1234yfガス用添加剤 入荷 nutec NC-200

いよいよエアコンの効きが気になる季節になってきました。
もう既に何件かは「エアコン効きません」とお問い合わせがあり、入庫して修理完了してます。

全く効かない、というのはほぼ故障のためでそれなりの手当てが必要なのですが、
・ 効いてるのは効いてるけどパンチがない
・ 去年より冷えが悪いような・・・
という曖昧(笑)は症状の場合、ガスの不足が原因だったりするんです。

そういうときはきっちりとガスの量を設計通りに入れてあげるだけで復活することも多々あります。
うちのお店ではスナップオン社製カーエアコンガスサービスステーションデュアルを設置しており134aガスも1234yfガスも既存の機械式コンプレッサー車も電動コンプレッサー車も全てガスを規定量測ってきっちりチャージできます。

1234yfガスにも対応

 

そしてガスをチャージするときに冷えるエアコンをより一層冷えるようにする添加剤を同時に注入してます。
写真は134aガス用のnutec社製NC-200という添加剤です。

 

そしてこのたび、今まで発売されていなかった1234yfガス用のNC-200が発売され入荷しました。

今までの134aガス用NC-200は箱が黄色でした



1234yfガスに対応できる添加剤が発売されエアコンガスチャージに選択肢が増えました。
大阪では今やエアコン無しはとんでもなく、冷えが悪いだけでも運転中の体調に影響します。
ぜひエアコンガス規定量充填サービスをお試しください!

2024年3月 整備のまとめ レジェンドハイブリッド車検など

おかげさんで2月の半ばから3月まで入庫が続いてまして一つ一つの事案で記事をアップすれば良いものを気づくと3月10日に近いという・・・
なので気づいた事案などをまとめてみました。

ダイハツムーヴ LA100S  走行38000㎞
信号待ち中にエンジンのどこかの気筒が失火してエンジンが触れ出した、ダイハツはイグニッションコイルが弱いから壊れたかも、とご入庫。

症状の説明が具体的なのはうちの元の従業員さんだから。
現在は引退されて日々の生活を楽しんで居られます。
整備士が症状説明してくれるのだから当たり前ですがわかりやすい。
イグニッションコイルアナライザーでいろいろ比較。
結論から言うと「デンソー製のプラグが原因」でしょうね。
コイルの出力やその他プラグ本体の焼け状態見ても違和感はない。
けれど見当付けてNGK社製のRXプラグに交換したら加速が入庫時と全然違うなめらかさ。
ダイハツ+デンソープラグの組み合わせ不具合を久しぶりに体験。

日産モコ(スズキのMRワゴン)車検でご入庫。
走行距離が少ないお車ですが青空駐車の影響もあってブレーキローターに錆が侵入。
パッドとローターの接触面積が減ってるとどうしても自分の物さしではNG。
許せないのでここらで一度手入れしておきますとご提案。

ローターをきれいに。

そして変な減り方になってたパッドもきれいに。

ホンダレジェンドハイブリッド KC2。
お客さんはなじみのお客さんですがこのお車の入庫は初めて。
正直見たことも乗ったこともなかったので構造を一から事前に予習。
勉強すればするほど、「よくぞこれほど駆動力を制御をしてる車を世に送り出したもんだ」と。
前側のタイヤをエンジン+モーター1個、後ろのタイヤを2個のモーターで駆動。
すごいことしてるな~、と思う半面この車を整備するのかとドキドキ(笑)

仕組みはすごいとは言え消耗品は基本的なものであることに間違いは無いのでその辺りは粛々とメンテナンスさせていただきました。
トヨタ系のディーラー中古車で2年前に車検を受けて購入されたようなのですが・・・
記録上ブレーキフルード交換となっていますがこれって2年前に交換したブレーキフルードですか???

途中まで減らしてみたけれどタンクの底が見えません。
う~ん・・・・ほんまに交換した??

減らした上で新しいフルードをちょっと足してみたらかろうじて底が見える程度。

なんだかな~と悶々としながらブレーキフルードの交換。
さすがにハイブリッド車なので普通の交換手順ではなかった。
トヨタ系のハイブリッド車みたいに診断機を繋いで・・ではなく、

レジェンドハイブリッドのブレーキフルードの交換方法は

  1. アシスタントを乗せてペダルを踏んでもらう
    キーをオンにして4輪交換
    右前⇒左前⇒左後⇒右後 つまりは反時計回りに4輪。
  2. そしてキーをオフにして3分以上待って4輪交換
    これまた反時計回りに右前⇒左前⇒左後⇒右後と一周

※交換途中は乗ったままでドアを開けてはいけない

と通常の倍の手間と人員を使っての作業が必要と整備要領書を読み込んで作業。
予習のおかげ(得意満面)でなんとかクリア。

ブレーキフルード交換が終わってエンジンオイル+オイルフィルターの交換、とコマを進めるとここでも新たなトラップ。
オイルフィルターを強く締めすぎていて既存の工具では歯が立たない。
トヨタ整備士はまたやっちまったな(笑)

しばし方法を考えて工場の中をうろうろ。
そしたら古い工具のエリアに昭和時代のフィルター外しの工具が。
錆が回ってますが、「先代の父上ありがとう」、といそいそ使わせていただきました。
おかげで堅いフィルターに打ち勝つことができました。

新しいフィルターは決められた締付トルクで取付。
どこかの誰かが困らないように。

戦いの跡

レジェンドのオーナーさんが「ブレーキの効きのムラがあるように思う」とおっしゃるのでブレーキローターの振れを測定しようとダイヤルゲージを持ち出して測定。
あらためて文字盤を見るとなんとCITIZEN製。
JISマークも入ってますから正規品です。

あの時計のCITIZEN。
時計の技術を応用して精密機械を作っていたんですね。

実はこっそりとYoutubeチャンネルを持ってるのでよかったらチャンネル登録してください。
ほんとに時々ですが動画をアップしています。

そしてなんとレジェンドはホイルを取り付けてるナットの頭は22㎜。
(通常このサイズの国産車は21mm)
こんなサイズのナットを見たのは初めて。
こんなところがホンダらしいけど整備する側からするとちょっと焦る。

ちなみに締付トルクは127Nm。
この値も初めてでした。

あとはハイブリッド車の電動コンプレッサー対応のカーエアコンサービスステーションデュアルでガスを規定量にきっちりと。
POEタイプのコンプレッサーオイル対応のマシンでないと故障の原因に。

さて、次は・・・
時々水温が上がり気味のワゴンR MC22S 平成15年式の16万㎞。
たぶん今まで一度もサーモスタットは変えてなさそうなので交換。
取り付ける前に新品と比較。
同じ温度で開くスピードと開く量が明らかに違ったのでこれは経年劣化でしょう。
左が新品で真鍮の部分の移動量が違うのがわかります。
移動量=弁の開度ですからこれでよくエンジンは冷えるようになるはず。

サーモスタットと同時にラジエーターキャップやら気になる配管あたりを同時交換。
手間は一緒なのでこういうときにちょっと範囲を広げて部品交換しておけばお得ですね。

まあこんな感じで3月はこれから後半戦。
落ち着く日はなさそうな予感・・・・

 

エアコン配管内のフラッシングとエアコンガス規定量の重要性

スナップオン社製 カーエアコンサービスステーションを使った修理の依頼が続いています。
みなさん以前のブログ記事を読まれたり、スナップオン社のホームページ上での機器設置店検索をご覧になったりでの作業依頼でご来店いただいてます。
配管フラッシング(配管内の汚れ洗浄や劣化したコンプレッサーオイルの入替)のご依頼であったり、一般のお客さんからの「冷えてるけどパンチがない」というご依頼などなど・・

少し前のノアの配管フラッシング同様、ご同業からのご依頼で今回はアトラスです。
エアコンの3種の神器
「コンプレッサー・リキッドタンク・エキスパンションバルブ」
を交換したけど配管の洗浄もお願いしたいと言うことでインターネット検索からうちのお店を見つけていただいてのご入庫。
高圧側の値が期待したほど下がらないのでどこか詰まってるのか洗浄してみたいと言うことです。
エアコンガスは既に入れてあるのでよろしくと言うことでフラッシング工程の初期段階でまずはガス回収。

すると205グラム
規定量は550グラムなんですけど・・・(笑)
ご同業も「えっそこそこ入れたつもりなんですがそれだけしか入ってませんでしたか?」と驚いてました。

通常のマニホールドゲージだけでは入れたつもりでも測って入れてないのでこんな感じです。
開き直って「入ってるから大丈夫」と豪語されるご同業もちらほら見受けられます(笑)
いやいやそれでは素人さんが例のメーター付きのホースでガス入れるのとたいして変わりませんやん、と思うのですが・・

 

そして本題のエアコン配管のフラッシング

 

出てきたコンプレッサーオイルは250ccほど。
交換したコンプレッサーに入ってた量と元々配管内にあったオイルの量が合算されてるようですね。
オイルの規定量は200ccですからガスだけでなくコンプレッサーオイルの量も規定量ぴったりに合わせることが出来ます。

 

フラッシングが完了したのできっちり計量した新しいコンプレッサーオイルときっちり計量したガスを注入。

 

ご同業さんの期待はフラッシングをすることでエアコンサイクルの問題を消去法で消すことでした。
このアトラスの最終的な結論を双方で診断した結果、

エアコンガスを冷却するためのコンデンサーの内部につまりがあって設計通りの冷却ができていないことによるガスの圧力が高い、

ということで根治的作業をするかどうかは先方のお客さんとの相談になるとのことでした。

 

その数日後、ワゴンR MH23S型 平成23年
「エアコンの効きはこんなもんかな?冷えてるように思われへんけど外の空気よりは冷たい」ということでご来店。
吹き出し口に手を当ててみるとあきらかにぬるい・・

外気温34度で吹きだし温度が27度。
数字で見てもこりゃ冷えてない。

ということでまずはガス量を測定。

 

結果は

規定量の30%しか残ってなかったということでこれはヤバい。
とはいうもののご新規さんでいままでどのような管理をされていたのかは不明で新車から今までの間で減ったものなのかここ最近急に減ったものなのかはわからないので「漏れてる」の判断はこの先になりますね。
お客さんには「この夏だけ冷えて来年の夏に冷えないとかになると修理が必要ですね」とアドバイス。

お帰りの節は27℃の吹き出し温度がアイドリングで13℃になって「冷えてる」と言うことでハッピーにお帰りになられました。

 

 

そして週末
ご新規さんから電話。
「スナップオンの機械があると言うことで純度の高いガスを入れてもらったら冷えるようになるのではと期待してます」
とのご依頼。

それだけではよくわからなかったので現在どういう冷え方ですか?と問診してみると

オーナー
「冷えてるようやけど冷えが足りない」
「ガスは入ってる」

とのこと。

自分
「ガスは入ってると言うことですがそれはどうお調べになったんですか??」

オーナー
「オートバックスで見てもらったらガスは大丈夫。というてた」

自分
「オートバックスはガスの重量を測っての診断ですか?」

オーナー
「ガスは入ってるようですが足りないようだったので少し足しておきましたとオートバックスが言うてた」

まあとにかくご来店ください
ということで作業開始
写真は取り損ねましたが外気温31℃で吹き出し温度が29℃。
日産ルークス(スズキのパレットOEM)

う~ん確かに冷えてませんが直感的にガスが足りないような・・

 

途中省略の結論はやはりガスが残ってませんでした。
なぜか似通った数字ですね(笑)

あとでエアコン用の添加剤を入れる前提で規定量は調整してますがやはり30%ぐらいしか残ってませんでした。

オーナーさんには
「純度の高いガスを入れられるのはこの機械の特徴ですが、それ以前にまずは設計通りのガスの量があってそこを基準に次に純度が効いてきます」
とご説明。

そして

「オートバックスがガスを足したという作業はいったいどんなことをしたのか??」

という笑い話です。

 

このルークスも中古車で購入されてるので以前の修理歴は不明で1つ前のワゴンRと一緒で漏れてるのか自然に減ったのかがこれまた不明。
「すぐに効かなくなるようでしたら本格的な修理が必要です」とデジャブーな説明をさせてもらいました。

このあたり年式のお車はスズキ車を含め各メーカー、室内のエアコンユニット(エバポレーター)からの漏れが多いです。
もしそこが原因であれば7万円オーバーの修理になるので・・・。

 

なかなかエアコンの修理というか故障診断は原因の幅の広いので「どこが悪い?」に対しての答は現車を確認してもあれこれ可能性があって難しいですね。
一つ一つ勉強と経験を重ねていかないと、と常に思っています。

 



アルト エアコンガスが漏れてるので修理します

スズキアルト HA24S 平成21年式 走行約9万㎞
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車検時に他の工場で
エアコンの高圧パイプからエアコンガス漏れてるよ
と指摘を受け、まだまだ大事に乗るつもりなのできっちり直したいと当店のブログでエアコンガス規定量充填サービスの記事を見てわざわざ和歌山市からおいでになられました。
指摘をされた整備士さんも的確な判断で間違いなく言われた場所から漏れた跡がありました。
おかげでこちらはその指摘に乗っかるだけで良かったのでその整備士さんに感謝です。
ただその店はエアコンガスの回収機を持って居られないのか、配管修理したらガスが全部抜けてしまうのでエアコンガスは2缶いるよ、との説明だったそうです。
その点、当店ではエコマックスジュニアⅡがこんなときも大活躍。
エアコン配管類を修理するまでにエアコンガスを回収出来るのでガスを大気放出することもなく、入ってたガスをそのままリフレッシュして再度使えるのでお客さんの負担は元から足らなかった分のガス代でOK。
結果、リーズナブルな修理が出来ます。
なのでまずは回収。
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回収しながら作業しやすいようにバンパーを一時取り外し
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そしてご指摘の場所、ガスとコンプレッサーオイルが同時に出てるのでギトギトしてます。
そしてパッキン(Oリング)を交換します。
ガスが配管内に入ってないことで安心して分解していけます。
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せっかくなので配管の反対側のパッキンも念のため交換しておきます。
出来る範囲でこう言うところは同時交換しておく方が結果的に長く乗れますよ。
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そして配管のパッキンの交換が終わったらバンパーなどを組み付けていきますが、最近のお車は組立にプッシュリベットと呼ばれるプラスチック製の部品で組み付けられています。
これが経年劣化で割れるのでこう言う部分もきっちり新しい部品に交換しておきます。
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組立が終わったら配管内を真空にします。
100%配管内をエアコンガスで満たすためと、配管を外してる間はパイプの中は大気中と同じ状態になり、水蒸気として配管内の入り込むのでそれを蒸発させるための二つの意味があります。
その後アルトの規定量のガスをきっちり充填。
同時にPitwork製のNC-200をいれます。
充填が終わった後の配管内圧力
外気温に見合った教科書通りの値です。
エアコンガスサイクルはしっかり働いてるということです。
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実際お車から回収されたガスは220グラム
規定量は320グラムなのでお客さんの負担は100グラム分でした。
これが回収機がなかったりきっちり充填できる設備がなかったらガス2缶(400グラム)の負担になりますから4分の1で済みます。
試運転中のエアコン吹き出し温度。
これくらい冷えれば真夏の炎天下でも快適な車内は間違いないです!
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和歌山市からおいで頂いた O様 今後ともよろしくお願いします!!
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

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