ダイハツ ミライース LA350S ベルト交換

ダイハツ ミライース LA350S 平成30年式 走行約11万㎞
車検で入庫しました。

ウォーターポンプの交換が必要でしたのでその過程でのベルト交換の部分。
ダイハツのこのあたりの車はミラにかかわらずほぼ一緒なのでは?と思います。

オルタネーターの上と下のボルトを緩めます。

オルタネーターとウォーターポンプを駆動するベルトは調整式。
エアコンベルトは調整機構無しのストレッチタイプ。
オルタのベルトは調整機構を緩めて外して、ストレッチベルトは切断するか、外す工具を使って物理的に外します。

外すのは汎用工具でスパッと外れるので楽ちんです。

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ベルトを取り付けていくときのの張りは、たわみ量が〇ミリという時代はほぼ終わっててスズキ車もダイハツ車も取付は張力計を使うという整備マニュアルになってますね。
ま、この方が「これくらいか~?」という曖昧さをなくして確実になおかつ早く仕事が出来ます。

 

張力計に打ち込む値もきっちり整備マニュアルに記載されています。

 

張力計を使ってオルタネーターの張りを見ながら取り付けます。
決められた値を張力計に入力

 

ベルトをギターの弦のようにはじいて張力計のマイクに聞かせると・・・
張りの強さが値となって表示されますので規定値に合わせてボルトを締める。

オルタネーターの上と下のボルトは50Nmくらいの締め付けトルクです。
こういう部分もトルクレンチ使った方が結果的に自分が安心できるので一手間余分ですけど使います。

 

エアコンコンプレッサーベルトを取り付けるときは汎用では無く専用工具を使った方がベルト痛まなくていいです。

 

ちなみにこのSST(特殊工具)はダイハツ純正のもの
値段は忘れましたがそんなに高くなかったのでオススメです
部品番号はこれ
取り付け工具付きのベルトも販売されてますけど・・・

今回はこれ以外にウォーターポンプの交換がありましたがそのあたりは割愛。
ポンプ替えるにしてもオルタネーター交換にも必ずベルトの脱着は必要となる作業ですね。

ポンプとかいろいろメンテナンスを受けたミライースは通勤の足になるべくオーナーさんのもとへ帰っていきました。
いつまでも調子よくオーナーさんの役に立ってほしいものです。

 

ご同業さんから1234yfガス充填依頼

ワゴンRスマイル平成4年式
事故で前回りを修理し、ガスが抜けたあとの1234yfエアコンガスの充填依頼がありました。

1234yfを充填するには新しい規格の整備機器が必要と以前からお知らせしております。
普段お付き合いのある工場さんから当店にエアコンサービスステーションデュアルがある、とご紹介いただいた鈑金工場から新規のおしごとでした。

ネットワークが広がってとてもうれしい事案でした。

事故修理後の1234yfガスの再充填はご相談に乗ります。
事故修理前のガス回収からのご利用であればガスは必要な分だけでの対応となりますのでコストダウンになります。
当店をせいぜいご利用ください。

E26 キャラバン ベルトの交換方法

E26型のキャラバン ガソリンエンジンのベルトの交換。
1本もののベルトをテンショナー緩めてピンで固定。
固定後にベルトを脱着というパターンですね。

エンジンアンダーカバーの一番前をボルト5本緩めて外します。

テンショナーの真ん中のナットに14ミリのレンチで時計方向に回して固定用の穴にドライバなりヘキサゴンなりを突っ込んで固定します。
他のプーリ等の配置からすると首振りタイプ、もしくはミディアムの長さのソケットが楽ちん。


写真に写ってるレンチはKTC首振りラチェットのロング型

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わかる人しかわからない謎のメモをもとにベルトを復旧。

7年で10万㎞お疲れ様のベルトと新人でこれから働くベルト

1本もののベルトは外すとこんなに長~い。

1本もののベルトというと

・ 部品点数を減らすというメーカ側からのコストダウンという意味合い、
・ 組み立てるときの手間を減らす

という意味合いからはとても有効な方法です。

半面、一度切れると全ての補機類が止まってしまうというリスクも抱えてしまいます。

そうならないためにも定期的に、なおかつちょっと先回りの予防整備。
大事な要素では無いでしょうか?
特にキャラバンなどは

「商用車=お仕事のための車」

ですから止まってしまうと乗用車よりヤバいことが多いと思います。
お客さんも整備工場をあわててしまう(笑)

というわけでベルト交換も含めて定期メンテナンスを終えたキャラバンはオーナーさんのお役に立つべくお仕事場に帰って行きました。
しっかり働いてね~

スズキ 愛車無料点検 承ります

2023年も!愛車無料点検!!
キャンペーン期間:2023.06.01~2023.09.30

毎年恒例となりました
スズキの愛車無料点検
令和5年6月1日~9月末までの期間中、点検承ります。

※2021年以前にご登録・届出のスズキ車が対象です。
※店舗へご来店いただき、30分程度お待ちいただければ作業完了です。
※ご予約の上でのご来店ご協力お願いします。

CVTフルード21万㎞無交換のハスラー CVTフルード・ストレーナー交換

スズキハスラー MR31S 平成26年式 走行距離210,000㎞

インターネットで当店を見つけていただいたオーナーさんから

「21万㎞走ってる中古車を買いましたが加速時にぎくしゃくするのでCVTフルード交換したら改善しますか?」

とお問い合わせいただきましたので来店いただき一緒に試運転。

オーナーさんが感じておられる違和感は察知できませんでしたが、問診内容ではエンジンの失火も考えられますものの、それはさておき距離もかさんでどことなくなめらかなはずのCVTがぎくしゃくしてるかな、とは感じたので

「大手カー用品店でやってるようなフルードだけぱっと入れ換える方法とは違い、それなりの作業量になるので安くは無いですが、フルード交換並びにその付随作業一式をしてみますか?」

と提案させていただき承諾をいただきましたので作業しました。

通常当店では作業中の写真を撮影してオーナーさんに画像を見ながら作業の内容を説明してからお車をお渡ししています。
ただこのCVTフルード交換作業は動画で内容をお伝えしたほうがわかりやすい題材なので今回生まれて初めて「全作業」をスマホで撮影して編集してみました。
作業後の報告を動画でする第1号です。
不慣れなため編集作業にかなり時間がかかってしまい寝不足になり目が乾燥してパリパリになったのは内緒です(笑)
まあ少しずつやっていこうかなと思いますが決してカメラの前でしゃべるYoutuberにはなれないでしょう・・・・
かろうじて文字で説明するのがやっとです。
お店の中でしゃべるのは今まで通りです(爆)

リンク張っておきますのでご覧ください。

 

ラパンショコラ CVTフルード&ストレーナー 交換

ラパン ショコラ HE22S 平成27年式 走行距離65000㎞

CVTフルード、ストレーナー、ポンプ用のフルードフィルターの交換依頼で和歌山市からおいでです。
自宅近くでやってくれるところが無かったとのことで当店の過去の作業事例のブログを見て依頼していただきました。

 

スズキのこのタイプのCVTはレベルゲージがあるので準備としてそこから上抜きである程度のフルードを抜き取ります。
そのほうがあとでフルードパンをめくるときにフルードがこぼれなくて良いです。

フルードの抜き取りが終わったらパンをめくっていきます。

 

フルードの残量はこれぐらいまで抜けてたのでこぼれないで外せました。

CVTの内部が見えました。
ストレーナーもそれなりに鉄粉色になってますけど全体的には距離の割には鉄粉の料はさほど多くない、という風に思いましたね。

オイルパンを清掃して鉄粉除去用の磁石も清掃して、の定番作業です。
フルードだけを交換する作業に比べて、ここを清掃するという作業の方が大事かなと思ってます。
なんなら清掃だけして抜けた分だけの規定量のフルードを追加するだけの方が効果的な整備では。

ストレーナーの新旧です。
もちろん右が新品。

メッシュ部分は異物はあまり噛んでませんでした。

 

内部の鉄粉をパーツクリーナーで流しておきます。

 

ストレーナーと共にポンプ用フィルターと言われるエレメントも交換。
このお車はアイドリングストップ時用のオイルポンプが付いてるタイプでしたのでまずはポンプを外して奥にあるエレメントケースを外します。

ポンプを取り付けるときにパッキンは新品に。

外した部品を全て組み上げたら抜けた分のフルードを注入。
ポンプ付きの車はエア抜きが必要なので診断機を使って作業します。

トルコン太郎にて圧送交換をして終了したあとの状態です。
左側の新油と右側の今現在CVT内を流れてるフルードの色合いがほぼ同じになりました。

交換した部品です。

最後は各部の漏れを点検

交換したフルードの廃油処して終了です。

今回作業の様子を動画にしてみました。
編集作業のまねごとみたいなものをしてみましたが慣れてないので時間ばっかりかかってしまいました(笑)
2分ほどなのでお時間があればポチッとな。

アルファード エアコンが効かなくなった

アルファード ANH20 平成25年式 走行約5万㎞
走行中に急にエアコンが効かなくなったというご一報で入庫しました。

 

この季節、エアコンが効かないとこの先とんでもないことになりますので、修理する側も
「早く修理してあげないと・・・・」
とちょっと焦ります。

エアコンが効かない場合の基本中の基本点検は配管内にガスがあるかどうか。

エアコンサービスステーションデュアルに接続してみるものの、この数値であればガス漏れしてアウト、という感じでもない。
0.6MPa(メガパスカル)というのは27℃という気温から判断すると
「まあそこそこガスは有るな」

ただエアコンのスイッチを入れてもこの値に変化は無い。
そうなるとコンプレッサーが動いてなさそう。

コンプレッサーの電磁クラッチに電気は来てるか?と診てみたら、このタイプは可変容量コンプレッサーが搭載されている機種で電磁クラッチはなくて、常に動力は伝わっていて、中の機構で0~100%まで能力を制御するタイプ。
外観からは判断できません。
コンプレッサーは後回しにしてふと見ると冷却ファンも回ってない。

ということは根本的にエアコンコントロールが全部止まってるような・・・
エアコンリレーは?と整備書を見てもエアコン回路にリレーは無い。

ということで次は診断機を接続。
するとエアコンの項目に故障コードが記録されていて「冷媒圧力異常」
数字で見ると3.221MPa!!

これが本当に配管内の値ならエアコンの配管が破裂しそうな勢い(笑)
でも実際の圧力は、カーエアコンサービスステーションデュアルで最初に測っていた0.6MPaだったのでこの時点で「はは~ん、なにかおかしいな」

圧力センサーは割と手の届くところに有ってラッキー。

 

整備書で正常な値を調べて、テスターで計ってみると、4.69V以下でないとだめなのに明らかに5V超えてる。

 

圧力センサーが配管内のガス圧に対して異常な電圧を出してるのはほぼ間違いないと判断したので部品を交換。
交換とはいえ、まずはエアコン配管内のガスを一旦回収しなければいけないので簡単に「外して新品に交換」、というわけにはいきません。

 

センサーを交換してガスを充填する前の儀式として真空引きをしながら診断機の値と読み取ると見事に一致。

よしよし診断は正しいようだ、と規定量にガスを充填
規定量750gに対して回収量515gということで235g追加。

ドキドキしながらエアコンをON。
いつもながらなんどやっても「治ったかな」とスイッチを入れる瞬間が恐い。

きっちり冷風が出てきてホッと一安心。

そしてガス圧チェック。
外気温に対して教科書通りの値です。

そしてセンサーが出してくる値もカーエアコンサービスステーションデュアルの高圧側の値とばっちり一致。
これで正常に戻った、と判断して修理完了。

オーナーさんから第一報を受けたときは

ガス漏れ??  ⇒  室内ユニットで漏れてたら高額修理
コンプレッサー不良 ⇒ 高額修理
もしかして電気的な制御部分の故障 ⇒ 診断大変

などなどストーリーをいろいろ考えてましたが、結果的にはエアコン制御の入り口で修理できたので悪魔のストーリーと比べて思いのほかお金がかからず復旧できてよかったです。

なによりもオーナーさんが一番安堵してました。
(10万円超えの修理費を覚悟しておられたようです)

本格的な夏を迎える前に症状が出てある意味ラッキーだったかもしれません。
気温が35℃超える日にこんなことになったら車を移動させるだけで熱中症になってしまいますからね。

そんなわけでアルファードは無事エアコンが冷えるようになり待ちわびるオーナーさんのもとへ帰っていきました。
生活に、そしてレジャーにとオーナーさん共々元気に暮らしてほしいもんです。

モコ MRワゴン ラジエーターファンモーターの寿命で交換

令和5年5月8日(月)よりお店は営業再開しております。
大型連休はしっかり安静にしてました。
出かける気は毛頭無かったので安静に絶対がついて「自主的絶対安静」の状態で暮らしてました。

時々渋滞情報をみて、赤い線が着いてる高速道路を走ってる方々は「大変やろなあ」と思ってました。

さて日産のモコ、スズキのMRワゴンOEM車です。
まあよくはたらいてる車で2008年式で18万㎞走ってます。
いろんな消耗品は一通り交換の憂き目に遭ってますが今回は

「水温警告灯がちらっと光った」というご一報です。
冷却水がなくなってたら大変なのでレッカーサービスをお願いしてご入庫です。

ご入庫後は冷却水量点検 ⇒ 水はある。
では次は冷却ファン回ってる?? ⇒ 回ってない
この時点でだいたいの故障ストーリーが頭の中を巡ります。

ファン用のモーターまで電気来てる?? ⇒ 来てる。

電気来た状態でモーター殴る(笑) ⇒ ちょっと回る(爆)

ということでファンモーター内部の消耗で寿命が来た、との判断で作業開始。

 

ファン単体では車から外せない構造で、ラジエーターごとの取り外しです。
そのためにいろいろ附属品も分解。

 

外すための作業をしながらエンジンに目が行くと「オイル漏れ」と目があってしまいました。
このまま放置すると以前に交換したサーモスタットケースのパッキンにオイルが回ってしまいパッキンが劣化、結果その部分から冷却水漏れというストーりができあがってしまうのでユーザーさんにその旨報告して追加作業の許可をいただきました。

18万㎞走ったエンジンとは思えないほどのきれいなカムシャフトまわり。
幾度となく定期的にオイル交換してもらってる証拠です。
ユーザーさんの日頃の愛情いっぱいオイルメンテナンスでしか得られない結果です。

素晴らしいメンテナンスとはいえ車のゴム製品は経年劣化します。
ただこの距離と年数まで漏れなかったのはやはり定期的なオイル交換のなせる技ですね。
外す途中でパキパキ「割れる」
もうゴムでは無くただの堅いプラスチックになっています。
これでは金属と金属の間を自身の柔軟性でせき止めてるパッキンの働きは無くなり液体の漏れを止める性能は残っていませんね。

 

オイル汚れが固着してないのでちょっとウエスで拭くだけで素材の色に戻ります。
素晴らしい!

新しい「しなやかなゴム」に交換してカバーを復元。
理屈では同じ年数・距離だけこのパッキンはもつはず・・・

カバーを復元途中にエンジンのアイドリング回転を調整するバルブにアクセスしやすかったので、外して点検。
スズキを含めこの形の調整バルブは煤が堆積して通路が狭くなってエンジンの回転数を調整しきれなくなることがあるので時々お掃除は必須です。
点検してみると18万㎞分溜まってました。

ちょっととがった工具で煤をつつくとご覧の通り。
この厚みの分、煤が蓄積してるわけです。

溶剤などを使ってきれいさっぱり。
これが本来の姿です。

いろんな回り道を経て本来の故障箇所、ファンモーターの交換。
これでオーバーヒートは大丈夫。
このファンはエアコンのガスも冷却してるのでこれが調子悪くなると、エンジンを冷やしきれないだけで無く、エアコンも冷えなくなると言う大事な部品なんですよね。

全ての作業が終わって、冷却水のエア抜きやらエアコンガス圧力など後処理をしてモコは待ちわびるユーザーさんの元へ帰っていきました。
まだまだ元気に走ってくれることでしょう。

 

 

さてあとは家訓に基づき捨てる前には部品を分解。
なぜモーターが回らなくなったか?という構造分析タイム。

このスプリングで「ブラシ」と言われる炭素素材でできた部品が電線の先にあるはずなのですが摩耗しきってしまってスプリングが飛び出てしまってます。

「ブラシ」がすべて「粉」になって堆積してますね。

よく見るとわずかに残骸が残ってました。
ほんらいは1㎝ほど長さのあり、写真の茶色のケースに収まってる部品なんですよ。
軸が回転することで押しつけられたブラシは少しずつ摩耗していき最後はこういう形で寿命を迎えモーターは終わります。

実はこのブラシを交換したら復活するので部品さえあれば実は修理できるんです。
部品設定されてたり、他のモーターのブラシを流用したりして復活させてる場合も見受けられます。

修理して使えば流行りのSDGs(えすでぃーじーず)って言う一部の人が大好きなあれですね。
いろんなキャンペーンをして、使えるものは修理して使うことで再生できるものは再生して使う、とか。

自動車も修理できるのならその部位だけ手当てして復活させるといいと思うんです。が、再生するコストを考えたらユーザーが嫌がって捨てる選択をする、となるのが現実ですよね。
このモーターでも分解することなんか想定してなくてプレスで蓋が開かない構造になってるのを力技で無理矢理開けてこそ中身とご対面できるわけです。

最初からモーターごときを修理して使うなんて言うことは考えてなくて壊れたら交換、もしくは壊れたら新車買ってねと言うことですね。
自動車が耐久消費財なのである程度は理解できるんですが何かもったいない気が。

その上、国の施策として古い車には税の重加算をして、新しい車はいろんな特典をつけて減税して乗換に誘導してたり・・・・
ドイツなんかは古い車を維持してたら「ゴミを出さない」という環境維持のご褒美として「減税」ですからね~

えすでぃーじーずで循環可能な社会を、といいつつ、乗り換えざるを得ない方向に民間を導く・・・
なんとも矛盾だらけの現実ですよね~

現場からは以上です。

ニッサンキューブ ガソリン漏れ

ニッサンキューブ AZ10 平成14年式

ガソリンスタンドで燃料を入れて満タンになったと思ったら車の下からガソリンが漏れてきた、との症状で乗るのはヤバそうということでレッカーに引っ張られて入庫です。

うちに着いたときには漏れておらず、最初はどこかのホースが裂けたのかなと思いましたがユーザーさんへの問診で「給油中は漏れてなかった」というところが少し気になったのでリフトに乗せてみましたら、タンク下部にはガソリンが垂れたあとはありましたが、最初に思った給油口ホースも空気抜きホースも全く無事。
スコープで覗いてみたらタンクの上の出っ張りのあたりから垂れた跡が見えたので、これはタンク本体・・・と。

そうなったら次に問題になるのは車が古いので部品があるか?ということ。
ほんとに最近は「製造打ち切りの恐怖」に振り回されますのでまずは部品在庫確認。

在庫確認できてからでないとユーザーさんと修理の費用や日程などの相談ができない
ことが増えてます。

【ハイわかりました修理します】

とはうかつに言えない。
そんなに古くない車でも昨今の品薄状態、部品不足状態では部品が手に入る日も流動的になるのでほんとに神経使います。

今回のキューブのガソリンタンクは部品は在庫ありとのことでホッと一安心。
髙価なタンク本体取替になってしまいます。
中古品を使うという選択肢もありますが、経年劣化が原因で不具合の出てるのですから、さすがに燃料系に中古品を使う勇気はありません。
このお車があと半年乗れたら良い、という場合などはそれでもいいでしょうけどオーナーさんは気に入って乗ってて乗り換える予定はないとのことですから、新品をチョイスしました。

この部分がガソリンの液体部分と気体部分を振り分けるセパレーターという部分なのですが境目が経年劣化で割れたようです。

作業は「タンク交換」ということで単純。
関連するホース類6本もこの際交換しておきました。

作業後にタンクの底を見てふとタンク製造時の金型の細かい刻印を発見。

自動車の部品でプラスチック製品は製造工場で製作年月日の刻印があったりしますが、このタンクも長年の金型更新が記録されてて歴史を感じました。
キューブが製造されるまえの1991年9月からスタートしたのが見て取れます。
そこから2001年12月まで印が進んでますね。

そしてそこから時々製造されてたのかな?
1枚目の写真の上の方に1303という刻印も見えますね。

 

2013年3月に製造されてそこから在庫されてたのかなとか想像は膨らんで楽しいですね(笑)
え~もしそうなら作られてから10年寝てたのか??
そんなこと無いよなぁ。
素材が光ってるし、あくまでも金型更新やよね、などなど思いをはせてましたが、最初に作り出したのが1991年ということで、この形状のタンクを他の車用として作り始めてキューブに流用したのは間違いなさそうです。
この工場が受注して作り始めたのがこの年なのかもしれません。
それにしても1991年9月あたりに作り出したとすれば1992年1月頃にマーチのフルモデルチェンジがあったので2代目マーチ(K11)あたりから採用されたのかな?

仕事のあともいろいろ昔の思い出と重なってひとりで納得してました・・・

シエンタの簡単バンパー修理

商売の基本として大成功を収めたものは「消費者が望んでるものと商品が合致した」といわれます。

自動車整備業の場合は整備技術で不具合を治したり車に関するいろんなお世話をするというのが売り物なんですよね。
売るものは形が無かったりするのですが最終的にはお客さんの希望に対して回答を見つけるのが大きな流れです。

お客さんが望むこととお店側のしてあげたいこととが大きくずれてると満足してもらえない、というジレンマはずっと抱えています。
お客さんの希望と自分がしたい仕事が合致したときは自分が思ってる以上の感動と感謝をいただけて「そんなに?」とひたすら恐縮してしまったりします。

バンパーをちょっと膨らませて、手元にあるタッチアップペイント、しかもこの車の色ではない似た色を吹き付けるわけでも無く筆でちょちょっと塗っただけなのでお金をもらえるほどの仕事でもなく自分の出来る範囲でやっておこう、と思って作業したんで「こんなもんでOK」くらいな気持ちでいましたがお客さんからは

「気になってたからめっちゃうれしい」

と大きな感動と感謝をいただいて、あまりの喜びように

「それほど喜んでもらえるのか?」

というのが本音でした。

感動してもらえたので結果オーライなのですが、お客さんが求めるものと我々がよかれと思ってするサービスが乖離してると自分が「ええ仕事をした」と思っても意外に喜んでもらえなくて、これでええんかな?と思ったことがやたら喜んでもらったり・・・

商売の難しさも感じる出来事でした。