セドリック プロペラシャフトセンターベアリング&デフセンターシール交換

セドリック Y32 平成3年式
時々ブログの登場する大事に維持されてる幸せなセドリックです。

今回はプロペラシャフトのセンターベアリングあたりからの異音を手当てしました。

お客さんに教えてもらうまで知りませんでしたがプロペラシャフトをリビルトしてくれる業者さんがあるとのことでそちらで手入れされたプロペラシャフトを使います。
愛車に対する知識は整備する側でプロでもかないません。
一緒の共同作業ですね。

んで話はプロペラシャフトを交換するということで進んでいたのですが、実車を見るとデファレンシャルギヤケースのセンターシールからデフオイルが漏れ始めてたのを発見。
こう言うところも運が良い車は早めの手当てができて結果的に長く乗れるんですね。
一連の作業の延長で工賃的にもかぶる作業なくシールも同時交換できてよかった。
まずはデフオイルを抜いて

もろもろ取外し

デフの下のドレンボルトは磁石になってるので鉄粉が吸着されてるのでフキフキ

新旧のオイルシール

組み立てて終了

愛情を受けてるお車はなにかと調子よく末永く動きますね。
日頃の心がけと言えばそれまでですが「壊れたら乗り換えるねん」という方以外は日々の愛情次第でしょうね~

というわけでセドリックは愛してくれてるオーナーさんのもとへ帰っていきました。

セドリック ブロアファンが時々回らない

Y32セドリック 平成3年式

エアコンの室内ファン、ブロアファンが時々回らなくなると言うご一報をいただいてましたが、なかなか故障の再現性が無くしばらく乗ってもらってましたが、いよいよ症状が確実に出るようになって、最大風量で無いと回らないという状態でご入庫。
正直故障の状態が目の前で見られるというのは整備するものにとって最高のプレゼント。
診断して故障を手当てして元に戻ったということが確実に判断できるのでありがたいことなんです。

さて入庫してもらったので診断開始。
事前に故障事例などを調べていましたが「回りっぱなしになる」という症例が結構あり、原因はファンの回転を制御する半導体部分にあると言うこと。

今回はちょっと症状が違うので自分としては半導体部分なのか「どうかな~?」という不安がいっぱいでした。
モーター側が悪くなってるということも考えられますし、回れという指示を出すコントローラー側に問題があるのかもという状態でした。

電気的な流れは
回れという指示 ⇒ 半導体 ⇒ モーター
という順番なのでそのあたりからチェック。

またオーナーさんは予防整備に理解あるのと、旧車なので部品があるうちに替えといて、というお気持ちだったのでまずは症状が出始めた頃にその半導体部分とモーターを購入されていました。
良くても悪くても部品交換できる状態にしていただいたのでほんとにありがたい話です。

診断してみるにしてまずモーターをはずさないと点検すらできないのでそのあたりを分解します。

整備書には「ビスを4本外してアンダーカバーを外しモーターを止めてるこれまた4本のビスを外して分離」と1行で書いてある。
そうなのか、と着工すると自動車整備あるあるで、アンダーカバーの残り1本がエンジンコンピューターの影に隠れて外せない・・・・

コンピューターを外すところからか~、と作業を進めます。

外れたコンピューターをそ~っと置いておく。
振動与えたところで壊れるような代物では無いですがどういうわけか慎重になる(笑)

ここまできてやっとモーター本体まで到着。
あとビス4本でモーター分離できそう。

モーター外して単体テスト。
モーターは元気に動くと言うことで次は半導体。

外すとこんな形の部品です。

半導体からの出力をテスターで見てみると最大風量の状態で無いとモーターに電源から電気が行かないと言うことがわかったので原因はここにあると判断。
普通ならこの時点で部品発注、という手順ですが今回はもうすでに部品が手元にある!
これは地味にうれしい(笑)
モーターも新品があるのであとは復元するだけ。

復元後、テストすると1~4速の全ての状態でモーターが回りました。
やっぱり半導体が原因、と一件落着。
モーターは部品がなくなる前の予防整備ということで。

これでセドリックは大阪の暑い夏に耐えてオーナーさんお役に立つことでしょう。

ただこのセドリックはエアコンガスがR-12という初期のガスでガスチャージなどはこれまた別な問題として考えないといけないんですよね。
旧車を維持するにはほんとに大変な時代になりました・・・