圧力は0.19
ガスの量にしたらおおよそ3倍になってるはずですが・・・
この状態がエアコンが設計通りの働きなんです。
圧力だけでは何もわからないことがおわかりいただけると思います。
ガスがきっちり入ってる状態で低圧側の圧力が0.3を越えてくると別の原因でエアコンの冷えが悪くなってくると思います。
圧力計ではガスが入ってなくても入っていてもガスの量は曖昧な判断しかできないのです。
何度も言いますがメーターを頼りにチャージして結果的にガスの入れすぎになるのはエアコンを壊します。
暑い夏を快適に乗り越えるためにもエアコンは確かな整備工場でちゃんとメンテしてもらいましょうね。

SNAP-ON カーエアコンサービスステーション DUALPRO 作業の様子

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エアコンのシステム内のガスの量は重さ、つまりは「グラム」で決められています。
自動車を設計したときにこの車のエアコンの能力を発揮するにはこれぐらいの重さのフロンガスが必要、となっているのです。

整備するときに実際その自動車にエアコンガスがどれくらい入ってるのかを計るのは、一度全部引っ張り出して(回収)してその重さを量ります。
こうしないとわからないんです。

ガソリンスタンドや設備が揃ってない整備工場ではマニホールドゲージというメーターが2個ついた工具を使っていちおう「診断」します。

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マニホールドゲージでわかるのは「ガスの流れを推測」することです。
人間で言うと血圧計では血の流れを推測できますが体全体の「血液量」はわからないということです。

流れも大事ですがもっと大事なのは
量が規定量きっちり入ってることが前提条件で、まずそれが合格した上での流れ方はどうかな?
と言うのがエアコンガスの診断です。

デンゲン社のエコマックスもスナップオンのカーエアコンサービスステーションも基本的な動作は一緒です。

回収⇒量の計測⇒配管内の真空引き⇒規定量の充填


です。



エアコンサービスステーションデュアルは回収して重さを量り、真空引きのあとのガス充填の所に精製装置により純度の高いフロンガスを使う
ところが素晴らしい機能です。

134aと1234yfという2種類のエアコンガスに対応。
ハイブリッド車に使われている電動コンプレッサー対応のオイルも既存のオイルと混じること無く対応できるのが大きな特徴です。

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実際の動作を見て見ましょう。
カーエアコンサービスステーションデュアルを接続

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施工する車両のガスの種類やら使用するコンプレッサーオイルなどを選択

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画面の一番上の動作表示が進んで行きます。
回収
全量回収した時点で初めてその車にガスがどれだけ入ってたがわかります。

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つぎの工程の配管内の真空引き。
真空にするというのは配管内に空気が混じらず100%フロンガスを満たすという意味と、使用過程で発生する水分を蒸発させる(真空では水は100℃にならずとも蒸発します)ためです。
それと同時にDUALPROは回収したガス+新品のガスを精製し始めます。
再生というのがその表示です。

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真空引きが終わるとエアコンの効率を高めるオイル添加剤などを注入
注入と言っても押し込むのでは無く「引き込まれる・吸われる」という感じが正しいですね。

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そして純度の高められたフロンガスを設計通りの量をきっちり測って注入。
(これも真空の配管に吸われるという感じです)

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これら一連の作業を自動的に行ってくれます。
もちろん単体作業をマニュアル動作で選ぶことも可能。
注入するコンプレッサーオイルの缶にもフロンガスが含まれているので充填するオイルはその分をひいて設定するというのも大事な工程。
でないと入れすぎになります。

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とまあこんな流れの作業です。


エアコンの配管にはゴムを使ってる部分があり、また接合部分にもゴムでできたパッキンがあるので自然に漏れていきます。
タイヤの空気と同じですね。

なので定期的に補充してエアコンの能力を低下させないようにするのが大阪の暑い夏を乗る越えるための必須条件です。



気になるお値段ですが

軽自動車や普通自動車などの134aガスを使った
ベルト駆動のコンプレッサー車 13200円
(補充ガス200g コンプレッサーオイルまで含む)
エアコンの効きを良くする添加剤(オプション)3850円

電動コンプレッサーを使ったハイブリッド車 16500円
(補充ガス200g コンプレッサーオイルまで含む)
エアコンの効きを良くする添加剤(オプション)3850円


1234yfガスを使ったベルト駆動のコンプレッサー車
16500円
補充ガス100グラムまで含む。
それを越えた場合10グラム770円。

1234yfガスを使った電動コンプレッサーのハイブリッド車
19800円
補充ガス100グラムまで含む。
それを越えた場合10グラム770円。

全て税込み価格です。



2022年5月21日現在、フロンガスやコンプレッサーオイルなどの価格高騰の折、価格改定の可能性はなきにしもあらずなことをご容赦ください。
1234yfガスは定価そのものが高いので驚かないでくださいね。

あとカーエアコンサービスステーションデュアルはエアコンの「配管内の洗浄」ができるのも大きな特徴です。
そのあたりもまたお知らせしていこうと思ってます。
またまた続く・・・・
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