スズキのブレーキパッドの謎 その2 完結編

前回のスズキのブレーキパッドの謎としてあげた記事がGoogleの記事に引っかかってバズりました。
長いことブログやってますがこんなことは初めてでおかげさんでたくさんの人(ビックリするぐらい)に見てもらえたようです。

そんなこともあって今一度もっときっちり古い品番と新しい品番のパッドのどこがどう違うのか確かめてみました。

結論は

材質や堅さはわかりませんがパッドの形状は微妙に違う

ということがわかりました。
とはいえ形状変更の意味までは??ですね

とりあえず形が違うところを何点か撮影しました。
赤いペイントがされてるブレーキパッドが古い品番 55810-81MB1
こちらから見るとちょっとわかりにくい

反対側から見ると奧が新しい品番55810-74P01のブレーキパッド、手前が古い品番。
新しい品番のブレーキパッドの両端が外周に出っ張ってるという感じ。

上下ひっくり返してこの方向で見ると両端の形状が違う。

新しい品番のブレーキパッドの摩耗剤が全体的にローターの外周側に移動してるという感じ。

 

という感じですね。
なにかしらの改良が行われてるのは間違いないことはわかりましたね。
ではなぜ?ということに関してはメーカーサイドでないとわかりませんよね~(笑)

ややこしいのはどちらのパッドも座金(土台)の形状は全く同じなのでキャリパーに普通に取り付けることができる点ですかね。
ちゃんと型式や年式でどちらのブレーキパッドが正しいのかを確認しておかないとちょうど境目のややこしい年式だったりすると間違ったブレーキパッドを付けてしまいそうです。
その弊害は・・・・わかりませんけど・・・

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スズキのブレーキパッドの謎

うちのお店はスズキの車が好きでお客さんにもできるだけスズキ車に乗ってもらいたいんです。
別にスズキからお金をもらってるわけではなく、昨今の車の状況からいろんなメーカーに対応するより限られたメーカの車を手厚くサポートする方がお客さんのためだと思うようになったからです。
「お車のことは何でもお任せください」
というキャッチコピーで広く薄く対応するだけでは無理があるほど整備のノウハウの掘り下げが必要な時代になってきたんです。
もっと平たく言うと1人で整備をやってる以上、いろんな車は扱いきれないということです。

というわけでスズキ車に囲まれていると幸せを感じるんですね(笑)

とはいえスズキの車の部品を常に在庫して対応、と言えるほど在庫は置いてないんですけどブレーキパッドは数多く走ってる車種の分はだいたい乗用車であれば55810-81MB1という番号のパッドが適合するので持っています。

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それがここ最近、車種で言うとMK53SのスペーシアとかMR52Sのハスラーとかそれら以降の車種は55810-74P01と部品番号が変わっています。

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たまたまその2種類のパッドが手元にあったのでどこが変わったんやろうなあ?と眺めてみたんですが・・・・

どう見てもサイズ・形状共に同じにしか見えない。
その辺にある物差しでおおよそ測ってみたんですが一緒。
なによりも実車にあえて両方のパッドをセットしてみましたがどっちもしっかり取り付け可能。
ローターへ当たる面積も同じ。
面取り角度も面取り量も同じ。

そしたらなぜ部品番号が違うの??
物価高にかこつけて値上げか?
と思ったけれど定価は同じ、仕入れも同じ。

謎だらけでおもしろくなってきました。

そしてもっと不思議なのがパッドに刻印された文字列
NBK SA11A

これも一緒。
刻印のSUZUKIと順番が違うだけ。
このSA11Aの文字列は寸法とか形状を表してるんでしょうか?

あと考えられるのはパッドの摩耗する部分の材質とか堅さとかなんでしょうか?

ブレーキ異音対策でパッドはマイナーチェンジしたりするのは常々ありますがその一環なんでしょうかね~?

ブレーキパッド2セットならべてそんなこと思ってました。
もっとも、メーカーが指定した番号のパッドを使っておけばそれでOKということなんですけどあまりに同一なので不思議に思いました。

あとちなみにスズキの純正パッドは異音対策のシムがセットになってるのでぼろぼろになったシムも一緒に交換できます。
外品のパッドを購入したらシムは付いてきません。
価格差も言うほど違わないのでパッド単体で交換するよりより一層きれいな仕事が出来るのでお勧めです。

あと全くパッドの話題と関係ないですけど、ヤングチャンピオンに連載中の「公道ウルフ」の第10巻が令和5年8月18日に発売されました。
3巻と4巻に背景としてうちのお店が描かれています。
二葉モータースは物語に出てくる「双葉モータース」を応援しています。
ぜひぜひ購入してください!!
以上宣伝でした(笑)

 

–2023年8月22日 追記–
後日じっくり眺めたらパッドの形状がわずかに違うことを発見。
続きはこちらをどうぞ

 

ワゴンR 冷却ファンが原因のエアコン冷え不良

ワゴンR MH34S 平成26年 走行12万㎞

エアコンがほとんど冷えないという事でご入庫です。

冷えない原因はガス不足、と疑いがちですがまずは基本から。

エアコン周りの電源がちゃんと来てるか?
エアコンパネルから指示は行ってそうか?
配管がオイルまみれになってないか?

などなど

エアコンコンプレッサーは回ってるかを見ると回ってる。
エアコン配管を触ってみると温かいとこは温かいし冷たいところは冷たい。
配管を触ってるときに

あれ冷却ファンの音がしない

と。

診断してるときは見るのと同時にいろんな感覚で感じとることができる冷静さが大事かも。

 

診断機を繋ぎ強制的にファンを駆動して見るも回らない。
ハンマーの持ち手をつかってファンをちょっと押してみたらゆるゆると回り出したので原因はここか、と判断。
で、その診断を裏付けるために診断機の冷却水温値を見てみたら普段は85℃~95℃くらいなのに115℃だったのでほぼ確信を得ました。
またこの頃のワゴンRやスペーシアなどに冷却ファンの保証延長が出てたことも頭の片隅にありましたので余計に間違いないと。
ちなみの保証延長は登録から7年走行10万㎞までだったので適合しませんでした。

 

原因がわかったら冷却ファンの交換に着手。
まずはエンジンアンダーカバーやバンパーなど分解。

エンジン側も邪魔になりそうなエアクリーナーケースなど分解

分解が終わったらエアコンガスを回収。
この形式より前のスズキ車はラジエーターを車体下側に引き抜くよう外せたのでエアコン周りの配管はいじることなかったんですが、このワゴンRあたりから(R06Aエンジンあたり)ラジエーターはエアコンコンデンサーを外して前に引き出して外すようになってるのでガス回収は必須です。

ガス回収が終わったらコンデンサーの配管を外していきます。

そしてコンデンサーをまず取外し

そうしたらラジエーターが丸見えになるのでホース周りを外してラジエーターごとファンをはずします。

普通ならここで折り返し地点で新しいファンを付けて・・・となりますが、冷却ファンが回らないまま走っていたのでオーバーヒートさせてる可能性があります。
問診では赤い冷却水温警告灯は光ってなかったとのことでしたが、走行距離や年式を加味してサーモスタット、ラジエーター本体、も予防整備で交換をおすすめして、快諾を得たので作業を進めます。

サーモスタットを交換。
知恵の輪ですね。

そして新しいラジエーターと冷却ファン。
モーターだけ注文しようとしたらシュラウドと呼ばれる導風カバーなども一緒になってるようでひとかたまりで来ました。
保証延長の関係かな??

エアコンの冷えを決定づけるスポンジです。
このあたりを分解したのならば絶対交換すべきですね。
スポンジが風化して隙間の空いた状態での復元はアウトです。

ホース類も劣化してるので同時交換。

コンデンサーを付ける直前のラジエーターです。
銀色がまぶしい(笑)

手の届くところにスロットルバルブが見えたのでおまけでバルブ内部を清掃しときました。
かなりカーボンが溜まってたので走りが変わるはず。

全ての組立が終わったら冷却水を注入して圧力を掛けて水漏れ検査

エアコンガスを規定量注入して試運転

この日の外気温は34.1℃

エンジンや他の箇所にエラーコードが記憶されていないか確認。

試運転帰ってきてエアコンの吹き出し口温度を計測。
アイドリング状態でこれだけ冷えれば合格ですね。

新規のお客さんでうちではこのワゴンRを見るのは初めてだったのですが、ちょうどスズキの愛車無料点検期間中だったので車全般をいろいろ点検。
発電機をまわすベルトに亀裂が見つかったのでご報告。
後日再入庫頂くということです。

分解前に回収出来たガスは170g。
この時点で冷えが悪い状態だったのは間違いないですね。
そして不足分150g足して規定量320gを充填(じゅうてん)

そして交換したファンがどんな廻り方をしてたかショート動画にしておきましたのでご参考に。
電源につないだだけではまわらず、ちょっと指で補助してあげたらそれなりに回るという感じ。
とはいえもっと全速力で回らないといけないはずなのでやっぱり「お疲れ様でした」という状態ですね。

これでこの夏もしっかり冷えた車内でワゴンRに乗ることができるでしょう。
2年乗れたら良いとおっしゃってましたが調子よくなれば愛着がわいて「もう2年」となるのは自動車修理屋さんあるあるです・・・・

初代アルトワークス 18回目の車検

いまだに動態保存してる初代アルトワークス。

この世にアルトワークスとして発売開始された初代モデルです。
72ワークスとも呼ばれたりもします。
排気量は550cc。

昭和62年式ですから36歳。
この度18回目の車検。
うちに出入りする新車や部品屋さんの営業さんたちはワークスより若い人が増えました(笑)

記念撮影代わりに作業中の写真をブログにあげときます。

前のブレーキ。
この時代からちゃんとディスクブレーキです。

エンドレスのパッド。
まだ手に入るのかな?

ピストンの錆は避けたいので注油を念入りに

後のブレーキ。
軽自動車で後の車軸に割ピンを使ってる車はほんとに見なくなりました。

何回か車検以外でもブレーキ廻りの作業でブレーキフルードを入れ換えてますので最低でも18回以上のフルード交換。

消耗品は都度交換してるのでローテーショ的にギヤオイル(ミッションオイル)の交換をしようと抜いたらビックリの色です。
以前交換したのが10年くらい前で、走行距離にしたら3万㎞ぐらい。

んで整備マニュアルを見ると、この頃のマニュアルミッション車のメーカー指定交換距離は2万㎞・・・
昭和のあの頃の基準はこうなのか~と時代を感じました。
それよりも「まだ3万㎞か」とたかをくくって交換してなかったらあかんやん、という話です。
交換してよかった。

リヤシートのノブが風化して割れて行方不明になってました。
もうさすがに部品なんか製造廃止やろうなと思いつつ問い合わせてみるとまだ出ました。
聞いてみるもんですね。


令和5年7月から車検期限を示すシールを貼る位置のルールが変更になりましたので所定の位置に張ってみましたが、ガラスの面積が今どきの車に比べて小さいのでシールがでかく見えます。

ご老体なので長距離の走行は控えてますしあんまり頻繁に動かすわけでも無くバッテリーには不利な状態です。
屋根のあるガレージ保管で太陽には当たらないので、ガレージの屋根にモーターボート用の全天候型ソーラーチャージャーを乗っけて、そこから配線してコネクターで接続。
乗るときにコネクター外して乗る、という運用をし始めてからいつでもセルモーターは一発でなおかつ電圧計は規定値上限で乗ることができてます。

部品が手に入らない箇所の故障が起こらないことを祈りつつ末永く動いてほしいもんです。

E12ノート ニスモ エアコンの風が冷えたり冷えなかったり

ニッサン ノート ニスモ
型式 E12 走行4万㎞ 平成28年式

通勤用のノートで連絡いただいた第一報では、

仕事帰り炎天下に駐車後乗るとエアコンの風がいつもよりぬるい。
A/Cボタンを押してコンプレッサーを切ると明らかに冷えないので冷やそうとはしてると思う

とのことでした。

入庫するまでいろいろ原因を推測。

・ 冷えないからエアコンガス漏れ?⇒数ヶ月前に車検してエアコンガスもきっちり規定量入れた。
・ コンプレッサーのマグネットクラッチ不良?⇒それなら冷やそうとしてると思うというオーナーさんの表現とは一致しない。
・ 温度センサーの誤動作⇒自己診断でわかるかも

などなど頭の中のカンピューターはいろいろ提案しますが、実車を見るまでのいつもの推測祭り。
この期間が結構辛かったりします。
思いも寄らない原因やったら探すの大変やろうな~と不安ばっかり・・

というわけで入庫しました。

入庫したときには冷えてました。
ノートなどの日産車は車自体に自己診断機能をもってるのでまずそれを使ってみると異常はありません。
制御系統は実際診断してみるとそれなりに動いてそうです。
コンプレッサーもしっかり動いてるしなにより低圧側のパイプはキンキンに冷えてますので冷やす機能はちゃんと動いてそうで念のためガス圧も診断しましたが大丈夫。
じゃあなぜ冷えないか、ぬるいか、を考えると冷風と温風の割合を制御するエアミックスドアあたりかなと推測。
根拠はないけどそんな予感がしたので、一度エアコンパネルで温度をフルホットに、風量最大で温度を下げていくとぬるい風になったままに!

やっぱりここか

整備マニュアルとみるとエアミックスドアを制御開いてるアクチュエーターは足元

どうやら動こうとしてるんですが力がなくて風圧にまけてるようでした。
ほぼ断定できたので部品を注文。
部品番号の末尾がAからBに変わってますね。
27732-3VA0A から 27732-3VA0B
その下の数字はきっと製造年月日

整備士は部品番号が変わってるとなにかしら安心する習性があります(笑)
きっと不具合が重なったから改良されてるんだ、原因はこの部品に間違いない!!
となるのです。

そして交換はビスを2本緩めて交換するだけ。
念のためフルコールドの状態で一度外してきた部品の軸の位置を確認。
同じ位置だったのでそのまま交換。
場所がずれてたら初期化とかいろいろありそうだったのでその気配もなく無事作業完了。

最大風量でもしっかり冷風が出るようになりました。

これでこの夏も冷気全開で過ごせそうです。

さて定番の「壊れた部品の中身を見よう」のコーナー(笑)

残念ながら今回は見ただけではどこが不良なのかわかりません。
接点が不良になったのかモーターが力不足になったのか。
構造的にはとてもオーソドックスなエアミックスドアアクチュエーターの構造をしてます。

原因がいまいち絞り込めなかったのは残念でしたが一件落着!

セドリック ブロアファンが時々回らない

Y32セドリック 平成3年式

エアコンの室内ファン、ブロアファンが時々回らなくなると言うご一報をいただいてましたが、なかなか故障の再現性が無くしばらく乗ってもらってましたが、いよいよ症状が確実に出るようになって、最大風量で無いと回らないという状態でご入庫。
正直故障の状態が目の前で見られるというのは整備するものにとって最高のプレゼント。
診断して故障を手当てして元に戻ったということが確実に判断できるのでありがたいことなんです。

さて入庫してもらったので診断開始。
事前に故障事例などを調べていましたが「回りっぱなしになる」という症例が結構あり、原因はファンの回転を制御する半導体部分にあると言うこと。

今回はちょっと症状が違うので自分としては半導体部分なのか「どうかな~?」という不安がいっぱいでした。
モーター側が悪くなってるということも考えられますし、回れという指示を出すコントローラー側に問題があるのかもという状態でした。

電気的な流れは
回れという指示 ⇒ 半導体 ⇒ モーター
という順番なのでそのあたりからチェック。

またオーナーさんは予防整備に理解あるのと、旧車なので部品があるうちに替えといて、というお気持ちだったのでまずは症状が出始めた頃にその半導体部分とモーターを購入されていました。
良くても悪くても部品交換できる状態にしていただいたのでほんとにありがたい話です。

診断してみるにしてまずモーターをはずさないと点検すらできないのでそのあたりを分解します。

整備書には「ビスを4本外してアンダーカバーを外しモーターを止めてるこれまた4本のビスを外して分離」と1行で書いてある。
そうなのか、と着工すると自動車整備あるあるで、アンダーカバーの残り1本がエンジンコンピューターの影に隠れて外せない・・・・

コンピューターを外すところからか~、と作業を進めます。

外れたコンピューターをそ~っと置いておく。
振動与えたところで壊れるような代物では無いですがどういうわけか慎重になる(笑)

ここまできてやっとモーター本体まで到着。
あとビス4本でモーター分離できそう。

モーター外して単体テスト。
モーターは元気に動くと言うことで次は半導体。

外すとこんな形の部品です。

半導体からの出力をテスターで見てみると最大風量の状態で無いとモーターに電源から電気が行かないと言うことがわかったので原因はここにあると判断。
普通ならこの時点で部品発注、という手順ですが今回はもうすでに部品が手元にある!
これは地味にうれしい(笑)
モーターも新品があるのであとは復元するだけ。

復元後、テストすると1~4速の全ての状態でモーターが回りました。
やっぱり半導体が原因、と一件落着。
モーターは部品がなくなる前の予防整備ということで。

これでセドリックは大阪の暑い夏に耐えてオーナーさんお役に立つことでしょう。

ただこのセドリックはエアコンガスがR-12という初期のガスでガスチャージなどはこれまた別な問題として考えないといけないんですよね。
旧車を維持するにはほんとに大変な時代になりました・・・

公道ウルフ 第10巻 発売決定

いろんなご縁があって背景にうちのお店は出てきますし、作者の野口賢先生も当店においでになりましたが、いよいよ公道ウルフ第10巻発売決定だそうです。
40~60代あたりの昭和の車好きにぜひオススメの物語。
見たことのある、そしてなんなら乗ったことのある車がいっぱい出てきて物語との距離感がとても身近な物語ですよ。
二葉モータースは劇中の双葉モータースを応援していますw

(画像は野口先生のTwitterからお借りしました)

ノートe-POWER ハイブリッド車 エアコンガス規定量にします

ノートe-POWER 車検で入庫でしたがエアコンサービスステーションデュアルによる規定量充填サービスの様子です。

ハイブリッド車は電動コンプレッサーなのでPOEという種類のコンプレッサーオイルを使っています。
これまでのコンプレッサーオイルはPAGという種類のコンプレッサーオイルでした。
何が違うのかというとPOEはオイルが絶縁性能が高いのです。
電動コンプレッサーはオイルの絶縁性が重要でPAGオイルを使ってはいけないのです。
混ざると故障の原因になるのできっちりとオイルを分けて使う必要があります。

規定量は500gですが冷えをより一層よくする添加剤の缶の中に25gガスがあるのであらかじめその分を引いて475gに設定してあります。
そしてノートから回収されたガスの量は335gで500gから計算すると165g減。
登録5年目のノートで30%ほど減ってることになりますね。

全ての作業が終わった後に圧力チェック。
この圧力でガスの流れ方を推測できますが圧力チェックする大前提が
「ガスが規定量入ってる」
ことなのでガス量を合わさずに圧力チェックしても全体像はつかみにくいんですね。

お客さんにお渡しする控えです。

作業前は9.9℃でしたが作業後は7.5℃まで冷えました。

ハイブリッド車のエアコンガスはコンプレッサーオイルが混ざらないようにしなければならなかったのでカーエアコンサービスステーションデュアルを導入するまではうちのお店では対応できなかったんですが設置されてからは活躍してくれてます。

コンプレッサーの種類が2種類、なおかつ最近はエアコンガスも新しくなり2種類のガスが混在するので4種類の作業方法が必要なんですよね。
(厳密に言うとガスはもう1種類あるのですが数も減ったので今回の話題からは割愛)

大阪の夏はエアコン無しでは車に乗れませんよね。
冷えが??というときはまずはエアコンガスを「規定量」にしてそこから次のステップを考えましょうね。

規定量に合わせたあとより一層冷えをよくする添加剤も用意してます。
もちろん添加剤もPOE対応の添加剤でないといけませんのでnitec製のNC-200を使います。

ブレーキ踏み間違い解除 アイアクセル

日本特殊陶業っていう会社知ってますか?
我々自動車業界に暮らしてる者からするとすぐに「点火プラグのNGKやん」と連想できます。
割と有名な会社です。

でも一般の、特に関西の若い人になると

NGK=なんばグランド花月

となってしまうみたいです(笑)

 

まあそれはさておき、そのNGKが代理店となって販売する商品に「アイアクセル」というものがありまして「ブレーキ踏み間違い解除装置」なんです。

こないだNGKさんから営業さんがおいでになり、ひととおり説明を聞かせてもらいました。

これがなかなか凝った動きをする商品でちょっと感動的な動きをします。

ある一定の閾値を超える踏み込み=ブレーキとアクセルの踏み間違い、が起こるとアクセルペダルを踏んでるレバーが戻り、同時にブレーキペダルを押すレバーが軽くブレーキペダルを押す、と動作で暴走を止めなおかつ停車させる、というのです。

動画も撮ってみました。
ちょっとブレーキペダルを押す部分がわかりにくいですが・・・・

取り付けには講習を受けて認定されたお店でないとだめみたいです。
1人で営業してる当店は「2級整備士2名以上在籍」という基準を満たしてませんので・・・
基準が緩和されたのなら講習受けようかなと思います。

——————-
暴走事故について自分なりにはこう思ってます。

アクセル踏み間違いというのは昨今かなり大々的に報道されるようになったりして社会問題化してるようです。
ただ個人的な見解は、
「事故が起こるたびにでかでかと取り上げるのは高齢者に免許返納を促すための世論作り」
のように思えてなりません。

マスコミの論調は
「歳を取って車に乗るから踏み間違えて暴走する」
と言う感じですが、業界におる自分が思うのは
「年齢のせいでは無くその人それぞれの運転技量」
だと思ってます。

たしかに歳を取るとなにかと反応速度が鈍くなったり、とっさに判断できない、とかはあると思いますが、当店をごひいきにしてもらってるお客さんたちを見ると
「運転うまい人は歳を取ってもうまい」
が結論です。

一律に70歳がとか75歳がとか年齢による制限では無くきっちりと個々の運転技量を測る制度を作った方がいいと思います。
そのうえで技量が落ちたなら返納勧告や強制的な返納命令もありだと思います。
もちろん認知症が進んだ、も運転技量の中に含まれますよね。
個々に技量を判断というのは判断する側からするととても大変な仕事量になると思うので理想論かもしれませんが少しでもそういう形になっていけば良いなと思っています。

参考までにアイアクセルのページを置いておきます。
アイアクセルのNGK(販売元)公式ページはこちら
アイアクセルの英田エンジニアリング(製造元)公式ページはこちら

ダイハツ ミライース LA350S ベルト交換

ダイハツ ミライース LA350S 平成30年式 走行約11万㎞
車検で入庫しました。

ウォーターポンプの交換が必要でしたのでその過程でのベルト交換の部分。
ダイハツのこのあたりの車はミラにかかわらずほぼ一緒なのでは?と思います。

オルタネーターの上と下のボルトを緩めます。

オルタネーターとウォーターポンプを駆動するベルトは調整式。
エアコンベルトは調整機構無しのストレッチタイプ。
オルタのベルトは調整機構を緩めて外して、ストレッチベルトは切断するか、外す工具を使って物理的に外します。

外すのは汎用工具でスパッと外れるので楽ちんです。

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ベルトを取り付けていくときのの張りは、たわみ量が〇ミリという時代はほぼ終わっててスズキ車もダイハツ車も取付は張力計を使うという整備マニュアルになってますね。
ま、この方が「これくらいか~?」という曖昧さをなくして確実になおかつ早く仕事が出来ます。

 

張力計に打ち込む値もきっちり整備マニュアルに記載されています。

 

張力計を使ってオルタネーターの張りを見ながら取り付けます。
決められた値を張力計に入力

 

ベルトをギターの弦のようにはじいて張力計のマイクに聞かせると・・・
張りの強さが値となって表示されますので規定値に合わせてボルトを締める。

オルタネーターの上と下のボルトは50Nmくらいの締め付けトルクです。
こういう部分もトルクレンチ使った方が結果的に自分が安心できるので一手間余分ですけど使います。

 

エアコンコンプレッサーベルトを取り付けるときは汎用では無く専用工具を使った方がベルト痛まなくていいです。

 

ちなみにこのSST(特殊工具)はダイハツ純正のもの
値段は忘れましたがそんなに高くなかったのでオススメです
部品番号はこれ
取り付け工具付きのベルトも販売されてますけど・・・

今回はこれ以外にウォーターポンプの交換がありましたがそのあたりは割愛。
ポンプ替えるにしてもオルタネーター交換にも必ずベルトの脱着は必要となる作業ですね。

ポンプとかいろいろメンテナンスを受けたミライースは通勤の足になるべくオーナーさんのもとへ帰っていきました。
いつまでも調子よくオーナーさんの役に立ってほしいものです。