オイル鉄粉吸着くん

自動車に使われる液体、例えばエンジンオイル、ATフルード、CVTフルードなどなどで同時によく耳にするのは「鉄粉」という言葉。
自動車のエンジンやら駆動系は金属同士の接触があるのでその削れ屑がでます。
それらを機械の外に排出するために「~オイル交換」とか「~フルード交換」という作業が発生するわけです。

これらを定期的に行っておけば削れ屑などもたまること無く機械類は元気に調子よく働いてくれるので長期的見てもお金儲けであったりするんです。

この鉄粉というもの、マニアチックな人からすると一度フルード類に混じったらできれば再循環して欲しくない願望がありますし、実際変速機の中にはメーカーが再循環させない効果を期待して磁石を組み込んであったりするわけですから寿命延長には間違いなく効果があるんでしょう。

無段変速機の内部にこんな磁石が組み込まれてますよ。

 

さてエンジンはというとそこまで気を遣わなくてもいいのか磁石による鉄粉除去というのはあまり採用されてないみたいです。
でもちょっとしたチューニングパーツとしてはオイルフィルターに磁石を組み込んだものが売ってたりします。

こういうものはエンジンで鉄粉が再循環して欲しくないマニアチックな人の気持ちをくすぐるんですよね。

まあ自分もどっちかというとそっち系の人間なのかもしれませんが磁石にはいろいろ期待してしまいます(笑)

たとえばオイルフィルターに磁石を組み込んだものと言えば
PIAAのツインパワー+マグネット
が有名です。
一度中身を分解してみたことがあります。
この2種類のフィルターに挟まれてるのが磁石ですね。

 

あとはオイルのドレンボルトに磁石を組み込んだものとか・・・

 

 

そして本題のオイル鉄粉吸着くんというダイレクトな商品名。

はちまき型磁石」(笑)    Amazonで売ってます

実はこれを購入してしばらく使ってたんですよ。
オイルフィルターは普通に純正品でこの磁石は外側に巻くだけという手軽さが気に入って買いました。
そして今回フィルターを交換するに当たって殻割りして中を確認。
あまり期待してなかったんですが、それらしきものはちゃんと吸着されていました。

これなら工具とかリフトが無くてもがんばれば自分で取り付けすることができて、なにかしらの鉄粉除去には交換があるのでは?と思いました。
普段お取引のあるお客さんなら買って持ってきてくれたら取り付けますよ!

 

まあ小手先の磁石よりは定期的なオイル&フルード交換が最強なのは間違いないですが、それでも通常より一層効果が欲しい人はこう言うもので遊んでみてはいかがでしょうか?

 

 

エクストレイルのフロントガラス交換

エクストレイル 平成24年 走行46000㎞

飛び石にてフロントガラスひび割れでご入庫です。
いつもながらパンクと飛び石はほんとに「運」だなと思います。
事故に近いぐらいの確率だと思うのですがこればっかりは運転されてる方がどんなに気を遣って運転しても避けられない事象です。

自分自身も高速道路走行中に経験がありますがバシッと音が鳴ったら「あ~大変」という感じで落胆ですね。

 

フロントガラスは「合わせガラス」といって2枚のガラスの間にフィルムを挟んだサンドイッチ構造になってるので決して砕けて飛び散らないようになっており、これは事故の時乗員がフロントガラスに頭や首をぶつけて致命傷にならないために装着が義務付られているのです。
その結果ガラスの価格が高くなるんですね。
一発石に当たると10万円、てなイメージです。

ここ最近はもっと大変で自動ブレーキ廻りのカメラやらレーダー装置が装着されてるとガラスがさらに高価な上、エーミング(方向調整)も必要になるのでもっと価格が上がります。

ほんとに車両保険は必須だと思います。
ある日突然 石」 が飛んできただけで20万円、といわれたら悲しいですよね。

 

さてエクストレイルですが幸いなことに車両保険を付保されていたので交換になっても当面は負担金無しで修理できました。
まずは破損したガラスを取り外します。

意外に一般の方には知られてないのですがガラスは車両に「接着」されているんです。
つまりは貼り付けられているので接着剤を切り取ってガラスを外します。
当店はガラス交換については腕のいい専門の業者さんにお願いしてます。
先代の頃からのお付き合いなのでほんとに長いことお世話になってます。
職人さんの手際がいいので見てて気持ちいいです。

ガラスが外れました。
車体に付いてる黒い筋の部分が接着剤です。
ガラス側をアップすると割れたガラスと接着剤の様子がわかります。

新しいガラスに接着剤を塗って車両に取り付けます。

接着剤を塗ったらいよいよ車両の所定の位置にガラスを装着。
その部分は動画を撮らせてもらったのでご覧ください。

取付が終わったらガラスの縁などの附属品やらを新しい部品で復元します。
このあたりまで来るとほぼ元通りになってきた感があります。

そして最後はワイパー廻りなどの部品を復元して完成。
接着剤を使ってるのでこのあとはしばらく安静にしておきます。
でないと車って走ると意外に車体がねじれてるもんなんですよ。
なので接着剤が乾かない間に走行などしたら接着剤とガラスの間にすきまができて水漏れの原因になってしまいます。

理想は12時間以上絶対安静ですね。

 

というわけでエクストレイルは待ちわびるユーザーのもとへ帰っていきました。

月末に田舎に帰省する予定だったそうでガラスが治らなかったらどうしようとドキドキされていたそうです。
無事走れますよ~

 

 

 

スペーシア スライドドアのカーテン 戻らない

スズキ スペーシア MK32S 平成25年 走行50000㎞

後のスライドドアに標準で装備されてるカーテン。

スズキでの正式名称はロールサンシェードというらしいですが下から引っ張り出して窓ガラスの上部にあるフックに引っかけて日差しを防ぐという装置。

フックから外すと自動的にドアの中に巻き取られて収納される・・が巻き取られなくなって写真の通りでだらんとぶら下がったままになったと言うことです。

ロールサンシェードはスライドドアの内装に組み込まれているのでいったん内装を分解。

内装からロールサンシェードを外してみたら巻き取るためのスプリングが付くべき部分が風化による破損でポッキリ。

部品交換すれば治る,というものですが部品は折れたところだけ設定されて居らず、サンシェードと本体全部で13000円程します。
使う頻度と効果やスペーシアの残り寿命などそのあたりは一考。

スプリングが固定できれば機能は復活するはず、ということで耐久性はどうかなと心配なこともありますが、スプリングの線径よりちょっとだけ太いドリル(1.2㎜くらい)で軸の根元に穴を開けてそこにスプリングの端っこを引っかけてみました。

あとは元通りに組立。組み立てるときに巻き取る力を加えるためこの本体を3~4回転ひねって取付。

無事サンシェードは元の機能を復活してちゃんと巻き取られるようになりました。

材料費+部品代は0円(笑)

うまく「修理」できるときのいうのはこんなものでだめなときはどう考えて交換しかない場合もありますし・・・

しかしこの部分の破損は定番の故障みたいで全国の皆さんがそれぞれそれなりの修理方法で直しておられますね。

このお車の場合引っ張り出したまま青空駐車しておられる車なので条件は不利かなと直感的に思いました、。
戻そうという力が軸に掛かったままで、車内の温度は夏において想像できないくらいの暑さになりますからプラスチック部品にとっては過酷な環境でしょうね。

同じスペーシアに乗って居られる方はサンシェードを収納した状態で駐車された方がこの軸の破損はひょっとしたら避けられるかもしれないなあ、と想像しました。

というわけでスペーシアはユーザーのもとへ帰っていきました。
反対側のサンシェードがちょっと心配・・・

VOXY AZR60 のリフレッシュ

トヨタVOXY(ヴォクシー) AZR60 平成18年式 走行159000㎞

 

息子が子育て車を必要として3列シート車を用立てないといけなくなり、

「どうしたものか?現状は新車の遅延もあって中古車も高いしなあ~」

と思ってたらたまたまお客さんが乗り換えるというタイミングの良い話でVOXYを譲っていただけることに。 じゃあリフレッシュさせるために手入れして乗らせようと着手。

車の現状は管理させてもらってた車で整備歴は完全に把握できてたので、まあまあそこそこ整備したら乗れるだろうと。 なかなか現状は甘くなかったですね。さすが14歳15万㎞オーバー・・・ でも車は生身の動物ではなくとやかく制限が無ければ復活させることは可能、と見本車を作るべく足回りは除いて実用的に子育てが終わる頃まで乗れるよう方針を立ててみました。

まず気付いてたのはエンジンの振動が伝わること。

これはマウントと呼ばれるエンジンを車体から浮かす部品を交換すれば新車の時の静けさが戻るのでこれをするだけでまあ大丈夫かとたかをくくってたのが間違いの始まり。

自分基準で不具合箇所と目があいまくりでとんでもない作業量(部品代)になってしまいました。

通常のお仕事ならばお客さんの予算とかもあるのでどこまで手当てするかを調整しながら最後の最後は泣く泣く見送り,という結末もあったりします。

けれども身内の車となれば判断基準は「自分の満足のため」というヤバい流れで物語は進む・・・

最初はマウントだけのつもりだったのでその為にバッテリー外したりしてマウントへのアクセスを確保。

 

 

ところが運転席のマウント外そうとしたらウォーターポンプから水漏れの跡が。 通常であればここでお客さんに電話して追加作業の相談orしばらく乗れそうなので予算だてしといてくださいね、とお願いをするところなんですが自分で判断するため交換を決定。 交換のためオルタネーターを外すことに。

 

マウント交換のために外した部分は後回し

 

 

このポンプ交換というのが60系のノア・ヴォクシーはエンジンをずらさないと外れないですよね。 でもマウント交換するつもりだったので運転席側のマウントはあっさり撤去してエンジンをずらして交換。

 

 

ポンプを交換したのでこれはサーモスタットをついでに替えよう。

サーモスタット替えるにはラジエーターロアホースを外すので交換。

そうなるとアッパーホースも交換した方がええよね、と言うことでホースを外すとなんとラジエーターが劣化末期・・・・ 黒いはずの素材がこの色になってきたらもう寿命です。

ということでラジエーターおまえもか・・・ 外したら見えない部分も白く変色してきてて気付かず乗り出したらすぐにラジエーターからの水漏れで立ち往生してたでしょう。 気付くことができてセーフ。

 

 

新しいラジエーターが来たので交換。 懸案箇所が1箇所減って安心が増えましたが出費も増えます(笑)

 

 

そこら辺まで作業が進んでやっと最初の計画であったマウントの交換に着手。

 

 

ポンプを替えるために外したオルタネーター。

別に異常も異音もなかったんですが、距離を考えるのともし故障したときの取替作業を考えるとどうしてもこのまま古いオルタネーターを車に戻すのは我慢できずリビルトオルタネーターを発注。

また出費が・・・という横からの非難に耐えて、 「また安心が増えたし作業効率はすばらしく良かった」・・・と自己満足。

 

やっとこさマウント交換、ラジエーターを含む水回り全般、オルタネーター、補機類ベルト、など交換してエンジン冷却水を入れて一段落。

冷却水入れるときは診断機で水温見ながらオーバーヒートさせないよう要監視。 本来の仕事の合間にちょっとずつやってこの時点でもう7日目くらい。

 

 

エンジンオイルやフィルターも交換。

エンジンが掛かって走れるようになったので試運転。

最初に気付いたエンジンの振動は完全に止まってるのを確認して満足。

 

 

走る、曲がる、止まる、は一通り確認できたのでつぎはエアコンコンプレッサーオイルの交換。

スナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルは配管内のフラッシングと同時に古いエアコンコンプレッサーオイルを外に出してくれるので実質的なオイル交換が可能。 透明なコンプレサーオイルが黄色く劣化してるのがわかります。 透明な新オイルを充填。

 

 

15万㎞オーバーCVTのフルードは一度も交換歴がなかったのでストレーナー交換も含めて全量圧送交換。 オイルパン開けて中の磁石に付着してる鉄粉など綺麗のお掃除。

 

 

 

 

交換が終わったらオイル量を調整するのですが、これまたややこしいやり方で交換時に80℃kらいに暖まったフルードの温度を冷まして30℃~40℃の間で測るというとてもめんどくさい方法。

もうちょっと他にやり方ないのかと思いながら自然冷却しか思いついてなかったところYouTubeでスポットクーラーを使うやり方を見させてもらってすばやく模倣(パクるとも言う) こりゃいいですね。 半日かかって冷ましてたのを1時間ぐらいで冷やせますね。

 

あとこのエンジンは燃料噴射の方法でどうしても煤がたまりやすい構造なので吸気管内部をこのケミカル剤を吸わせて清掃。

物理的に清掃する方法にはかないませんが何もしないよりは効果はあるケミカル剤なので施工。 ワコーズさんのRECSよりはエンジン回復が体感できますね。

 

 

そんなこんなでなんとか中古車リフレッシュが完了。

これ以外にも60系の弱点であるパワステギヤボックスのブッシュの劣化があったので対策ワッシャーを使って延命&コストダウン。

このあたりの交換か修理か対策かごまかしか(笑)はその時の状況で選択でしょう。

お客さんとのコミニケーションがしっかりできればリーズナブルな方法を選択することも可能ですね。

復活したVOXYは子ども(つまりは孫)の成長を見守りながらしっかり働いてくれることを願ってやみません。
しっかり働いてね~

エアコン配管内のフラッシングとエアコンガス規定量の重要性

スナップオン社製 カーエアコンサービスステーションを使った修理の依頼が続いています。
みなさん以前のブログ記事を読まれたり、スナップオン社のホームページ上での機器設置店検索をご覧になったりでの作業依頼でご来店いただいてます。
配管フラッシング(配管内の汚れ洗浄や劣化したコンプレッサーオイルの入替)のご依頼であったり、一般のお客さんからの「冷えてるけどパンチがない」というご依頼などなど・・

少し前のノアの配管フラッシング同様、ご同業からのご依頼で今回はアトラスです。
エアコンの3種の神器
「コンプレッサー・リキッドタンク・エキスパンションバルブ」
を交換したけど配管の洗浄もお願いしたいと言うことでインターネット検索からうちのお店を見つけていただいてのご入庫。
高圧側の値が期待したほど下がらないのでどこか詰まってるのか洗浄してみたいと言うことです。
エアコンガスは既に入れてあるのでよろしくと言うことでフラッシング工程の初期段階でまずはガス回収。

すると205グラム
規定量は550グラムなんですけど・・・(笑)
ご同業も「えっそこそこ入れたつもりなんですがそれだけしか入ってませんでしたか?」と驚いてました。

通常のマニホールドゲージだけでは入れたつもりでも測って入れてないのでこんな感じです。
開き直って「入ってるから大丈夫」と豪語されるご同業もちらほら見受けられます(笑)
いやいやそれでは素人さんが例のメーター付きのホースでガス入れるのとたいして変わりませんやん、と思うのですが・・

 

そして本題のエアコン配管のフラッシング

 

出てきたコンプレッサーオイルは250ccほど。
交換したコンプレッサーに入ってた量と元々配管内にあったオイルの量が合算されてるようですね。
オイルの規定量は200ccですからガスだけでなくコンプレッサーオイルの量も規定量ぴったりに合わせることが出来ます。

 

フラッシングが完了したのできっちり計量した新しいコンプレッサーオイルときっちり計量したガスを注入。

 

ご同業さんの期待はフラッシングをすることでエアコンサイクルの問題を消去法で消すことでした。
このアトラスの最終的な結論を双方で診断した結果、

エアコンガスを冷却するためのコンデンサーの内部につまりがあって設計通りの冷却ができていないことによるガスの圧力が高い、

ということで根治的作業をするかどうかは先方のお客さんとの相談になるとのことでした。

 

その数日後、ワゴンR MH23S型 平成23年
「エアコンの効きはこんなもんかな?冷えてるように思われへんけど外の空気よりは冷たい」ということでご来店。
吹き出し口に手を当ててみるとあきらかにぬるい・・

外気温34度で吹きだし温度が27度。
数字で見てもこりゃ冷えてない。

ということでまずはガス量を測定。

 

結果は

規定量の30%しか残ってなかったということでこれはヤバい。
とはいうもののご新規さんでいままでどのような管理をされていたのかは不明で新車から今までの間で減ったものなのかここ最近急に減ったものなのかはわからないので「漏れてる」の判断はこの先になりますね。
お客さんには「この夏だけ冷えて来年の夏に冷えないとかになると修理が必要ですね」とアドバイス。

お帰りの節は27℃の吹き出し温度がアイドリングで13℃になって「冷えてる」と言うことでハッピーにお帰りになられました。

 

 

そして週末
ご新規さんから電話。
「スナップオンの機械があると言うことで純度の高いガスを入れてもらったら冷えるようになるのではと期待してます」
とのご依頼。

それだけではよくわからなかったので現在どういう冷え方ですか?と問診してみると

オーナー
「冷えてるようやけど冷えが足りない」
「ガスは入ってる」

とのこと。

自分
「ガスは入ってると言うことですがそれはどうお調べになったんですか??」

オーナー
「オートバックスで見てもらったらガスは大丈夫。というてた」

自分
「オートバックスはガスの重量を測っての診断ですか?」

オーナー
「ガスは入ってるようですが足りないようだったので少し足しておきましたとオートバックスが言うてた」

まあとにかくご来店ください
ということで作業開始
写真は取り損ねましたが外気温31℃で吹き出し温度が29℃。
日産ルークス(スズキのパレットOEM)

う~ん確かに冷えてませんが直感的にガスが足りないような・・

 

途中省略の結論はやはりガスが残ってませんでした。
なぜか似通った数字ですね(笑)

あとでエアコン用の添加剤を入れる前提で規定量は調整してますがやはり30%ぐらいしか残ってませんでした。

オーナーさんには
「純度の高いガスを入れられるのはこの機械の特徴ですが、それ以前にまずは設計通りのガスの量があってそこを基準に次に純度が効いてきます」
とご説明。

そして

「オートバックスがガスを足したという作業はいったいどんなことをしたのか??」

という笑い話です。

 

このルークスも中古車で購入されてるので以前の修理歴は不明で1つ前のワゴンRと一緒で漏れてるのか自然に減ったのかがこれまた不明。
「すぐに効かなくなるようでしたら本格的な修理が必要です」とデジャブーな説明をさせてもらいました。

このあたり年式のお車はスズキ車を含め各メーカー、室内のエアコンユニット(エバポレーター)からの漏れが多いです。
もしそこが原因であれば7万円オーバーの修理になるので・・・。

 

なかなかエアコンの修理というか故障診断は原因の幅の広いので「どこが悪い?」に対しての答は現車を確認してもあれこれ可能性があって難しいですね。
一つ一つ勉強と経験を重ねていかないと、と常に思っています。

 



カーエアコンステーション エアコン配管 フラッシング

70系ノア 平成23年 走行10万㎞

ご同業のご依頼で

「冷えが悪いのでコンプレッサーやらエキスパンションバルブ(エキパン)などは交換するのでフラッシングをお願い」

ということで入庫です。

バンパーなどは既に外した状態で入庫いただいたので当方にとってはその分作業を省略できるので助かります。
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エアコンコンプレッサーから配管を外してアタッチメントを介してスナップオン社製カーエアコンサービスステーションデュアルに接続します。
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液体のままのフロンガスを配管内に圧力を掛けたり逆流させたり脈動させたりして汚れを洗浄して配管途中にフィルターを設置して鉄粉や異物を取り除きます。
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作動中の液体フロンガスの流れです。

 

 

 

そして作業後のフィルターはこんな状態
一目瞭然ですが上が新品ですね。
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そして回収された配管内のコンプレッサーオイルはこの状態。
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痛んだコンプレッサーなどの部品を交換してそのまま普通にガスを充填しただけならこの汚れがずっと回り続けるわけですからぞっとしますね。
70系ノアのガスの規定量とコンプレッサーオイルの規定量はこうなってます。
225ccが基準で実際の回収されたオイル量は200cc近いですからほぼ全量回収出来たと思います。
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作業後出てくる記録紙
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ツインエアコン車なのでリヤエアコン配管もあります。
その関係もあって実際フラッシング中には2000グラムを越える液体フロンが出たり入ったりして洗い流してます。

そしてこのカーエアコンサービスステーションデュアルのオリジナル機能であるフロンガスの精製装置で洗浄に使ったフロンガスを不純物と分離しまた配管内を流れることで洗浄するを繰り返します。
この機械でないとできない機能です。

配管内を洗浄と聞くと、壊れたときだけ,という風に思いますが,このコンプレッサーオイルの入替、が予防整備に繋がります。
エンジンオイル交換やATフルードの交換と同じようにコンプレッサーオイルの交換がこの作業、として考えるとわかりやすいと思います。

 

エアコンガスを規定量に保つのはもちろん基本です。
プラスアルファーで愛車を末永く乗るためにもこういうエアコン廻りの予防整備もどうでしょうか?

というわけでノアはご同業の所へ帰って行きました。

新しいコンプレッサーを取り付けたあと、そのお店のエアコンマシンをつかってきっちり規定量のガスを充填されて、しっかり働いてくれることでしょう。

エブリイ エンジンの力がない エンジンがガタガタ揺れる

スズキ エブリイ DA64V 平成19年 走行20万㎞
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朝から着信でお客さんからのお話は

エンジンがおかしい

これだけではわかりません(笑)
というわけでじっくり問診するためにお客さん宅へ。
そこでの話は、

・エンジンは掛かる
・動こうとクラッチをつなぐも車が重い
・エアコンを入れようものならクラッチ合わせすらきつい
・取りあえず少し走ってみたが信号待ちで車全体が揺れるほどの振動がある

そこで自分が乗ってエンジンを掛けてエンジンからの声を聞く(笑)
自分自身の「お尻センサー」から伝わってくる振動で

3個ある燃焼室の一つが燃えてない

ということはわかったので代わりの車をおいて工場まで引き取る。

 

エンジンの燃焼室が燃えてない。

基本点検は先人がらの言い伝えでちゃんと燃えるには

良い圧縮

良い燃料

良い火花

もうこの3つに限るという感じ。
まあこのあたりで火花がヤバいというのは薄々感じてるんですが、そうじゃなかったら遠回りしてしまうので基本に則って診断。
入庫したときに排気ガスが臭いので、燃料はエンジン内までは行ってると後回し。
火花を診断するにはカイセ社製のイグニッションアナライザーが使えるので3個調べる。

 

1気筒目
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2気筒目
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3気筒目
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波形の細かい説明は省略で3個の波形が似てるかどうかが判断材料。
明らかに3気筒目が違うのは一目瞭然。
2番目と3番目のイグニッションコイルという部品を入れ替えてみたら入れ替えた2番目が働かなくなる。
だんだん絞り込めてきました。
どうも良い火花ではなさそうなのは間違いない。

 

良い圧縮を確認。
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20万㎞も走ってるので良くはないけど燃焼しない原因までではないので除外。
燃えてない3番目が一番良い値なのはご愛敬。

そんなこんなで点火プラグも大丈夫だったのでイグニッションコイルがお亡くなりになってるのは間違いないと判断。
ついでにエンジンオイルがプラグホールに漏れてたのでそこも同時に手当。
イグニッションコイルがオイル漬けになってたのも遠因かも。
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エンジンオイルはすごくマメに交換してるオーナーさんなので距離にしてはとても状態は良好。
部品が揃ったのでイグニッションコイル×3、プラグ×3、カムカバーパッキン、などなど交換。
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交換後の波形
1気筒目
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2気筒目
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3気筒目
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全てがおおよそ同じ形、というが完治の証拠。

 

ついでにはたらく車のタイヤも交換。
2年、1.5万㎞足らずでこの状態。
よく 「走り・止まり・曲がる」 くるまです。
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エブリイはお仕事するためにオーナーさんのもとへ帰ってきました。
しっかり働いてね~




ガスの不足は圧力メーターではわかりません ダイハツミラ エアコンが冷えない

前回の記事「ガスの量は圧力計ではわかりません」を書いたあとにエアコンが冷えないミラが入庫してきました。
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何となく冷えてるけどとてもじゃないけど乗ってられない、というお話しです。
問診を終えてセオリーに則って診断してみましたが大きな問題や漏れは見えなかったのでスナップオン社製DUALPROを接続してみます。
接続後
おおよそのガスの流れ
を見るための圧力計として使うためです。
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エンジンを掛けてエアコンをオンにして読み取れるのは確かにガスが少ないと言うこと。
ただしこの段階ではどれくらい少ないかはさっぱりわかりません。
その判断は高圧側(右側)の値で読み取っています。
でも低圧側(左側)はいたって「普通」です。
簡易エアコンガスチャージホースのメーターはここを読み取ります。
風の吹き出し部分の温度は16.4℃。
外気温30℃でしたから冷えてないことはないというお客さんの訴えは正しいですけど、これではいつものように冷えてるとは思わないでしょう。
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ガスが少ないのは間違いなかったので規定量をチャージしました。
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規定量320gに対して入っていたガスの量は95g
本来の量に対して30%しか残ってなかったということになります。
これでは冷えないはずですね。
作業後の吹き出し口温度は8.8℃
アイドリングでこの温度でちょっとエンジン回転を上げれば温度センサー限度の7℃くらいまで余裕で冷えるようになりました。
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大事なのはきっちりとガスが規定量入ったときの圧力メーターの値。
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冷えるために大事な低圧側(左側)の値はどうでしょうか?
ガスの量が30%の時は0.23
規定量での圧力は0.19
ガスの量にしたらおおよそ3倍になってるはずですが・・・
この状態がエアコンが設計通りの働きなんです。
圧力だけでは何もわからないことがおわかりいただけると思います。
ガスがきっちり入ってる状態で低圧側の圧力が0.3を越えてくると別の原因でエアコンの冷えが悪くなってくると思います。
圧力計ではガスが入ってなくても入っていてもガスの量は曖昧な判断しかできないのです。
何度も言いますがメーターを頼りにチャージして結果的にガスの入れすぎになるのはエアコンを壊します。
暑い夏を快適に乗り越えるためにもエアコンは確かな整備工場でちゃんとメンテしてもらいましょうね。

DIYでの簡易エアコンガスチャージホースについて

この季節になると毎年「エアコンが効かない」がキーワードで当ブログにもたくさんのアクセスが来ます。
自動車整備業者としてもエアコンが効かないならまずガスをチャージして、それから原因究明、という手順を踏むのでエアコンガスの量を整えるというのは間違いではありません。
ここで大事なのは
ガスの量
量です、重さです。
圧力ではありません。
○○パスカル、一昔前なら kg/cm2 キログラムパー平方センチ とかいうのが圧力です。
我々が気になるのは重さ つまりは g グラムです。
エアコンガスは重さで管理するように決められています。
圧力で管理するのは間違いというか単なる目安です。
なので最近の風潮にはちょっとドキドキしてます。
YouTubeなどでも「簡単にガスチャージ」とか「自分でガスチャージやってみた」とかの動画が最近急に増えました。
そこで使ってるホースがこれです。
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このホースに付いてる圧力計を目安にチャージ、と実際やってる所を動画にしたり、ブログを書いてみたり、みんカラあたりでも散見します。
本当にエアコンをきっちりと働くようにするのなら重さを規定量に合わすことが基本です。
当店ではスナップオン社製カーエアコンサービスステーションという機械を使いますが5グラム単位できっちりの重さのフロンガスを車にチャージします。
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圧力では量れない一例を実際の値を。
日産キューブ
施工前の圧力。
特に冷えに関わるの左の低圧側の値。
ガスチャージのホースに付いてるメーターもここを量ってます。
施工前
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ガスチャージ(充填)量は55g
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施工後
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右のメーター(高圧側) 1.40から1.46
左のメーター(低圧側) 0.21から0.19
高圧側が上がって低圧側が下がってるのがわかるのと思います。
ガスの量が増えたら両方の圧力が上がりそうに思えますがきっちりガスが入ると実際は効率が良くなって冷えに関わる低圧側が下がります。
でも動画などでは0.20ぐらいでガスがたりないので0.30~0.40になるように追加します。
とか言う説明がされてて実際0.35ぐらいになるまでガスを入れます。
はっきりいって低圧側の圧力が0.35もガスの圧力があれば
「冷えません」
それなら施工前の0.20ぐらいの方がましです(笑)
他の例でも
施工前
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ガスチャージ量40g
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施工後
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MRワゴンはあまり減ってなかったのですが高圧側も低圧側の値が増えています。
これはエアコンガスの量がどうのこうのというよりは作業中に周りの気温が上昇していたからです。
気温の上昇が無ければ似たような値になっていたと思われます。
圧力は気温(エンジン廻りの気温)によっても左右されます。
エブリイバン DA17V
施工前
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チャージ量は95gで施工前は規定量の66%しか残ってなかったということになります。
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施工後
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3分の2しか無かったガスがきっちりの量になっても圧力は大幅に変わりません。
これはキャラバン
施工前
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ガスは規定量の80%でした
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施工後
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キャラバンもきっちりガスが入ったら左の低圧側が下がりました。
どうでしょうか?
チャージホースで見る低圧側の圧力は目安にもならず
・ガスがちゃんと入ってるかとか
・どれくらい減ってるので入れたらいいか
とかの基準にはならないことがわかると思います。
ブログとかYouTubeでのやり方をすればほとんどの場合
入れすぎ
になると思います。
エアコンのガスはほんとに足らない場合も冷えませんが、入れすぎても冷えません。
そして入れすぎの場合コンプレッサーや配管とかエアコン機器に重大な損傷を与える恐れが出てきます。
入れすぎた結果の損傷を考えたらむしろ足らない方がいいくらいです。
うかつに、冷えないからガス補充、は極めて短絡的なDIYです。
・ 転けても泣かない
・ 自己責任でお願いします
の一言で自身が許されるのならOKですけど扱う材料が「高圧ガス」ですから扱いは慎重にすべきだと思ってます。

自分自身は自動車の管理は自分でする,ということに対して大賛成派です。
メンテナンスをしながら乗る。
これは機械ものを扱う場合の大原則です。
命を乗せ、他人に怪我をさせないためにもあくまでも「構造を知った上で」というのが前提ですけど・・・・

どうしても自分でガスチャージしたい方はamazonでガス缶と同時にホースを同時に買ってどうぞ(笑)

セドリックは燃料ホース交換 ステップワゴンRG3は燃料漏れ

自動車整備をやってて、作業の慎重度合いのメーターが振り切れるのが燃料系の作業です。
なんといって車両火災のもとになるので作業中及び作業後の最終確認まで気疲れしてヘトヘトになる作業です。
なので心身共に元気な状態で集中して慎重かつ手早く確実に作業します。
平成3年式 31才のセドリックは燃料ホース劣化を心配するユーザーさんのご指示で予防整備。
日頃から車を愛する方のカンというのはさすがですね。
しっかりひび割れしてましたので作業して正解でした。
燃圧を下げるために燃料ポンプのコネクターを外してエンジンが止まるまでそのまま回す。
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燃料キャップを外してタンク内の圧力を下げる
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燃料系作業の下準備の基本はこんな感じですね。
そこからホースと燃料フィルターを含めてエンジンルーム内の部品を交換。
細々とした写真は燃料の漏れを最小限にするため撮ってる余裕がなかったので少なめ・・
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交換後ゆっくりホースを眺めてたらこう言う状態。
交換して良かったですね。
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作業が一段落して、工場内で火事が起こらなくて良かった、と一安心してたら、
「なんかステップワゴンがガソリン臭い」
との一報。
平成19年式 RG3型ステップワゴン 走行は12万㎞ 15才ですね。
ええ!、また燃料系か?と緊張メーターが元に戻って振り切れ。
入庫してもらったらたしかにガソリン臭い。
リフトに乗せてしたから診るとタンクにガソリンが垂れた跡が・・・・
ポンプからのホースが漏れてるのかとセカンドシートの下にあるサービスホールを開けてタンクの上部を見て見たら・・・・
確かに漏れてる _| ̄|○
症例を同業さんやらネットなどで情報集めたりしたらどうもタンクの蓋に当たる部分のひび割れ症状があるみたいで、確認するとキーをオンにするたびに蓋のうえからガソリンがジュワーと出てきてます。
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はい!燃料系2台目確定。
なぜか同じような修理が続けて入庫する定番のパターン炸裂です。
部品屋さんから部品のイラストをもらい「フューエルストレーナーセット」と確定。
部品が届いたので交換。
この白い部分がその部品。
最初はこんな色でも10年超えてガソリンの中に浸かってるとこんな色になるんです。
下部の部品は燃料ポンプと燃料ゲージですね。
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コネクターやらホースやらを組み替えて部品交換完了
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漏れた原因はこのひび割れです
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燃料ポンプを替えたりするとき燃料タンクの上部がでっかく解放されるのでタンク内に異物が入り込まないように緊張するし、開口部がでかい分、作業中も蒸発ガスが出てくるわけですし、開口部にビニール袋+輪ゴムなどを掛けたりしてできるだけ蒸散させないようにはしますがどうやってもこうやっても緊張します。
ガソリンの怖さを見て聞いて知ってますからほんとにビビります。
というわけで2台とも無事ユーザーさんの元に帰っていきましたが自分自身はまだ緊張の糸が緩まず張ったままです・・・
明日はまったりの休息してスイッチ切り替えよう・・・