スカイライン R33 リヤブレーキローター修整とパッド交換

スカイライン ECR33 平成6年式 距離7万㎞
リヤブレーキの音がひどいとのことで車検時にまとめて整備しました。
以前からローターの痛みがひどくて音が鳴っても不思議では無い状態。
ローター研磨機も設置し自社で作業できるのでどんとこいってな感じです。
距離を余り乗らないお車なのでブレーキの削りカスもどちらかというと鉄粉では無く錆の粉という色になってますね。
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分解はまずこの針金から。
これ一本でブレーキパッドが固定されてるのですから秀悦な設計ですね。
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痛んでるブレーキローターはこんな感じで対するブレーキパッドもひどい減り方ですね。
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車輛からブレーキローターを外して研磨機へ。
1回削ってもまだまだひずみが取り切れないぐらい歪んでたので少しずつ数回に分けて施工。
摩耗限度ぎりぎりクリアーでした。
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ローターの研磨(研削)も終わり、新品のブレーキパッドも届いたので復元です。
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パッドを支えるプレートなどもキレイキレイ。
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組み立てるときにここにグリースを塗る方法もありますが自分はあくまでも乾燥潤滑にこだわります。
グリースを塗ると摩耗粉とグリースが混じって泥団子になるのが嫌いだからです。
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プレートとパッドの当たる面も同じ施工をします。
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ブレーキパッドについてる「アンチスキッドシム」
日本語にすると「異音防止板」
ここはグリースを塗るのですがあくまでも塗るのはシムとパッドの間だけ。
外側には塗りません。
理由は泥団子です。
汚れてるシムをできるだけきれいに
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そして裏面だけにワコーズ製の高性能グリス
耐熱性が良く耐久性にすぐれてるのでお気に入りの一品です。
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このパッドにはシムが2枚あるので同様にグリースをサンドイッチ
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ブレーキパッドにシムを組み付け完了。
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できあがったパッドを支えるプレートを組み付け、その後にパッドをセット。
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最後に十字型のプレートをきれいに清掃して組み付け。
一番最初に外したあの針金と固定用の棒を取り付けて終了
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このあと鉄粉取り用の洗剤を駆使してブレーキ廻りを元のアルミ色に・・・
このスカイライン、ホイルも純正ノーマルです。
逆に珍しいかも・・・
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これで懸案だったブレーキ廻りの手入れを含めて車検作業を終えたスカイラインはお客様の元へ帰って行きました。
まだまだ走ってもらう予定だそうです。
我々から思うのは部品の製造廃止が恐い・・・・ドキドキ・・

ブレーキローター研磨機稼働開始しました

自動車のブレーキには大きく分けるとディスクブレーキとドラムブレーキがあります。
トラックやバスになるとリターダー方式とか他の方法も出てきますがうちでは乗用車がほとんどなので上記の2方式のブレーキしか整備しません。
ディスクブレーキを前後に備えた車と前はディスク後ろはドラムというのがほとんどです。
すんごい昔の軽自動車などで前も後ろもドラムブレーキという車も見ますが・・・
そしてユーザーさんは乗ってるお車のブレーキの形を知らないというのも事実。
図解で説明して整備後の写真を使った説明で初めて自分の車のブレーキとご対面、という人がほとんどで、またそれを知った方は結構お喜びになられます。
「自分の車ってこうなってたのか」って。特に女性。
整備業の方々は時間に追われてるのが実態ですができれば
「もっとユーザーさんに説明してあげないと」
と常々思ってます。
さてそのディスクブレーキなのですがこんな形をしています。
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この銀色のローターと呼ばれる部分はブレーキを使い続けるとだんだん薄くなっていきます。
それを挟み付けてるブレーキパッドと呼ばれる部分も減っていきます。
ブレーキパッドは減れば交換することで新品になりますが、ローターと呼ばれる部分は余り注目されません。
減るといっても厚みが半分になることもないですし、特に国産車はほとんど減らないと言っても過言ではありません。
ただ減らないだけであって厚みが「まだら」に減っていくので同じ力でブレーキを踏んでると、効く部分と効かない部分が現れます。
分厚いところはよく効いて薄くなったところは効かなくて、それが交互に出てくるようになります。
するとブレーキを踏んで減速し始めたときに前後に揺すられたような効き味になってきます。
ひどい車はハンドルが左右に揺さぶられたようにもなります。
なのでそうなったブレーキローターは最低の厚み限度を超えない範囲で「修正」してあげると安定した効き味と新車の時のブレーキフィーリングが甦ります。
その修正するマシンをGETして稼働開始しました!
スター製 ディスク研磨機。
ローター研磨機ではかなりのシェアを誇っている名器です。
他の工場で使っていたのを譲ってもらったのですが、しばらく放置されていたのか本来動かなければならない部分とかがさび付いて固着してたので仕事の合間を見て少しずつ手入れをして使えるようにしてきました。
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そして何枚か不要になったローターで練習してましたが、本日ローターがいびつに摩耗した状態のお車が入庫して当店として初出番となりデビューしました(祝)
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動画も載せてみます。
回転してる部分で波打ってるのが見えると思いますが厚みが不均一になってるので刃の当たるところと当たらないところがわかると思います。
これを均一に出来ればブレーキは復活します。

そして片側の研磨修整が終わりました。
左が修正後、右がこれからのローターです。
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ブレーキパッドの交換とローターの研磨修整がセットでブレーキのフィーリングは格別に変わります。
この先も車検で入庫された方やブレーキパッド交換時にオススメしていこうかと思ってます。
ご同業の中でもローターを研磨修整するということに賛否というか「今どき中華製のローターが格安であるので研磨修整するよりも交換した方が安い」というお話しをされる方も居られますが、安いのは軽自動車やコンパクトカーまでですよね。
そのうえ、自分の整備歴の中でも中華製は新品から歪んでるのを経験したことがあります。
コスト掛けずに製作するのですからどこかで品質に影響してきます。
ローターはブレーキを掛けるときに熱が入っていきます。
新品ローターの場合それが原因で使い始めてしばらくすると歪む場合があります。
そうなると何のために新品にしたのか?となります。
高級なブランドのローターはあらかじめ熱処理をしてから出荷してる商品があるほどです。
それなら新車から使って一度熱の入ったローターを研磨修整する方が熱処理済みローター」が手に入ったのも同然ですよね。
そういう観点からも当店はこの研磨機がないときから専門業者への外注でローター研磨修整を優先してお客さんに提供してきました。
この先は手元で同じものを提供できる体制が整ったということです。
研磨機はずっと前から欲しくてずっと指をくわえてみてました。(価格が高い)
この度縁があってうちのお店にやってきました。
どうぞこの快適なフィーリングを味わっていただきたいと思います。
※ 泉大津 高石 岸和田 近辺、お近くのご同業の方も急ぎの案件があれば一度ご相談ください!
※ ローターを外して持ち込んでいただければ対応いたします。
※ 国産乗用車、商用車対応
※ 輸入車はノウハウがありません。 大型車もノウハウはありません。
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