ニッサンキューブ ガソリン漏れ

ニッサンキューブ AZ10 平成14年式

ガソリンスタンドで燃料を入れて満タンになったと思ったら車の下からガソリンが漏れてきた、との症状で乗るのはヤバそうということでレッカーに引っ張られて入庫です。

うちに着いたときには漏れておらず、最初はどこかのホースが裂けたのかなと思いましたがユーザーさんへの問診で「給油中は漏れてなかった」というところが少し気になったのでリフトに乗せてみましたら、タンク下部にはガソリンが垂れたあとはありましたが、最初に思った給油口ホースも空気抜きホースも全く無事。
スコープで覗いてみたらタンクの上の出っ張りのあたりから垂れた跡が見えたので、これはタンク本体・・・と。

そうなったら次に問題になるのは車が古いので部品があるか?ということ。
ほんとに最近は「製造打ち切りの恐怖」に振り回されますのでまずは部品在庫確認。

在庫確認できてからでないとユーザーさんと修理の費用や日程などの相談ができない
ことが増えてます。

【ハイわかりました修理します】

とはうかつに言えない。
そんなに古くない車でも昨今の品薄状態、部品不足状態では部品が手に入る日も流動的になるのでほんとに神経使います。

今回のキューブのガソリンタンクは部品は在庫ありとのことでホッと一安心。
髙価なタンク本体取替になってしまいます。
中古品を使うという選択肢もありますが、経年劣化が原因で不具合の出てるのですから、さすがに燃料系に中古品を使う勇気はありません。
このお車があと半年乗れたら良い、という場合などはそれでもいいでしょうけどオーナーさんは気に入って乗ってて乗り換える予定はないとのことですから、新品をチョイスしました。

この部分がガソリンの液体部分と気体部分を振り分けるセパレーターという部分なのですが境目が経年劣化で割れたようです。

作業は「タンク交換」ということで単純。
関連するホース類6本もこの際交換しておきました。

作業後にタンクの底を見てふとタンク製造時の金型の細かい刻印を発見。

自動車の部品でプラスチック製品は製造工場で製作年月日の刻印があったりしますが、このタンクも長年の金型更新が記録されてて歴史を感じました。
キューブが製造されるまえの1991年9月からスタートしたのが見て取れます。
そこから2001年12月まで印が進んでますね。

そしてそこから時々製造されてたのかな?
1枚目の写真の上の方に1303という刻印も見えますね。

 

2013年3月に製造されてそこから在庫されてたのかなとか想像は膨らんで楽しいですね(笑)
え~もしそうなら作られてから10年寝てたのか??
そんなこと無いよなぁ。
素材が光ってるし、あくまでも金型更新やよね、などなど思いをはせてましたが、最初に作り出したのが1991年ということで、この形状のタンクを他の車用として作り始めてキューブに流用したのは間違いなさそうです。
この工場が受注して作り始めたのがこの年なのかもしれません。
それにしても1991年9月あたりに作り出したとすれば1992年1月頃にマーチのフルモデルチェンジがあったので2代目マーチ(K11)あたりから採用されたのかな?

仕事のあともいろいろ昔の思い出と重なってひとりで納得してました・・・

エクストレイルのフロントガラス交換

エクストレイル 平成24年 走行46000㎞

飛び石にてフロントガラスひび割れでご入庫です。
いつもながらパンクと飛び石はほんとに「運」だなと思います。
事故に近いぐらいの確率だと思うのですがこればっかりは運転されてる方がどんなに気を遣って運転しても避けられない事象です。

自分自身も高速道路走行中に経験がありますがバシッと音が鳴ったら「あ~大変」という感じで落胆ですね。

 

フロントガラスは「合わせガラス」といって2枚のガラスの間にフィルムを挟んだサンドイッチ構造になってるので決して砕けて飛び散らないようになっており、これは事故の時乗員がフロントガラスに頭や首をぶつけて致命傷にならないために装着が義務付られているのです。
その結果ガラスの価格が高くなるんですね。
一発石に当たると10万円、てなイメージです。

ここ最近はもっと大変で自動ブレーキ廻りのカメラやらレーダー装置が装着されてるとガラスがさらに高価な上、エーミング(方向調整)も必要になるのでもっと価格が上がります。

ほんとに車両保険は必須だと思います。
ある日突然 石」 が飛んできただけで20万円、といわれたら悲しいですよね。

 

さてエクストレイルですが幸いなことに車両保険を付保されていたので交換になっても当面は負担金無しで修理できました。
まずは破損したガラスを取り外します。

意外に一般の方には知られてないのですがガラスは車両に「接着」されているんです。
つまりは貼り付けられているので接着剤を切り取ってガラスを外します。
当店はガラス交換については腕のいい専門の業者さんにお願いしてます。
先代の頃からのお付き合いなのでほんとに長いことお世話になってます。
職人さんの手際がいいので見てて気持ちいいです。

ガラスが外れました。
車体に付いてる黒い筋の部分が接着剤です。
ガラス側をアップすると割れたガラスと接着剤の様子がわかります。

新しいガラスに接着剤を塗って車両に取り付けます。

接着剤を塗ったらいよいよ車両の所定の位置にガラスを装着。
その部分は動画を撮らせてもらったのでご覧ください。

取付が終わったらガラスの縁などの附属品やらを新しい部品で復元します。
このあたりまで来るとほぼ元通りになってきた感があります。

そして最後はワイパー廻りなどの部品を復元して完成。
接着剤を使ってるのでこのあとはしばらく安静にしておきます。
でないと車って走ると意外に車体がねじれてるもんなんですよ。
なので接着剤が乾かない間に走行などしたら接着剤とガラスの間にすきまができて水漏れの原因になってしまいます。

理想は12時間以上絶対安静ですね。

 

というわけでエクストレイルは待ちわびるユーザーのもとへ帰っていきました。

月末に田舎に帰省する予定だったそうでガラスが治らなかったらどうしようとドキドキされていたそうです。
無事走れますよ~

 

 

 

セドリックは燃料ホース交換 ステップワゴンRG3は燃料漏れ

自動車整備をやってて、作業の慎重度合いのメーターが振り切れるのが燃料系の作業です。
なんといって車両火災のもとになるので作業中及び作業後の最終確認まで気疲れしてヘトヘトになる作業です。
なので心身共に元気な状態で集中して慎重かつ手早く確実に作業します。
平成3年式 31才のセドリックは燃料ホース劣化を心配するユーザーさんのご指示で予防整備。
日頃から車を愛する方のカンというのはさすがですね。
しっかりひび割れしてましたので作業して正解でした。
燃圧を下げるために燃料ポンプのコネクターを外してエンジンが止まるまでそのまま回す。
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燃料キャップを外してタンク内の圧力を下げる
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燃料系作業の下準備の基本はこんな感じですね。
そこからホースと燃料フィルターを含めてエンジンルーム内の部品を交換。
細々とした写真は燃料の漏れを最小限にするため撮ってる余裕がなかったので少なめ・・
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交換後ゆっくりホースを眺めてたらこう言う状態。
交換して良かったですね。
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作業が一段落して、工場内で火事が起こらなくて良かった、と一安心してたら、
「なんかステップワゴンがガソリン臭い」
との一報。
平成19年式 RG3型ステップワゴン 走行は12万㎞ 15才ですね。
ええ!、また燃料系か?と緊張メーターが元に戻って振り切れ。
入庫してもらったらたしかにガソリン臭い。
リフトに乗せてしたから診るとタンクにガソリンが垂れた跡が・・・・
ポンプからのホースが漏れてるのかとセカンドシートの下にあるサービスホールを開けてタンクの上部を見て見たら・・・・
確かに漏れてる _| ̄|○
症例を同業さんやらネットなどで情報集めたりしたらどうもタンクの蓋に当たる部分のひび割れ症状があるみたいで、確認するとキーをオンにするたびに蓋のうえからガソリンがジュワーと出てきてます。
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はい!燃料系2台目確定。
なぜか同じような修理が続けて入庫する定番のパターン炸裂です。
部品屋さんから部品のイラストをもらい「フューエルストレーナーセット」と確定。
部品が届いたので交換。
この白い部分がその部品。
最初はこんな色でも10年超えてガソリンの中に浸かってるとこんな色になるんです。
下部の部品は燃料ポンプと燃料ゲージですね。
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コネクターやらホースやらを組み替えて部品交換完了
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漏れた原因はこのひび割れです
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燃料ポンプを替えたりするとき燃料タンクの上部がでっかく解放されるのでタンク内に異物が入り込まないように緊張するし、開口部がでかい分、作業中も蒸発ガスが出てくるわけですし、開口部にビニール袋+輪ゴムなどを掛けたりしてできるだけ蒸散させないようにはしますがどうやってもこうやっても緊張します。
ガソリンの怖さを見て聞いて知ってますからほんとにビビります。
というわけで2台とも無事ユーザーさんの元に帰っていきましたが自分自身はまだ緊張の糸が緩まず張ったままです・・・
明日はまったりの休息してスイッチ切り替えよう・・・

キャリイのISCV・ECU交換など12月の総集編

12月って年末でなんか追われるとかいいますが、自分的には昔から普通の月末に連休があるって言う感じなんです。
4月から5月にかけてのゴールデンウィークと同じですね。
いつの頃からか「年末だから掃除」というのもなぜこんな寒いときに掃除をするのか?と思ってからやめて、3月とかちょっと温かくなってきた頃にするようにしてます。
「節目」というのは大事なのかもしれませんが毎日寝る瞬間が節目なんでそれもあんまりけじめに感じません。
「月末」と言う節目が12回目=年末で、すぐに次の月が始まりますよね・・・
さて12月は前半はまったりでこのまま12月は終わるのかと売上的にも戦々恐々としてましたが、10日過ぎくらいからなにかしらせわしくなって今日に至るという感じで後半が気付くと28日でした。
そんなわけで個別ネタをブログに書くのもついついおざなりになったので総集編。
ニッサンエクストレイルのアウターハンドル交換のため内装を外して、
「今の車はビニールを貼ってなくてガラスを上げ下げする装置と蓋が一体化してるのか?」と驚いてみたり・・・
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同じようなパターンでヴィッツのパワーウィンドウモーターの交換。
ドアの内部は、こんな感じで大きな穴はビニールで塞いであって修理の時にビニールを外したりずらしたりして修理、と思ってたんでエクストレイルはびっくり。
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仕事が終わってくつろいでるときサンダーバードを見てて、ロケット太陽号の発射ランチとニューヨークのエンパイヤステートビルを動かすマシンが使い回しと言うことを見つけて大はしゃぎ。
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中古車で買ったMRワゴン。
買った直後からオルタネーターをまわすベルトがスリップしてて朝一壮大な異音が鳴ると言うことで買った先の中古車屋さんに伝えるとちょこちょこっと診て「別に悪いとこ無いですよ」と帰ったとのこと。
それでうちに来てくれて診断したらベルトだるだる。
スズキのK6Aエンジンは「張りすぎか?」って思うくらいが適正な張り。
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ビシッと張ってるように見えてスリップしてるからこんなにベルトの削りカスが・・・
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同じようにベルトを交換するヴィッツ。
エンジンを車体にぶら下げてるエンジンマウントという部品を外さないと取り替えできない構造。
ぶら下げてる部品を外すんですからそのままだとエンジンが落ちます(笑)
外す前にエンジン支えてからマウント外す。
これが結構な手間=お客さんが払う工賃に跳ね返ります。
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ハスラー MR41Sの一部リコール出てます。
排気側バルブコントールソレノイドの交換。
整備要領書ではバンパー外すとなってますが知恵と工具があれば何とかバンパー脱着は回避。
無事交換完了。
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スチールホイールのホイルキャップから日光が当たる部分だけの錆。
他の自動車屋さんは
「気になるから簡単な補修をやってるで」
と教えてもらったのでチャレンジ。
確かに見栄えはいいなと二度感心。
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ポルテもCVTフルード交換、オイルパン洗浄&ストレーナー交換。
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ポルテあたりのトヨタ車でエアコンの内外気切替のダンパーが古くなるとねちゃねちゃして張り付いてしまい、内気になったまま動かなくなるので対処。
へばりつく部分のワセリンを塗って張り付かないようにしてみた。
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部品替えてたらきりが無いので知恵で対抗。
スズキのキャリイ DA63T。
アイドリングを調整するバルブ(ISCV)がショートしてコンピューターの基板まで巻き添えにしてコンピューター交換までになってしまうという割と有名な故障。
コンピューターそのものやバルブは中古品を必死の思いで捜索。
オーナーさんの日頃の行いが良かったので万に一つの巡り合わせで手に入って高額な新品部品を使うことなく修理完了。
捜索に時間掛かったけどリーズナブルに修理できて喜んでもらえました。
んで研究のため痛んだコンピューターを開腹。
診断通りの回路のトランジスターが焼けてました。
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ほんとはこのトランジスターを1個交換できればこのコンピューターは復活するんですけど、
・トランジスターに型番が書いてない
・どんなトランジスターを使ってるかを解析
・解析できたら入手方法を
・さて最低何個から買えるのか、
など調査が必要。
きっとその道の猛者とネットワークが繋がれば何とかなるのかもしれません。
コンピューターのケースそのものも開腹したら復元が結構辛い構造でもあるので今回はここまでにしときます。
あとこれ以外に27才のスカイラインのマスターシリンダー交換とか。
「部品があってよかった」
が最近のトレンドかも。
なんせ昨今は古い車の部品はすぐに製造廃止、手に入る予定でも納期未定とかざらにあります。
自動車部品も物不足が直撃してますから思いもかけず修理期間が延びる可能性があちらこちらに。
そんなときでも日頃の行いが良ければ全て丸く収まりますよ(笑)・・・

スカイライン トルコン太郎でATF交換

ニッサン スカイライン ECR33 平成6年式 走行約7万
たぶん一度もATFフルードを交換してないとのことでリフレッシュの一環で作業しました。
ATフルードの交換は昔からその是非が永遠のテーマで整備士によっていろいろ考えがあります。
否定派は交換することでミッション内の環境が変わり故障の原因になる。
肯定派は劣化しないフルードは無いのだから新鮮なフルードを維持するのはメンテの基本。
それぞれ昔から討論されています。
あと費用対効果の討論とか・・・
うちとしてはお客さんが望むのであればOK
交換した方がいいですよ|、と「勧める」スタンスでは無いという立場をキープ。
そしてするならできるだけ交換率を上げ確実に入れ換える。
お客さんが希望されるならオイルパン内部の清掃とストレーナー交換まで。
というスタンスです。
また密閉式でフルードチェンジャーを接続するためのアダプターが必要な車種はまだ対応してないという状態です。
スカイラインはラジエーターへの配管があってそこにチェンジャーを割り込ませることが出来るので早速スタート
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まずは8リットル交換でセット
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接続後エンジン始動。
スカイラインのミッションの中を循環してるフルードはこんな色合いです。
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圧送式により古いフルードを回収しつつ新しいフルードを押し込んでいきます。
右のガラス管の中が回収されつつある古いフルード
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左のガラス管は新油が流れています。
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表示パネルの左は回収されてる量。
右は送り込まれている新油の量ですね。
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8リットル入替が終わった直後の状態。
左が新油、右が現在ミッションの中を流れているフルードです。
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流れてるフルードのアップ。
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もう少しきれいにしたいなと言うことで4リットル追加で交換しました。
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合計12リットル入れ換えたあとの状態。
もとのフルードの比べたら新油と遜色ないぐらいきれいになったのでここで終了。
交換前
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交換後
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さてさてフルード交換終わったら油量をきっちりレベルに合わせて試運転。
変速がかなりスムーズになったと感じましたが普段乗ってるユーザーさんならもっと詳細に変化を感じとってもらえるでしょう。
何やら最近の日本は古い車に載ってると税金が高くなったり、部品の供給が過去に比べて早く打ち切りになったりと、「とっとと新車に乗り換えろ」という見えない、しかし強力なパワーに押されてしまってて寂しい限り。
愛着のあるオンリーワンの自動車を部品がないので修理できない、と泣く泣く手放すケースが多く見られます。
その都度ワンオフで部品を手作りしてもらって維持するのもひとつの方法ですがコストが掛かってしまい現実的な修理方法ではない、と言うケースが大半です。
まだ作ってもらえるならましですがそんな方法も取れないほうが圧倒的に多いです。
新車を作り、売る、ことで経済が回ると言われたらそれまでですが・・・
答はどこに・・・・

エアコンガス規定量充填サービス キューブとWRX インプレッサ

令和3年8月17日(火)より平常通り営業再開しました。
きっちりお休みをいただいてリフレッシュできました。
また年末までしっかりお仕事します!
お盆休み前にはエアコンのガス補充でご新規さんが2台おいでいただきました。
どちらの方も
「今は冷えてないとかでは無いけど効きが甘いかも」
「中古で買ったので自分の管理下に置くためにもエアコンのガスはきっちり充填した、整備した、という実績を作りたい」
ということでネット検索の結果うちにたどり着かれたという感じでした。
1台はニッサン キューブ
良い車だと思うのですが今は製造中止ですね。
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施行した日の外気温は33.4℃
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作業前に吹き出し温度を計測すると16℃
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デンゲン社製エコマックスジュニアⅡを接続。
お車に入っていたガス量を回収して計測。
430グラムの所回収出来たのは300グラムで130グラム不足していましたのでおおよそ75%のガス量でした。
規定量充填と同時により一層冷やす効果がある添加剤を注入。
エコマックスジュニアⅡは自動で注入できるのが利点。
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施工後の吹き出し温度は同条件で計測して14.9℃
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わずかな差に見えますが走行するともっと冷えますので数字以上の冷感を味わえると思います。
そして2台目はスバル WRX (インプレッサ)
スバルブルーのかっこいいお車です。
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同じように作業。
作業前には17.4℃
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ガス量は規定量500グラムの所300グラムで200グラム足りませんでした。
残量60%というところでしたね。
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これも同じくガスを充填すると同時に添加剤を注入。
結果は13.2℃まで冷えるようになりました。
WRXはまだもうちょっと冷える余裕があるように思えましたが作業時間の兼ね合いからこのあたりで計測終了・・
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エアコンが冷えないとかを訴えるとよくこの2メーターの機械を持って判断されることが多いですが、これで見える(判断できる)のは「ガスの流れ」です。
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ガスの流れも故障診断の手がかりにはなりますがそれは
ガス量が規定通りきっちり入ってるか
の前提条件が整ってからの話です。
ガスをきっちりの量に合わしてからこのメーターでガスの流れを見る、というのが正式な手順です。
その前提条件が整ってない段階でこのメーターを読んでも極端な故障以外は判断できないことが多いです。
まずはガスの量を合わしてそこから故障診断が鉄則です。
冷えないというと「ガス入れてみましょう」と安易に作業するお店が多いみたいですが「どれくらい入れる」を無視すると余計に悪くなります。
ガスは多くても足らなくてもいけないデリケートな材料ですからまずは規定量、ということが大事です。
全く冷えないというのと冷えが足りないでは診断ルートが大きな分岐点になります。
ちょっと冷えが足りないかなと言う方はぜひご相談ください。
※ 2022/05/22 追記
ガスの規定量充填を純度の高いガスで行えるスナップオン社製カーエアコンサービスステーションDUALPROという整備機器を導入しました。

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スカイライン R33 リヤブレーキローター修整とパッド交換

スカイライン ECR33 平成6年式 距離7万㎞
リヤブレーキの音がひどいとのことで車検時にまとめて整備しました。
以前からローターの痛みがひどくて音が鳴っても不思議では無い状態。
ローター研磨機も設置し自社で作業できるのでどんとこいってな感じです。
距離を余り乗らないお車なのでブレーキの削りカスもどちらかというと鉄粉では無く錆の粉という色になってますね。
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分解はまずこの針金から。
これ一本でブレーキパッドが固定されてるのですから秀悦な設計ですね。
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痛んでるブレーキローターはこんな感じで対するブレーキパッドもひどい減り方ですね。
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車輛からブレーキローターを外して研磨機へ。
1回削ってもまだまだひずみが取り切れないぐらい歪んでたので少しずつ数回に分けて施工。
摩耗限度ぎりぎりクリアーでした。
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ローターの研磨(研削)も終わり、新品のブレーキパッドも届いたので復元です。
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パッドを支えるプレートなどもキレイキレイ。
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組み立てるときにここにグリースを塗る方法もありますが自分はあくまでも乾燥潤滑にこだわります。
グリースを塗ると摩耗粉とグリースが混じって泥団子になるのが嫌いだからです。
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プレートとパッドの当たる面も同じ施工をします。
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ブレーキパッドについてる「アンチスキッドシム」
日本語にすると「異音防止板」
ここはグリースを塗るのですがあくまでも塗るのはシムとパッドの間だけ。
外側には塗りません。
理由は泥団子です。
汚れてるシムをできるだけきれいに
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そして裏面だけにワコーズ製の高性能グリス
耐熱性が良く耐久性にすぐれてるのでお気に入りの一品です。
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このパッドにはシムが2枚あるので同様にグリースをサンドイッチ
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ブレーキパッドにシムを組み付け完了。
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できあがったパッドを支えるプレートを組み付け、その後にパッドをセット。
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最後に十字型のプレートをきれいに清掃して組み付け。
一番最初に外したあの針金と固定用の棒を取り付けて終了
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このあと鉄粉取り用の洗剤を駆使してブレーキ廻りを元のアルミ色に・・・
このスカイライン、ホイルも純正ノーマルです。
逆に珍しいかも・・・
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これで懸案だったブレーキ廻りの手入れを含めて車検作業を終えたスカイラインはお客様の元へ帰って行きました。
まだまだ走ってもらう予定だそうです。
我々から思うのは部品の製造廃止が恐い・・・・ドキドキ・・

キューブ HR15エンジン イグニッションコイル交換

同じ故障が続くのは業界あるあるです。
昨年の秋頃から立て続けにイグニッションコイルの交換事例が続いてますね。
ご同業に聞くと車輪の回転数を測定する車速センサーやらエンジンの回転数を測るセンサーなども故障が続いて増えてると。
う~んなにかしら大きな動きで起こってるのか??と陰謀論大好きは私はいろいろ想像します。
これは携帯電話の5Gの電波が飛びだしたからなのでは?が今一番楽しい想像です(笑)
というのもイグニッションコイルも各種センサーも細かい電線を幾十にも巻き付けたいわゆる「コイル」と言われる部品構成です。
このコイルはアンテナの役目もするので外部からのいろんな電波に影響されやすく、コイル自身もいろいろ電波を発射するので廻りに迷惑を掛けないよう対策されてたりするのです。
なので4Gまでは影響なかったけど5Gになったから環境が変わった、というのが想像の中身です。
さてキューブですが走ってると何か振動してて車のあちらこちらの内装がビビる、という第一報で入庫。
自分が試運転してみると一発で「ああ1気筒死んでる」という判断で、工場に帰ってテスターで測定してみると間違いなく1気筒死んでる。
コンピューターに問い合わせてみるとやはり「1気筒死んでる」とのエラーコード。
テスターを当てた時点で第2気筒のイグニッションコイルが異常というのがわかったので、お客さんに
・ ひとつだけ死んでますが全部で4個同時に働いてます。
・ ひとつ替えれば当面はいけますが残り3個が心配。
・ 全数交換が理想ですけどいかがなさいますか?
と打診。
まだまだ働いてもらわないといけないので末永く乗れるよう全数にてお願いします、との依頼を受けたので作業開始です。
ちなみに相互に影響し合う点火プラグは半年ほど前に全数交換してるので今回は割愛です。
さてこのエンジン、普通にプラグを替えたりイグニッションコイルを変えたりするたびに、その上に配置されてる吸気管をいちいち外さないといけないので整備士の間では大不評で有名なエンジンです。
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この状態になってやっと「交換作業」が始まります。
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今回は全数交換ですが少しでもコストを下げるために純正ではなく信頼置けるNGK製のイグニッションコイルをチョイス。
これは訳わからん中華製のメーカーとは品質が違う上に純正よりはリーズナブルの修理できるのでオススメです。
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NGKといえば点火プラグも作ってる自動車業界ではとても重要なメーカーです。
吉本興業のNGKとは違います(笑)
型番はこれで部品商ルートではなくともアマゾンでも売ってたりします
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イグニッションコイルを外すのですから念のため半年前に替えた点火プラグも点検。
異常なしだったので再度取り付けておきます。
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あとは来た道を帰って組立ればいいのです。
実はこの吸気管廻りのパッキンはプラグを替えたときに一度交換したのです。
整備の基本としてパッキン類の再使用は絶対不可ですから一度外したらもったいないようですが再度交換です。
すべてはお客さんの二度手間を防ぎ再整備しないための鉄則です。
つい「まだいけるだろう」と使ってしまいたい欲望に負けてしまいそうですが・・・
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整備が終わったのち、キューブはスムーズにエンジンが廻り変な振動もなく甦りました。
さて試運転前にタイヤの空気圧の点検でも・・・と思ったらビス踏んでました。
中まで到達してなければ良いのになあと点検すると泡吹きました。
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というわけでパンク修理も追加してキューブはお客さんの元へ帰って行きました。
少しでも長くお客さんの役に立ってね~
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スカイラインやらベリーサのイグニッションコイル交換

8月の盆明けから酷暑に見舞われてる泉大津市ですが そのせいもあってか傷みかけてた部品にとどめを刺すようなことになってるのではという事案が続きました。
ネットなどのお仲間情報では輸入車のタイヤの回転数を測るホイールセンサーとかエンジンの回転を測るセンサー、無段変速機の軸の回転数を測るセンサーなど壊れてます。
そしてうちはそういう回転センサーこそなかったですが、イグニッションコイルと呼ばれるプラグに火花を飛ばすための高電圧を作る装置の故障が相次ぎました。
みんな装置の中に細い導線を何回もまいた「コイル」と呼ばれる構造を持った部品ばかり。
ひょっとして暑さだけではない大きな陰の力が働いてるのかも(陰謀論大好き!)
1台目は スカイライン 平成6年式 走行約7万㎞
信号待ちしてたら車が揺すられたようになる、との第一報で直感で「コイル死にましたね」と思うほどRB系のエンジン定番中の定番。
交換中の状態をざっと並べておきます。
コイルが痛むと言うことはたいていプラグも痛んでることが多いので同時交換。
そして予算の許す限りコイルもプラグも全数交換した方が2度手間にならず、エンジンの調子も最大限復活しますのできっと幸せな気分にひたれるを思います。
スカイラインもお客さんに全数交換をご提案。
許可を頂いて全数交換バッチリです。
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RB系のエンジンのイグニッションコイルは今回はこれをチョイス

(写真はイメージなので実際のものと形状が違いますね)
スカイラインの次の日に、マツダ ベリーサ のユーザーさんから
「エンジンチェックランプが光って車が変な振動してる」
という第一報。
マツダ車は扱いが少ないので電話では直感がすぐに働かずに、あたまの中の「マイ診断コンピューター」は「???」
チェックランプが光ってるのだからなにかしら診断機で故障コードを呼び出せるかも、という淡い期待を抱いて入庫してもらいました。
診断機で故障コードを拾うと
「3気筒目の点火信号がキャッチできない」
とのコード。
ここでもネット情報を併用するとどうやらデミオ当たりと同じエンジンで症例を見つけることが出来ました。
そしてなぜかみんな3気筒目。
これは解明できてませんがエンジンの構造上何かウィークポイントがあるのかもしれません。
コイル本体が怪しいとは思えますがコイルの配線の断線も疑えたのでチェックしたものの配線はOK。
念のため他のコイルと入れ換えてみてもやはりそのコイルが火花を出してないのは確定できたので交換することに。
これまた全数交換を提案。
お客さんは車好きな方なので快諾を頂き交換。
もちろんプラグも・・
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マツダはNGK社製の互換品がなかったので純正品をチョイス。
2日間で10個のコイルと10本のプラグ交換。
なかなか見られない光景でした。
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イグニッションコイルはいまや中国製の出所不明の商品があふれています。
しかしコイルというのは製造工程をまねしただけでは性能も耐久性もコピーできない商品の代表格です。
純正部品が1個1万円とすると中華製は3000円くらいで手に入ったりします。
そりゃみんな飛びつきますよね。
スカイラインのイグニッションコイルの中華製コピー品はこんな価格であります。
6個でこの価格なのでうれしいですよね(笑)

見た目一緒、取り付けた直後はきっちり完治したように見える。
「よっしゃ~」と喜びますが少し間が経つと(半年もつかなあ)同じ事になってまた交換です。
簡単に交換できる車なら良いですがね~(遠い目)
純正部品選択は無難ですがやはり価格が・・・という方。
せめて国産のコピー品を使いましょう。
代表的なのはNGK社製のイグニッションコイルです。
純正部品ではないですがうちのお店でも多数交換実績があり初期不良も経験したことないです。
すこしでも修理代は安い方がいいですよね。
実は修理する側も常に思ってるんですよ・・・

エルグランド ベルト交換 音波式張力計

エルグランドのベルト交換
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エンジンにより発電機やエアコンコンプレッサーやパワステポンプなどの補機類に動力を伝えるのにベルトを使います。
ベルトは消耗品で、使っていくと摩耗して痩せ細っていき、いつが寿命が来ます。
いきなり破断するときもあれば最近の複数の山をもつベルトは「輪切り」になって寿命を迎えます。
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ベルトが摩耗すると交換が必要になります。
このエルグランドもベルトが寿命を迎えていたので交換します。
ベルトを交換するときの最大の山場は交換したあとの張力を調整すること。
貼りすぎでは補機類のベアリングが痛んだり、張りが足らなければスリップして加速度的にベルトが摩耗して寿命が短くなります。
このさじ加減がなかなか・・・
一昔前までは10キロの力で押して〇mmたわむのが設計時の値、という基準でした。
けれどそういう基準は
「人によって感覚違う」
「指で張りを感じて合わせろ」
「慣れたら出来る」
というまさに、職人のカン、整備士の技量、で合わしていました。
ま、それも整備士個人の技術力と言えばそれまでで、出来る出来ないは個人差の範疇です。
が、いまだに行われているのも事実です。
うちのお店ではデジタル式の張力計を使ってベルトの張りを合わしています。
原理は「ギターのチューナー」と同じでベルトを指で弾いてその音程により張りの強さを数値化するというもの。
つまりは周波数を測ってそれを張力に置き換えます。
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その変換する公式があって(めんどくさいので詳しいことは省略w)その公式に当てはめる数値が3個あります。
その3個の数値は整備マニュアルに載ってるのでそこから入力して測定。
張力を所定の数値に合うまで微調整して作業完了。
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数値として測れるので確実かつばらつきなく出来るので整備品質は抜群です。
これくらいでええかな?は一切なくなります。
エルグランドの場合、整備マニュアルには「周波数」が記載されています。
これがとても助かります。
音程=周波数が全ての源ですからそれがわかれば3個の数値は必要ないです。
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周波数で測定したエルグランドのベルト交換は完璧に終了!
これからこの方式でよりいっそう確実な整備をしていきたいと思っています。
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