スズキ アルト ワゴンR スペーシアなどのフロントブレーキキャリパーオーバーホール作業

現車は日産ピノ つまりはスズキのアルトです。
平成19年式 走行65000㎞。
車検で入庫ですが以前からオーナーさんが整備時にはフロントブレーキのオーバーホールを希望されていたので作業しました。
1年前にフロントバッド交換とローター研磨は終えているので今回は割愛。
それ以外の消耗品に手を入れていきます。
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キャリパー取り付けボルトを2本緩めたら(このときは取りはずない)ブレーキホースとキャリパーとつないでるバンジョーボルト(ユニオンボルト)と呼ばれるボルトを外してホースを分離。
外すとブレーキフルードが垂れ落ちるので洗濯ばさみ式のフルード止めで垂れ落ちを回避。
外す前にブリーダーを緩めながらブレーキペダルを目一杯踏み込んで木材などでそのまま固定する方法でもOK。
但し作業中ブレーキランプは光ったままなのでそれに対する手当は必要かも。
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ホースが外れたらブレーキキャリパーを外してオーバーホール作業へ。
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まずピストンを抜くためにボルト穴からゆっくりエアガンでエアーを吹き込みます。
ピストン側にはウエストか段ボールとかゴム板などを用意してピストンに傷がつかないように。
なおかつエアーの入り具合でピストンが大砲の弾のように押し出されてきますから指を挟まないようにしないと危険です。
できるだゆっくり・・・
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抜けたピストン。
キャリパーシールが接してるところは黒いはちまきが。
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ピストンが抜けたブレーキキャリパー
摩耗したシールゴムとブレーキフルードが混じり合った状態です。
これ見たら2年に1回ぐらいはブレーキフルードを交換した方がいいに決まってる、と断言できます。
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シールゴム類を外していきます。
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この一本の輪ゴムでブレーキフルードが外に出てこないわけでディスクブレーキを設計した人はすごいなと感心します。
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キャリパーをきれいに清掃して組立開始。
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スズキはシールとピストンのセット部品を注文してもシールだけを注文してもさほど金額に差が無いので、うちではピストンごと替えます。
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組立方は整備士それぞれ自分のやり方を持ってますが自分はエアを吹き込むこの方法。
内部のシールリングをセット。そしてダストブーツをキャリパーにセット。
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ピストンをダストブールの上に置く
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ピストンを押さえながらフルードの穴よりエアを吹き込む。
するとアーラ不思議(笑)ダストブーツが膨らんでピストンに巻き付きます。
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そのままピストンを押し込んだらセット完了。
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この方式を始めた頃はなかなかコツがつかめませんでしたが一旦習得すると一番短時間で作業できます。
ま、人それぞれ慣れた自分のやり方が一番早いとは思いますが・・・
ピストンが入ったらなめらかに出たり入ったりするかのテストをして(これは結構重要)キャリパーは完成。
あとはせっかくオーバーホールしたのでパッドスプリングなども新調。
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スライドピンブーツも新品に。
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ブレーキパッドをセットしてオーバーホールしたキャリパーを取付。
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ブレーキホースを取付。
このとき2枚のガスケットは必ず新品にしましょう。
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ホースが繋がったらこぼれたブレーキフルードをクリーナーで洗い流して完成。
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これをもう片方も同じ工程を繰り返してフロントブレーキキャリパーオーバーホール作業は終了。
最後は配管内のエア抜きを兼ねてブレーキフルード交換まで。
実際の整備作業はこれ以外にもちろん後のブレーキメンテも。
そして補機類を駆動するベルトなども交換しました。
それ以外の消耗品類はオーナーさんが自己管理されているので当店ではここまで。
予防整備を兼ねた作業を重ねられているピノ(アルト)はほんとに快調です。
これでこそ自動車整備の見本のようなお車です。
お手伝いさせていただいてる当店も気持ちよく納車できます。
日本中の自動車がこう言う整備で快適に走って欲しいと常々願っています。

スズキキャリイDA16Tのベルト交換

スズキキャリイ DA16T 平成25年 走行距離5万㎞
車検でご入庫。
距離はそこそこですが8年目なのでベルト交換。

16系キャリーからエンジンがR06Aに変わったのでベルト交換は17系のエブリイとだいたい一緒になりました。

まずはゴムのプロテクターを外します。
別に外さなくても作業はできますが6㎜のボルト3本なので手元が明るくなるので自分は外します。
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ベルトを覆ってるカバーを外すのですが配線とコネクターが2本通ってるのでまずはそれを処理。
青いコネクターを外して配線止め3箇所カバーから外します。
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そしてグレーのコネクターがカバーの真ん中あたりにあるのでこれも外します
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そして外した配線2本を右上の方にでも退避させときます。
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配線が外れたらカバーを止めてるナット2個とボルト一本外して時計回りに90度回転させて下に引き下げると外れます。
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見えてるのが水ポンプとオルタネーターをまわすベルト。
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16キャリイのエアコンベルトは調整が必要のないストレッチベルトです。
外すときは汎用の脱着工具で外れます。


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オルタネーターを回してるベルトの方はテンショナーの左側にアジャストボルトがあるのでテンショナーを左に動かせて緩めて取ります。
テンショナーの真ん中のナットを緩めて、アジャストボルトを右回転でねじ込む方に回すとアジャスターが左に動きます。
普通に右ネジです。
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外れたベルトと新旧比較
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このベルトは来た道を逆に戻って取り付けて張力を音波張力計で合わします。
アジャスターの真ん中のボルトは
「着座した位置から80°から100°緩めてアジャスターボルトで調整する」
とマニュアルに注意書きがあります。

2023年6月 追記
真ん中のボルトを締め付ける方法が新たに通達されてます。

手順① トルクレンチを用い、40N・mで締め付ける。
手順② 12角の工具(ソケットまたはレンチ)を用い、腕が垂直に近い状態でボルトにかける。
手順③ 工具に合わせ見やすい位置にマーキングをする。
手順④ ソケットまたはレンチをボルトから外し、1角分反時計回りに回転した位置でボルトにかける。
※12角の1角分は30°である。
手順⑤ マーキングの位置まで増し締めする。

つまりは40Nmで締め付けてあと30度角度締めということですね。

念のため張力計データーを書いときます。
音波式張力計U-507のインプットデータ
MASS:75.0
WIDTH:1.0
SPAN:274
ウォータポンプ/ジェネレータドライブベルトの張力
音波式張力計U-507使用時
新品時:650~750
再調整時:475~575

オルタネーターのベルトが付いたら次はエアコンのベルト。
取り付けるときに特殊工具が必要です。
どんな車でもそうですが取付にはその車種固有の工具を揃えた方が早く綺麗に確実に取り付けることができるので結局それの方がベルトを傷めたりしなくて楽に取り付けられると思ってます。
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この特殊工具はスズキの部品ルートで手に貼ります。
部品番号は 09991–07420 です。
そんなに高くないので揃えておいた方がいいと思います。

そしてカバーを取り付けてコネクタ2箇所、配線止めクリップ3箇所を復旧。
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これでベルト交換完了。

モコ MRワゴン セルボ ワゴンR オルタネーター交換の方法

今回作業したのは日産モコ 平成20年式 MG22S
スズキだとMRワゴンでMF22Sあたり。

セルボのHG21Sとかもだいたい一緒の構造ですがとにかくオルタネーターを摘出するのに単体では物理的に無理な構造になってます。

整備士さんによりそれぞれ方法は持って居られると思いますが自分はリヤマウント外しが一番近道かなと思います。
マフラーをずらさないで済むのでエキマニとフロントパイプのボルトを緩めなくていけます。

ちなみの当方の地域は雪は振らないので4WD車がどうなるのかはわかりません。

オルタネーター交換の方法はこんな感じです。

タイヤを外します。
この時点でオルタネーター交換なのにどんな作業するのかという感じですよね。
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どう見てもドライブシャフトを外さざるを得ないのが見えてきます。
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とりあえず上からオルタネーターのアジャスターあたりを緩めていきます。
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そして前後してますがバッテリーのマイナス端子を外しましょう。
オルタネーターの配線を外すのですから基本中の基本ですね。
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ドライブシャフトを抜くのであらかじめATFは抜きましょう。
ちなみのこのATはドレンボルトがないのでレベルゲージから「上抜きで抜き取る」のが床を汚さないですよ。
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オルタネーターとエンジンの結合を解いていきます。
支点のボルトを緩めますがフレームと当たって抜けないので、支点となってるアルミブロックも3本のボルトを外さないといけません。

外れたら支点のボルトを抜いて、バールでアルミブロックとオルタを分離ですね。
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このとき使うバールは先端の角度が調整できるプライバーという工具が何かと便利

とりあえずオルタネーターをそこらに載せておいて(笑)ドライブシャフトをミッションから抜く準備。

足回りのナックルをずらしてシャフトを抜きます。
事前にATFを抜いてるのでミッションからはこぼれてこないはずです。
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ナックルを外すときは磁石式のキャンバーゲージを取り付けておくと最後に組み立てて復旧させるときに元のキャンバーに戻せるのでアライメントのずれを抑えることができます。

そしたらリヤのマウントステーを外します。
エンジンを下から支えないとエンジン落ちてきます(当たり前)

フレーム側にマウント本体は残しておいてマウントステーだけを外した方がいいでしょう。
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ボルトを7本外したら待望のステー分離ができます。
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このステーが外れたらいとも簡単にオルタネーターの抜け道が完成して難なく摘出完了。
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今回もリビルト品のオルタネーターを使います。
当店では信頼の置ける日産部品販売ルートの「グリーンパーツシリーズ」を使っています。

星の数ほどあるリビルト屋さんから迷いながら発注するよりメーカールートの信頼性と不具合が起こったときの窓口一本化のためです。
価格は高めですがやり直すリスクやお客さんへの信頼確保には失敗できませんからね。

リビルト品の不良による二度手間の作業はほんとに泣きたくなります。

取りあえず新旧そろい踏みで記念撮影
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あとは来た道を元に戻って作業完了。

そしてモコは通勤のため待ちわびるユーザーさんの元へ帰って行きました。
末永くはたらいてね~

ラパン K6A+CVTタイプのフルード交換

スズキ ラパン HE22S 平成22年式 走行115000㎞
ブログを見てご新規で来店されました。
エンジン始動時に助手席側でうねり音が聞こえるのでCVTフルードを交換したら少しは低減されるのでは、と言う期待と、中古車で購入されたのでご自分で維持管理を開始するに当たり消耗品をリセットしたいというご希望もあるとのことで着工です。
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このラパンはスズキがK6Aエンジン+CVTという組み合わせで短い期間で採用されていたレアなCVTミッションです。
スズキがオートマチックミッションから無段変速機に移行する過度期のお車です。
(いまはR06AエンジンとCVTの組み合わせが主流です)
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オイルパンの清掃もご希望だったので外して内部を清掃します。
このミッションはオイルパンが液体パッキン(液体ガスケット)で取り付けられているのでネジを外しただけでは分離せず、ガスケットを切り離したりショックを与えたりして外さないといけません。
なので専用のカッターを打ち込んで分離していきます。
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無事外れました。
液体式ガスケットはめんどくさ~い(笑)
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ストレーナーも外しました。
このタイプのCVTはこのストレーナーがどの車と共用されてるのか情報が入手できなかったので交換ではなく清掃して取り付けることにしました。
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液体パッキンを使った部品の修理の一大イベントは古いパッキンをどのようにして取り除くかにつきます。
時間も掛かりますし、中途半端な清掃では取り付けたあとに液体類が簡単に漏れてくるので【早く・きれいに】をモットーに作業しないといけないですね。
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清掃に仕方は整備士それぞれでみんなそれなりのやり方というを持っています。
自分はカッターやササッパーを使ってあらかた取り除いて真鍮製の回転ブラシを電動ドライバーに取り付けて取り除く方法をやってます。
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まあこれくらいにいといたろ(笑)
と言う段階。
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清掃ができたら新たに液体ガスケット(液体パッキン)を塗って元に戻していくのですが、塗るのも一定な幅できれいに塗らないと漏れの原因になります。
指でひたひたと塗る整備士さんも居られますが自分はメーカーが塗るように一本の線で塗りたいのでチューブ式ではなくエアゾール式のものを使ってます。
塗ってるところとミッションに取り付けるところを動画にしました。
塗るときの緊張しますが一番緊張するのは取付の時ですね。
他の部位に触れないように慎重に押しつけてボルトを付けていきます。

使ってるエアゾール式の液体パッキンはこれです

 

割と均一に濡れてはみ出し量が一定な仕上がりに自己満足(笑)
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オイルパンの取付が終わったらパッキンが乾くまでしばらく放置します。
一定の時間をおいてパッキンが乾燥したらトルコン太郎を接続します。
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最初に抜けたCVTフルードの分を補充してから交換スタート。
1回目を圧送交換したあとでもまだまだ鉄粉なり摩耗粉がフルード内を泳いでいるので2回目まで施工しました。
その様子は以下の動画でどうぞ。

2回目の圧送交換が終わった後、右側のクリーナーモニターが透き通ってるのが見えると思います。
左側が新油です。
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あとはトルコン太郎を切り離し、CVTフルードの量を規定値に合わして作業完了。
試運転しましたが変速がなめらかになったのは肌で感じました。
聞こえる音がミッション固有のもなのか経年劣化によるものかは判断つきませんでしたが、「故障」した時の音ではないように聞こえたのでしばらく乗ってもらうしました。
あとはユーザーさんが期待するうなり音の低減が達成できればOKですね。
この度は当店のご利用ありがとうございました。

スズキのソリオなど リコールのリコール

スズキの普通車(ソリオとか)のエンジン制御プログラムの不具合でアイドリングストップ後の制御に問題があると言うことで先日制御プログラムをバージョンアップするというリコールが発表されウチでも数台施工しました。
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が、そのバージョンアップ(自動車業界ではリプログラミング略してリプロ)プログラムにまたまた不具合があるという失態をやらかしてしまい「リプロのリプロ」状態になってしまいました。
作業的にはスズキ専用の診断機を接続してプログラムを書き直すと言うだけなのですがお客さんにとっては手間が増えたことになりとても残念です。
ということでさっそく2台ほど作業しました。
対象車種はこちらのページから
ソリオ、スイフト、イグニス、クロスビーの改善対策について|スズキ
1台目は前回のリコール作業をした車両でバージョンは0004から0005ですね。
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もう一台は前回のリコール作業を受けてないうちにまた新しいのが来たという手間が1回のある意味ラッキーなお車(笑)
バージョンが0001から0005に上がりました。
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こう言うのを見てると自動車もパソコンの親戚になってきてるのがよくわかります。
機械ものなので不具合となると部品交換、と言う時代を経て今やプログラムの書き換えという作業が普通に行われるわけです。
また書き換えることで現れていた不具合が治ったりするわけですから昭和なおっさんは「すごいな~」と感心します。
スマホでも本体ソフトの書き換えとか言うお知らせが来たりします。
自動車業界でささやかれてるのは、こういうバージョンアップ作業がWi-Fiを使って書き換えが行われる時代がすぐそこまで来てる、ということ。
ナビ画面に「バージョンアップのお知らせ」とか言う文字列が表示され、おうちのガレージや走行中に携帯電話網の電波を使って自動的に書き換えが行われたりするようになるのではないでしょうか?
裏返しに、自動車の走行データーを自動車会社に吸い取られると言うことも普通になるんでしょう。
工事用の建設機械あたりではもう既に世界中で働いてるユンボの稼働状況などは会社に送信され、それを基にメンテナンスの指示が出るとか出ないとか・・・
スマホのデーターなんかどんどん吸い上げられてる時代ですから、個人情報ガー、なんていってられない時代です。
それよりも利便性を優先する社会になってますからね~
この先の自動車の進歩を考えるわくわくしてきますね。

キャリイのISCV・ECU交換など12月の総集編

12月って年末でなんか追われるとかいいますが、自分的には昔から普通の月末に連休があるって言う感じなんです。
4月から5月にかけてのゴールデンウィークと同じですね。

いつの頃からか「年末だから掃除」というのもなぜこんな寒いときに掃除をするのか?と思ってからやめて、3月とかちょっと温かくなってきた頃にするようにしてます。

「節目」というのは大事なのかもしれませんが毎日寝る瞬間が節目なんでそれもあんまりけzじめに感じません。
「月末」と言う節目が12回目=年末で、すぐに次の月が始まりますよね・・・

さて12月は前半はまったりでこのまま12月は終わるのかと売上的にも戦々恐々としてましたが、10日過ぎくらいからなにかしらせわしくなって今日に至るという感じで後半が気付くと28日でした。
そんなわけで個別ネタをブログに書くのもついついおざなりになったので総集編。

ニッサンエクストレイルのアウターハンドル交換のため内装を外して、
「今の車はビニールを貼ってなくてガラスを上げ下げする装置と蓋が一体化してるのか?」と驚いてみたり・・・
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同じようなパターンでヴィッツのパワーウィンドウモーターの交換。
ドアの内部は、こんな感じで大きな穴はビニールで塞いであって修理の時にビニールを外したりずらしたりして修理、と思ってたんでエクストレイルはびっくり。
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仕事が終わってくつろいでるときサンダーバードを見てて、ロケット太陽号の発射ランチとニューヨークのエンパイヤステートビルを動かすマシンが使い回しと言うことを見つけて大はしゃぎ。
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中古車屋でお客さんが買ってきたMRワゴン。
買った直後からオルタネーターをまわすベルトがスリップしてて朝一壮大な異音が鳴ると言うことで買った先の中古車屋さんに伝えるとちょこちょこっと診て「別に悪いとこ無いですよ」と帰ったとのこと。

それでうちに来てくれて診断したらベルトだるだる。
スズキのK6Aエンジンは「張りすぎか?」って思うくらいが適正な張り。
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ビシッと張ってるように見えてスリップしてるからこんなにベルトの削りカスが・・・
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同じようにベルトを交換するヴィッツ。
エンジンを車体にぶら下げてるエンジンマウントという部品を外さないと取り替えできない構造。
ぶら下げてる部品を外すんですからそのままだとエンジンが落ちます(笑)
外す前にエンジン支えてからマウント外す。
これが結構な手間=お客さんが払う工賃に跳ね返ります。
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ハスラー MR41Sの一部リコール出てます。
排気側バルブコントールソレノイドの交換。
整備要領書ではバンパー外すとなってますが知恵と工具があれば何とかバンパー脱着は回避。
無事交換完了。
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スチールホイールのホイルキャップから日光が当たる部分だけの錆。
他の自動車屋さんは
「気になるから簡単な補修をやってるで」
と教えてもらったのでチャレンジ。
確かに見栄えはいいなと二度感心。
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ポルテもCVTフルード交換、オイルパン洗浄&ストレーナー交換。
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ポルテあたりのトヨタ車でエアコンの内外気切替のダンパーが古くなるとねちゃねちゃして張り付いてしまい、内気になったまま動かなくなるので対処。
へばりつく部分のワセリンを塗って張り付かないようにしてみた。
部品替えてたらきりが無いので知恵で対抗。
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スズキのキャリイ DA63T。
アイドリングを調整するバルブ(ISCV)がショートしてコンピューターの基板まで巻き添えにしてコンピューター交換までになってしまうという割と有名な故障。
コンピューターそのものやバルブは中古品を必死の思いで捜索。

オーナーさんの日頃の行いが良かったので万に一つの巡り合わせで手に入って高額な新品部品を使うことなく修理完了。

捜索に時間掛かったけどリーズナブルに修理できて喜んでもらえました。
んで研究のため痛んだコンピューターを開腹。
診断通りの回路のトランジスターが焼けてました。
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ほんとはこのトランジスターを1個交換できればこのコンピューターは復活するんですけど、
・トランジスターに型番が書いてない
・どんなトランジスターを使ってるかを解析
・解析できたら入手方法を
・さて最低何個から買えるのか、
など調査が必要。

きっとその道の猛者とネットワークが繋がれば何とかなるのかもしれません。
コンピューターのケースそのものも開腹したら復元が結構辛い構造でもあるので今回はここまでにしときます。

あとこれ以外に27才のスカイラインのマスターシリンダー交換とか。
「部品があってよかった」
が最近のトレンドかも。

なんせ昨今は古い車の部品はすぐに製造廃止、手に入る予定でも納期未定とかざらにあります。

自動車部品も物不足が直撃してますから思いもかけず修理期間が延びる可能性があちらこちらに。
そんなときでもオーナーさんの日頃の行いが良ければ偶然が重なったりして、振り返ってみれば「よかったよかった」で全て丸く収まりますよ(笑)・・・

ハスラー CVTストレーナー交換 オイルパン洗浄のみコース

今回の題材のお車はスズキハスラー 平成26年式 MR31S 走行役11万㎞
「AT 多段式自動変速機」
「CVT 無段変速機」
が今の自動車の変速機の主流です。
これらの変速機は変速機として作動するために油圧を利用するので○○フルードと呼ばれる液体を使います。
この液体はおおまかにいうと
・油圧を伝える作動油という性能
・ギヤやらベアリングなどための潤滑油という性能
・内部の汚れを包み込んでしまう清浄剤という性能
などなどを兼ね備えた成分となっています。
その液体はほとんどの日本車メーカーは交換不要という扱いをしてきました。
いまでもトヨタ車を筆頭に整備要領書などに無交換となってたり、必要に応じて交換、など原則交換しなくて良いというスタンスです。
同じような感じで普通車のエンジンオイルはだいたい15000㎞ごとの交換、とかいてあります。
軽自動車ではその半分くらいかな。
しかしこの数字は環境問題とかメーカーとしての廃棄物を減らす観点であって、実際エンジンを作ってる設計者たちはそんな距離では機械が持たない、と思ってると聞きます。
昔からこの変速機のフルードは「無交換」という文字列を整備士たちは人それぞれ解釈していろんな考えをもっています。
ある人は
無交換と書いてあるんだからそれでいい
違う人は
エンジンオイルでもショベルカーの油圧オイルでもエンジン冷却水でも劣化しない液体は無いのだからどこかの段階で交換が必要
といいます。
自分でもエンジンオイルで15000㎞ごとはないやろう、とも思いますしブレーキフルードなども2年以上交換せずに乗るなんて、と思いますがそうじゃない整備士もいます。
なので自分的にはメーカーがいう自動変速機・無段変速機のフルードは無交換というのはメーカーの立場上のそういう目線で見た結果なのではという思いがあります。
設計者たちは替えて欲しいのでは??と。
昨今YouTubeなどでもフルード交換推奨という情報が飛び交ってます。
どれだけきれいに入れ換えるかを競ってるようにも見えます。
職人としてみるときれいに入れ換えるのは本望なので賛同します。
しかしきれいに入れ換える=コストも掛かるということでやたらめったら費用の負担を押しつけるのもなんだかなあ、と思ったりもします。
理想とする作業と現実の費用とのバランスを釣り合わせて提案するのも我々の仕事だと思ってますので、今回はバランス型のお仕事をしました。
というのも変速機の中も使ってると金属の摩耗粉やらクラッチ(自動変速機にもクラッチはあります)の摩耗粉がたまってきます。
やはりそれらは定期的に排出してあげた方が機械としてはいいと思います。
その排出するという事を前面に押し出して費用をできるだけ掛からないようにしました。
まずはフルードを抜き取り用のボルトを外してフルードを先もって抜いてCVT(無段変速機)の底を外します。
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これがその底板。
鉄粉などが貯まってます。
またその貯まった鉄粉が再度液体内に戻らないように磁石が設置されててゴミがひっついてます。
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変速機のなかも鉄粉などがついてるのでパーツクリーナーで軽く洗浄しておきます。
まんなかの四角い奴はメインのフィルターなので交換します。
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底板もパーツクリーナーで洗浄
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磁石もドロドロなのできれいにします。
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スズキのお車やらニッサンの一部車種などジヤトコ製の無段変速機はこの部分にももう一つフィルターがついてますので交換します。
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小さなフィルターですが真っ黒です。
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そしてコストを掛けるならこれらを終えた段階で全てのフルードを圧送交換しますが、ユーザーとの相談でこの部分のコストを抑えることにして「抜けた分だけの新油補充」にしました。
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フルードの全量入替にこだわらずとも日常生活用に使ってるお車であれば、維持費も大事な要素となってきますので妥協点として「不純物の排出」だけでも変速機のメンテンナンスとしては成り立ちます。
どこまで車の投資するかはユーザーさんの車に対する「愛」の大きさですからユーザーさんごとの希望と我々が「したい作業」のバランスが釣り合うところが最高の整備だとずっと思ってます。
このハスラーはずっとメンテをお任せいただいてます。
いろいろある方法を駆使して「まだまだ動いてもらわないと困る」、というユーザーさんの期待の応えて行きたいと思います。

スカイライン トルコン太郎でATF交換

ニッサン スカイライン ECR33 平成6年式 走行約7万
たぶん一度もATFフルードを交換してないとのことでリフレッシュの一環で作業しました。
ATフルードの交換は昔からその是非が永遠のテーマで整備士によっていろいろ考えがあります。
否定派は交換することでミッション内の環境が変わり故障の原因になる。
肯定派は劣化しないフルードは無いのだから新鮮なフルードを維持するのはメンテの基本。
それぞれ昔から討論されています。
あと費用対効果の討論とか・・・
うちとしてはお客さんが望むのであればOK
交換した方がいいですよ|、と「勧める」スタンスでは無いという立場をキープ。
そしてするならできるだけ交換率を上げ確実に入れ換える。
お客さんが希望されるならオイルパン内部の清掃とストレーナー交換まで。
というスタンスです。
また密閉式でフルードチェンジャーを接続するためのアダプターが必要な車種はまだ対応してないという状態です。
スカイラインはラジエーターへの配管があってそこにチェンジャーを割り込ませることが出来るので早速スタート
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まずは8リットル交換でセット
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接続後エンジン始動。
スカイラインのミッションの中を循環してるフルードはこんな色合いです。
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圧送式により古いフルードを回収しつつ新しいフルードを押し込んでいきます。
右のガラス管の中が回収されつつある古いフルード
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左のガラス管は新油が流れています。
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表示パネルの左は回収されてる量。
右は送り込まれている新油の量ですね。
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8リットル入替が終わった直後の状態。
左が新油、右が現在ミッションの中を流れているフルードです。
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流れてるフルードのアップ。
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もう少しきれいにしたいなと言うことで4リットル追加で交換しました。
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合計12リットル入れ換えたあとの状態。
もとのフルードの比べたら新油と遜色ないぐらいきれいになったのでここで終了。
交換前
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交換後
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さてさてフルード交換終わったら油量をきっちりレベルに合わせて試運転。
変速がかなりスムーズになったと感じましたが普段乗ってるユーザーさんならもっと詳細に変化を感じとってもらえるでしょう。
何やら最近の日本は古い車に載ってると税金が高くなったり、部品の供給が過去に比べて早く打ち切りになったりと、「とっとと新車に乗り換えろ」という見えない、しかし強力なパワーに押されてしまってて寂しい限り。
愛着のあるオンリーワンの自動車を部品がないので修理できない、と泣く泣く手放すケースが多く見られます。
その都度ワンオフで部品を手作りしてもらって維持するのもひとつの方法ですがコストが掛かってしまい現実的な修理方法ではない、と言うケースが大半です。
まだ作ってもらえるならましですがそんな方法も取れないほうが圧倒的に多いです。
新車を作り、売る、ことで経済が回ると言われたらそれまでですが・・・
答はどこに・・・・

ちょっとした凹みが水漏れの原因

トヨタウィッシュ GZE20 平成21年式 11万㎞
車検でご入庫ですが受け入れ問診の時に
「ここヘコませたけど修理は必要??」
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と聞かれ
「年式も年式ですし塗装も割れてないのでこれにお金を掛けるなら消耗品に廻したらどうでしょう??」
とオススメしました。
整備ではオルタネーターのワンウェイプーリーが痛んでたり、ゴム周りの経年劣化による部品交換もそこそこ年式相応の費用が掛かったので鈑金修理は結果的にしなくてよかったなぁ、と思ってたんですが最後の車内清掃の時に大どんでん返し。
バックドアあたりの小物入れスペースを清掃しようと床板開けたら水浸し・・
「え~いつから??どこから??」と
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でも直感で「まさかあの凹みから??」
カンは当たりました。
このささやかな凹みのおかげでパネル同士の隙間が出来てそこから水が浸入したようで、隙間にパーツクリーナーを吹き込んだら室内に出てきました。
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裏側から見るとつじつまが合います。
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見た目の隙間の大きさからシーリング材で埋められる、と判断したので処置しときました。
なにげに軽く考えてると思わぬ展開が待ってるという教訓を得ました。
またひとつ経験値が上がりました。
毎日に勉強です……

トヨタ アリオン RAV4 信号待ちで室内からコトコト音が鳴ってるのが聞こえる

トヨタ RAV4 平成12年式 距離7万㎞
車検でご入庫です。

入庫時の問診で、お気づきの所は無いですか?とおたずねすると
「走ってるときは気にならないが信号待ちしてるとどこかで何かがコトコト鳴ってる」という話。
それ以外は別に異常を感じてないと言うことでいざ着工。

気になるのでまずは音を確認するために試走。
最初は内装部品の劣化(もう21歳)やエンジンを支えるマウントとかの劣化かな?と思ってましたが信号待ちで聞こえてきました。
シャカシャカ、コトコト、カタカタ、あたりの音。
またなにかしらエアコンの吹き出し口の温度が高いか低いかのどちらかに偏ってることを発見。
そうなると「はは~ん、あれか」。
というわけで帰って早速その部品を見てみると
本来指示された位置で止まらないといけないのにずっと動いてる。

この部品は各社呼び方は違いますが、エアミックスサーボとかエアミックスアクチュエーターとか。
トヨタの場合正式名称は「エアミックスダンパー」
内部の接点の摩耗により変な動きをするようになります。

この接点の摩耗ですが室内温度が高かったり低かったりすると設定温度に近づけるために目一杯回転します。
そして室内温度が設定温度に近づいてくると微調整に入ります。
この微調整してるときの幅が小さい上に細かく移動するため接点の同じ場所が摩耗してしまうんです。
この構造を持ってるモーターはメーカー問わず起こる故障です。
交換後中身を見て見ます
故障してるエアミックスダンパー
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外して単体にしました。
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爪を数カ所外して分解
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この回転するギヤの黒い部分が金属で出来た接点です。
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この黒い部分を接写していくと一部黒い金属が摩耗して土台のプラスチックの色になってるのがわかります。
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色が変わってない部分でも接点が触っていたところが摩耗して溝になってるのがわかります。
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接点の金属部分が無くなるため結果的に接触不良が思ってる状態になるため、自分の回転位置を見失ってしまうわけです。
ネットなどのDIY記事を見ると、接点についてるグリスが原因で接触不良になるのでグリスを清掃して組み直したら治ったというのが結構ありますが、接点の消耗についての記述がないのでたぶん再発します。
根治させるには交換するのが最良の方法です。

もっといいのはこのギヤ部分だけ単体で部品が出たらリーズナブルな修理方法を選べるのですが、残念ながら部品設定はありません。
新しい部品の動作状態の動画です。
ピタッと所定位置にに止まります。

音も無くなりエアコンの効きも快適温度になるのが早くなりました。
車検にまつわる作業も標準的な消耗品
ブレーキフルード
エンジンオイル
オイルフィルター
点火プラグ
エアコンフィルター
ワイパーゴム
冷却水強化剤
などなどで終了。

RAV4はオーナーさんの元へ元気になって帰って行きました。