エアコン配管内洗浄 オイルフラッシング

ステップワゴン RK5型
ご同業さんからコンプレッサーが壊れて新しいコンプレッサーを付けるので稼働させる前に配管内部の洗浄をお願いします、ということで作業開始。

コンプレッサーが焼き付いて壊れると細かい金属粉が発生して、エアコンの配管内に流れ出てしまいます。
その金属粉が配管の狭い所に詰まったりすることがあるので、エアコンコンプレッサーが壊れたときはできるだけ配管内の洗浄をするのが整備のセオリーです。

いままでなら配管を一つ一つ分解してパーツクリーナーや専用の洗浄液を使って洗い流していたのですがたいへん手間がかかります。
手間がかかる=お客さんが支払う料金が上がる、ということです。

できるだけコストをかけずにきれいにできればと言う話なんですが、スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルはその洗浄を配管を分解せずに液体状態のエアコンガス(フロンガス)を配管内に流して使うことで洗浄できる機能を持ってるんですね。

この機能をフルに使って配管内洗浄します。
事前に打ち合わせしてあってガスは入ってないんで配管を外してカーエアコンサービスステーションデュアルに接続します。

真空引きから液体フロン流し込み洗浄までは自動です。

洗浄が終わったので配管を元に戻してエアコンガスをきっちりグラム計測で充填(チャージ)します。

作業時の外気温は28.6℃
ちょっと涼しくてうれしい(笑)

最終的なガス圧力は教科書通りの圧力ですね。
ガスが規定量入ってる前提で圧力を測らないと誤診断します。

吹き出し温度は温度センサーでコンプレッサーが切れる限界まで冷えました。

出てきた配管内の汚れがまじったコンプレッサーオイルです。
微妙にグレー色が混じってますね。
これが金属粉の汚れです。
きっちりコンプレッサーオイルも設計通りの量が出てきてますので完全に入れ替わります。

最初に回収したガス量が540グラム。
コンプレッサー交換後洗浄。
オイルを150cc入れながらのガスチャージで800グラム。
実際に使ったガスは800-540=260グラムでした。
洗浄中にガスを消耗するので実際は400グラム程度消費しました。

きっちり整備されたステップワゴンはご機嫌よく走ってくれることでしょう。

 

 

ホンダN-BOX エアコンガスクリーニング フラッシング

ホンダN-BOX JF1

ご同業様から

「エアコンの冷えが悪いので配管内フラッシングしたら冷えるようになりますか?」

とのご依頼でご入庫です。
第一報では自分の所で吹き出し温度測ってるけど20度までしか下がらないとの事で、たしかにこの気温で20度までならわずかに冷えてるというものの物足りないというかほぼ冷えてるという感じにはならんわな、という感じです。

フラッシングしたら冷えるようになりますか?という質問はたくさんいただきますが、フラッシングしたら冷えるようになるのではなくまずはエアコンガスが規定量入ってるかと言うところから話がスタートします。
ガスがきっちり入ってる前提での次の段階がフラッシング。
フラッシングと言うよりは汚れたコンプレッサーオイルを排出してきれいなコンプレッサーオイルをこれまた設計通りの分をきっちり入れることでそのお車の設計図通りのエアコン循環の状態を作り出すと考えていただければと思います。

エアコン冷えないという場合の診断は

・エアコンガスをきっちり決まった量をチャージする
・コンプレッサーオイルをきっちり決まった量を入れ換える

そこから冷えるか冷えないかを判断して冷えるならメンテ完了
冷えないならエアコンシステムの構成部品の診断に入る

というステップかな、と思います。

ご入庫いただいたので作業開始。
この日の作業スタート時の気温は33.3℃

エアコンを全開にして吹き出し温度を測ってみましたが、ご同業のおっしゃるとおり外気温よりは冷えてる、という状態でした。

まずはおおざっぱにエアコンガス圧力を測定。
高圧側が低いのでこの時点で「ガス量は多くない」という感じ。
で大事なのはこの段階ではまだ推測であって実際の診断は数値化して「どれくらい少ないか」を測らないと整備とは言えません。

結論から言うとこのお車のガス量は120g
規定量は320gですからほぼ1/3の量しか無かったことになります。
この量では冷やしきれません。
ガスを規定量にするだけでも冷えるようにはなりそうですがご希望によりフラッシングすることにしました。
まずは真空引き

そしていよいよ配管内フラッシング、というかコンプレッサーオイル入替という作業に進んで行きます。

配管を外さず液体状態のフロンガスを配管内に流して、オイルを溶けませた状態で機械に回収。
スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルのオイル分離機能を最大限使ってガスとオイルを分離してオイルのみ排出。
再度分離浄化されたフロンガスを配管内に注入⇒以下繰り返しで配管内をきれいにしていきます。

洗浄回数が進んで行きます

洗浄が全て終わったら回収されたコンプレッサーオイルがボトルに溜まります。
N-BOXのオイル量は60ccなのでほぼ全量回収されたことになります。
しっかり働いたオイルはこのように黄色くなってます。

洗浄が終わったら再度真空引きをしてガスを充填していきますが、その時に新しいコンプレッサーオイルを同時に入れます。
新しいオイルは透明ですよ。

作業が全て終わった後の吹き出し口温度

試運転中、信号待ちでの吹き出し温度。
このお車は9℃くらいで機械的にエアコンが切れますのでほぼ冷え切ってるという状態です。

というわけでN-BOXはご機嫌にエアコンが冷えるようになり帰って行きました。
中古車として販売される前のお手入れとのこと。
どこかでこのN-BOXを乗るお客さんが快適なカーライフを得られることを願っております。

セドリックは燃料ホース交換 ステップワゴンRG3は燃料漏れ

自動車整備をやってて、作業の慎重度合いのメーターが振り切れるのが燃料系の作業です。
なんといって車両火災のもとになるので作業中及び作業後の最終確認まで気疲れしてヘトヘトになる作業です。
なので心身共に元気な状態で集中して慎重かつ手早く確実に作業します。
平成3年式 31才のセドリックは燃料ホース劣化を心配するユーザーさんのご指示で予防整備。
日頃から車を愛する方のカンというのはさすがですね。
しっかりひび割れしてましたので作業して正解でした。
燃圧を下げるために燃料ポンプのコネクターを外してエンジンが止まるまでそのまま回す。
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燃料キャップを外してタンク内の圧力を下げる
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燃料系作業の下準備の基本はこんな感じですね。
そこからホースと燃料フィルターを含めてエンジンルーム内の部品を交換。
細々とした写真は燃料の漏れを最小限にするため撮ってる余裕がなかったので少なめ・・
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交換後ゆっくりホースを眺めてたらこう言う状態。
交換して良かったですね。
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作業が一段落して、工場内で火事が起こらなくて良かった、と一安心してたら、
「なんかステップワゴンがガソリン臭い」
との一報。
平成19年式 RG3型ステップワゴン 走行は12万㎞ 15才ですね。
ええ!、また燃料系か?と緊張メーターが元に戻って振り切れ。
入庫してもらったらたしかにガソリン臭い。
リフトに乗せてしたから診るとタンクにガソリンが垂れた跡が・・・・
ポンプからのホースが漏れてるのかとセカンドシートの下にあるサービスホールを開けてタンクの上部を見て見たら・・・・
確かに漏れてる _| ̄|○
症例を同業さんやらネットなどで情報集めたりしたらどうもタンクの蓋に当たる部分のひび割れ症状があるみたいで、確認するとキーをオンにするたびに蓋のうえからガソリンがジュワーと出てきてます。
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はい!燃料系2台目確定。
なぜか同じような修理が続けて入庫する定番のパターン炸裂です。
部品屋さんから部品のイラストをもらい「フューエルストレーナーセット」と確定。
部品が届いたので交換。
この白い部分がその部品。
最初はこんな色でも10年超えてガソリンの中に浸かってるとこんな色になるんです。
下部の部品は燃料ポンプと燃料ゲージですね。
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コネクターやらホースやらを組み替えて部品交換完了
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漏れた原因はこのひび割れです
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燃料ポンプを替えたりするとき燃料タンクの上部がでっかく解放されるのでタンク内に異物が入り込まないように緊張するし、開口部がでかい分、作業中も蒸発ガスが出てくるわけですし、開口部にビニール袋+輪ゴムなどを掛けたりしてできるだけ蒸散させないようにはしますがどうやってもこうやっても緊張します。
ガソリンの怖さを見て聞いて知ってますからほんとにビビります。
というわけで2台とも無事ユーザーさんの元に帰っていきましたが自分自身はまだ緊張の糸が緩まず張ったままです・・・
明日はまったりの休息してスイッチ切り替えよう・・・

ホンダ ザッツ ライフ イグニッションコイルの交換

エンジンがガタガタ震えていまにも止まりそうなんです、と駆け込み来店のお客さん。
車は何かなと見せてもらうと ホンダ ザッツ
年式は?? 走行は8万㎞ぐらい。
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ザッツでもライフでもアクティでもバモスでもこの時代のエンジンはほぼ一緒なのでどんな車にも当てはまる症状です。

明らかに3気筒のうちどこかがちゃんと着火してなくて2気筒状態。
エンジンは不安定ながら回ってるのですがこの状態で経験上一番心当たりがあるのはイグニッションコイル。

とはいえ確実に「これ」とは言えないので確定のための診断あれこれ。
圧縮系・燃料系・点火系のエンジン3原則に則って可能性を一つ一つ消していきます。
このあたりのカンは当たると診断は短期間に、外れると苦難の時間がスタート(笑)
幸い第一印象の通りイグニッションコイルの不良と確信を得たので交換。
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確固たる証拠、今風にいうとエビデンス(笑)はつかんでないですがイグニッションコイルが壊れる要因に

「プラグの摩耗」

があります。

経験則でイグニッションコイルが壊れたお車のプラグは概ね消耗してしまってる場合が多いので因果関係は間違いないと思っています。
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なのでよっぽどご予算をいただけない場合、などを除いて3個全部のイグニッションコイルとプラグの同時交換を強くオススメしてます。
このあたりを思い切ってやっておかないと「二度手間」になってしばらくしたらまた不調で立ち往生とか、工賃2回分払い、とかお客さんにとってもデメリットばかりになります。

同時交換をご提案しても「とりあえずわるいところだけにして」と受け入れてもらえない場合は、再修理が発生するかもとかその旨を丁寧にご説明いたしますが、了承を得られない場合は少し寂しいです・・・(全国の自動車整備士の叫び)

イグニッションコイルという部品は純正部品の場合1個あたり1万円オーバーとか割と費用の掛かる部品です。

しかしながら距離を乗ると壊れる消耗部品なのでどうしても安く修理したい人があふれる市場の要求もあり、中国製の安価なコピー品流れ込んできています。
自分の車に使われてるイグニッションコイルが特定できればAmazon等の通販で手に入ります。

ところがこのイグニッションコイル。
コピーするのが難しいのかちゃんとした商品はほぼ見られません。
取り付けたときは良いのですが耐久性がさっぱりで少し乗るとすぐに不良になります。

これも何台もの再修理車を見てきた上でのお話しです。
何もコピー品や純正部品以外の部品がだめと言ってるわけでは無く、純正部品でなくてもちゃんとした部品をチョイスしないといけないなということです。

我々プロでも決して高額な修理を望んでるわけではなく、同じ効果を得られるなら少しでもリーズナブルな修理方法と提案できたら「ええ仕事した」と満足するわけです。
なので純正部品を使わない修理方法を提案したりすることはいくらでもあるわけです。

イグニッションコイルの場合、純正部品で予算が合わない場合せめて国内ブランドの無印良品、的なNGKのイグニッションコイルを提案させてもらってます。
安価なコピー品よりは安心のブランドですし、交換させてもらったお車は車本体が天寿を全うするまで再度のイグニッションコイルの修理は今までなかったです。

こんなデザインの箱に入ってます。
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メーカー自体も全数同時交換を提案してますね(笑)
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created by Rinker
日本特殊陶業(NGK)
¥8,522 (2024/02/22 11:54:07時点 Amazon調べ-詳細)

同時交換用の3個セットもありますね

プラグもこれを機会にちょっといいプラグを付けてあげると車がより一層元気になって燃費も助かるかも

ちょっと腕に覚えのある方ならホンダのこのあたりのエンジンならすぐにコイルもプラグも外せますからチャレンジしてもいいかもしれません。

というわけでザッツは元気を取り戻してオーナーさんの通勤の足として帰って行きました。
いつまでも調子よく走れると良いですね!

ホンダ エリシオン スターターモーターの交換

ホンダエリシオン RR1 平成16年式 走行約12万㎞
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エンジンを掛けようと思って最初は3回に1回ぐらい反応がないときがあったけどその内全く反応がなくなったとのこと。
まだ始動できてたときにガソリンスタンドでバッテリーチェックをしてもらったら良好だった。
たしかに当店の整備歴でも2年前にバッテリーは交換してるのでそんなに早く傷むことはないだろうということで、これらの問診からセルモーター本体かセルモーターへの電気回路の故障と判断。
JAFにより牽引にてご入庫です。
では作業開始。
ところがセルモーターはなんと吸気管の下。
交換しようと思ったら吸気管あたり一式ごっそり分解コースでした。
意気消沈。
気合いを入れてレッツ分解!
組み立てるときの備忘録として記録した写真をただただ羅列しておきます(笑)
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吸気管が外れてやっとお目当てのセルモーターさんこんにちは!
セルモーター本体へのアクセスが出来たので本来の取り外しへ
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外した吸気管同士のパッキン類も再使用不可です
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配線外して最後のボルトを緩めてやっと分解作業のゴール
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外したモーターの新旧比較動画。
最初が新しいモーターであとが古いモーターです。
外したときは古い方は回転すらしなかったのですが、ショックを与えて固着が解放されたら取りあえず動くように。
けれど回転音がいかにも「機械的に軸がずれてる」、という音です。
消耗品としての寿命ですね。

新しい、とはいえ中古再生品のセルモーターを使ってコストダウン、お客さんの負担をできるだけ減らします。
元気いっぱい回るセルモーターが掛けるエンジンの始動はいたって快調。
通勤の足として活躍するためにエリシオンはユーザーの元へ帰って行きました。